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★オンラインゲームレビュー★

ソロプレイとパーティープレイの楽しさを両立させた
新機軸満載の新大陸冒険MMORPG

「グラナド・エスパダ」



 ハンビットユビキタスエンターテインメントが展開するMMORPG「グラナド・エスパダ」のオープンβテストが4月14日より開催された。本作は「ラグナロクオンライン」を手がけたキム・ハッキュ氏が開発に携わっていることや、細かく描き込まれたグラフィックスによる美しい世界、3人のキャラクタを同時に操作するというMCC(Multi Character Control)システムなど、様々な点で発表時点から多くのユーザーの注目を集めている作品である。

 これまで3回のクローズドβテストが行なわれたが、その内容は限定的であり、テスターも少数に絞られ、なかなか作品の全体像を見ることができなかった。そういう意味では、今回のオープンβテストは待望の“開放”であり、ユーザーの注目度も高いようだ。今回は、オープンβテストを機に、明らかになった新システムと、ゲーム世界のインプレッションを中心にお伝えしていきたい。


■ プレーヤーの個性が発揮されるキャラクタシステム、独特な楽しさを持つソロプレイ

 「グラナド・エスパダ」は4月14日、全10サーバーという日本では前例のない大きな規模でテストが開始された。ゲームの開始時間が予定より遅れてしまったり、サーバーに接続できなくなったり、緊急メンテナンスが行なわれたりと開始直後には混乱が見られたが、現在は各サーバーもにぎわい、多くのプレーヤーが本作を楽しんでいる。

新大陸のワールドマップ。今後地域はさらに拡大していくだろう
新たにキャラクタを作成するためには「家門ポイント」が必要となる。このポイントはクエストをクリアすることで得ることができる。家門ポイントはNPC獲得などにも必要だ
3人のキャラクタを同時に操作するというMCCシステム。メンバー構成、スタンス、スキルの組み合わせなど、ユーザーの判断でこだわりのパーティーを編成することが可能である
 筆者はこれまでに数度のβテストに参加してきたが、今回のオープンβテストのバージョンは、フィールドの繋がり、クエストを依頼してくるNPCなどもきちんと実装されており、MMORPGとして完成度を上げていることを実感した。

 プレーヤーは最初にファイター、ウィザード、マスケッティアの中から1キャラクタを選んで作成する。ゲームを進めることでスカウト、ウォーロックを作成できるようになる。同時に操作できるキャラクタも徐々に増えていく。

 ファイターは「プロヴォーク」という挑発スキルで敵を引きつけることができ、盾となりパーティーを守る存在だ。ウィザードは魔法での攻撃の他、パーティーを他の場所に移動できる「テレポーテーション」や敵の行動を妨げたり、味方の能力をアップするスキルを持つ。

 スカウトは自身の攻撃能力はないが味方を回復できる職業である。味方の能力を上げる他、トラップを設置するスキルも持っており、PvPでも活躍してくれそうだ。ウォーロックは攻撃魔法に特化した存在で、炎、氷、電撃の3つの属性を使いこなす。これらの基本キャラクタの他、ゲームを進めることで独自の能力を持ったNPCもプレーヤーキャラクタとして使用できるようになる。

 各キャラクタは扱う武器や能力に対応する「スタンス」を持っている。このスタンスにもレベルが設定されており、レベルが上がることでスキルを取得し、キャラクタの方向性が強められる。たとえば、ファイターを盾と剣を持たせて壁役にするも良し、両手剣や槍を持たせて広範囲の攻撃能力を持たせても良い。スタンスとキャラクタの構成により戦術はより多彩なものになっている。他のプレーヤーと情報交換して、自分なりのベストな組み合わせを話し合うのも楽しい。

 本作の第一の面白さは、プレーヤーごとのパーティー編成の多彩さにある。街を歩いていたり、ダンジョンですれ違うパーティーはとてもバリエーション豊かで驚かされる。筆者はファイター、ウォーロック、マスケッティアという構成だが、回復能力を持ったスカウトを加えている人も多いし、マスケッティアだけでパーティーを構成するプレーヤーもいた。また、NPCを加えている人も多い。人それぞれにパーティーなりの戦術を持っていて、それぞれに説得力がある。

 3人のキャラクタを操って戦うことでまず気づかされるのは、「ソロプレイの楽しさ」である。3人での連携プレイがわかってきて、自分なりの戦い方が確立してくると、敵との駆け引きが面白くなってくる。ゲームでは多数の敵を蹴散らし、じりじりと前に進んで行くという展開になるが、スキルを使用するタイミングがうまくいき、大量の敵を一気に倒した時の爽快感は格別なのだ。

