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【連載第12回】まったりマイペースで「ファイナルファンタジーXI」の魅力をレポート

ファイナルファンタジーXI連載
~ヴァナ・ディール“近東”見聞録~

侍の“八双”と“星眼”、召喚士の“幻術”と“験術”を考察
前衛・後衛ジョブに訪れた最新バトルトレンドをチェック

 正式サービス開始以来、常に変化と進化を繰り返してきたパーティープレイ。各ジョブのパフォーマンス、使用する武器、WSの連携、敵対心、回復、狩りの対象とするモンスターなどは、拡張ディスクの登場やバージョンアップによってその都度変化してきた。

 このバトルトレンドにおいて、忍者の二刀流&空蝉の術の登場によって、相対的に長く不遇な位置に立たされていたと言わざるを得ないのが“両手武器”であり、両手武器を得意武器としているジョブ達である。10月19日のバージョンアップで登場した侍のアビリティ“八双”と“星眼”は、この両手武器を扱うジョブのパフォーマンスを高め、今後のバトルトレンドを変化させる可能性が十二分にある。また、召喚士についても、シリーズを代表するメジャーなジョブでありながら、パーティープレイでの位置づけに悩まされてきた印象が強い。これが今回の仕様変更により、今後どのように変化していくのか。

 今回は、10月19日のバージョンアップで行なわれたジョブ関連の追加・調整をきっかけに、最新のパーティープレイのトレンドを迫っていきたい。


オフェンシブスタイルの「八双」、ディフェンシブスタイルの「星眼」
2つのスタイルによって「侍」はどう変わったのか?

 侍の変化で大きなトピックなのは、新アビリティ2種の追加、残心の調整だ。レベル25で習得する新アビリティ“八双”、レベル35で習得する新アビリティ“星眼”が追加、これまでレベル60ジョブ特性だった“残心”がレベル20に変更され、発動率も引き上げられた。また、メリットポイントグループ2アビリティの“正正堂堂”は敵の正面で放ったWSに、攻撃力ボーナスを付与するというものから、5%のダメージを上乗せされるように、上方修正された。

八双:ヘイスト、命中率、STRを一気に満たし、両手武器アタッカーのポテンシャルを大幅アップ

侍の新アビリティ“八双”。金色のエフェクトが上空に広がるように吹き上がる。ヘイスト、命中率、STRボーナスと、両手武器使用時に大きな戦闘力アップを得られる
 八双の効果は、「両手武器使用時に攻撃間隔、命中率、STRにボーナスを得る」というもの。具体的には両手武器を装備しているときにヘイスト効果が10%ほど、命中率は+10ほど、STRのボーナスはメインジョブが侍の場合35で+5、75の場合は10と、侍のレベルを7で割った数値になる。サポートジョブに侍をつけた場合でも効果は同様、STRボーナスだけはレベルの数値的に最大で+5となる。アビリティの持続時間は5分、再使用間隔は1分と常時使用できる。

 ヘイスト、命中率、さらにSTRボーナスと、装備品などで得ようとすると一苦労するほどのアタッカージョブにとっては垂涎の効果が一気に手に入る。STRボーナスは侍のレベル依存で変化するが、サポートジョブでの使用時にもヘイスト、命中率はそのまま得られるということで、他の両手武器を使うジョブにも魅力的だ。

 侍のデザインコンセプトでもある“TPの貯まりが速い”というものは、直接的な“黙想”によるものと、ストアTPによる間接的なもので形にされてきた。だが、後者のストアTPは攻撃が当たったときにはじめて得られるものであって、外してしまうと効力を発揮しない。両手武器全体の課題としても攻撃間隔の長さから、攻撃機会そのものが少ないため、結果的にストアTPの特性も体感しにくい状況が生まれていた。

 こうした課題に対して、八双による命中率アップの恩恵と、残心の習得レベル20へ引き下げ、かつ発動率の増加が加わり、ストアTPの効果も存分に体感できるようになっている。八双の命中率アップの恩恵も相当な魅力に感じたのだが、本稿を書くにあたり筆者が侍をプレイした中では、残心の発動率アップも効果が大きいと感じられた。攻撃間隔の大きな両手武器のミスというのは、心理的にも大きいが、そこに残心の一振りが追加されるのはなかなか嬉しい。

