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HUE、「グラナド・エスパダ 2.0」先行体験レポート
新フィールド、新システム、チュートリアルなどゲーム性が更に充実

7月4日テストサーバー運用開始



 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は、現在オープンβテストを実施している「グラナド・エスパダ」において、大規模アップデート「グラナド・エスパダ 2.0 (GE2.0)」を導入する。このアップデートはまず7月4日にオープンするテストサーバーにおいて実装され、ユーザーの意見を反映し、調整が加えられた形で一般サーバーに実装される予定だ。

 GE2.0では、各フィールドに「コロニー」と呼ばれる拠点が設置され、これをギルド間で奪い合うという「攻城戦」のような要素がもたらされる。この他にも、新フィールド「ウスティウルジャングル」、「骸骨の巣」の実装。キャラクタのアイテム所持に関するルール変更と、倉庫機能の搭載、新アイテムや、仲間に加えることのできる新NPCの登場など多彩な要素が加わることとなる。

 これらのアップデート要素は韓国でもまだテスト中で、日々バランスなどの変更が行なわれている。GE2.0は今後、日本のユーザーの意見も取り入れて、より完成したコンテンツへと成長していく。今回、弊誌では、HUE本社にてGE2.0の各要素を先行体験してきたので、スクリーンショットともに紹介したい。


■ 一新されたフィールドマップ、各地を奪い合う新しい競争要素「コロニー」

 GE2.0では現在のフィールドのバランス調整が行なわれ、モンスターの配置なども変更される。新しいフィールドだけでなく、既存のフィールドでも様々な新モンスターに出会うだろう。「グラナド・エスパダ(以下、GE)」には奇妙なモンスターが数多く存在するが、今回も大砲などの重火器をつけた犬「ドギーボム」など、一風変わったモンスターが数多く追加されている。

今回追加されるコロニー。GEに新しい競争要素をもたらす要素だ
様々なフィールドにコロニーが設置される。美しいフィールドやダンジョンに近い場所のコロニーなどは人気が高くなりそうだ
 フィールドを歩いていると、海面が輝いていたり、エフェクトが強化されていたりなど、グラフィックスエンジンがアップデートされていることが実感できる。街でのテクスチャや、キャラクタの服装もより一層細かく表現されており、ファンならば思わず細部までチェックしてしまうだろう。

 今回のアップデートで最も目玉といえる要素が「コロニー」である。フィールドを歩いていると様々なマップにコロニーが追加されていることがわかる。GE2.0では党(ギルド)でこのコロニーを攻撃することで、コロニーを所有することができる。

 コロニーは丸い石の台座の中心に、細かい彫刻の施された柱が立った形をしている。柱にはHPが設定されており、これを党員が攻撃し、破壊することでコロニーを所有できるようになる。コロニーの横には「党コロニーマネージャー」という機械が設置されていて、様々な機能が使えるという。今回は残念ながらまだ体験できなかった。

 コロニーを所有した党に所属するキャラクタは、所有するコロニーが多いほど能力のアップするといった恩恵がある。また、党員はコロニーのある場所にいつでも移動することができることもできる。コロニーの登場によってプレーヤー達が領土を奪い合う競争要素がもたらされることになるのだ。

 現在、コロニーの数は明らかになっていないが、街の周辺のフィールドにも多数あり、また新フィールドでもその存在を確認することができたため、コロニーはかなりの数に上りそうだ。7月4日からオープンするテストサーバーでは、最初、コロニーの所有者は決まっておらず、党を結成し、コロニーを攻撃すれば簡単に入手できるようになっている。多くのプレーヤーがいち早くコロニーを所有するために激しい競争を繰り広げるだろう。

 コロニーの所有権は敵対ギルドがコロニーを所有しているギルドに宣戦布告し、戦いに勝利することで移動する。その戦いは一定時間内で行なわれ、所有する党は攻めてくる党からコロニーを守らなくてはならない。

 現在、韓国では宣戦布告を拒否することができない仕様になっているという。コロニーは実用的な面だけでなく、「海辺のそばに拠点を持ちたい」というような、党に“箔”をつけるような効果もあると感じた。テストサーバーでのプレーヤーの動きに注目したいところだ。

コロニーは様々な場所に設置されている。コロニーを所有している党員ならば、コロニーに瞬間移動できたりと、様々な機能が利用できる
フィールドのモンスターの配置、フィールドの繋がりも調整されている。モンスターの種類が増えて、より冒険の楽しさが増した


