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スクウェア・エニックス、「Unreal Engine 3.0」のライセンスを獲得
次世代機時代のゲーム開発プロセス強化のため

1月25日発表

 株式会社スクウェア・エニックスは、1月25日、米Epic Gamesのゲーム開発専用ミドルウェア「Unreal Engine 3.0」のライセンスを獲得したと発表した。

 「Unreal Engine 3.0」は、ゲームエンジンビジネスの先駆けとして知られ、全世界で圧倒的なシェアを持つ「Unreal Engine」の最新バージョン。「Unreal Engine 3.0」の発表そのものは2004年とかなり古いが、マルチスレッド化、マルチコア化、次世代機といった技術進化の波を乗り越え現在に至っている。現在の位置づけとしては、PC、PS3、Xbox 360といったHD水準のグラフィックスを実現したプラットフォームにすべて対応したハイエンドミドルウェアということになる。

 定評の高いリッチなグラフィックス表現を筆頭に、物理エンジン、モーション、AI、サウンド、ネットワーク、ゲーム開発フレームワークまでトータルサポートできる機能を備え、次世代機のデモンストレーションにはたびたび利用されてきたことでも知られている。

 同エンジンを採用した代表作は、Epic GamesがXbox 360向けに発売した最新作「Gears of War」。先行する欧米では300万本(米Microsoftの発表)の売り上げを記録し、日本でも1月18日に発売されたばかり。サードパーティー製の採用事例はまだまだ限られているが、これからが旬のゲームエンジンだ。

 スクウェア・エニックスでは今回の採用の理由について、「ゲーム開発の複雑性、多様性、高精細性をふまえ、新世代のゲーム開発プロセスにおいて品質向上と開発効率を両立させるため」としている。

 今回のリリースでは特定のタイトルや具体的な使い方は挙げられていないが、採用事例として可能性が高いのは現在プレイステーション 3向けに開発が進められている「ファイナルファンタジー XIII」や、Windows Vista向けに開発されている次世代MMORPGなどが挙げられる。しかし、「FF XIII」ではすでに「White Engine」と名付けられた自社開発エンジンで開発が進められていることが発表されており、次世代MMORPGに至ってはまだ影も形も見えていない。

 いずれにしても、自社開発ミドルウェアとの棲み分けはどのようになるのか、また「Unreal Engine 3.0」の採用により、同社の開発体制にどう変化するのか、結果としてどのような新しいエンターテインメントが提供されるのか、引き続き今後の動向に注目していきたいところだ。

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/
□「スクウェア・エニックス、米エピック・ゲームズよりミドルウェアを導入」のプレスリリース
http://www.square-enix.com/jp/company/j/news/2007/download/release_070125.pdf
□関連情報
【2006年5月9日】スクウェア・エニックス、E3プレスカンファレンスを開催
PS3、Wii向けの新規タイトルを複数発表、「FF XIII」はPS3向けに、「DQ」最新作はWiiに投入
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060509/e3_sqex.htm
【2004年5月20日】3Dゲームファンのための「Unreal Engine 3」講座 Ver.2.0
2006年以降の3Dグラフィックスはこうなる!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040520/3due3.htm

(2007年1月25日)

[Reported by 中村聖司]



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