星眼:心眼に回避回数とカウンターのボーナスを付与する“受け流し盾”

“星眼”発動時。こちらはエフェクトが閉じるように上空に広がる。心眼の避ける回数を増加、心眼成功時カウンター攻撃を行なう可能性が追加、さらに心眼の再使用時間が30秒に短縮される
 星眼は侍がレベル15で習得する“心眼”にボーナスを加えるもので、八双との併用はできない。心眼は敵の物理攻撃を1回避けるというアビリティで再使用時間は1分間。これが星眼使用時には、再使用間隔も30秒に短縮されるだけでなく、回避数も1回限定でなく数回、多いときには6、7回と物理攻撃を避け、さらに心眼で攻撃を見切った際にカウンターが発動する可能性もある。

 攻撃を避ける、という性質は忍者の空蝉の術に近い印象があるが、実際に使って得た感触は大きく異なる。まず、星眼と心眼はアビリティのため、空蝉の術のように消費アイテムもなく詠唱時間もない。そして、攻撃を避ける回数が固定ではないため、確実性が薄い。また、再使用間隔は30秒と大幅に短縮されるが、2、3回の攻撃で心眼が消えてしまった場合は15~20秒ほどの間、従来どおりダメージを受けてしまうことになる。逆に、5、6回の攻撃を避け続け、さらにカウンター攻撃も飛び出してくると、忍者を上回る攻防性能を発揮して大変嬉しいが、こうした機会は高レベル相手のパーティープレイでは一般的な戦法としては使いにくい。

 こうしたことから、メインの固定盾役としてパーティプレイをするには残念ながら難しい印象だ。ただ、サブの盾役としてはどうかというと、サポートジョブが戦士限定となるが、こちらは十二分の性能を発揮してくれる。同様に連携後などに敵対心が上がりすぎたときの緊急回避策としても有効だ。アタッカー兼サブ盾という、パーティープレイにおける侍のポジションがより明確化された印象である。

八双、星眼の活用、侍の現在のパフォーマンスの考察、今後の可能性

八双のヘイスト・命中率アップの効果に加え、残心の発動率が上昇しているのも大きい。ストアTPに影響して、TP貯蓄が速いというデザインコンセプトが存分に出るようになった
こちらの画像は星眼と心眼を使用中。ログを見ると3回の攻撃を避けていることがわかる
 八双と星眼を使い分けるときにポイントになるのは、再使用間隔がともに1分あること。戦闘開始前にどちらかのアビリティを使っておいたとして、戦闘中に切り替えが効くのは大体2回までと考えることになる。戦闘中の敵対心の状態や、パーティ構成、戦術などに対してフレキシブルな対応が求められる。

 今後は、八双で本来のアタッカー役と連携役を存分にこなしつつ、モンスターの敵対心が上がり過ぎたときに星眼&心眼状態に切り替えるというスタイルが基本になる。前述のように八双を使うことで、命中率が高まり攻撃速度は速まる。これによりストアTPの効力がより強く得られるため、表面上のパフォーマンスよりもさらに戦力が高まっている。

 さらなるパーティスタイルの可能性としては、効率的な面で忍者やナイトのプレーヤーが見つからない時の策にはなるだろうが、戦士サポ忍者の盾役とターゲットを回し合うような組み合わせが考えられる。または、レベル35以上の侍が二人いたならば、サポ戦士にして常時星眼状態でのタゲ回しも被ダメージ量を抑えつつのプレイスタイルが成立するだろう。ちなみに短い期間に限定した話であれば、レベル37未満の空蝉の術が1しかない期間の忍者との相性も、もちろんよい。

 自己回復によって瞬時に高い固定力を得られるナイトとの組み合わせは、アタッカーとしての攻撃力を存分に発揮しつつ、ナイトからの回復魔法も得られるということで、非常に有効だろう。被ダメージを減らし狩りの効率を高めるべく、とにかくスピーディに敵を倒すという方向性だ。

 最後に、侍の全体的なジョブ特性、アビリティを見直してみよう。下記には最新の侍のアビリティ類を表にしてみた。こうして一覧を眺めてみると、全てのものが両手武器の活用とTPの蓄積速度のアップに向いているのが改めて分かる。これまではあと一歩のチューニングが上手く取れておらず、効果がぼんやりとしがちだったが、今回のアビリティの追加と調整によって命中率が変わったことで特徴と個性がくっきりとした。

