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ACCS、「親と子の著作権教室 ~ゲームづくりから楽しく学ぼう!~」開催
PS2「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」を使ってゲームの製作を学ぶ

8月24日 開催

会場:ソニー・コンピュータエンタテインメント本社

子供が対象ということで、人気の高い「サルゲッチュ」シリーズを使ってゲームの製作過程を勉強するコーナーが前半に行なわれた。説明しているのはプランナーの太田直仁氏
 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS) は24日、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEJ) の協力の下、「親と子の著作権教室 ~ゲームづくりから楽しく学ぼう!~」を実施した。

 「親と子の著作権教室」は今回で14回目。2006年8月にもSCEJ本社において、「サルゲッチュ」シリーズの制作者を迎え、「著作権教室」が開催されている。今年は、7月に発売されたプレイステーション 2用ソフト「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」のスタッフを招いて開催された。

 基本的な内容は昨年を踏襲した内容で、SCEJのスタッフによるゲームの製作過程を学ぶ「ゲームができるまで」を参加した子供達中心に実施。より詳しい製作過程を学ぶ「ゲームクリエイターに聞いてみよう」を子供達が学んでいる間に、保護者はCEROのレーティング制度などについて学ぶという工程となっていた。後半では「ちょさくけんってなんだろう!?」として、様々な身近な事柄をクイズ形式で出題し、みんなで考えながら著作権とは何かを学ぶ形式。

 「ゲームができるまで」ではプランナーの太田氏、上田氏、プログラマーの相澤氏と清水氏、デザイナーの寺元氏、保谷氏が出席。初めに太田氏がゲームの製作過程をスライドを見せながら説明。ゲームは数人で作るものではなく、直接ゲームソフトを作る人のみならず、数多くの人々……パッケージや説明書を作る人、ソフトをお店に届ける人や売る人、宣伝する人などなど、多くの人たちが関わっていることを強調。そして最後にはゲームの製作について「現実の自分ではできないことができたり、なれない人や役割になれたりするよね」として、「ゲームは“夢”のかたまりだー!」と、ゲームの製作が楽しく、夢のあることとしてアピールした。

 続く「ゲームクリエイターに聞いてみよう」では、より詳しくゲームの製作過程を学ぶよう班分けがされ、クリエイターを取り囲んで学ぶ形式が取られた。プログラマーの相澤氏と清水氏は直接プログラムをさわり、どういったところが変わるのか、プログラムがどういった働きをしているのかをわかりやすく説明。デザイナーの寺元氏と保谷氏は参加者にピポサルのパンツのデザインを実際に描いてもらい、その場でモデルにパンツのテクスチャーを貼り付けアニメーションさせてみせた。自分がやったことがゲームにすぐに反映していく様を見て子供達は大喜び。なかなか体験できないことだけに、楽しみながらも勉強になったことだろう。

【ゲームができるまで & ゲームクリエイターに聞いてみよう】
今回、「ゲームができるまで」&「ゲームクリエイターに聞いてみよう」に参加したPS2「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」制作を担当したSCEJの方々 スライドを使って“ゲームができるまで”を説明。“ピポサル”のグラフィックスが出来上がる課程や、プログラムソースを示して、プランナーの太田直仁氏がわかりやすく解説
テストモードで、普通ではできないことをやってみせた。左写真のようにメニューを開き、大量のピポサルを登場させたり、プレーヤーの持つ武器を大きく表示させてみたり。子供達も楽しそうに画面に見入っていた 今回参加した子供達を集め、プランナーの太田氏が「『サルゲッチュ』に入れて欲しい機能とかある?」と質問。子供達は「バナナを食べているサルとか登場させて欲しい。食べ終わったら皮を投げてくるの!」とか、「オヤジのサルとか登場させて欲しい」といったアイディアを出していた
「ゲームクリエイターに聞いてみよう」ではプランナー、プログラマー、デザイナーに班分けをして順番に詳しい内容を子供達に解説。プランナーの太田氏と上田氏はどういったゲームを作るのかと言うことを解説。通常では操作できないキャラを操作できるバージョンを披露していた プログラマーの相澤氏と清水氏はプログラムをその場で変えて、キャラクタや画面の表示がどのように変わるのかを実際に子供達に見せることで、理解させるようしていた デザイナーの寺元氏、保谷氏は、子供にピポサルのパンツを描いてもらい、その場でモデルにテクスチャーとして貼り込みオリジナルのピポサルを作り上げ、アニメーションさせた。これには参加者も大喜び


