|
会場:ガンホー・オンライン・エンターテイメント本社
開発の遅れから、7月27日から2週間ほど延期しての仕切り直しスタートとなるが、7月末に上海で開催されたChina Joyでは、中国で同作の運営を担当するT2 Entertainmentブースで、新規クライアントでの快適なゲームプレイを確認することができた。また、8月3日からは日本語版クライアントのダウンロードも始まり、本日8月9日には初心者講習会イベントの告知も行なわれた。 7月に実施された体験会では、オンラインゲームとしてはまだまだ荒削りな印象で、実際βテストは延期になった。延期したことそのものは残念だが、特にマッチング部分の接続不良は、人と人とが接触するオンラインゲームでは極めてクリティカルな要素であり、ゲームとしての完成度を上げるための延期は前向きに評価したい。 今回は、「エクストリームサッカー」を担当しているコンテンツ制作部第五制作課課長代理の辻野松二郎氏と、第二マーケティング部第一企画課の渡辺竜太郎氏のおふたりに、同作の開発状況と今後の展開について話を伺った。
■ いよいよスタートするオンラインサッカーゲーム「エクストリームサッカー」
辻野氏: オープンβテストで盛り込むものはすべて入っていまして、今はデータの調整段階です。今は、今回ご覧いただいたようにアイテムが一部表示されていないものがあったり、ちょっとおかしく表示されていたりというものも確認されていますが、テスト開始までには修正される予定です。 編: マッチングの部分がまだ不安定な印象を受けましたが、こちらも直ると考えていいのでしょうか? 辻野氏: そうですね。今は修正する作業に入っています。マッチングの時は、お互いの通信環境のP2Pの問題であったり、サーバー間の通信の問題であったりするので、その辺りの調整をやっているところです。 編: ゲームをプレイする際にスキルの説明が無くて、どれをいつ使うものなのかわかりにくい印象がありました。 辻野氏: 最初にユーザーが入った際に、一通りプレイの仕方を学べるところとして「トレーニングルーム」というものを実装予定です。ここでは自分の持っているスキルの練習も可能です。 編: 今回8人で対戦させていただきましたが、4分固定というのは試合時間としては短い印象を受けました。運営側としてはどのように考えていますか? 辻野氏: ライトにプレイしていただきたいと考えています。現状では前半後半がない4分で一気に戦っていただくという形です。4分は、ある程度点差があってもなんとか後半で追いつけるかなという時間だということで設定しました。 編: パンチや足技のような攻撃アクションがありましたが、他にどのような攻撃技があるのでしょうか。 辻野氏: 攻撃的アクションに関しては、スライディングやスピンキックなど、オープンβ以降徐々に実装していく予定です。中には結構びっくりするものもあるので楽しみにしていてください。 編: たとえばワールドカップで話題になった頭突きとか? 辻野氏: あれは実装したらおもしろいかもしれません(笑)。ストリートサッカーならではのアクションをいろいろ入れていくと楽しいですね。まあ今から要望を出しても、実装される頃にはブームは去ってそうですけど(笑)。 編: 今回初めてプレイしたということもありましたが、視点が2種類しかないというのは遊びにくい印象を受けました。今後視点は増やされていくのでしょうか。 辻野氏: 増やしていく予定はあります。たとえばクォータービューなども検討していますが、斜めから見て本当にゲームがしやすいのかというのもあるので調整しつつ、どういう視点だとユーザーの方が寄り遊びやすいかということを考えながら入れていきたいですね。 編: 「RO」が動くパソコンなら動きますという話を以前伺いましたが、今回プレイした印象ではちょっと重いゲームなのかなという印象がありました。 辻野氏: 低スペック用に描画を下げるですとか、ゲーム全体のエフェクトとかをもうちょっと簡略化するという作業は行なっていますので、今お試しいただいたモノより多少プレイしやすくなるよう調整中です。 編: 逆に言えば、すべてのエフェクトをオンにすると、ある程度重いゲームになりますよね。その際に推奨するスペックというのはどれぐらいになるのでしょうか? 辻野氏: VRAM 128MB以上のPCを推奨しています。いいPCであれば、それだけいい環境でプレイできますからね。
■ β開始以降に「チーム対戦モード」を追加、今後予定される新要素とは?