 ちなみにサポートジョブを忍者にして、空蝉の術も加えればより強くなりそうなモノだが、八双と星眼には使用中、魔法の詠唱時間、再詠唱時間を50%延長するというペナルティがあるので、使い勝手は悪化している。八双と星眼は手動で切れるため、サポートジョブに忍者という選択はなくはないが、それなら両手武器に直接メリットのあるサポートジョブを選んだ方が賢明だろう。

 サポートジョブの選択肢としては、戦士、シーフあたりが有力となりそうだが、ダークホースとして竜騎士もおもしろい。ワイバーンピアスの潜在能力であるヘイスト+5%が得られるほか、ジョブ特性の命中率アップ、アビリティのジャンプでTPを稼げるなど、一見奇抜だが、理にかなった物が揃っている。

 最後にソロプレイの側面を見ると、今回の調整は純然な上方調整のみであり、当然のごとく向上している。基本的に星眼と心眼状態がメインとなり、近接攻撃を避けつつ、心眼カウンター、残心の発動を期待できるなど、メリットが大きい。“楽”程度の敵なら、ガンガン狩れそうだ。レベル75限定だが、正正堂堂の効果も期待できる。もちろん被ダメージが完全になくせるわけではないので、あまりの無茶は禁物である。

侍のジョブアビリティ・ジョブ特性
種別 名称 習得レベル
明鏡止水 SPアビリティ 1
使用直後TPが300になり ウェポンスキルの消費TPが100になる
護摩の守護円 アビリティ 5
パーティメンバーにデーモンに対する種族防御を与える
レジストブライン ジョブ特性 5
暗闇に対して少し耐性を得る。以降レベル25、45、65で効果アップ
ストアTP ジョブ特性 10
TPに+10のボーナスを得る。以降レベル30で+15、50で+20、70で+25に効果アップ
心眼 アビリティ 15
次の近接攻撃を一回だけよける。使用間隔1分、効果30秒
残心 ジョブ特性 20
攻撃失敗時に再度攻撃することがある。以降レベル35、50、65で発動率アップ
八双 アビリティ 25
両手武器使用時に攻撃間隔、命中率、STRにボーナスを得る
ヘイスト10%、命中率+10、STR+侍Lv/7
使用中は魔法系統の再詠唱時間に+50%、使用間隔1分、効果5分、星眼との併用不可
黙想 アビリティ 30
TPを溜める。2秒ごとにTP+20合計100貯まる
サポートジョブ侍での使用時には効果が50%になる
星眼 アビリティ 35
両手武器使用時に心眼にボーナスを得る
心眼の使用間隔が30秒に短縮、心眼の効果が2~8回の回避になる
心眼成功時にカウンターを発動することがある
使用中は魔法系統の再詠唱時間に+50%、使用間隔1分、効果5分、八双との併用不可
デーモンキラー ジョブ特性 40
悪魔系のモンスターに対して優位に戦える。 デーモンキラー効果を8%得る
士気昂揚 アビリティ メリポ
標的のパーティメンバーに自身の100を超えた分のTPを分け与える
使用間隔15分、ポイント割り当てで使用間隔を2分30秒短縮
峰打ち アビリティ メリポ
両手刀で強打しスタンさせ、悪疫状態にすることがある
使用間隔:15分、ポイント割り当てで使用間隔を2分30秒短縮
意気衝天 ジョブ特性 メリポ
残心命中時にTPが多く貯まる。ポイント割り当てで取得TPを+3
正正堂堂 ジョブ特性 メリポ
敵の正面で放ったWSに5%のダメージを追加
ポイント割り当てでダメージ増加をさらに+5%ずつアップ
太字のアビリティは、新たに追加されたものや調整されたもの、それらに関わっているもの。習得アビリティは太字のものがサポートジョブで使用できるもの


八双と星眼により変化するパーティプレイ
サポートジョブ「侍」の選択肢追加による変化の可能性を考察

こちらは戦士にサポートジョブで侍をつけて星眼・心眼中。サポートジョブでも変わりなく複数回の近接攻撃を避ける
上の画像の後。心眼成功時にカウンターが発動して攻撃を行なっていることがログからわかる
 ここからは、サポートジョブとしての侍に注目してみる。全般的に前衛ジョブのアタッカーに関わるもので、具体的には両手武器を扱える暗黒騎士、竜騎士、戦士、ナイト、忍者といったジョブを対象にしてみたい。これらジョブのパーティプレイにおけるサポートジョブ選択というと、戦士、忍者、シーフ、モンクといったところがこれまでのトレンドであった。今後は選択肢の上位として侍が加わってくることになる。

