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【TGS特別号その2】まったりマイペースで「ファイナルファンタジーXI」の魅力をレポート

ファイナルファンタジーXI連載
~ヴァナ・ディール“近東”見聞録~

東京ゲームショウ2006「ヴァナ★フェス2006」レポートその2
4年間の歩みから今後の方針まで新情報満載のトークセッション総集編

 東京ゲームショウ2006の「ファイナルファンタジーXI」イベント「ヴァナ★フェス 2006」にて行なわれた“トークセッション”の模様をお伝えする。このトークセッションは、「ファイナルファンタジー XI」プロデューサーの田中弘道氏と、「アトルガンの秘宝」ディレクターの小川公一氏、バトルディレクター松井聡彦氏、プランナー藤戸洋司氏、運営チームからはグローバルオンラインプロデューサーSageSundi氏らが出席し、運営、開発陣による秘話、そして今後に関する新情報が語られた。

 トークセッションは、TGS 2006の3日間の会期中に4回行なわれた。初日は「4年間の総括、アトルガンの秘宝について」、2日目は「ジョブシステム、バトルシステムのコンセプトと今後の調整方針」、そして3日目には「ヴァナ・ディールの経済」について語られた。本稿では全ての回の内容をまとめ、ジャンルごとに編集したものをお送りする。

写真左は田中弘道氏、右は小川公一氏
写真左より松井聡彦氏、藤戸洋司氏、SageSundi氏
22日(初日)
「FFXI 4年間の総括」
 ・開発と運営の歩み
「アトルガンの秘宝について」
 ・ビシージ/アサルト
 ・大人数バトルエリア
 ・チョコボ育成
 ・チョコボレース

23日(2日目)
「ジョブシステム、バトルシステムのコンセプトと今後の調整方針」
 ・ジョブシステムのコンセプト
 ・バトルシステムのコンセプトと歴史
 ・各ジョブの特徴と今後の調整方針

24日(3日目)
「ヴァナ・ディールの経済」
 ・MMORPGにおける経済の重要性
 ・ファイナルファンタジーXIの場合
 ・今後の方針


アトルガンの秘宝について

MC:「アトルガンの秘宝」の製作について苦労話などをお聞かせください

小川氏:実は、アトルガンの開発当初はこんなに大規模な国を作る予定はなくて、マウラの下のほうにある小さな島を舞台に番外編的なストーリーを楽しんでもらおうと思っていたのですが、作っていくうちにいろんな要素が入って、国にまで広がっていきました。結果的にいいものができたと思います。まだ今後も、4月頃に発表したコンテンツが実装されていきます。

MC:「アトルガンの秘宝」を運営して約半年経ちます、反響はいかがですか

小川氏:「アトルガンの秘宝」は初のディレクター作品で不安があったのですが、いずれの要素もおおむね好意的に受け止められたようで、今現在はバージョンアップを続けているところです。ビシージとかアサルトとか新しい要素がありますけど、ビシージはてんやわんやと大変でした。

MC:ビシージに関してはかなりの大人数で遊べますね

田中氏:PS2のスペック的なところからも、元々はフルアライアンスの18人を最大人数の遊びとして、いろんなゲーム性を作りましたが、運営していく中で18人が最大じゃ少し寂しいよねと考えてデュナミスを作ったんです。そして、もっとお祭り的なものも欲しいと考えて思い切ったのがビシージです。ただ、ちょっとやりすぎましたね(笑)

MC:「アトルガンの秘宝」に登場するキャラクタの中でも、人気の高い水蛇将ミリ・アリアポーの誕生秘話を聞いてみましょう

小川氏:ビシージの守護をするNPCキャラクタを5人用意することになって、最初は単なるNPC扱いだったんですが、せっかくなのでみなさんに守ってもらえるような個性的なキャラクタにしようと考えたんです。ミリ・アリアポーに関しては、当時、世間的に「ツンデレ」という単語が聞こえてきて。担当がこれは取り入れないわけにはいかないなと考えたようです(笑)

MC:アサルトはすでに20種類以上の作戦がありますが、どれぐらいの時間をかけて作っているんでしょう

松井氏:最初は2人だけで作っていたんですけど、田中が見かねて人を入れてくれたんです。今ではかなりの人数がいろんなアイデアを出しあっています。基本的に最後まで責任持って作れるならやっていいよ、と自由にやらせもらっています。バージョンアップ前の締め切り時には誰かかれか必ず、限界までがんばっています。

田中氏:どうしてもね、盛り込みすぎちゃうんですよね。もっとやろう、もっとやろうって。で、最終的に締め切り前になって、自分の首を絞めてる(笑)

MC:毎回それだけ出し尽くしていると、次のアイデアが尽きてしまいませんか

松井氏:ひとつのことを突き詰めていくと、次はもっとこういうことをやろうっていうのが出てくるので、尽きるということは無いですね。あとは、ユーザーさんの声はすごく気にしています。ユーザーさんからのフィードバックを見て、面白いという声が挙がっているものは、さらにバリエーションを考えたりしますし、反応が悪いものは直したり、考え方に反映したりしています。


