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特別インタビュー

ネットワークプレイの詳細など、さらに進化した「リッジレーサー」像に迫る
PS3「リッジレーサー7」
左:小林賢也氏
 株式会社バンダイナムコゲームス「リッジレーサー7」ディレクター

右:寺本秀雄氏
 株式会社バンダイナムコゲームス「リッジレーサー7」アソシエイトプロデューサー



 株式会社バンダイナムコゲームスがプレイステーション 3発売と同時に送り出した、もはやハードのローンチの風物詩ともいえるレースゲーム「リッジレーサー」シリーズ最新作「リッジレーサー7(RR7)」。本作のアソシエイト・プロデューサーである寺本氏と、ディレクターの小林氏にお話をうかがう機会を得た。早速、完成した「RR7」の魅力を語っていただこう。


――まず、「RR7」の見所についてお2人に話を伺います。今回はオンライン部分の進化が目覚しいように伺えるのですが?

小林 世界中のプレーヤーが集まってレースをする、というところまでは前作である「RR6」でできました。その上を目指すにあたってスタッフでいろいろ考えていたのですが、そこから出てきたのが、「誰かが1位になるだけではなくて、協力プレイを入れてみたらどうだろう」ということですね。そこで「ペアバトル」や「チームバトル」が出てきて、タイムアタックでも「ペアタイムアタック」を入れたのですが、これがまず1つありますね。

 それと、「このモードに入ったらオンライン」ということでなくて、オフラインモードでも「常時接続感」というか、世界とつながっている感覚をより出したい、というところから「ワールドコネクター」という構想も出てきたり、「ヒーローインタビュー」という構想も出てきましたね。

寺本 あと、「プラグインユニット」の中身も、オンラインバトルがらみで……

小林 オンラインバトルで楽しめるような特殊パーツである「プラグインユニット」は、「カスタマイズ」の考え方とオンラインバトルの両面から出てきたアイテムですが、基本的に「RR7」での強化要素はいろんな構想が平行して出てきたという感じですね。

寺本 「RR6」を踏まえたということもありますが、「リッジレーサーズ(RRs)」でワイヤレス対戦に初めてトライして、「通信で対戦する」という状態を当たり前としてチームが開発できたというか、「慣れた」というか……その経験が大きいのかな、と思いますね。アイデアもたくさん出てきましたし。それを短い期間でぶち込みまくって(笑)。

――いつものように短かったんですね(笑)

小林 そうですね(笑)。

――カスタマイズを見ると、パフォーマンスチューニングは思ったより大胆にセッティングが変えられるな、と思ったのですが?

小林 まず、「パーツを変更することで結果がよくわからない」ものにはしたくなかったんですよ。シンプルでわかりやすくて、結果が明確によくわかる「リッジ」らしいチューニングの方向にしたかった。それと、「ニトロ」がありますので、そのバリエーションもできるだけ多くしよう。オンライン上の自己アピールの面でも、エクステリアもいろいろ変えられるようにしようということなんですけれども。

 たしか、「RRs」でのインタビューのとき「走行性能が変えられると面白い」という話があったと思うのですが、お客様からもカスタマイズやチューニングに関する意見が多数あったので、今回チャレンジしてみようかな、と。

――チューニングできることで、それぞれのマシンのポテンシャルチューニングや、コース設計などにも影響が出ると思うのですが……難しくなかったですか?

小林 どうなんだろう……それほど突拍子もないところまで持っていかない幅で調整したつもりですが、たとえば、“「RAGGIO」はドリフトタイプがダイナミックなので、マイルドやスタンダードで走ってる僕には使えない”とあきらめていたユーザーさんに、もう少し扱いやすくする、といった方向でチューニングの幅を決めています。

寺本 エクステリアのパーツのバリエーションも、5つのメーカーがあって、それぞれのスタイルを持っているという設定で作られているので、メーカーによる統一感も出ていると思いますし、「あのメーカーと契約すれば、こっち方向のテイストに振っていける」といった感覚でつかんでもらえると思います。だからわけのわからないことにはならないと思いますよ。

――エクステリアに関しては、その5つがはっきりと違った方向に区別されているのは面白いと思いました。それに、カラーに面白い効果のあるものもありますね。いわゆるマジョーラカラーのように角度によって変化するものが(笑)。