 ここ1、2年の高レベル帯のパーティープレイは、物理攻撃アタッカーの場合、忍者を軸に、片手武器の二刀流によるスピーディな戦闘が主体となっていた。両手武器では、二刀流の恩恵を受けられないため、どちらかというと敬遠されがちな傾向だった。

 さらに、両手武器の瞬間ダメージが大きく、敵対心コントロールも片手武器と比較すると難しいという側面もあるのだが、これはアタッカーの宿命ともいえるもの。盾役が稼いでいる敵対心を想像し、それを超えないようにギリギリまで攻めるというのは、アタッカーのゲーム性であってテクニカルな部分だと筆者は捉えている。

 最も両手武器アタッカーとして苦しかったのは“命中率”ではないだろうか。片手武器主体のジョブに比べて、両手武器主体のジョブの命中率が低いわけではないのだが、攻撃間隔が大きい武器でミスが連発すると、自分だけ攻撃の手を休めているような感覚に陥ってメンバーに対して申し訳ない気分になる。

 さて、こうした背景に登場したのが、サポートジョブに侍をつけるという選択肢だ。ここまでに紹介したように、侍のレベル25に登場した八双はサポートジョブ侍で50から使うことができる。低~中レベル帯で大きな戦力として活躍する両手武器に、片手武器の性能が追いつきはじめてくる時期となる。

 一発のダメージは大きいだけに確実に当てていきたいところだが、サポートジョブで命中率を上げるというものは数が少ない。具体的には狩人、竜騎士から命中率アップが得られるのだが、今後は侍を選択することで、攻撃性能を維持しつつ、命中率アップも期待できるようになる。

 少し乱暴に整理してみると、“スタンダードな戦士”、“片手武器に嬉しい忍者”、“両手武器に嬉しい侍”という3軸があり、そこにウェポンスキルを必中にでき、ヘイトコントロールも可能になるシーフ、命中率アップ、ワイバーンピアスのヘイスト効果、ジャンプなどを得られる竜騎士といったところが最新の傾向だろうか。これまで以上に悩む楽しみが増してきた印象である。

 次に考えていかなくてはならないのは、ジョブごとのサポ侍との相性。まず、戦士、竜騎士はほぼ問題が感じられない。戦士は使用する武器に合わせて忍者、侍、モンクといったあたりを基準に多彩に考えていける。竜騎士は両手槍を生かせる選択として侍が視野に入ってきた。

 では、暗黒騎士やナイトといった魔法を使えるジョブにとってサポ侍はどうかというと少々問題がある。侍の八双と星眼には「使用中、魔法の詠唱時間と再詠唱時間が50%延長される」というペナルティがあるためだ。再使用の延長だけでなく、詠唱時間も延びるため、暗黒騎士であればスタンやアブゾタック、ドレインやアスピルといった有効な暗黒魔法の使い勝手が極端に悪化する。

 八双や星眼といった効果を手動で切って美味しいところをフル活用するというのも出来なくはないかもしれないが、八双と星眼の再使用時間の1分を考えると苦しいところ。同じようにナイトも回復魔法の使用に影響が出るため、二者択一を迫られる。ナイトには元々奇抜な選択である侍だが、暗黒騎士にとっては悩ましいところ。あえてサポ侍を選ばないというのも選択肢のひとつになるかもしれない。

 以上、サポートジョブとしての侍を考察してきたが、今回のアップデートで侍が特別に突出したわけではなく、他のジョブとまた異なる魅力を持って選択肢に立ち上がってきたという印象が強い。一段落ち込んだイメージになっていた両手武器に特化した内容が並び、使用する武器やプレイスタイルなどにより広がりが出た。これは純粋に嬉しいことだ。