■ 密林探検気分を味わえる新フィールド「ウスティウルジャングル」、「骸骨の巣」

西側に新地域が追加されている。大陸東側の港町コインブラから船で向かうことになる
古代の恐竜たちが待ち受けるウスティウルジャングル。「ジュラシックパーク」などの映画のファンにはたまらないフィールドだろう。BGMも探検気分を盛り上げる
たくさんの骸骨が襲いかかってくる骸骨の巣。どんな秘密が隠されているか、とても気になるダンジョンだ
 今回追加される2つのフィールド、「ウスティウルジャングル」、「骸骨の巣」は高レベルキャラクタ向けのフィールドだ。地図では大陸の地図の西側に描かれているが、この場所には、地図で最も東の港町コインブラから船で行くこととなる。フィールドの整合性としては少し奇妙に感じた。

 コインブラ港に浮かぶ船にお金を払うことで、キャラクタは「ウスティウル前進基地」に移動する。今までのフィールドとは少し感じの違う、鬱蒼と緑の生い茂る場所である。建物はどれも木を荒く組んだ急造のもので、実に“開拓地”らしい荒々しい雰囲気がある。フィールドにいるNPCも一癖もふた癖もありそうなキャラクタが揃っている。

 この前進基地からウスティウルジャングルへと向かう。ジャングルの名の通り、巨大な樹木が生い茂るフィールドになっている。BGMは久保田氏の「Maya」を始めとして、ドラムの音などに「これぞ密林探検」という気分を盛り上げるフレーズが織り込まれており気分が高揚する。映画「キングコング」や「ジュラシックパーク」などにも通じる、危険なジャングルを進む気分にさせてくれるフィールドだ。

 このジャングルでは「恐竜」がプレーヤーを待ちかまえている。4つのフィールドにわかれていて、第1区域では小型の恐竜が多い。始祖鳥の姿をしたアロップや、「ジュラシックパーク」で執拗に主人公達を追いつめた小型恐竜ラプターなどが登場し、キャラクタを取り囲んでくる。

 第2区域以降の区画には巨大恐竜が出現する。3つの角と後部が張り出した、特徴的な頭部を持つテンタケラトプス(トリケラトプス)や、鋭いトゲのついた甲羅を持つアンキロサウルスなど、恐竜好きの人ならば思わずニヤリとしてしまうような大型モンスターが、多数登場する。さらに第4区域では、トリケラトプスやブラキオサウルスといった恐竜が出てくる。今回はテスト用に、レベル100のキャラクタでマップに入ってみたのだが、第4区域では特に敵が強く、すぐに倒されてしまった。

 リアルに再現された恐竜たちと、華麗な服装を身にまとうGEのキャラクタ達が戦う、という姿はかなりインパクトのある構図だ。恐竜好きの筆者は彼らが歩いている姿を見るだけでも興奮させられた。

 骸骨の巣はウスティウルジャングルの第3区域から行くことができるダンジョンだ。ジャングルとはまったく違う、スケルトンがひしめく、魔術的な匂いのする洞窟となっている。非常に暗く、数多くのスケルトンが一斉に襲いかかって来るという危険な場所だ。

 今回はまだテスト中ということで、1階より奥にいくことができなかった。深奥部にはオーパーツ(その時代の技術では製作できない謎の歴史的遺物)としても有名な「水晶のドクロ」にそっくりなアイテムが空中に浮かんでいた。今回このドクロにさわることができなかったのだが、このダンジョンでどんな役割を果たすか、とても興味が惹かれた。

 ダンジョンに登場するスケルトン達は剣や盾、斧槍などの武器を持っている。武器には細かい彫刻が施されており、彼らがどんな存在なのか謎が深まる。ダンジョンの奥には火器を使いこなすマスケッティアのようなスケルトンも登場するという。

 醜悪な混沌の化け物がひしめく「テトラ遺跡」や、甲殻類が向かってくる幽霊船のダンジョン「ポルトベルロ」など、GEにはテーマのはっきりしたユニークなダンジョンが多い。筆者は特に密林探検気分を満喫できるウスティウルジャングルの恐竜たちとの戦いが楽しかった。

 まだ人がほとんど入っていない未開の土地。なぜ恐竜がいるのか? 密林の奥に広がる骸骨の森の奥にはどんな秘密が隠されているのか? ストーリーの展開も気になるところだ。