 ソロプレイの緊張感と対照的に、多人数のプレイでは豪快な戦いが体験できる。「グラナド・エスパダ」ではプレーヤー達でのパーティープレイはスクワッド(分隊)と呼称される。4人のスクワッドでも12のキャラクタが集団で動くことになり、その火力は圧倒的だ。敵がひしめき合うダンジョンを集団で移動し、一気に殲滅していくのはとても気持ちいい。

 後述するミッションやPvPなどでもオンラインならではの遊びが提示されている。本作をプレイしていくと、ソロプレイと集団での楽しさの両立を目指しているということがわかってくる。新しい、楽しいオンラインゲームを作り出そうというスタッフの意気込みがあらゆるところで感じられる作品となっている。

装備は対象レベルによって区切られていて有用な装備は限られてしまっているが、必要のなくなった古い装備をとっておいて組み合わせることでこだわりのファッションも追求できる華やかさがある。ファッションデザイナーのアンドレから買える帽子も良いアクセントになるだろう
ウォーロックの氷系上級スタンスは走ることができなくなるが、強力な攻撃スキルを使用できる 街で購入できるスタンスリスト。どんな上級スキルを持たせるか、あれこれ想像するのも楽しい。ちょっと値段が高いのが難点だ 家門ポイントを使うことでキャラクタのスロットを増やすことができる。多くのキャラクタを育てたくなる作品である


■ 美しいフィールドと、コンシューマのRPGのような緊張感のあるダンジョン

 美しいグラフィックスで描き出された「グラナド・エスパダ」の世界は歩いているだけでも楽しい。スタート地点であるリボルドウェの街には市場や噴水、時計台などの「名所」も多く、フィールドも吊り橋や巨大な石像、滝、更に下生えや樹木などすべてのオブジェクトが細かく描き込まれている。切り立った崖の向こうに雄大な山々が見えたりと、遠景も素晴らしい。思わず立ち止まって周りを見回したくなる景色がそこにはある。

スタート地点であるリボルドウェの街。NPC達の背景も明らかになり、住人も増えて探索する楽しさが増した
夕闇迫るコインブラの街。リボルドウェとは全く趣の違う港町である。他国からの移住者や漁師、元海賊だった人物などに出会える
ダンジョン内は多くの怪物でひしめいている。無理に前進しようとすればあっと言う間に囲まれて倒されてしまう。じっくり敵を倒しながら前進して行かねばならない
 一方、ダンジョンは暗くおどろおどろしい。最初のダンジョンであるアル・ケルト・モレッツァは巨大な蜘蛛や動く甲冑が闊歩している神殿である。テトラ遺跡は顔が巨大な肉塊にたくさんの顔がついたような怪物や空を飛ぶ車輪のようなモンスターなど常識では考えられないような怪物がひしめいている。幽霊船の中がダンジョンとなっているポルトベルロでは錨の形をしたモンスターや巨大なザリガニが襲いかかってくる。

 第2次クローズドβテストが行なわれたバージョンでは巨大なホオズキのようなハニースパイダーなど醜悪なモンスターばかりだったが、今回は狼や熊、イノシシなど“普通の”モンスターが増えた。個人的にはクリエーターの情念を感じさせるような異形のモンスターのデザインラインが迫力があって好きだったが、異なるテイストのモンスターを配置することでフィールドとダンジョンの違いがより強まったと思う。特にテトラ遺跡のモンスターには生理的な嫌悪感を感じるほどに恐ろしい、ぜひこの気持ち悪さは体験して欲しい。

 「グラナド・エスパダ」の世界には「ウェイポイント」と呼ばれる謎の転送装置が存在する。この装置は街やフィールド、ダンジョンに設置されており、一度そこを訪れればお金を払うことでいつでも行けるようになる。ダンジョン内のウェイポイントを探し出すことができれば、例えその先で全滅しても再びウェイポイントから再開できるようになるのだ。

 このウェイポイントの存在が、ダンジョン探索のための集中力を生んでいる。ダンジョン内はモンスターがひしめいており、駆け抜けることは不可能に近い。3人のキャラクタを同時に操れると言っても、1人が倒れてしまえば戦力は大幅に減少し、そのまま全滅してしまうことも多い。ウェイポイントの位置はマップで確認できるので、ともかくそこまで何とかたどり着くようにプレーヤーはキャラクタを動かしていくこととなる。