【筆者解説】
「アトルガンの秘宝」についての製作秘話やキャラクタの誕生秘話。当初は小さな島を舞台にした番外編を予定していたなど、今の姿からは想像できないスタート地点であったというくだりは興味深い。バージョンアップの締め切りギリギリになるまで詰め込んでしまうというエピソードは、開発チームならではのこだわりを感じさせてくれる


チョコボ育成について

MC:チョコボ育成に関するコンセプトや、育成誕生のいきさつをお聞かせください

藤戸氏:チョコボ育成を作るきっかけになったのは、プレイオンラインにあった開発情報という掲示板があったのですが、そこでユーザーの皆さんの意見を伺ったときに「チョコボを育てたい」という意見がありました。それをずっと覚えていて、「アトルガンの秘宝」という区切りに登場させました。

MC:チョコボ育成の様子をみていかがでしょうか

藤戸氏:まだ登場したばかりということもありますが、数値を全然出していないコンテンツなので、これをやったらどうなる、あれをやったらどうなる、などがまったく分からず手探り状態で触れていると思います。逆にそれが楽しいという声も聞いているので、良かったかなと思います。

MC:今後のバージョンアップで変化するのでしょうか

藤戸氏:変えていきます。今、早い段階で育成を開始した人はチョコボになった段階という状態だと思うのですが、能力があまり変化しないと思っている方もいると思います。バランスとしては、チョコボになった段階で終わりではなく、ずっと育成していけるものなので、長く育成していくと能力が高くなっていくものです。ただ、あまり長い期間が必要になると育てている感が薄れて面白くないと思うので、少し調整します。

MC:ボクの育てているチョコボがずっと寝たまま起きないのですが

藤戸氏:休息をすると睡眠が続くのはバグではないのですが、寝てばかりいて何もできない状態が続くというのはつまらないと思いますので、これも調整します。

MC:引退させたチョコボは最大で何匹まで保持できるんでしょうか

藤戸氏:「引退する」というコマンドを選ぶと、アイテムの登録証が渡されます。それには引退させたチョコボの情報が書き込まれていますので、アイテム欄の空きの分だけ、引退させたチョコボを持っておけます。

MC:10月のバージョンアップで登場する新要素やチョコボの色についてお願いします

藤戸氏:まず色ですが「赤」が10月のバージョンアップで登場します。赤以外にもう1種類の色も追加されますが、そちらの色はお楽しみにしてください。あと、前回のバージョンアップ時に延期させてもらった要素なんですが、形状が変わるようになります。頭の羽やくちばし、尾っぽ、足の爪など、部分的な形状に違いが出るようになります。色と形状の組み合わせで、自分だけのちょっと個性があるチョコボが持てるようになります。

MC:チョコボレースを早くしてみたいという声があります

藤戸氏:そうですね、今日は映像を用意してきました。(映像を上映しつつ)、レース場と呼ばれる場所です。初公開のものですね。観覧席はチョコボレースを観戦するときなどに使われる場所として考えています。(観覧席の間にある地面にキャラクタが移り)こちらはコースです、チョコボが走るところですね。レース中、自分でチョコボを操作したいという声もあるのですが、ラグなどが出る可能性もあるので、イベントのようにレースが展開されるようにしようと考えています。

チョコボの形状の変化
写真左から頭の羽やくちばし、尾っぽ、足の爪の形状の変化。頭と尾っぽは、左のチョコボの羽が少し尖っている。足の爪は左のチョコボの爪のほうが丸みを帯びている
チョコボレースの模様
初公開された動画より。写真左はレース場でのコースにいるところで、左右に観客席がある。中央と右は実際のレースのイメージということだ


【筆者解説】
実装されたばかりのチョコボ育成に関してのアドバイスや新情報。中でも、チョコボの姿に育てるまでが育成ではなく、育ってからも長く続けて能力アップを図るというコンセプトが明かされたのは大きなポイントだろう。形状の変化や新色の追加、さらにチョコボレースの最新情報など見逃せない内容が多い


大人数バトルエリアについて

写真のスライドで丸がついているリージョンが舞台となるようだ
MC:以前発表されていた「大人数バトルエリア」ですが、最近追加された、怪しい雰囲気が漂っているだけで何もないリージョンは大人数バトルエリアに関係があるのでしょうか?

小川氏:今は狭いエリアしかないリージョンですが、ここに4つのエリアが開放されて、大人数バトルエリアとして使っていこうかと計画しているところです。

MC:大人数バトルエリアというのはどのようなものなのでしょう

小川氏:アサルト・ビシージ・デュナミスなどに続く大人数バトルエリアです。大人数とはいえ、アライアンス規模の18人で収まるコンテンツで、チームーワークや戦術を試されるような、ロジカルな攻略をしていくものになります。4つの塔があってプレーヤーは塔に入るといろいろな能力を奪われてしまいます。魔法が使えなくなってしまったり、ウェポンスキルが撃てなくなったりとか。塔で敵を倒すことで奪われた力を取り戻したりパワーアップしたりしつつ攻略していくことになります。


【筆者解説】
この「大人数バトルエリアについて」の小川氏の話では、初日には「4つのエリアが追加される」という内容であったが、3日目のトークセッション冒頭にて初日に伝えた内容を振り返る際に、「4つの塔」という言葉になっていたため、そちらを記述している。また、「塔で敵を倒すことで奪われた力を取り戻したりパワーアップできる。」というものも、3日目の内容で加わっていたもの。


