|
料金:アイテム課金
10月3日には大規模アップデートが行なわれ、「ネオスチーム」は今後もコンテンツを充実させていく。近日中には課金アイテムが導入され、事実上の正式サービスがスタートする。今回は「ネオスチーム」のプロダクトマネージャーを務めるハンビットユビキタスエンターテインメントCSチームKim Kyu Mahn氏に今後の展開を伺った。ポイントをまとめて紹介したい。
■ オープンβから3週間、ユーザーから寄せられる多数の要望
ユーザーからの意見の中には、「思ったより楽しい」というものが多いという。「グラナドエスパダ」などの作品と比べて、見た目のインパクトは薄いが、実際にゲームを始めて、キャラクタを育てていくことでクエストの豊富さ、そして他プレーヤーとの協力要素といったものを体験できる。ここを評価するユーザーの意見が多い。 ゲームではユニークアイテムの多くが、生産プレーヤーの手によって生み出される。このため、ギルドなどに入って材料を提供するなどプレーヤー間の協力が必要不可欠なデザインとなっている。「取引」という形で協力し合っているプレーヤーも多い。Kim氏は特にサービス初日からギルドを作るプレーヤがいたことに驚いたという。 Kim氏は、日本と韓国のユーザーを比較してみて、特に「分析力」に感心したという。生産の成功率の算出やゲーム内のバランスを的確に分析し、その上で運営側に調整案を提示してくる。これは運営側、開発側もとても参考になったという。どうしても運営サイドは自分たちの意見に固まりがちだが、ユーザーからの具体的な提案は、改めてバランスを考え直す良い刺激になる。 ユーザーからは「充実したRvRを楽しみたい」、「レベル20~40のコンテンツを充実させて欲しい」という意見も多い。レベル20までは非常にクエストが充実しているだけに、そこから先の「失速」には不満を感じてしまうようだ。また、20からはPvP要素が盛り込まれていくが、20になったばかりではほとんど役に立たない。このため、パーティープレイや更なるレベル上げが必要になる。国家間のイベントが少ないことも事実で、中立地帯での戦いの要素も充実させていく予定だ。 RvRに関する要素としては、「国家間のバランス」を考えている。韓国では片方の国家にプレーヤーが集中しすぎてしまっているという現状もあり、国家での戦いを強調するという方向性は、今のところ少し消極的な部分もある。その一方、力を入れているのが、コロッセウムやギルド戦などの小規模な対戦要素だ。知り合いと腕を競い、そして敵国家と戦う、という流れを提示していく。
ギルドからチームを選出し、国内のトーナメントで代表チームを決定、国家を代表して戦う、という要素も考案中だ。Kim氏は、1次クローズドβテストで行なわれたギルド戦での息詰まる戦いが特に印象に残っている。単純にレベルが高いプレーヤーが勝つのではない、プレーヤースキルの重要性を改めて感じさせられたという。チーム戦の要素も考えていて、専用の闘技場も現在準備中だ。色々な戦いを体験する舞台を用意していくという。
■ 今後は中~高レベルユーザーへの要素を充実、ユーザーの意見を反映した要素も
すでに工場に果敢に挑み、レベルアップに励んでいるプレーヤーも多い。しかし、高レベルキャラクタ向けコンテンツはまだまだ足りないのが現状となっている。これは、プレーヤー達のレベルアップスピードが運営側の予想を超えているからだという。これに対応するため、いくつかのコンテンツを前倒しして実装しているという。今後は、高レベル向けの要素も充実していく予定だ。 他にもいくつかのバグフィックスが行なわれている。街に戻るときにキャラクタが死亡してしまうというクリティカルなバグに関しては、まだ根本的な対処ができていない部分があるが、仮に発生しても経験値ロスが発生しないという方法で一時的に対応した。今後早急に根本的な修正を行なっていくという。 また、現在、「ネオスチーム」では「あなたのつまんないを教えて!」というアンケートを行なっている。様々な意見が寄せられているが、「サーバーが重い」という意見が多い。この点に関しては、データベースサーバーを強化することで対応していく予定だ。メッセージの日本語化に関する不具合も指摘が多い。 現在根本的な部分を明らかにするために、開発チームと原因を探し出している。NPCのセリフが多いのも作業が難航している理由の1つだが、それこそが「ネオスチーム」の特徴の1つであり、ユーザーの評価の高い部分でもある。だからこそ日本語化は改良していきたい課題だ。
新しい国家の実装、そして日本版のイラストを担当している李KPA(すもも けい ぴーえい)氏が描いたタルンの女性キャラクタ実装の要望も高い。新国家に関しては現在開発チームがコンセプトを詰めているところで、新キャラクタに関しても日本側が強力にプッシュしているとのこと。キャラクタの外見の差別化に関する要望も多い。
■ 客単価は1,500円~2,000円前後を想定。日本向けのオリジナルアイテム導入も