スキルボーナスによる持続時間アップが変化を予感させる召喚士
履行の2系統化による使い勝手の向上、召喚魔法スキルの変化も大きなポイント

契約の履行が攻撃系の「幻術」と補助系の「験術」に分けられ、それぞれ1分間の再使用間隔となった。画像はタイタンで験術の大地の守り実行後、すぐに幻術を使おうとしているところ
こちらはシヴァの験術のラインナップ。2つと少々寂しい。召喚士ならではのパーティサポート要素の拡充に期待したいところ
 召喚士は、召喚獣の特殊技が“契約の履行:幻術”という攻撃系の技と、“契約の履行:験術”の補助技に分けられた。これまでの契約の履行は1分にひとつの技を発動するものであったが、2系統に分けられたことで、それぞれ再使用間隔が別になり、1分間で2つの技を使うことができる。

 今までの契約の履行では、パーティプレイ中にひとつ契約の履行を使うと、残りの1分間は召喚獣に攻撃させる以外に行なえることがなくなってしまい、基本的にすぐ召喚獣を帰還させ、サポートジョブの白魔道士による回復補助を行なうのが主な立ち回りになっていた。今後は、召喚獣を生かした行動が取れるようになる。

 まず最初に試してみたのは、召喚獣の補助系の履行を使い、そのまま攻撃系の履行を連続して使わせるという使い方。例えば、ガルーダであれば補助系のヘイスガを行ない、そのまま攻撃系のプレデタークローを放って帰還させる。1体の召喚獣の技に絞って考えているのは、異なる召喚獣を呼び出し直していては詠唱時間等で時間がかかりすぎるため。それでも1分間に2つの履行を活用できるという広がりは心理的にも嬉しい。

 次に試したのは、2系統の技をずらして使用するというもの。以前には戦闘開幕時などに履行を使ってしまうと、召喚獣の履行で連携参加したりマジックバーストを加えたりといったアグレッシブな動きをしようとしても、履行の再使用時間が間に合わないことがあった。2系統に分けられたことでこうした部分が解消されている。補助系履行のあと、召喚獣を攻撃参加させ、TPを貯めさせてから攻撃履行を放つようにしたところ、連携参加やマジックバーストなども合わせやすく、なかなか良い結果を出せた。だが、MP消費がかなり大きくなる。

 契約の履行の2系統化は大きな変化だが、召喚魔法スキルの影響が見直されたのも大きい。スキルがカンストしている以上に装備品などでボーナスがついていた場合、攻撃系履行には命中率アップ、補助系履行では効果時間アップが加わる。特に補助系履行の効果時間アップは最大3分まで延長される。元から効果時間が3分であった履行には変化がないものの、これは召喚士を加えたパーティープレイでは見逃せない変化だ。

 具体的には、複数の補助系履行を重ねて持続させ続けることが現実的になったため、ヘイスガと下弦の咆哮を常に付与し続けるなど、補助系履行の効果時間アップを生かした詩人スタイルの模索もよさそうだ。なお、履行の使用時にスキルアップの判定が行なわれるようになり、実践的な動きでスキルが上がりやすくなった。

 総じて、MP消費が最大のポイントであることは変わらないが、動きに幅ができたことは嬉しい。だが、ペットジョブとして共に戦うスタイルを取り、維持と攻撃系履行にMPを向けるのか。補助履行と回復補助などにMPを向けるのか。それとも両者のバランスを取りつつ2系統の履行を使うのか。非常に判断が難しいところに立っていると思える。今回の変化によって動きの幅も広がり、スキルの意味合いも確立されたが、もう一段ジョブの動き方がくっきりと見えてくるような変化を望みたいと感じた。

 たとえば、2系統の履行に並ぶ技数を見ると、攻撃系の履行の多さ、補助系の履行の少なさが目立つ召喚獣が多いのが気になった。パーティプレイにおいて、補助系履行でのサポートに特化する方向性を考えてもバリエーションが少なく感じる。フェンリル、ディアボロスといった上位の召喚獣はバランスがいいが、イフリートなどは補助系履行が紅蓮の咆哮1つしかないのは寂しい。それぞれの召喚獣ならではの補助系履行の追加を期待したい。

 サポートジョブを召喚士にしてみる分には、あまり変化を感じなかった。元々、MP増強が目当てであることが大半であり、攻撃系の履行をあまり使わなかったので2系統により分割は大きな影響を感じない。召喚魔法スキルの調整についても、あくまでスキル以上のボーナスで変化するため、スキルがカンスト未満でも以前との差は出ない。