今後のジョブ調整について

MC:基本の6ジョブについて今後の方針を聞いてみましょう

・戦士

松井氏:戦士のコンセプトは、エキストラジョブのナイトや暗黒騎士といった、いわゆる前衛ジョブがいますが、それらの中心点になるようなイメージです。いろんな武器が使えるしWSも撃てる。今後の方針ですが、現状は使用する武器やWSが絞られているので、そこを広げたいです。サポートジョブについても限定されがちなので、もう少しいろいろな選択ができるようになるようにしていきたいです。

・モンク

松井氏:モンクは手数の多さによるアタッカーです。防御力が低いかわりにHPが高め、特定のモンスターに対してすごく強かったり、パフォーマンスはいいので現状ではあまりストレスのないジョブじゃないかなぁと思います。ただ、やれることが少なくて暇という声もありますので、もう少し状況に応じていろいろな事ができるようにしていきます。

・白魔道士

松井氏:白魔道士は回復役のエキスパートとしてすごくわかりやすいジョブです。全体に回復のジョブは少ないので、サポートジョブに白魔道士をつけて補っていけるように調整してきました。その結果サポートジョブの白魔道士に対するアドバンテージが少なくなってしまいました。今後はメインジョブとしてのアドバンテージを高めて、パーティーへの支援効果のあるものなどを加えていきたいです。

・黒魔道士

松井氏:黒魔道士は魔法でダメージを与えるアタッカーとして優秀だと思います。今だと黒魔道士だけでパーティーを組んでいくほうがパフォーマンスがいいという状況があるんですが、そのあたりはMP回復のために座る必要があるなど、レベリングの間隔やペースが合わせられないところも関係していると思います。今後の方針として、そういうところを解消して、黒魔道士だけのパーティーよりも、他のジョブと組むような状況にしていきたいと思います。

・赤魔道士

松井氏:赤魔道士は弱体魔法のエキスパートで、武器も使えて魔法も使えてという1人でもいろんなことができる、というところに当初は重きを置いていました。その後、パーティープレイに貢献したいという声が挙がり、そうした進化を続けてきました。いろいろとできるジョブではありますが、臨機応変というよりルーチンワークになりがちになっているので、もう少し臨機応変をキーワードにして開発していこうと思います。

・シーフ

松井氏:シーフは当初、盗むという個性を前面に登場しましたが、赤魔道士と同じような理由でパーティープレイで貢献できるようにという調整がされてきました。ただのアタッカーではなく、パーティーにおいても自由に動くというコンセプトを大事にしています。最近は、シーフ以外のメンバーが協力しないとパフォーマンスが出ないという状況があったので、短剣の性能底上げなどを行ないつつ、シーフが個人の判断で動き回れるものを目指しています。

MC:続いてエキストラジョブについてです

・ナイト

松井氏:ナイトです。戦士を中心点にしたときに防御力にポイントが置かれるジョブです。聖騎士のイメージとしてホーリーなどの白魔法を使えます。パーティーの盾役として欠かせないという状況にしたかったのですが、パフォーマンスの面で忍者に負けている部分がある状況です。今後は、レベリングなどの連戦でももっと需要が高まるようにしていきたいです。

・暗黒騎士

松井氏:暗黒騎士は、ナイトとは反対にダークでカオスなイメージで作りました。吸収するというキーワードになります。前回のバージョンアップでアブゾタックという新魔法も加わったので、現状少し様子を見たいというところがあります。

・獣使い

松井氏:獣使いは、特定のモンスターを操るという特異なジョブですが、比較的パーティーが組みにくいジョブという状況があって少し申しわけないなという気持ちがあります。今後はパーティープレイ方面を盛り上げてあげたいと思います。MPK対策によって仕様変更が入ったのですが、呼び出すという方向に活路を見出していきたいです。レベル75で呼び出せるペットが限られていたりとかそういう状況がありますので、もっと増やしていきたいです。例えばアトルガンで登場したモンスターを呼び出せるようにしたりとか。

・吟遊詩人

松井氏:吟遊詩人は、歌によってパーティーを強化するなど、MMOならではのジョブです。詩人に関してはパーティーに誘われないと何もできない、というぐらい割り切って作りました。今後は使われている歌が現状固定されているので、状況に応じて違う歌が歌えるようにするため、既存の歌を調整したり、新歌を追加していきます。

・狩人

松井氏:狩人は遠隔攻撃を使うアタッカーです。少しテクニカルな部分を入れようと、距離による命中率とダメージの補正が入りました。10月のバージョンアップに入れる予定なのですが、(計算方法を変更することにより)飛命や飛攻のパラメーターによって補正を打ち消せるという調整を行います。これによって弱い敵にも攻撃を外すというような状況が起こりにくくなるはずです。

MC:ジラートの幻影で登場したエキストラジョブについてです

・侍

松井氏:侍はデザインが難しかったのですが、TPが貯まりやすい、WSを撃ちやすいというところに特化しました。次回のバージョンアップでは、巷で弱いと言われてしまった「正正堂堂」を、ダイレクトにダメージの量が増えるように調整します。レベル25と35でペアになった新規のアビリティを導入します。キーワードは両手武器になりますが、イメージとしてオフェンシブな状態とディフェンシブな状態を使い分けるようなもので、どちらか片方の効果のみが得られるものです。25と35ということでサポートジョブでも使えるものなので、両手武器を使うジョブならサポ侍を選ぶという方向も出てくる、かもしれないです。