寺本 差がはっきりしている方が個性を出しやすいですしね。

小林 オンラインでの自己アピールという点もありましたし、車両スタッフからも「ぜひこのカラーは入れたい」ということで、全部ぶち込んでしまいました。「オンラインバトル」の部屋に入ってからも、「マシンコネクター」に入って変更できるので……。これが大変でした。「オンラインやっている最中にあんなメニュー入れるなんて……」なんてスタッフから怒られちゃいましたけど。常に通信しながらという形で、メニューも複雑な遷移を行ないながら、パーツが変わったらその情報をプレーヤー同士でデータを送りあったりしなければならないとか、結構複雑なんですけれど、コースでセッティングを変えたいとか、マシンごとにセッティングを変えたいといったニーズがあると思いますので、それに応えられる仕組みにしようと。開発中は大変でしたが(笑)。

寺本 これはなかなか真似のできない領域に到達できたと思います。


■ オンラインとオフラインがシームレスでつながる「RR7」のコンセプト

――オフラインでは、「RR6」の「ワールドエクスプローラー」から、「リッジステイトグランプリ」へと進化しましたね。

小林 オフラインでのメインモードは、寺本からの提案だったんですが、「リッジステイト」という架空の国があって、それを基点に、オンラインもオフラインもつながるような、全部の中心になるような国を作ってしまおうと。もともとは「RR6」のときに、オンライン対戦のときに、部屋を作って世界中の人たちが集まるじゃないですか。これはバーチャルですが、世界中の人が集まって戦う場所ですよね。これをより具現化してしまって、その仮想の国に、収録されているコースが存在して、そのどこかにはパーツメーカーなどもある。レースの主催団体UFRAというものもあって……。その世界の中でユーザーの皆さんが遊ぶ、という体裁にしようというのは開発のかなり早い段階で決まりました。それと連動して、世界観を演出するものとして、メニュ画面の下にリッジステイトのニュースが流れたりとか……。

寺本 そこで「メインのグランプリがあるなら、メーカー主催のレースがあってもいいよね。UFRAという団体は、別途シングルレースもやっていたりするんじゃない? そこではすごくお金が稼げたりするよね」……と世界を構築していって、「裏世界みたいなものがあってもいいんじゃない?」という話が出てきて。一気に決まったという感じですね。もちろん詳細なところまではかなり時間をかけて作っていますが。わかりやすくしたかったんですよ。

――そこからFPやクレジットの概念も出てきたんですね。

小林 その国でレーサーとしての頂点に立つ、という筋道が決まった時点で、「そうしたら当然、富と名声が必要だよね」という話が芋づる式に出てきましたね。オフラインの世界だけじゃなくて、「オンラインで素敵なことをすると、プレーヤーが名声を得るという流れはどうだろう?」という話がでて、オンラインでホストをしたり、グローバルタイムアタックでゴーストを添付すると名声がもらえたり……と広がっていったイメージです。

――たとえば、すごい走りをしたプレーヤーにほかのプレーヤーが投票する、といったアイディアはあったりしましたか?

小林 ありましたね。カスタムマシンをどこかで展示して、プレーヤー同士でかっこいいと思ったらマシンにボタンをポチっと投票すると、プレーヤーに名声がプレゼントされるとか。それに、かっこいいと思ったマシンの設定をコピーできるようにしたりとか……という夢の広がる時期もありましたね(笑)。

寺本 あれは実現したかったね(笑)。

――組み合わせはかなりの数に上るわけですからね。

寺本 コンテストという形ではないですが、ゴーストデータを見ることで、お国柄やプレーヤーごとの個性は発揮できるし、それを見ることもできますからね。

――話は変わりますが、PS3での開発はどうでしたか?

小林 その質問が一番困るんですよね(笑)。すごいハードだと思いました。プログラマはビジュアルスタッフの様子をはたから見ていたり、感想を聞いてみると、やっぱり扱うのが大変なんだろうな、という感じはしましたね。PS2の初期に似ているんじゃないかと思いますが……PS2も現時点ではこなれてきて、「これ、本当にPS2なの?」というタイトルが出てきていますけれども、そういったハードになるんじゃないのかな、という印象ですね。

 それと、オンライン機能が標準装備されていて、HDDが最初からついているし、ついていない人がいない、というのは開発しやすかったですね。インストールを前提に考えられたり、細かいですがゲームデータを保存する場所といったものもHDDを前提に考えられたので、ソフトの設計はしやすかったです。

――今後、ダウンロードコンテンツなど、ゲームがリリースされた後、「RR7」の世界はどう続いていくんですか?