 最後に、余談として本稿の本筋にも関係があるものとして召喚士サポ侍というジョブでのソロプレイも試してみた。召喚士のメイン武器は両手棍なので八双と星眼の恩恵を受けられる。黙想による直接的なTP取得や、残心の発動もなかなか面白い。スピリットテーカーを従来より早いスピード、多いTPで繰り出してのMP回復を得られた。ソロプレイの楽しみという範疇からは抜け出なそうではあるが、ソロ好きはちょっと試してみてもいいかもしれない。

召喚獣の幻術と験術のラインナップ
カーバンクル:幻術 イフリート:幻術 シヴァ:幻術 ガルーダ:幻術 タイタン:幻術
シアリングライト インフェルノ ダイヤモンドダスト エリアルブラスト アースフューリー
ポイズンネイル パンチ アクスキック クロー ロックスロー
プチメテオ ファイアII ブリザドII エアロII ストーンII
メテオストライク バーニングストライク ダブルスラップ エアロIV ロックバスター
ダブルパンチ ブリザドIV プレデタークロー メガリススロー
ファイアIV ラッシュ ウィンドブレード ストーンIV
フレイムクラッシュ ヘブンリーストライク マウンテンバスター
ジオクラッシュ
カーバンクル:験術 イフリート:験術 シヴァ:験術 ガルーダ:験術 タイタン:験術
ルビーの癒し 紅蓮の咆哮 凍てつく鎧 真空の鎧 大地の守り
ルビーの輝き スリプガ 風の囁き
ルビーの煌き ヘイスガ
ルビーの癒しII

ラムウ:幻術 リヴァイアサン:幻術 フェンリル:幻術 ディアボロス:幻術
ジャッジボルト タイダルウェイブ ハウリングムーン ルイナスオーメン
ショックストライク バラクーダダイブ ムーンリットチャージ カミサドー
サンダーII ウォータII クレセントファング ネザーブラスト
サンダースパーク テールウィップ エクリプスバイト
サンダーIV ウォータIV
カオスストライク スピニングダイブ
サンダーストーム グランドフォール
ラムウ:験術 リヴァイアサン:験術 フェンリル:験術 ディアボロス:験術
雷鼓 スロウガ ルナークライ ソムノレンス
雷電の鎧 湧水 ルナーロア ナイトメア
上限の唸り アルティメットテラー
下弦の咆哮 ノクトシールド
ドリームシュラウド
太字の履行は、レベル37までのサポートジョブで使用できるもの


バトルトレンド進化の可能性はいまだ未知数
選択肢の拡充、プレイ幅の広がりは、今後にも期待したい魅力

両手に構えた巨大な武器を振り回す姿は独特の魅力がある。サポ侍の拡充や昨今の調整によって、どこまでトレンドに影響を与えていくのか楽しみな存在
 今回は、侍に追加された新アビリティ八双と星眼をポイントに置いて、メインジョブ、サポートジョブとしての侍を考察し、今後に起こるかもしれない変化の可能性を追っていった。最近のバージョンアップでは、暗黒騎士、竜騎士、侍といったジョブに関わる変化が多く、彼ら両手武器を扱う物理アタッカーと相性が良い敵対心コントロール役であるシーフのパフォーマンスも上昇している。今後、忍者を筆頭とした二刀流アタッカー優勢の構図が崩れるかどうかというと微妙な感じだが、パーティープレイの有り様が変化するのは間違いないだろう。

 一方、召喚士の変化では、履行の2系統化とスキルボーナスによる変化の可能性を追った。2系統化したことによるプレイの広がりもさることながら、筆者にはスキルボーナスによる補助系履行の効果時間アップも大きく感じた。効果時間が長くなった戦力底上げの履行を常にパーティに与えていくという、戦力底上げスタイルの強化は新しい魅力を感じる。まだまだ随所に制限や未調整部分が多く、発展途上の印象はいなめないが、さしあたり攻撃と補助の2面を分け、シーンに応じてフレキシブルに使い分けるというスタイルが提案されたのは歓迎したい。

 FF XIのバトルバランスは変化の連続であり、飽くなき探究心を持った冒険者によって様々なスタイルが提唱されてきた。変化と進化はMMORPGの大きな魅力であり、筆者も1人の冒険者として、今後も継続的な進化を期待していきたい。


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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2006年11月6日)

[Reported by 山村智美 / Pomm]



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