・忍者

松井氏:忍者は当初、二刀流と忍術で戦うアタッカーだったのですが、現在は高性能な盾役になっています。空蝉の術なり二刀流なりを極端に変えてしまうと、プレイスタイルが大きく変わりすぎてしまうので、今後は他のジョブを同列に引き上げていく修正を考えています。そういう状態ですので、しばらく大きく強化されるようなことはないと思いますが、随時プレイの幅を広げるような調整を行なっていこうと思います。

・竜騎士

松井氏:竜騎士はジャンプというアビリティが特徴ですが、ジャンプというアビリティの特徴をMMOで表現していくのが難しくて、ワイバーンが加わっていきました。ワイバーンを強化する方向で調整していきましたが、もう少し竜騎士本人が強くてもいいかなと考えています。次回のバージョンアップでは、スーパージャンプの再使用間隔を3分に短縮し、エンパシーでストンスキンをワイバーンと共有できるようになります。また、竜剣を使うとジャンプ系アビリティの再使用時間がクリアされるようになります。

・召喚士

松井氏:召喚士は幻獣を呼び出して、MPを消費して戦わせるというユニークな魔道士です。次回のバージョンアップでは、契約の履行を攻撃系のものとサポート系のもの、というように2系統に分けて使えるようになります。1分間に1つしか使えなかった契約の履行ですが、1分間に2系統をひとつずつ使えるようになります。また、現状あまり活かされていない印象の召喚魔法スキルですが、これの契約の履行への影響を高めます。召喚魔法スキルが高くないと逆に威力が下がってしまうという修正はあんまりなので、スキルが青い状態(カンストしている)以上にボーナスがついていた場合に、威力のボーナスが加えられます。それと一緒に、契約の履行使用時にスキルが上がるようになります。

MC:「アトルガンの秘宝」で登場したエキストラジョブについてお願いします

・青魔道士

松井氏:まだどのジョブも加わったばかりなので簡単にジョブデザインの裏話的なところを。まずは青魔道士ですが、「FF V」で登場したジョブです。設計しているときには青魔法を使えるというだけだと弱いなぁと思っていたのですが、青魔法をセットすることでステータスが上がったりする、というアイデアが付いたところで今の青魔道士がまとまりました。

・コルセア

松井氏:コルセアですが、FF VIのセッツァーがイメージの元で、ギャンブラーというジョブ名で考えていたのですが、ギャンブラーという名称がNGだったんです。そこでコルセアという海賊の名前に落ち着いていきました。

・からくり士

松井氏:からくり士は、ペットジョブを作ろうということだけ決まっていて、最初はシドみたいな、もっとメカメカしたロボットを操ってスパナで戦うみたいなものとか、もしくはおどろおどろしいネクロマンサーのような死人使い的なものも考えていたのですが、日中に死人が呼び出されていたりすると健康的すぎるよね、と。そうした経緯を経て今の形に落ち着きました。

・青魔道士、コルセア、からくり士

松井氏:青魔道士、コルセア、からくり士には、まだ導入していない要素があるので、クリスマスぐらいの時期に行なうバージョンアップで導入していきます。


【筆者解説】
全18ジョブについてデザインコンセプトとプレイにおける現状、そして今後の調整が語られた、注目度の高い内容。写真に写るスライドに赤い字で「次回のバージョンアップにご期待ください」とあるジョブには特に朗報が多い。忍者の空蝉の術盾に関して、劇的な調整をするのではなく他のジョブを同列に引き上げていくというのも全てのユーザーに喜ばしい方針だ。クリスマス時期を予定しているというアトルガンジョブについても期待が膨らむ。


バトルシステムについて

MC:連携について聞いてみましょう

松井氏:連携のシステムというのは、ベータテストが始まるか始まらないか、という時期に、もっとプレーヤー同士が絡む要素が欲しいという話がありまして、導入しました。当時は通信面の心配もあったので、あまり比重の高くない、発動したらラッキーというおまけ的な感覚で楽しんでもらおうと考えていました。ですが、ある時期を境に連携を決めるのが当たり前、という状況になってきてかなり驚きました。

 連携に関しての情報を、武器の系統やモーションでWSの属性を想像できたほうがいいと当時にイメージしていたので、比較的、武器によって連携属性が偏っているんですね。今のような状況になると分かっていたら、もっといろんな属性のWSをひとつの武器に持たせたほうが面白かったのかなと思います。ただ、これだけ広まったものをいまさら直すというのはできないですね。

MC:藤戸さんは連携に関して、その頃どんなことをしていたのでしょう

藤戸氏:自分はその頃チャット周りのシステムを担当していたのですが、TP○%ですとかそういった代名詞を加えたりしてサポートをしていました。その後、callというピピーっという音などいろんな音が出るものを加えたり。連携をしやすいようにしました。