 次のセーブポイントまで何とか進もうというこの緊張感は、コンシューマのRPGの感覚に非常に近いものがある。先行しすぎて敵に囲まれないように、目の前の敵を撃破しつつじりじりと前に進む感覚は緊張と安堵が交互に訪れ、迷宮を探検する強い臨場感をもたらす。この緊張に加え、「グラナド・エスパダ」では他のプレーヤーという予測不可能のファクターが入る。

 他のパーティーが露払いしてくれて攻略が楽になることもあれば、モンスターを引き連れて来たプレーヤーが突然目の前で倒れ、そのモンスターがこちらに襲いかかって来るという“トレイン”に巻き込まれることもある。コンシューマゲームの緊張感と、オンラインゲームならではのドラマ性が、ダンジョン攻略により一層の面白さをもたらしてくれる。

 また、「グラナド・エスパダ」では各フィールドやダンジョンに“中ボス”にあたるモンスターが設定されていて、一定のタイミングで登場する。中ボスの強さは他のモンスターの強さとかけ離れていて、ぎりぎりの強さでそのダンジョン攻略しているパーティーでは倒すことはほぼ不可能である。スクワッドの仲間がいれば協力して戦うこともできるが、1人の場合は刺激しないように迂回するのが一番だ。この時の緊張感もかなりのものがあり、切り抜けた時の安心感は大きい。

 ちょっと疑問に感じたのは、トレインが発生してプレーヤーがいなくなった後にもモンスターがその場所に固まってしまうことだ。目標を見失ったら元の場所に帰るようなアルゴリズムが欲しいと感じた。これを痛感したのが、テトラ遺跡の入り口である。他のプレーヤーが中ボスを引っ張ってきてダンジョンの入口まできてしまい、他のプレーヤー達はウェイポイントからテレポートした直後にモンスターに囲まれて次々と倒されてしまったのだ。

 「グラナド・エスパダ」では、パーティーが全滅しても街に戻る必要はなく、一定時間が経過するとその場で復活することができる。しかし、そこにモンスターが居座ったままだと生き返ってもまた倒されてしまうので、現状だとその場復活は他のプレーヤーの救援を仰ぐしかない。この他にもダンジョン入口に多くのモンスターが集まってしまい、ダンジョンに来たばかりのプレーヤーがあっという間に倒されてしまうケースもまま見られた。こういった部分のバランスはぜひ今後改善していって欲しいところだ。

 各ダンジョンにはボスキャラクタも設定されている。このボスの強さは尋常のものではない。ボスには最大30人のプレーヤー、つまり90人のキャラクタで挑戦可能だ。道具屋で「メガホン」というアイテムを購入すれば、マップ中に声を響かせることができ、これによって参加者を募るプレーヤーもいる。30人近くのプレーヤーが集まるボス戦はレイド気分だ。

 テトラ遺跡のトレジャーゴーレムは周りのプレーヤーを天高く放り投げる攻撃を行なってきて、数十人のキャラクタが放り投げられ、一気に瀕死になったりもした。ダンジョンのボスは「こんなのに本当に勝てるのか?」と思わせる迫力を持っている。高レベルのキャラクタでも少人数では勝てない。20人以上のキャラクタが協力してやっと、というところだ。ちょっとしたプレーヤーイベントとしてもぴったりの敵である。

 ダンジョンは一度クリアして終わりではない。各ダンジョンには「初級」、「中級」といった難易度設定がされており、中級では出現モンスターが変わり、強さも段違いとなっている。プレーヤー達は更なる強さを求めて難易度を上げたダンジョンに挑戦することになる。「Diablo」を思わせるユニークなシステムだ。

 今回本作をプレイしてみて、「グラナド・エスパダ」はゲームバランスにおいてかなり優秀な作品だと感じた。ソロプレイがしやすいため自分のペースでレベル上げをしやすい上、同じ場所に居座り続けなくても、フィールドやダンジョンを移動しながらキャラクタを成長させられる。筆者はプレイして数日でレベル41になった。まだ最強のダンジョンであるジャケン収容所にはたどり着けていないが、その前に中級ダンジョンに挑戦が可能になって少し驚いた。アル・ケルト・モレッツァの中級をクリアするくらいキャラクタが強くなれば、ジャケンにたどり着けそうである。