渡辺氏: 日本用のアイテムというのは考えています。私は、結構服装に興味があります。自分のキャラクタのファッションも、日本で流行っているようなものやユーザーの方々の要望を取り入れて、カッコイイ人気アイテムを実装していけたらいいなと思います。 編: 渡辺さんとしてはどの辺りを突っ込んでいきたいですか。 渡辺氏: 個人的な要望ですけど、ダメージデニムみたいなものは欲しいなと思います(笑)。まだ正式に要望は出していないのですが。 編: 色々な可能性がありますよね。その中で、実在のアイテムとのタイアップとかはいかがでしょうか? 渡辺氏: まだ打診段階ですが、いろいろなタイアップ企画はあります。スポーツ用品ですとか、アパレル関係など、どんどん入れていきたいと思っています。 編: そのほか、キャラクタのモデル、顔のデザイン、そのほかBGMとか色々な部分がありますが、これらについてはいかがでしょうか。 渡辺氏: BGMについては「shakabone」さんというグループの歌がステージのBGMになることが決定しています。 顔に関しても、“かわいい顔”は初めはなかったのですが、こちらの強い要望で入れてもらっています。韓国の方々の好みなのでしょうか、標準では“強い顔”が来るんです。現在各体型に3種類の顔があって、その中に“怖い系”の顔があるのですが、辻野のほうは「もっとかわいい系の顔が欲しいな」と。それで「もっとノーマルの顔でかわいい顔が欲しい」と要望を出したのですが、全種類にかわいい系の顔がきました。結果的にはファットにもかわいい系の顔が入ったというのは良かったです。 編: オープンβ後から有料化までの段階で、どのような機能の追加を予定していますか? 辻野氏: 新しい機能としては「チーム対戦モード」が大きなものになると思います。今ですと、ルームを作ったらあと7人、参加者を待つという形ですが、4人でチームを作って、他の4人のチームとマッチングさせるモードを導入しようと考えています。ロビーで呼びかけたあと、4人でチームを編成できるルームを作って、同じように編成した他のチームとマッチングをするというものです。 編: それはクラブ機能とは違うのでしょうか。 辻野氏: それとは違いますね。コミュニティを拡充する機能というよりは対戦をしやすくするためのモードです。 編: チーム対戦機能というのは2対2、3対3、4対4すべてに対応しているのでしょうか。 辻野氏: そうです。オンラインゲームで言うパーティーのような即席の要素ですね。 編: クラブ機能はいつぐらいに実装されるのでしょうか? 辻野氏: はっきりとした日程はまだいえないのですが、正式サービス後になると思います。 編: プレイしながら感じたことですが、シフトを押しながら操作するというのは、結構ツラいところがあって、1時間2時間ならまだしも、3時間4時間たっぷりやろうとなると手が吊るんじゃないかなと思いました。ゲームパッドに対応して欲しいなと思いました。 渡辺氏: 仰るとおり、日本での一般的なゲームのプレイスタイルは、キーボードではなくゲームパッドなので、早期には対応していきたいと思っています。βテスト中か正式サービス開始直後を目処に対応していきたいと思っています。 辻野氏: 我々としても早く入れたいとは思っています。コンシューマゲームのサッカーゲームも色々流行っていますので、必須なものだと思いますからね。
■ プレーヤー同士をつなげるコミュニティシステムを強化、ゲーム大会開催も!?