MC:続いてマジックバーストについてお願いします

松井氏:連携自体がかなりギリギリの時期に導入されてボーナス的な要素で考えていたので、マジックバーストのような要素を追加することを考えていなかったのですが、連携をしているプレーヤーさんは一体感が得られるけど、後衛ジョブはそれを後ろで見ているだけで寂しいという声がありまして。当初は連携と同じように技の間に魔法が加わるようなイメージも考えましたが、範囲魔法があったり、詠唱時間もあるので、連携のあとに最後にマジックバーストするというものになりました。

MC:ここからは年表を見ていきましょう。ノートリアスモンスターの導入がありました。これについてお願いします

田中氏:パーティープレイで目指す、目標のような存在として導入したものです。

松井氏:初期に導入したノートリアスモンスターはあまり特殊なものを入れなかったのですが、最近はいろいろなことができるようになったので凝ったものが増えてます。いろいろなアイデアを出し合っていて、作っていて楽しいです。結局は倒されてしまうんですが(笑)。いろいろな思いがこもっています。

MC:いろいろなNMがいますが、現状で最強のNM「Absolute Virtue」がいます。攻略法のヒントをもらえませんか

松井氏:まず、Jailer of Loveが呼び出すモンスターのRu'phuabo、Qn'xzomit、Qn'hpemdeをできる限り倒します。Absolute Virtueは強力なリジェネ効果を持っているのですが、モンスターをたくさん倒すとその効果が半分消えます。その後、戦闘中の曜日と同じ属性を持った連携や魔法で攻撃を与え続けると(たとえば、火曜日の場合にはファイアなど)、残り半分のリジェネ効果が消えます。そこからが勝負ですね。

MC:バトルフィールド戦についてお願いします

松井氏:強い敵と戦う、というコンセプトで作るときに、どうしても高レベルの大人数で戦うという形になってしまいがちだったんです。そこでレベル制限と人数制限という新要素を入れようと。制限を入れることで、大人数のパーティーにしか体験できなかったような、高難度の戦いが楽しめるようになりました。最初は難度の高い戦いというコンセプトでしたが、だんだんと3人向けですとか、バリエーションが増えました。

MC:何度かレベルキャップの開放が行なわれていますが、これについて田中さんに聞いてみましょう

田中氏:最初はレベル50キャップで始めて、だんだんと5レベルずつ開放していきました。ユーザーさんがどういうスピードでレベルアップしていくのかを調べていく期間でもありました。松井のほうではレベル200ぐらいまで設計していたようですが、ユーザーの動向を見ていった中で、75をひとつの目標に定めようと軌道修正しました。

MC:想像していたよりもレベルアップが早かった?

田中氏:そうですね、あっという間でしたね。例えば、レベル50でやっと倒せるノートリアスモンスターも、どんどんと雑魚化してしまうのも悲しいので、75を基準に全てを設計していこうと考えました。

MC:経験値やパラメーターについてお願いします

田中氏:FFXIまでのMMORPGって経験値を数値では見せずに、バーグラフなどで見せていたと思うんですよ。FFシリーズってひとつのパラメーターの数値が1違うだけでも変化するというのがポイントだったので、ほとんど数値で見せている。そのシステムを通しました。数字を出すことで少し効率を求める状況にはなったかもしれません。

松井氏:バトルチームは当初、いろいろなパラメーターを数値で見せるということには反対していました。ですが、田中からここは譲れないと。今から思うと数値でしっかり見せてあげないとユーザーさんが疑心暗鬼にとらわれてしまうのかなと思いますし、田中に先見の明があったのだと思います。


【筆者解説】
バトル関連の話題だが、ゲーム性を圧倒的に高めている「連携」や「マジックバースト」が、細かなアイデアやユーザーの要望で実装されていったものであること、そして膨らみ進化していったものであることが興味深い。他にも最強のNM「Absolute Virtue」の攻略法が明かされるなど、サービス満点の内容も嬉しい


MMORPGにおける経済の重要性とファイナルファンタジーXIの場合

MC:MMORPGにおける経済の重要性を田中さんとSageSundiさんからお願いします

田中氏:MMOのMMOたるゆえんというのが、サーバーにいろんな人が入ってきてコミュニケーションがあって、経済も動いていくというところにあります。擬似生活を行なっていく上でなくてはならないものが経済です。

SageSundi氏:コミュニケーションというと、チャットやバトルを通してのものが浮かびますが、アイテムの売買というものもコミュニケーションのひとつなんですね。そういう意味で経済は重要で、無いともちろんつまらない。ただそこに、インフレやデフレという正常ではない状態の問題が入ってきます。インフレのなにがまずいかと言うと、プレイ開始して間もない人の1,000ギル、1万ギルと、3,4年遊んでいる人の1,000ギル、1万ギルは同じ額でも価値が違うんだというところにあります。

MC:「アトルガンの秘宝」を導入するときの経済への考えをお願いします

小川氏:アトルガンがオープンするぐらいの時期というのは、ゲーム内の経済についてホットな時期でしたし、せっかく新しい大陸をごそっと作ったので、アトルガンのエリアではギルを廃止して、アトルガン独自の通貨にしてしまおうかというアイデアも挙がっていました。アトルガン貨幣だけで取引きを行なうような。でも、さすがにこれまでの財産が無意味になってしまうのは寂しいということで今の形になりました。