未開の大地への冒険の足がかりとなるウスティウル前進基地。急増の建物、荒っぽい雰囲気のNPCなど、冒険への気持ちをぐっと盛り上げてくれる
ウスティウルジャングルにはたくさんの恐竜型モンスターが登場する。レベル100のキャラクタでも苦戦する危険な場所だ。筆者は思わず恐竜に夢中だった少年時代を思い出してしまった
ウスティウルジャングルから向かうことができる骸骨の森。たくさんのスケルトンがキャラクタを取り囲む。水晶のドクロはどんな機能を持っているのだろうか


■ 新大陸へ向かう船の上で基本プレイが学べるチュートリアル

チュートリアルが楽しめるフィールドは新大陸に向かう船で展開する
 今回追加される要素は上級者向け要素だけではない。初心者向けにチュートリアルも実装される。チュートリアルは新規キャラクタを作成することで体験できる。テストサーバーのプレーヤーはもれなく体験できるので、是非飛ばしたりせず、楽しんで欲しい。

 チュートリアルは新大陸に向かう帆船の上で行なわれる。船長を始めとしたNPCと話しかけることでキャラクタの基本操作、戦闘の仕方、アイテム取引の仕方、さらに3人のキャラクタを操るマルチキャラクタコントロール(MCC)の基礎、NPCを仲間にしたパーティーの編成などを学ぶことができる。

 帆船そのものも細かく作り込まれていて見応えがある。また、タコと戦う専用ミッションなどもあり、初心者だけでなく、既存のプレーヤーも楽しめるだろう。ちょっと要素を駆け足で詰め込みすぎかな、と思う部分もあるが、すべてのプレーヤーに体験してもらいたいモードだ。

 船以外にもスタート地点となるリボルドウェにも多数の初心者支援NPCの姿が確認できた。今回は細かく体験できなかったが、個々でも専用のミッションなどが楽しめるようだ。GEの世界には今後ますます初心者が訪れるだろう。こういった初心者向けの要素を充実させるスタッフの姿勢は、評価したい。

チュートリアルでは基本的な操作や戦闘を学ぶことができる。また、スタート地点であるリボルドウェでも初心者向けのNPCが多数追加されている


■ 新システム「レオナルドエクスプレス」、新アイテム、NPCなどその他の追加要素

大陸全土でサービスを開始するレオナルドエクスプレス。今までのウェイポイント同様の機能を持つほか、倉庫機能などを利用できる。残念ながら馬車に乗って移動する演出などはない
多数追加される新アイテム。より個性的なファッションを追求できるようになった
装備アイテムを強化できる「強化システム」。低レベルキャラクタ向けの装備の性能を引き上げ、使い続けることも可能となる
 ユーザーの間で議論を生みそうなのが変更点が「ウェイポイント」の廃止である。いままでのGEではウェイポイントと呼ばれる、オーバーテクノロジー的なポータルが世界の各所に作られており、プレーヤーはお金を払うことで他のウェイポイントにテレポートすることが可能となっていた。

 今回、このウェイポイントに代わり「レオナルドエクスプレス」という新たな交通機関が登場する。馬車の前で所属員がプレーヤーを迎えるという世界観にマッチした、“駅馬車”の様なサービスだ。このレオナルドエクスプレスでは、他の街の停車場への移動に加え、倉庫の管理、ワープ呪文書の購入、所持制限増量サービスなどが行なわれる。

 ワープ呪文書というのは、今までウィザードしかできなかった、他の地域への移動を行なう「テレポート」を、様々な職業で行なうことができるようになるアイテム。倉庫の管理、所持制限増量サービスは、GE2.0の実装に合わせて、取り入れられる「キャラクタのアイテム所持の重量制限」に対応したサービスだ。

 今回はテスト用のキャラクタを使用したため、「キャラクタがどのくらいの重量のアイテムを所持できるか」を確認できなかったのは残念だった。今までのGEでは多くのアイテムを所持できたため、必要なときに探し出すのが一苦労だった。倉庫の登場により、必要なアイテムだけを持って冒険に出ることが可能になるのである。

 レオナルドエクスプレスの登場によって、ウェイポイントが廃止されたが、これに合わせてフィールド間の繋がりも見直されることになった。今回確認できたところでは、リボルドウェイとコインブラの街の間のフィールドがずいぶん短縮されていた代わりに、中間点で利用できるポイントはなくなっていた。レオナルドエクスプレスは今のところ街の入口だけにあるようだ。

 GE2.0ではレオナルドエクスプレスのほか、コロニーも移動手段として活用できるが、コロニーを使うことができるのは、それを所持しているギルドだけである。現在の所、移動できるポイントが減ってしまわないか心配だ。GEのフィールドはかなり広大で、瞬時に移動できたウェイポイントは便利な存在だった。これが廃止されることでプレイスタイルがどう変化するかは気になるところだ。