韓国ではアイテム課金による正式サービスがすでに行なわれているが、日本独自の展開としては、まずオリジナルアイテムの登場と言うことになりそうだ。アバター性を強化すると共に、生産の成功率を上げたり、経験値、ドロップ率を上げたりするものが考えられている。今回の話では、あまり他のMMORPGと明確な差別化が行なわれているようには感じられなかった。むしろ韓国版との品揃えや価格設定の面で差別化を図る方針のようだ。 「ネオスチーム」はレアアイテムだけでなく、スロットに「エンジン」を組み込む事による武器のカスタマイズや、豊富な生産要素、さらには搭乗することのできる「スチームマシン」の存在など多彩な要素がある。課金アイテムでこれらがどうパワーアップするかも気になるところだ。また、期間限定のアイテムなども登場する。装備系のアイテムは韓国版ではあまりなく、日本市場向けに充実させていく計画だ。 くじ形式のアイテム販売や、初心者向けアイテムをつけたスターターパッケージの販売も予定している。パッケージは正式サービス後に展開するという。課金時の客単価の目安は、1,500円~2,000円を想定しているということだ。 今後、日本で実装が予定されている要素としては「攻城戦」がある。中間地帯に置かれる「砦」のようなポイントで、これをどれだけ占領しているかで国の「ネオスチーム」の配給量が決まってくる。それと同時に「国への貢献度」という新しいパラメーターも追加される。拠点防衛の細かいルールも気になるが、この拠点の奪い合いは、「ネオスチーム」に新しいタイプの戦いをもたらしそうだ。 ゲーム内における重要なリソースである“ネオスチーム”は、乗り物、スキル、生産などあらゆるところで利用される。しかし、個人的には、生産をする人にはのどから手が出るほど欲しいが、戦闘職では補助的な要素でしかないという印象が強い。また、個人によって重要度が違うのに、プレーヤーに平均的に分割されてしまって、他プレーヤーに譲渡できないため、「国」として、ネオスチームを欲しい! という意識を高められるかは少し疑問を感じる部分だ。個人の目的と国としての利益、そして戦争への意欲をどう統合していくかは「ネオスチーム」の今後の課題だと感じた。 RvRは、常に国としての「バランス」を考えていかなくてはいけないという、エキサイティングであるが、なかなか難しい課題を抱えている。一度国家間のバランスが崩れると、強い方にプレーヤーが集中し、そのままバランスが崩れすぎてしまうという危険性を常に持っている。ここに下手に運営が介入してしまうとプレーヤーの意欲は大きく減衰してしまう。与えられた環境の中でユーザーはそれぞれの道を模索していくが、そこでどんな世界が展開するかは、予測しきれない部分が多い。 現在の「ネオスチーム」がことさらにRvRを煽らないのも、そこに理由の一端があるようだ。「対人戦」は現在のMMORPGで最もプレーヤーのモチベーションを上げる要素と言っても過言ではない。「ネオスチーム」ではどんな方向性を提示してくれるのだろうか。 現在も、プレーヤー主導による敵国家への「侵攻作戦」などが定期的に行なわれている。高レベルのキャラクタが多数の中間レベルのキャラクタによって撃退されたり、効果的にNPCを利用したりして、プレーヤー間の戦いは工夫が凝らされているのにKim氏は驚かされたという。必ずしも勝ちだけを求めない、楽しい戦いを目指して予告してから侵攻するプレーヤーもいるという。今後様々なタイプの戦いも予定されている。分析力の高い日本のプレーヤー達は独特の対戦空間を作り出すかもしれない。GMが扇動して敵国家に侵攻するような戦いも企画中とのことだ。 開発が新しい方向性を提示すると共に、日本の運営にも頑張って欲しいところだ。現在の公式ページでは必要な情報すらまだ入ってない。このため、「スチームライダーはレベル20のクエストで基礎的なものが入手できる」といった、本作の充実した内容を紹介しきれていない。必要な情報を提供し、初心者はもちろん、中、上級者の情報交換にも利用されるような展開を強く望みたい。敵国侵攻イベント以外にも、GMによるゲーム内でのイベントにも期待したい。
最後にKim氏はユーザーへのメッセージとして、「まずゲームに触って、色々意見をください。私たちは日本のユーザーさんと共にゲームを作っていきたいと思っています。今後もよろしくお願いします」と語ってくれた。これからの要素、現在のバランスと、課題も多い「ネオスチーム」だが、触れてみることで今までの韓国MMORPGとはひと味違った世界観の厚み、システムの充実を感じられるはずだ。ユーザー、開発チーム、運営チームがどのようにゲームを育てていくかを見守っていきたい。
(C)2004-2006 Hanbitsoft Inc. Studio Mars All Rights Reserved. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.
□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ (2006年10月6日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|