 3人のキャラクタを操り、多数のモンスターを相手に戦うという「グラナド・エスパダ」の戦闘、そしてウェイポイントを求めてドキドキしながら前に進む感覚には独特の魅力がある。それは、コンシューマゲームのRPGが持っている感触に近いものだ。本作のスタッフが色々なゲームの魅力を研究し、フィードバックすることで生まれた感触だと思う。

リボルドウェ周辺にいるハニースパイダー。最初に出会うモンスターとしてはかなり衝撃的な姿をしたモンスターだ 王達の庭園の入り口。本作には思わず足を止めて魅入ってしまう風景が数多く存在する ポルトベルロに続くジザベル峡谷。高所恐怖症の人にはとても渡れないような釣り橋である
ダンジョンの終点に設置されたウェイポイント。入り口のポイントから、何としても生き残りここにたどり着かなくては次の場所へは行けない スクワッドを組んでダンジョン攻略、物凄い勢いでモンスターを殲滅していく ダンジョン入り口にかたまってしまった敵。復活を繰り返して何とか撃退した
醜悪なモンスターが待ち受けるテトラ遺跡。モンスターのデザインからは、デザイナーの“情念”が感じられる ポルトベル路のダンジョンへと続く道。朽ちた幽霊船の内部へと突入する 幽霊船内部には巨大なザリガニや海賊のゾンビが待ち受けている
呼びかけに応えてボス討伐のために集まったプレーヤー達。これだけいても勝つには心許ない アル・ケルト・モレッツァのボス、ディロスラデムは分身を使ってプレーヤーを惑わす テトラ遺跡のボス、トレジャーゴーレムは周囲のプレーヤーを天高く放り投げる攻撃を使ってくる


■ クエスト、NPCの使用、ミッション……レベル上げだけでない幅広い楽しさ

 「グラナド・エスパダ」はフィールドやダンジョンだけではなく、街を散策するのも楽しい。服飾デザイナーのアンドレや、料理人のパンファルロなど個性豊かなNPCが多く、クエストによって語られる彼らのエピソードもユニークだ。

普段はクールな料理人のパンファルロが、突然叫ぶ。思わず驚かされたクエストだ
クエストを進めることでNPCを自分のキャラクタとして使える。プレーヤーによってはキャラクタ集めに夢中になるだろう
PvPはミッションだけでなく、デュエルを挑むこともできる。現在多くのプレーヤーは冒険に夢中だが、全地域を走破したプレーヤーが増えると、対戦も活発に行なわれるだろう
 ただ、武器屋や道具屋の存在を教えるためのチュートリアルも兼ねた最初の街のクエストは少し煩雑でわかりにくい。キャラクタ名が長いため、マップでは略称などを使っていて、その名前がクエストログと違ってしまい目的の人物がわかりにくい場合もあった。地図のアイコンを点滅させるなどもう少しわかりやすくしてもらいたかったところだ。

 スタート地点のリボルドウェだけでなく、次に訪れるコインブラにも魅力的なキャラクタが多い。行方不明になった父の足跡を探すエミリア、故郷の味を求める魔術師ウンボマなどキャラクタのエピソードが織り込まれるクエストも多く、リボルドウェのNPCとの意外な接点も明らかになったりする。

 NPC達はゲームを進めることでプレーヤーキャラクタとして使えるようになる。簡単なクエストで仲間になる者もいれば、ドロップアイテムを数百個集めなくてはいけない者もいる。仲間になるNPCの中にはショットガンや大砲を使うといった、基本キャラクタでは使えないスタンスを持っている者もいて、より個性的なパーティーを編成できるようになる。

 自分なりのキャラクタ像、パーティー像を追求することができるのは、「グラナド・エスパダ」の大きな魅力である。3人の編成をどうするか、NPCの能力を調べたり、新しいスタンスを試してみたりと、幅広い選択肢が用意されている。NPCのスタンスやスキルに強弱はあるが、外見にこだわったり、「漁師パーティー」や「オシャレ3人組」といったテーマでキャラクタを育成するのも楽しいだろう。

 「ミッション」は、党(ギルド)単位でのイベントにぴったりの要素だ。ミッションは街のNPCから受けることができ、ルームを作成して参加者を待つというスタイルを採る。ミッションに参加できるのは、そのセッションに参加したプレーヤーだけであり、MOの形式で行なわれる。