辻野氏: 基本的なものですと「お友達登録」があります。実装時期は正式サービス開始後になる見込みです。 編: ガンホーゲームズが始まって、そこでもコミュニケーションの可能性が広がりました。ガンホーゲームズとのコラボレーションは何か考えているのでしょうか? たとえばNHN Japanさんの「フリースタイル」はハンゲームのアバターとのコラボレーションを実現されていたりしますけれども、 渡辺氏: 今現在、特に企画はないですが、せっかくポータルがありますので、何かできれば面白いなと思います。今後、何らかの形でぜひ活用していきたいと思います。 編: 「エクストリームサッカー」というのはカジュアルゲームである一方で、スポーツですが、わかりやすい目標としてのゲーム大会が重要になってきますね。大会についてどのような計画を立てていますか? 辻野氏: クラブ機能が実装された後にクラブ同士の対立等も考えていますので、クラブ機能を軸に盛り上げていきたいですね。それからトーナメント大会等は、我々のイベントとして盛り上げて行きたい部分ではあるのですが、それはシステムというよりは僕達の力でオンラインイベントとして盛り上げていこうと考えています。 渡辺氏: 実際のところ、私もフットサルをやっているのですが、練習よりも普通の試合のほうをやっています。試合をやるなら大会をやりたいよねというのは、ゲームであっても普通のフットサルであっても変わらないと思います。ですので、大会というのは大切にしたいなと思っていますし、オンでもオフでも大会は重要だと思います。 編: 大会以外でのユーザーさんのモチベーションを保たせるための取り組みとしてはどのようなことを考えていますか? 渡辺氏: やっぱり大会が一番かなとは思ってはいますが、あとは継続的なアップデートだと思いますね。新しいアイテムや新しい遊びを提供していったり、クラブ対抗戦やちょっとストーリー的な要素。そうしたものを弊社のほうからも提供していって、継続につなげられればいいなと考えています。最後にランキング機能ですね。 編: ランキングは個人ランキングということになるのでしょうか? 辻野氏: 今日も試合が終わった後に表示されていたかと思うのですが、例えばタックル成功回数やゴールキープといったものが全てランキングの対象となります。ギルド機能追加後は、ギルドランキングも用意します。
■ アイテム課金のビジネスモデルとゲームデザインについて
辻野氏: “ゲームポイント”で買えるアイテムは、能力値がつかないアイテムなのですが、能力値がついたものが“ショップポイント”で購入できる課金アイテムになります。 編: つまり、同じデザインで、能力値がアップする有料アイテムと、能力値がアップしない無料アイテムの2種類が用意されるのでしょうか。 辻野氏: そこはまだ調整中なのですが、画面の表示の仕方等も含めて2種類用意することを検討しています。また、消費系アイテムも“ショップポイント”で購入する課金アイテムになります。 編: 消費系のアイテムでは大別して、試合中の能力を向上させるものと、試合後に得られるお金や経験値をアップさせるものがありますよね。 辻野氏: 「エクストリームサッカー」では前者のものがメインになると思います。プレイを楽しくするためのアイテムを多く入れていきたいですね。 編: 試合前にサッカーボールを選択できますが、あれは売り物なのですか? 「マイボールでやるぞー」みたいな要素があると楽しそうですが。 渡辺氏: 現段階ではそういう仕様ではないのですが、自分の好きな色やカラーを付けた「マイボール」が作れたらおもしろいので、開発には要望は出しています。 編: レベル制のゲームデザインですが、レベルが上がるとどうなるのでしょうか? 辻野氏: 一定のレベルが上がると、ポジションが選べるようになります。そのポジションごとに取得できるスキルも変わってきます。 編: スキルはゲームポイントで貰えるものなのでしょうか。 辻野氏: そうですね。4つあるポジション別に、ポジションを変えると貰えるものであったり、特定の条件で貰えるものがあったりというのを考えています。基本的にショップで購入するものです。ものによっては“ショップポイント”で購入する有料のスキルもあります。 編: スキルは全体で何種類くらいを考えているのでしょうか。 辻野氏: オープンβ開始段階では10種類のスキルが使えます。その他にスキルショップで購入いただけるスキルと合わせ、合計20種類以上になります。 編: キーパーというのもポジションの1つですよね。 辻野氏: そうですね。ポジションでキーパーを選ぶとキーパーになった時に有利なスキルをもてるというだけで、ゲーム内でゴールキーパーだからといってフィールダーをやってはいけないといことはありません。 編: 試合のマッチング画面で「ゴールキーパー」というボタンがありますよね。あれを押すとゴールキーパーになれるのでしょうか。 辻野氏: はい。ゴールキーパーが決まっていなければ、自分がゴールキーパーになれます。 編: 下手するとみんな押しちゃうということもありますよね。 辻野氏: 最初のウチは、ゴールキーパーのおもしろさがわからないですから、チーム内にそんなにゴールキーパーをしたい人はいないのではないでしょうか。点を入れられたらゴールキーパーのせいということになりますからね(笑)。