寺本 基本的には無料のレースイベントのリリースと、ステッカーのリリース、そして「RR6」のときもやりましたけど、有料のBGMのリリースをやっていくつもりです。今後コンテンツを増やしていくのはこのあたりですね。今回、オンラインのゲームのルールがバリエーションも増えてますし、カスタマイズもありますから。タイムアタックもカスタマイズセッティングの研究で相当遊んでもらえるんじゃないでしょうか。そういった意味でも相当長く遊んでもらえるタイトルになっていますよ。

 ヒーローインタビューは日々更新されていきますし、日本、北米だけでなく来年欧州でもPS3が発売されますから、ヨーロッパのプレーヤーが参入してきますよね。彼らのプレイも楽しみですし。「RR7」に入っているものは、僕らが作ったROMの中に入っているものだけじゃなくて、プレーヤーの皆さんが作ったタイムアタックのゴーストデータや、ヒーローインタビューのコメントだったりといったものも「RR7」の世界の1つなので、これからプレーヤーの皆さんが作ったデータが増えていくというイメージですね。これがどういうことになっていくのかな、という……。

――オンラインゲームでは、ユーザーの皆さんのコミュニティから発生するイベントもありますし、メーカーが主催するレース大会とか、カンフル剤的な要素のイベントがあったりしますが?

寺本 今回、PLAYSTATION Networkの枠組みの中で考えていますから、そういった大会などはあまり考えていなかったところがあります。

小林 今、提供されているネットワークの仕組みでやれそうな楽しいことを作り続けた結果、こんな状態になっているというイメージです。

寺本 それも「リッジレーサー」の持つ、ハードのベンチマーク的な、ハードの能力を使い切るといったコンセプトの一環ですよね。SIXAXISもそうですし、1,080pで60fpsというのもそうですし。その一環でオンラインでどこまでやれるか、ということですね。

小林 フレンドにメッセージでゴーストデータが送付できるんですよ。

――おおー!

小林 メッセージにゴーストデータを添付して、ローカルにダウンロードして友達と一緒に走ったりとか、リプレイデータも送付できるので、鑑賞してもらったりもできますね。やらなくてもいいんですけど、仕組みがあると聞くとやってみたいなあ、ということがありまして、実現してみました。

――対戦も14台になりましたね。

小林 そうですね。最初はどうなることかと思いましたが。企画ではわからないことなんですが、プログラマ、背景スタッフ、車両スタッフ、通信も含めて全員の努力の賜物ですね。

――「オンラインバトル」ではゴールの後にもう一度リザルトが出ますね。

小林 まずそれぞれのローカルでの暫定リザルトが表示されたあと、データをやり取りして、確定したリザルトを表示するようになっています。ゴール付近でなんらかの遅延があった際などに食い違ってきちゃうので。

――こう見てくると、まだまだオンラインレースゲームの可能性は広がっていきそうですね。

寺本 そうですね。家庭用ということで考えると、協力プレイができるものはそう多くないと思います。ただレースする、ランキングを見るぐらいなら、PS2でもできてますしね。これから「こういった遊びもできるんだね」という発見もあると思います。

――プレーヤーの方々がどう遊んでくれるのかも楽しみになってきますね。

小林 僕らも楽しみです。

寺本 リッジステイトグランプリとオンラインバトルがシームレスであることも、ほかではなかなかないことですしね。「この対戦で勝ったら、あのマシンが買える!」っていうのは結構楽しみだと思うんですけどね。

――そういえば、車の値段設定はどのように決まったんですか?

小林 設定したのは僕じゃないんですが、リッジステイトグランプリでそれまでにクリアしているであろうレースから、オンラインでのプレイ頻度を予想して、そこから算出した値がベースになっています。お金の概念は入れてますが、あまりに不必要なお金稼ぎを必要とするようなバランスにはしていません。普通に進めていくだけで自然に手に入るような形にしていると思います。あまりきっちり決めてしまうと一本道になってしまいますしね。


■ 「RR7」は「RRs」からの流れの集大成的な作品

――そういった意味では、「RRs」からの「リッジ」の集大成的なものになっているといっていいですね?

寺本 そうですね。「リッジレーサー」がもともと持っていた魅力に、小林を中心とした現在の開発チームが「RRs」から培ってきたものが合わさって、ひとつの集大成的なものになっているといっていいと思います。

――表現の幅が広がって旧来の480iとの落差がある分、映像の調整などは難しくなったんじゃないですか?

小林 絵作りもそうですが、テキストの表示などもそうですね。HDにあわせて詳細なものにするとSDでは見えなかったりとか……取捨選択は大変でしたね。PSPみたいにすべてのプレーヤーのモニタが統一されているわけではないですし。

寺本 たとえFULL HD出なくてもコースのエレメントが減るわけじゃないですからね。解像度の繊細さはもちろんFULL HDの方が上なんですけど、今までのSDのテレビであっても今までになかった映像が楽しんでもらえると思います。

――ほかに、「RR6」などから進化してる部分としてはどこがありますか?

