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会場:Shanhai New International Expo Center
「China Digital Entertainment Expo(ChinaJoy)」では、日本のメーカーの中国でのアピールの一端に触れることができた。今回出展を行なった、KONAMI、Square Enix、そしてコーエーのタイトルを中国で展開する盛宣鳴数字科技のブースレポートをお伝えしたい。 ■ KONAMIはアーケード、コンシューマタイトルを多数“参考出展”
特に「ウィニングイレブン9」は人気を集めており、8台ある試遊台はいつもプレイ待ちのユーザーとギャラリーでにぎわっていた。「ウィニングイレブン9」はイベントスペースで大画面での対戦プレイが可能で、スタッフがその模様を実況してくれる。このコーナーは一組のプレイが終わると次の希望者が競って手を上げていた。 どのタイトルも人気で多くのユーザーを集めていたKONAMIだが、実は現在、モバイルゲーム以外の、コンソールゲーム、アーケードゲームを展開していない。今回出展されたタイトルはモバイルをのぞき、全て「参考出展」タイトルなのだ。 中国でのKONAMIは'96年にアーケードゲームを展開するメーカーとして設立された。しかし、アーケードゲームに関しては「44号文書」と呼ばれる法律により、2000年に展開を休止、その後はコンソールゲームをリリースする。最近では、メッセージや音声も中国語に翻訳した「ウイニングイレブン8」(パブリッシングはSCE Asia)は大好評を博した。しかし現在は、コンソールゲームも規制による影響で展開を行なっていない。 こういった状況でもあえてKONAMIがChinaJoyに出展をしたのは、「コナミ」としての、コンテンツの魅力を中国ユーザーにアピールしたいという意志があったのだろう。規制緩和の希望を持ち、アーケードゲームのタイトルも多数出展し、「現在のコナミのコンテンツ」をアピールしている。 日本の「コナミ」としてのイメージを強調したKONAMIの出展は、独自のネットワークゲームを多数パブリッシングし、オンラインゲームメーカーとしてアピールするSEGA Networksとはまったく違うベクトルを感じさせるものだ。
来場者達は、出展されたタイトルの多くが英語版、日本語版であるにもかかわらず、実に楽しそうにプレイしていた。面白いゲームを望むユーザーの希望がどのような形で叶えられていくかは、注目していきたいところだ。
■ 展開中の「クロスゲート」と、2本の最新作を映像出展したSquare Enix
「クロスゲート」は、日本では月額課金制で運営されているが、中国では8月1日よりアイテム課金に移行する。支払いは独自のポイントカードを購入して行なう。ゲーム画面から、ショップボタンを押すことでアイテムを購入できる。台湾では「クロスゲート」はすでにアイテム課金を行なっている。 試遊台では、サービス開始に先がけてアイテム購入を体験できた。課金アイテムは高性能の回復薬や、ステータスアップ効果のあるアイテム、カレーライスやフカヒレスープなどゲームに登場する料理などもあった。 今回、試遊台は「クロスゲート」のみで、この他最新タイトルとして「ファンタジーアース」、「至尊天下」の2本の映像出展を行なっていた。「ファンタジーアース」は日本で現在サービスされているRvRをテーマにしたアクションMMORPGだ。ゲームの特徴を紹介するムービーには中国語の字幕が入っていた。中国でのサービス時期は未定だ。 「至尊天下」は中国でのSquare Enixオリジナルタイトル。動力時空という中国の会社が開発を行なっている。武侠世界をテーマに、中国ユーザーにアピールする要素を詰め込んで制作しているという。ムービーでは、キャラクタが大きくジャンプをし、武侠映画の主人公そのままに空を滑空していく姿が印象的だった。
フィールドは細かく描きこまれ、戦闘では派手なスキルが発動する。乗り物は麒麟のような神話的な動物や、パンダまで登場する。ムービーではキャラクタがジャンプを繰り返して高いところに登ったり、城壁を超えるシーンも。攻城戦などで活用する技能なのだろうか。今回のムービーはあくまで“イメージ”という印象を受けた。年末にテストを行なう予定で現在開発が進められているという。
■ 巨大な帆船型ブースで「大航海時代 Online」を出展した盛宣鳴数字科技
盛宣鳴数字科技のブースでは、2月から正式サービスをしている「信長の野望Online」はタイトルが描かれた看板のみの出展で、30台近くの試遊台はすべて「大航海時代 Online」のものだった。ブースではゲームの音楽を楽しむことができるコーナーも用意されていた。BGMを聞かせる部屋は外の音が入りにくい構造になっていて、来場者はゲームに登場する様々な街のBGMを楽しむことができた。 「大航海時代 Online」は8月からクローズドβテストを予定している。各試遊台にはゲームの操作方法が説明されたカードが用意されていて、すぐに航海に出発することができた。ユーザーの注目も高く、プレーヤーの肩越しに画面をのぞき込む人も多かった。
中国でのコーエーのタイトルの展開は、韓国や台湾など他のアジア地域と比べて、遅い印象がある。認可などの点で、スケジュールが決まりにくいという面もあるようだ。今回のブースでは、盛宣鳴数字科技のタイトルへの理解の深さ、期待の大きさが感じられたように思う。今後の展開が楽しみである。
□China Digital Entertainment Expoのホームページ (2006年7月30日) [Reported by 勝田哲也]
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