■ オンラインゲーマーと共に、サッカーファン、フットサルファンにもアピール
渡辺氏: オープンβがいつまでやるかということも関わってくると思います。正式サービスを早めに始めたいということもありますが、韓国とスケジュールを合わせる都合もありますので難しいところです。オープンβで20万人くらいが目標です。 編: ロビーのキャパシティというのはどれくらいなのでしょうか。 辻野氏: 現状1つのロビーで1,000人です。 編: 同接の目標というのはいくらくらいなのでしょうか。 渡辺氏: 今考えているのは3,000人です。 編: 基本無料で遊べるカジュアルゲームは現在日本でもたくさんありますが、そうした中でどのように差別化を図っていくのでしょうか? 渡辺氏: カジュアルゲームはいわゆるアキバ系といわれているようなタイトルが多く見られますが、「エクストリームサッカー」はどちらかというと渋谷系のゲームとして、また違った種の魅力があると思っています。 編: イメージ的にNHN Japanさんの「フリースタイル」と被るところはありますよね。 渡辺氏: 元々サッカーとバスケは違うというところもありますが、日本独自の、日本のユーザーに好まれるアイテムをどんどん出していきたいです。実際にあるブランドなど、例えば季節感のあるものや現在少ないデニム系のパンツやスカートなどカッコイイアイテムをどんどん取り入れていきたいですね。 編: ガンホーさんに最近フットサルのチームができたと伺いました。そうしたフットサルの方面からのマーケティングのプランなどあれば教えてください。 渡辺氏: よくご存じですね(笑)。イメージパーソナリティの松原さんもフットサルをやられているのですが、そういったところも含めていろいろやっていきたいですね。 編: ちなみにフットサルのプレーヤー人口はどのくらいなのですか? 渡辺氏: 正確には取れていないのですが、一説によると50万人といわれています。最近、急激にフットサル場が増えていますし、おそらくみなさんの回りの方でもやっているという方は多いと思います。ここ1年だと特に女性の人気が高くなってきています。サッカーのスポーツショップに行くと、女性のグループだけで買いに来ている光景も見ますし、女性が本屋でフットサルの雑誌を立ち読みしている光景ですとか、結構頻繁に見るようになりました。 編: フットサルプレーヤーに対するマーケティング的なアプローチは何か考えているのですか? 渡辺氏: 簡単なところでは、フットサルのチームの中でも仲間内でグループができていると思うので、そこの1人に訴求できれば、繋がっていく流れは作れると思います。フットサル場でのサンプリングなどから始めたいと思います。 編: ガンホーさんはタイアップが非常にうまいですよね。たとえば大手メーカーのフットサル用のシューズを買うと、アイテムチケットがついてくるようなみたいなこともあるのでしょうか。 渡辺氏: 現在お話しできるものはありませんが、弊社ではこれまでにも様々なタイアップをしていきていますので、その辺はご期待ください。 編: 最近では、EAさんをはじめコンシューマ市場でもストリートサッカーへの進出が盛んです。たとえば、EAさんのゲームは実名の選手がでることが大きな強味になっていますが、「エクストリームサッカー」の強みはどのあたりになると考えていますか? 渡辺氏: 「エクストリームサッカー」は、仲間との連携やコミュニケーションなど、実際のプレイしている感覚をリアルタイムで感じ取ってプレイできるところが魅力だと思いますね。 編: そういう意味ではギルド機能というのは早期実装がのぞまれるところですね。 渡辺氏: そのとおりですね。 編: 正式サービスに関しては未発表ですが、事業計画によれば年内にということですが、どのあたりを考えているのでしょうか? 渡辺氏: もちろん年内ですが、韓国との兼ね合いもありますので、現時点でいつぐらいというのは難しいです。希望としては年内でもなるべく早い段階で開始したいと考えています。 編: 8月10日にβテストが始まります。参加するユーザーの方にコメントお願いします。 渡辺氏: 「エクストリームサッカー」は、みんなでやるのが面白いゲームです。サッカーのオンラインゲームというのはこれまでありそうでなかったものですので、そういった部分でもぜひ一度プレイしていただきたいと思っています。 辻野氏: このゲームではキーパーをユーザーが自由に動かせるというのが特徴ですので、キーパーを皆さんに体験して欲しいなと思います。キーパーは前に出られるのでついつい出てしまうのですが、それでカウンターを受けると簡単に点を入れられてしまいます。かなり前線とのバランスが難しい職業です。ですので、是非皆さんにキーパーを極めて欲しいですね。そうすればチームの引っ張りだこになるのは間違いなしです。 編: ありがとうございました。
※画面および情報は開発中のものです。実際のものとは異なる場合があります。
□ガンホーのホームページ (2006年8月9日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|