MC:ギルの増減の推移を示したグラフを見てみましょう。2006年5月15日から8月15日までの推移です。現在、総量的には減っていますね

田中氏:去年の12月ごろにインフレのピークがあって、そこでいろいろな対策を行なって収まっていったと発表したのですが、その後さらに5月にインフレのピークがあって、それも不正行為によるものだと判明しました。アカウントのブロックなどの対処を行いました。

SageSundi氏:5月と6月に大きくグラフが変わっているところですが、不正行為をしていた約2,000のアカウントを止めて、約……ん~~億ギルを凍結しました(笑)

田中氏:5月のあとに最初の対策が功を奏していたのですが、6月には新しい手法の不正行為が発覚したんです。それを見つけて対処し、正常化しました。

MC:短い期間で新しい不正手法を発見して対処していますね

SageSundi氏:開発チームと運営チームで連携して調べています。開発側でモンスターやNPCが生成しているギルの総数とユーザーが持っている残高を見比べてもらうなどしていて。藤戸にそれらに目を光らせています。

藤戸氏:毎日データを取って、前日と今日の差を見比べるというのを、各ワールドごとに行なっています。今は増えていたギルが消えて正常値に戻っていっているところです。その後は、反転して少しずつ上がるという状況に変わっていきますね。

MC:ゲーム内の対策ですが、例えばNMから手に入るアイテムがバトルフィールドで入手可能になったりしました。このあたりを松井さんお願いします

松井氏:普通に楽しんでいる人とは異なる人がNMを独占している、という話が出てきました。本来ならすぐに対処しなければいけないのですが、普通に楽しんでいる人にも影響が出てしまう可能性もありました。最終的に入手手段を増やしたり、EX/Rareのアイテムに置き換えていくというプランで対処させて頂きました。しばらくの間、みなさんにつまらない思いをさせてしまったと思っているのですが、もし普通のユーザーが遊んでいるなら潰したくないという思いもあって遅くなってしまいました。

MC:「釣り」に関してはいかがでしょう

藤戸氏:釣りは初期のデザインでは、ラグなどを考慮したうえでタイミングなども関係なく釣れる仕様だったのですが、プラットフォームが増えていった中で、ツールやマクロなどが容易に作れるようになってしまった。それに対して対策はしてきたのですが、すぐにまた対応されてしまう。あまりに劇的な変化を入れてしまうと普通に釣りを楽しんでいる方が巻き込まれてしまうので、躊躇がありました。現状、新仕様になってから1年以上が経ちましたが、以前ほど深刻な状況ではなくなったと考えています。ただし、まだ撲滅はしきれていないです。

MC:今後の対策や方針をお願いします

SageSundi氏:対応速度などの面で、直接コミュニティのかたから意見を頂いて話をして解決していくことが必要だろう、ということがひとつ。それから、これまではGMの中で解決していこうという流れがあって、コールを取るのが遅れるなどがありました。そこで、特別なエリートのGMで編成するチームを日米に設置して直接対応していこうと。

SageSundi氏:FF XIのサーバーというのは1,000台以上あるんです。そこからログを取ってきてチェックするには結局、人間の力が必要になる。毎回何百のアカウントを止めるために多くの人間が会社にいっぱなしになる。そういうことも無くしていこうということもあって、スペシャルタスクチームで専門に取り締まっていこうと思います。

SageSundi氏:いわゆる寝釣りというマクロの不正もありましたけど、当時のやり方って、GMが話しかけてみて返答が無ければ取り締まっていくような感じだったんですよ。

MC:ありましたね、GMがSayで「こんばんわ、いますか? いたら少し下がってみてください」と話しかけたり

SageSundi氏:そうそう。でもそれってすごくアナログチックじゃないですか。そうしたことをやってきて、結局、運営と開発がもっと力を合わせてやっていかないといけないな、と思うわけです。

MC:これまでも個々に動いていたわけではなかったが今後は、もっと太いパイプを結んで効率的に対処していくということですね

SageSundi氏:今もいろいろなやり方をしていて、毎月50から200の不正行為をしているアカウントを停止していっています。

MC:田中さんはいかがでしょうか

田中氏:全てのツールを撲滅します。ありとあらゆる方法で。いたちごっこになってもとことんやります。

SageSundi氏:もちろん根絶するというのは本当に難しいと思うのですが、ユーザーのかたが見て「これさぁ、なんとかならないの?」という状態にならないようにやっていきたいと思います。

藤戸氏:ツール類には罠が仕込まれていることも多いので、そういう物に手を出さないようユーザーの皆さんにも気をつけてもらいたいと思います。

SageSundi氏:それは本当に気をつけて欲しいところです。以前マクロツールなどでキャラクタが消えてしまったり、結構GMコールがきました。あと、「わたしマクロしてます!」とシャウトし出すものもありました。本当に危ないものも多いし、IDとパスワードが盗まれてしまうこともあるので、気をつけてください。


【筆者解説】
経済、そして不正行為について語られている。「FF XI」以外のMMORPGでも不正なツールに見せかけたウィルス混入ツールなどが大きく問題になっており、IDやパスワードを外部の人間に盗難されるといった被害は年々増加しているのが現状である。「FF XI」は表面上こうしたトラブルが他のタイトルに比べて、まだあまり大きく取りざたされていないタイトルではあるが、今後はメーカーだけでなくユーザー自身の注意力も重要になる。ぜひ気をつけて頂きたいと思う。