 ミッションでは様々なシチュエーションでの戦闘が楽しめる。それぞれ専用のマップが用意されており、通常の戦闘とは違った戦いを体験できる。「トリニティ」というミッションでは3方向から襲ってくる敵から拠点を守り、「古代遺跡の乱闘劇」では自軍の拠点を守りつつ、敵の拠点を破壊しなくてはならない。

 ミッションは敵の出現のタイミングや、侵攻してくるルート、各プレーヤー達の役割などを把握しなくてはクリアは難しい。何度もトライして、意見をぶつけ合い、学習する必要があるだろう。党(ギルド)の連帯感を強めるためのイベントにぴったりだ。試行錯誤してうまくいったときの達成感は大きい。

 この他に、PvPミッションも用意されている。1vs1のデュエルは通常フィールドでデュエルを選択することで楽しめるが、3vs3など複数のプレーヤーでの戦いをするためにはこのミッションを利用する。この他にもトーナメントもPvPミッションで行なうことができる。

 現在ミッションはプレーヤーの環境によってスタートするタイミングがまちまちで、特にPvPではこのタイミングのために不公平な勝負になっているなど、実装したてだけにまだ問題点が多い。通常ミッションも拠点の防御や攻撃だけでバリエーションはもう少しといったところだ。今後、システム、内容共にもっと突き詰めてもらいたいと感じた。

 ゲームの展開に関しては、とにかく所持金が足りなくなってしまうところに少しストレスがあった。キャラクタのレベルは上がりやすいのに、3人分の武器や防具を買いそろえられるほどのお金は貯まらない。そのため、常に買いそろえられないままレベリングを迎えてしまうため、きつい戦いを強いられる。1人分ならまだしも3人分のスタンスやキャラクタの衣装にアクセントを加える帽子、他の武器などにまで回す余力がないのである。もう少しお金を得られるようなバランスだったら、より自由度の高いプレイが楽しめるのではないかと感じた。

 フィールドの美しさ、世界観の面白さ、戦闘での興奮、ダンジョンでの緊張感、ボス攻略、ミッションなどでのオンラインならではの楽しさなど、「グラナド・エスパダ」はこの作品ならではの魅力を確立した作品である。そこには、新しい楽しさを生み出そうというキム・ハッキュ氏をはじめとしたスタッフのクリエイティビティを感じる。

 NPC集めや多人数で楽しめるミッション、ボス攻略など、レベル上げ以外の楽しさを提示しようという方向性にも好感を持った。今後は、政治システムなど、更にユニークな方向性を示してくれそうで、期待している。個人的には「開拓」要素を推し進めていってほしい。

 ゲームシステムだけでなく、音楽やグラフィックスからも、久保田修氏や、小林智美さんに負けないようにと、韓国のスタッフも頑張っているのが伝わってくる。現在まだ多少荒削りなところはあるが、制作スタッフの熱意あふれるこの作品を多くの人に体験してもらいたい。

現在のミッションは拠点の防御と攻撃というシンプルなものだ。今後バリエーションが増えていくことを期待したい
街は個人商店で賑わっているが、ちょっと歩きづらい。オークションやカタログといったスマートなシステムを実装して欲しい ジャケン収容所に向かうボナビスタ支流では、ダンジョンのモンスター以上に強い野生動物が待ち受ける 中級のアル・ケルト・モレッツァではレベルが大きく上がった敵が登場する

(C)2003-2006 IMC Games Co.,Ltd./ Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Co.,Ltd.


【グラナド・エスパダ】
  • CPU:Pentium III 1GHz以上(Pentium 4 2GHz以上推奨)
  • メモリ:512MB以上(1GB以上推奨)
  • ビデオカード:GeForceMX4000(RAM 64MB)以上(GeForce FX4200 以上/Radeon9000 以上推奨)


□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ
http://www.hanbit.jp/
□「グラナド・エスパダ」のページ
http://www.granadoespada.jp/
□関連情報
【4月11日】HUE、MMORPG「グラナド・エスパダ」特製PCなどが当たる
オープンβテスト開始記念キャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060411/ge.htm
【3月31日】HUE、「グラナド・エスパダ」記者発表会を開催
10サーバーによるオープンβテストを4月14日から開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060331/granado.htm
【3月13日】HUE、「グラナド・エスパダ」Progressive Test体験レポート
作品の方向性が明確になってきた異国情緒たっぷりのMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060313/granado.htm
【2005年11月12日】オンラインゲームファーストインプレッション「グラナド・エスパダ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051026/granado.htm

(2006年4月21日)

[Reported by 勝田哲也]



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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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