 一方、保護者の方に対しては、CEROレーティングについての説明が行なわれた。米国の映画やゲームに関するレーティングや、欧州でのゲームレーティングの現状の説明の後、日本でのCEROのレーティング制度を説明。日本映画におけるレーティングを審査している映倫は専門過家が行なっているが、CEROレーティングの審査員はゲーム業界とは関係ない20歳代から60歳代の様々な職業の人など、一般から募集され構成されている。レーティング対象となる項目も公開されたが、「性表現」、「暴力表現」、非合法ギャンブルや犯罪描写など「反社会的行為の表現」や「言語・思想関連表現」等について、ゲーム全体においてどうかではなく個別の表現があればチェックされるような審査工程となっているという。

 そして子供にも安全に楽しんでもらえるようにということでPSPにはパレンタルロック機能が搭載されている。基本的にはCEROレーティングに準拠。今回の説明会ではパレンタルロックの存在を知ってもらうだけではなく、実際にセットできるようになってもらうところまで説明が行なわれた。参加した保護者の中にはUMDのセットのしかたがわらない人もいたが、テーブルの上に置かれたPSPを実際に触ってもらい、パレンタルロックをセットし、レーティングをオーバーしたソフトを遊ぼうとすると暗証番号を入力しなければならないという所まで体験してもらったことで、より実効的な説明会となったのではないだろうか。

 後半では子供達に様々な質問がぶつけられた。著作権の中でも「著作者人格権」にテーマを絞り、なぜ人の物を勝手に使ってはいけないのかと言ったところから、授業は行なわれた。現在では小学校5年生から著作権などのカリキュラムが学校教育でも取り入れられているということで、子供達も何が悪いことなのかといったことをよくわかっているようだった。これには授業を担当したACCSの三橋氏も驚いていた。

 子供や保護者の参加者はなかなか体験できないことを体験でき、楽しみながら様々な事を学べたことと思う。一方、「ゲームクリエイターに聞いてみよう」の中で、逆にクリエイター側が参加者の子供達の話を聞く時間があった。「『サルゲッチュ』に取り入れて欲しいことはある?」との質問に子供達は鋭い意見を出していた。たとえば「もっと様々なサルを出して欲しい」とか、「捕まえたサルを部下として使えるようにして欲しい」といった意見まで出ていた。参加者だけでなく、意外なところで開発者側にとってもためになっていたのかもしれない。

【保護者向け説明会】
子供達がクリエイターの方達の説明を聞いている間に別室では保護者を集め、ゲームのレーティング制度がどうなっているのかの説明と、PSPのパレンタルロックについての説明が行なわれた PSPのパレンタルロックについて。基本的にCEROの規定に沿っている。この設定を行なうと、レーティングをオーバーしているソフトについてはプレイしようとしても暗証番号の入力が求められる 参加者にはPSPが手渡され、実際にパレンタルロックのやり方が手取り足取り説明された
米国のレーティング制度、欧州のレーティング制度はどうなっているのかにはじまり、日本のCEROのレーティング制度についても、どういった人たちがどういった内容についてレーティングの検査を行なっているのかの説明がなされた
【ちょさくけんってなんだろう!? & 閉会式】
後半ではピポサル君が登場。「ピポサル君が描いた絵を三橋君が描き加えて自分のものとして提出した! これはいいこと? ダメなこと?」と劇仕立てで参加者の子供達に問いかけた。子供達はダメであることがよくわかっているようだった 閉会式で挨拶したSCEJの竹野史哉氏。「SCEJはこれからプレイステーション 3を発売しようとしている。(『サルゲッチュ』のスタッフを指し) スタッフもがんばっている」とアピールした


(C) Sony Computer Entertainment Inc.

□ACCSのホームページ
http://www2.accsjp.or.jp/
□関連情報
【2005年8月23日】ACCS、「親と子の著作権教室 ~ゲーム作りから楽しく学ぼう!~」実施
“ピポサル”と一緒にゲーム制作と著作権について学ぼう
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050823/accs.htm

(2006年8月24日)

[Reported by 船津稔]



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