運営チームやGMサポートについて

MC:サポートに欠かせないGMについてお願いします

SageSundi氏:GMを作りましょうっていう話が出たのはベータテストの直前で、それまで何も無かったんですよ。それで一気にGM用のコマンドを作って。当然、キャラクタのボディも無くて、今でこそ赤い鎧を着ているんですが、ベータテスト当時は真っ黒の怖そうな鎧を着ていまして。GMコールのシステムなどもなかったので、しょうがないから街頭に立って街頭カウンセリングのようなことをしていました。

MC:結構、体を使ってやっていたんですね

SageSundi氏:GMの募集をかけていっぱいの人が入ってくるわけですが、当然GM経験者なんていませんでした。当時は3人しか運営チームがいなくて、私と欧州でプロデューサーをやっている室内、あとプログラマーの稲垣の3人でGMコールを取って「こうやってやるんですよ」って教えたりとか。

MC:北米、欧州のサービスが始まった当時にGM業務をSOEに委託しましたよね。サービスに差が出るのではと不安を感じていたユーザーもいたようですが

SageSundi氏:ありましたね、周りからも言われました。実際には日本でも私がGMに教え込んでいますけど、北米でもサンディエゴに6週間ずーっと泊り込んで教えてました。ですから、それほど差はなかったはずです。当時、北米のサービスが始まったあたりでは、プレイスタイルの違いというか、文化の衝突はありましたね、今でもないとは言いませんが。そこでバイリンガルチームというのを設置したりして。今はそういった経緯を経て、外注を辞めて、ロサンゼルスのオフィスに50人ほど、日本には80人ほど。あと欧州、というように運営チームを完全に自社で設置しています。

MC:GMポリシーや内容にクオリティ差はないということですね

SageSundi氏:そうですね、GMポリシーを公開してしまおうかなという話を前にしたことがあるんです。実は今作っているところなんですが、日本でこうやっていますよ、北米ではこうやっていますよ、欧州ではこうやっていますよ、というのをもうすぐ公開します。それが公開されると、つまりGMはこういうことをしてくれるんですね、こういうことはしてもらえないんですね、というのがよくわかると思います。


【筆者解説】
普段あまり聞くことができない運営チームやGMサポートのこれまでの秘話、そしてこれからの展開が語られた。中でもGMポリシーを公開するというのは、ユーザーはもちろん他のMMORPGメーカーにとっても大きなトピックではないだろうか。GMポリシーの公開によって、ユーザー間で解決すべきこととサポートが介入することが明確になる。通常のサポートをより効率化し、不正行為などへの対応に注力するという表れかもしれない。


パレードゴルゲットについて

松井氏(1日目):パレードゴルゲットは、トリガーNMがドロップするアイテムです。大体調理スキルが80ほど必要な「ゴブリンドリンク」を、ムバルポロス旧市街の???にトレードします。ゴブリンドリンクは隠しレシピと呼ばれるものですので、素材が8個必要になります。そのうち2つは“ギサールの野菜”と“ラテーヌキャベツ”です。

松井氏(2日目):シモカブとワイルドオニオンです。

松井氏(3日目):今日発表するのはサンドリアカロットとウォーターメロンです。残りの2つですが、ゴブリンドリンクという名前だけに変な素材が使われるのではという推理は正しいです。ムバルバロス水は要求しません。もっと普通の水で、よくレシピに使われています。もうひとつはゲテモノです。どんなゲテモノかというと、似たような物があるために、実はレシピは2つあります。このヒントでだいぶ絞れると思います。


【筆者解説】
入手方法が謎に包まれていた首装備「パレードゴルゲット」に関する内容。パレードゴルゲットの性能は以下のようになっている。純粋にリフレシュ効果が魅力的なばかりでなく、MPの回復がネックになりがちな連戦へのパフォーマンスが高まるという、重要な要素を持っているアイテムだ。

パレードゴルゲット(Rare/Ex)首装備 防5 MP+10 潜在能力:リフレシュ Lv50~ ナ暗


その他のこぼれ話、レリック装備、免罪符、など

MC:本当に初期の頃、ジョブチェンジをするとき紫色の画面に切り替わって、ミスラはとてもセクシーな雰囲気になっていたんですが、バージョンアップでなくなってしまいましたが

田中氏:あれは実はですね、当時ハワイにあった技術研究のためのオフィスで作られたものだったんですよ。その後そのオフィスは閉鎖になってスタッフもいなくなってしまった。非常に優秀なスタッフで様々な人種が集まっていたのですが、そういった経緯で取り除かれたものです。復活させてほしいという要望が高ければ検討します(笑)

MC:デーモンヘルムという防具に歌唱スキルアップの効果がついていますが、それはなぜでしょう

藤戸氏:アイテム担当から聞いてきたところによると、デーモンと言えばデーモン小○を連想する、デーモン小○は歌う。ということです(笑)

松井氏:アイテムを作る人間は、由来などの面にいつも悩んでいますので、ちょっと大目に見てあげてください(笑)

MC:ミスラのオスってまだ登場しないんですか?