 今回の体験会では、新アイテムの一部も見ることができた。ウィザードの「メイドユニフォーム」や、スカウトのボディラインが強調されたセクシーな衣装「カペッツォロディペリッコロ」、中世の道化師のようなファイターの「ファナティックスーツ」などユニークな装備も登場する。また、髪型のカスタマイズも可能になった。

 さらに、“アイテム強化システム”が導入されることで、低レベルキャラクタ向けの外見を持つ高性能な装備アイテムを作成が可能になった。こういった要素を組み合わせることで同じような格好のキャラクタばかりだったGEに彩りが加えられるようになる。

 これまでのGEのプレーヤーの個性は、キャラクタの外見よりも、3人のキャラクタを操るMCCにおいて発揮されていた。本作ではゲームに登場するNPCをクエストなどを遂行することでプレーヤーキャラクタとして使用できるようになっている。今回、その方向性は一段と強められ、仲間にできるNPCは更にその数を増した。今回は体験できなかったが、固有のスキルを持つキャラクタも多く登場するという。

 従来のGEでは、実用的なスキルやスタンスが限られていたため、高レベルダンジョンに挑戦する際には、どのプレーヤーも似たり寄ったりの編成になってしまうという意見があった。今回の変更と追加により自分なりのキャラクタ、パーティーを追求できるようになるという。

 今回、お話を聞いたHUE事業推進部長平田雅一氏は「GEでは、MCC、3人のキャラクタによるパーティーに対しての、プレーヤーの思い入れが生まれる。パーティーとして自分なりの個性を発揮できるのが、GEならではの面白さだと思う」と語る。今後も更にユーザーからの意見も取り入れて、よりユニークで多彩なパーティー編成が楽しめるようになっていくという。

 GE2.0の数々の追加要素は、通常のサーバーにいきなりもたらされるのではなく、当面はテストサーバーのみで実装される。これらの要素を体験するためには、専用のクライアントを公式ページからダウンロードする必要がある。

 韓国でも現在はまだテストサーバーでの実装のみである。レオナルドエクスプレスの駅の数や、モンスターの配置などのゲームバランス、テストサーバーの各要素は今後ユーザーの意見を反映させて検証されていくという。まだまだGE2.0は変化し、進化していくコンテンツだ。今回紹介できなかった要素もまだまだたくさんある。「グラナド・エスパダ」の今後に注目したいところだ。

ユニークなものからカッコイイものまで多数アイテムが追加される。髪型は帽子と同じような頭部につけるアイテムとして変更できる
多数の仲間にできるNPCも追加される。個性的な編成を追求するのはGEならではの楽しさだ

(C)2003-2006 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

※本レポートは6月30日の時点の仕様であり、その後、数度のパッチを経て、4日に先行テストサーバーでは一部異なる箇所もあります

□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ
http://www.hanbit.jp/
□「グラナド・エスパダ」のページ
http://www.granadoespada.jp/
□「グラナド・エスパダV2.0」の告知ページ
http://ge.clubhanbit.jp/news/notice/2006/06/27-1723.asp
□関連情報
【6月28日】HUE、MMORPG「グラナド・エスパダ」
次期アップデートの内容を発表。公開テストも実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060628/ge.htm
【5月29日】HUE、MMORPG「グラナド・エスパダ」
九十九電機とKOUZIROより推奨PCが発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060529/gepc.htm
【5月16日】HUE、MMORPG「グラナド・エスパダ」
新機能実装を含む大規模アップデートを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060516/ge.htm
【5月8日】ソースネクスト、HUEのMMORPG「グラナド・エスパダ」
スターターキット、プレミアムパッケージを5月25日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060508/sourcen.htm
【4月28日】HUE、「Granado Espada WORLD PARTY」を5月27日に開催
1,000人規模のユーザーイベント、小林智美氏らゲストも出演
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060428/gewp.htm
【4月27日】ソフマップ、「グラナド・エスパダ」プリインストールPC発売
オリジナル特典はWebMoneyとオリジナル壁紙など
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060427/ge.htm
【4月21日】オンラインゲームレビュー「グラナド・エスパダ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060421/granado.htm
【4月18日】HUEとアスク、Albatronのビデオカード9製品を
「グラナド・エスパダ」推奨認定。クライアントDVDを同梱
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060418/ge.htm

(2006年7月3日)

[Reported by 勝田哲也]



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