小林 今回は直線でドリフトしてもニトロゲージはほとんどたまらないようになってますし。

寺本 そこは「RR6」でプレーヤーの皆さんからお叱りを受けることが多かった部分でもあるんですよね。

――それはコーナーのRに対して、たまる、たまらないが決まるようになっているということでいいんですか?

小林 そうですね。純粋にその時点でのコーナーの曲率を算出して、ためられるニトロ量を出していくという仕組みです。直線でもちょっとだけたまりますが、「RR6」のように劇的にはたまりません。

 特にタイムアタックの上位のゴーストを見ると「ちょっとやりすぎちゃったかな……」という反省もあったんです。「RRS」の時は、「早く美しくドリフトすればニトロがたまる」ということで、まずドリフトがあって、そこからニトロが派生して、それでより早く走れてドリフトを……という循環関係になったんですが、その中でアルティメットチャージという仕組みができてきたんですが、「RR6」ではそれをより明確に落とし込もう、という目標があってああいう形でシステムを実装したんですが、結果、「美しく早く」というところからはずれてしまったかなという反省がありまして。「RR7」では「美しく早く」ドリフトした人が早いという形に戻しています。

――ニトロのチャージや使い方にバリエーションを持たせることで、遊びの幅が広がりましたね。

小林 押している間だけ使える「フレックスニトロ」とか、まるで別のゲームのような感覚になると思うのですが、それだけ幅があるということで楽しんでいただければと思います。

――オンラインでも試行錯誤があったりすると、コーナーでの渋滞模様に変化がありそうですね。

小林 いろんなニトロでオンラインを遊んでもらえると思います。それから、「RR6」では高速でドリフト中に後ろから激突されたとき、ニトロゲージがグワッと増えることがあったと思いますが、あれもかなり軽減しています。ヒットしたときの挙動を作り直していますので。とにかくスタートで先頭に立てば、後はうまくブロックしているだけでニトロがたまるといったレース展開にはならないと思います。

寺本 グラフィックスの変化といった表の部分だけでなく、壁にヒットしたときの挙動だとか、地味に調整しなおしている部分も込みで「RR7」になっているんですよ。

小林 今回、スリップストリームもありますので、追いつける手段も増えていますし。

――スリップストリームを前面に出してきたのはどういった理由ですか?

小林 コーナーはドリフトのコントロールをはじめやることがいっぱいある割に、直線はプレーヤーがやれることはまっすぐ進むしかないじゃないですか。そこがあまりに寂しかったので、直線でもプレーヤーが考えて楽しめる遊びを入れたいな、ということでスリップストリームが出てきたんです。

 とくにコースによっては、ニトロをトリプルで使えるように、ということでストレートが多いところもあるんですよ。そこでスリップにつければ抜くチャンスがある、というような駆け引きを入れたかったのが採用の理由ですね。

――今までもハンディキャップがあったと思うのですが、スリップストリームとのからみはどうなるんでしょうか?

小林 今回、「デッドヒートモード」という名前になっている、順位によって最高速が変わるルールがありますが、それを採用したレースの場合、スリップストリームの効果とあいまってより強力になりますね。これで駆け引きがより深まるんじゃないですかね。

 シンプルなコースだと、「ペアバトル」でのスリップをうまく使いあうことで、ツインドリフトでコーナーを回ってもらって……とやっていくと、本当にアツいんですよ。

寺本 ツインドリフトが決まると、お互いにニトロがグワーッとチャージされるんですよね。「俺たちやったな!」感があるというか。

――2人でのタイムアタックのリプレイが楽しみですね。

小林 本当に楽しいんで、リプレイが楽しみですね。


■ 人間の集中できる時間……アーケード生まれの「リッジ」ならではのテンポ感

――「リッジ」シリーズは、伝統的に1周がそれほど長くない上に、周回数も例外を除いて少なめになっているんですが、これはこだわりがあるものなんですか? 今回はどうなんでしょう?

小林 今回も1周で2分以上かかるコースはないですね。1プレイに対するテンポには気を使っていますが、スタッフの共通見解として1周は長くても7kmぐらい、ショートコースなら4km切るぐらいという中で作っているんですけどね。

――その見解は、アーケード生まれの「リッジ」ならではのこだわりなんですかね?