小川氏:ミスラのオスは「基本的にひきこもり」らしいので、なかなか表には出てこないんじゃないかなぁと思います(笑)

MC:エースロケットというアイテムを手に入れたんですが……(笑)

藤戸氏:アイテム担当の人間に聞いてきました、エースと呼ばれている人たちのための装備なのかと。「そうです」という返答でした(笑)。実際に暗黒と侍と竜騎士にはエースという呼び名が付く以前から開発内で「エース」というカテゴリーがあったんですよ。名前をつけた人は、話を聞いてきた人とは違うんですが、装備に名前をつける際、面白おかしい感じにしてしまったのではないだろうか、ということでした。

MC:レリック装備や呪い装備に関して、ドロップ率が上がるなど調整は今後ありますか?

松井氏:レリック装備はデュナミスの目的になるので、すぐにどうこうするというのは考えていません。呪い装備に関しては、免罪符を取るのがすごく大変だということで、難易度が下がるかどうかは別としてチャンスをみんなにあげないと、と考えています。近いうちに入手のチャンスが広がるのではないか、と思います。

 レリックに関しては、今後に登場する大人数バトルエリアで並び立つような装備を……。と考えていますので。もう少しお待ちください。

MC:フェローシップがゾーン移動すると消えてしまうのが寂しいのですが……。

小川氏:そういう声は結構頂いてまして。エリアチェンジしてもフェローシップが付いてくるように担当の人間が一生懸命作っているので、近いうちに実装されるのではないかと思います。

MC:フェローシップクエストの続編はもうでないのでしょうか

小川氏:フェローシップのクエストはアトルガンの秘宝へのネタ振り的な役割があったんです。今はフェローシップクエストの担当はアトルガンミッションを作っているので、それが落ち着かないと手をつけられないのではないかと思います。


【筆者解説】
アイテム名称に関する話題は会場に大きな笑いが起きる非常にユニークなもの。アイテム名にとどまらず、こうした遊び心をところどころに持ち合わせているのがFF XIの魅力のひとつだろう。レリック装備や免罪符に関しては、「大人数バトルエリアで並び立つような装備を……」というくだりが最も注目すべき内容だ。


“次の拡張パッケージ”について

田中氏:4年半ほど運営とバージョンアップを続けてきました。今後も今の段階で1年先ぐらいまでバージョンアップなどの予定なども決まっていて、サービスが続く限り行なっていきます。次の拡張版なんかも、小川ががんばってくれます(笑)

MC:小川さんがちょっと苦い顔をしていますが(笑)。アトルガンは近東の世界でしたが、次はどの方角にいくのでしょう

小川氏:ヴァナ・ディールは広いですから、どこかしらに広がっていくのではないかなと思いますが……。楽しみにお待ちください(笑)


【筆者解説】
非常に短いものではあるが、すでに次の拡張ディスクの開発が動きだしていることが明かされた。次世代MMO開発の話題などで、いつまで「FF XI」の運営は続けられるのかという話題がユーザー間に挙がっていたが、不安を払拭する内容といえる。いつになるのかはわからないが、「アトルガンの秘宝」を楽しみながら期待して待ちたい。


最終日の最後のごあいさつより

運営チーム グローバルオンラインプロデューサー SageSundi氏
今回は新しいチームの設置も発表しちゃいましたので、発表しちゃった以上、効果を出さないとなと思います。一生懸命がんばります。よろしくお願いいたします。

プランナー 藤戸氏
最終日は少しネガティブな話題も出ましたが、メールなりプレミアサイトなりに意見を書き込んで頂いたものは目を通していますので、ガンガン送ってください。よろしくお願いします。

バトルディレクター 松井氏
2日目でジョブの話をすると、皆さんの反応が大きくて、そういう意味ではすごく僕らは責任を感じています。一生懸命面白いものにしようと思ってがんばっています。時々、迷走するかもしれませんが、みなさんの公開後の反応を見ましてちゃんと軌道修正しておりますので、これからもよろしくお願いします。

「アトルガンの秘宝」ディレクター 小川氏
10月のバージョンアップではアトルガンのミッションが進行し、遂にあの有名人がアトルガンに上陸して大暴れします。そちらも楽しみにしていてください。

「ファイナルファンタジー XI」プロデューサー 田中氏
こんなにたくさんの皆さんに集まっていただいて本当にありがとうございました。これからもバージョンアップを続けていきますし、また、次の何かがあるかもしれないので、お楽しみに。がんばります。これからもよろしくお願いします。


【筆者解説】
最終日の全イベント終了後、SageSundi氏と短時間であったが会話できた。そのときSundi氏は「FF XIにはこうしたイベントが本当に合っていますよ」とステージを眺めながら満面の笑顔で語ってくれた。開発チーム、運営チーム、そしてユーザーと、MMORPGを形成する全ての人が楽しむために全力投球しているのが「FF XI」であり最大の魅力だと感じる。時にネガティブな話題もあるが、それは現実とて同じこと。運営チームと開発チームの“楽しんでもらえる世界を作りたい”という想い、ユーザーの“楽しみたい”という想いはきっとそれらに勝るはずだ。


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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
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□「ヴァナ★フェス 2006」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/event/tgs2006/

(2006年9月27日)

[Reported by 山村智美 / Pomm]



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