寺本 塊として楽しんで、集中力が切れなくて、始まりがあって終わりがあると。それより短いとやっぱり短いし、長いと疲れてしまう。そんな感じですね。

小林 人間の集中できる時間はおのずと限られていると思うんですよ。でも言葉としてスタッフの間で意識して話をしたりはしなかったですね。ここ3作では長いコースの話も出てこなかったです。

――「RR7」のBGMに関してもお伺いできますか?

寺本 サウンドディレクターの大久保(博氏)も当初は悩んでましたね。「RRs」でシリーズ歴代コンポーザーが全員参加をやってみて、「これいいからもう1回やろう」ということで「RR6」があって、「RRs2」があり、とやってきて……。「次世代になってちゃんと進化したところを見せたい」ということで、その1つの答えが5.1ch対応で曲を作るということだったんですよね。

 それと、企画サイドから「世界とつながる」というコンセプトを話したときに、大久保が“「曲も世界から集まる」とか、いいよね?”と。「R4」のときからの「King Street Sounds」との付き合いや、ESTiさんとの付き合いの中から……世界地図上にアーティストが点在していて……といった話をされたんですよ。「それやってみましょうか」ということでグローバルなサウンドトラック、「Global Music Sampler」というコンセプトが生まれたんですよ。

 サウンドトラックの作り方はいろいろあると思うんですよ。今回は世界観……「RR7」のあり方がサントラに反映されているというところが面白いなと。そういうやり方でゲームとシンクロすることもできるんだな、と思いましたね。

――「RR7」のサウンドトラックCDが登場するとしたら、ひょっとして初めてオリジナルのサウンドトラックを作らないといけないですね。これ。

寺本 チャンネル足りないですからね。すでに悩みどころですね。本編作ってへとへとなんでまだ何も考えてませんけど(笑)。

――初めて本編のサウンドがサウンドトラックを越えた「リッジ」といえるかもしれませんね。

寺本 プレイステーション版のときに「CDと同じ音楽が鳴るんだ」という驚きがあったと思うんですけど、今回もまた1つ違ったものになったのかな、という気がしますね。曲数もへヴィですし、追加でもかなりの曲数を用意してますので、HDDを空けて待っていてください(笑)。

――「RR7」で想定されているプレイ時間はどれぐらいですか?

寺本 レースゲームのボリュームは遊びやコース、マシンのバリエーションで決まってくる部分だと思っているので、実は「総プレイ時間」についてはあまり意識して作っていないんですよ。それよりは、“このグランプリはがっつり達成感を感じてほしいからまとめて40分くらい時間をとって遊んでもらおう”とか、“ここは10分で遊び終わって次に行ってもらおう”とか、「1回はじめたら2時間遊びっぱなしじゃないとだめ」というゲームにはしないようにする……といったことを意識して、レースの構成やセーブするタイミングを設計しています。

――最後に、言い残したことがあればぜひ。

寺本 「RR7」を買ってもらえれば、PS3でどういったことができるのか、ということを一通り楽しんでもらえるように作りました。サラウンドシステムがあればBGMもそれにあわせてサラウンドで楽しめますし、FULL HDのTVを買えば、それにあわせた映像も出力できますし。ぜひいろんな人に楽しんでほしいなと思います。

――どうもありがとうございました。

RIDGE RACERTM 7 (C)2006 NAMCO BANDAI Games Inc.
※画面は開発中のものです

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□製品情報
http://namco-ch.net/ridgeracer7/index.php
□関連情報
【11月2日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
「オンラインバトル」など詳報公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061102/rr7.htm
【10月23日】第2回「digital TIFFシンポジウム」において「リッジレーサー7」多地点生中継実験が実現!
対戦イベントが大画面スクリーンで楽しめる時代に!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061023/dtiff.htm
【10月13日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
無限の可能性を実現したマシンカスタマイズの魅力に迫る!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061013/rr7.htm
【10月11日】バンダイナムコゲームス、PS3「RIDGE RACER 7」、「機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト」購入キャンペーンを実施
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【9月1日】新要素で新たな「リッジレーサー」の世界を作り上げた
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http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060901/rr7.htm
【5月11日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」のE3出展映像を公開!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060511/rr.htm
【5月10日】「リッジレーサー7」インタビュー
アソシエイトプロデューサー・寺本秀雄氏に聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/rr7.htm
【4月28日】14人のオンラインバトルが楽しめ、マシンカスタマイズ機能も搭載
バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060428/rr7.htm

(2006年11月14日)

[Reported by 佐伯憲司]



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