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会場:品川インターシティホール
会場に入った来場者を迎えるのは小林智美さんのデザイン画である。この他、韓国スタッフの原画や、ユーザーが応募した新コスチュームのイラストなども展示されている。イベントには特別ゲストとして、久保田修氏、TaQ氏、小林智美さんに加えて「グラナドエスパダ」のスカウトの声を演じる声優の井ノ上奈々さんが登場。PvP大会のゲストやトークショウなどに参加した。イベント、ゲーム大会共に盛りだくさんな内容であり、ファンならば楽しくならずにはいられない空間だった。 開会式ではHUE取締役CEOのキム・ヨンマン氏が、「『グラナドエスパダ』がオープンβサービスに移行してから、ユーザーがオフラインで出会える大きなイベントを開催したのは、日本が初めてです。今回このようなイベントを開催できて、本当にうれしいです」と語った。また、開発元のIMC Games からは代表として企画チームのテリョン氏は「皆様のゲームに対する熱意を韓国のキム・ハッキュ代表取締役に伝えたいと思います」とコメントした。 今回のイベントは13:00から18:00まで。PvP大会や、来場者全員が参加したクイズ大会「GE有識者決定会議」、コンパニオンとコスプレをした一般参加者によるファッションショウ「アンドレ主催ファッションチェック」、ゲストによるトークショウなど多くのステージイベントが行なわれた。 この他にユーザーが飛び入りで参加できる「ミッショントライアル」や、BGMを聞くことができる「GEサウンドギャラリー」などを楽しむことができた。入口のホールでもダーツやクイズ、サイコロゲームなどのミニゲーム大会「GEチャレンジゲーム」や、コンパニオン達と記念写真を撮れる「GEフォトサービス」、無料でタロット占いを体験できる「GEフォーチュン」など多彩な催しが随時開催されていた。来場者はイベントに参加したり、ミニゲームに挑戦したりと非常に楽しそうだった。 「Granado Espada WORLD PARTY」は、様々なところで「グラナドエスパダ」ファンをニヤリとさせられるところを持っていた。リボルドウェを思わせる入口のホールの飾り付け、小林さんの原画、韓国スタッフのイラスト資料。ユーザーの多くは携帯のカメラで資料を撮影したりしながら、仲間と意見を交わしていた。 ファッションショウではゲームのキャラクタの姿をしたコンパニオン達の服装を細かくチェック。コスプレをした一般参加者は「頭を抱えるポーズ」や「物を拾っているポーズ」といったプレーヤーならではのアクションを披露し、会場を笑わせていた。 イベントのラストには久保田氏とTaQ氏のスペシャルステージが開催された。久保田氏は自身が作曲した曲だけでなく、韓国のクリエーターの曲も演奏。次々と演奏されるゲーム内の曲に、会場の人々は「これ、俺の一番好きな曲だよ!」といった会話をしながら、耳を傾けていた。
今回は、「グラナドエスパダ」の新情報や次回のイベント情報などは明らかにされなかったが、イベント全体にきちんと流れている原作へのこだわりに来場者は満足しているように見えた。「これほど盛りだくさんな内容だとは思わなかった」と、友人と興奮しながら言葉を交わしているユーザーも多かった。
■ 3人のキャラクタで戦うPvPグランプリ。ルール、システムに今後の課題も 「Granado Espada WORLD PARTY」のPvP大会「PvPグランプリ」は、1対1(3キャラクタvs3キャラクタ)のトーナメント制で行なわれた。出場者はあらかじめ公式ページに応募していた26人のプレーヤーである。今回のために制定された特別ルールを使用して、80レベルの大会専用キャラクタをカスタマイズして戦うこととなった。
どういった職業でキャラクタを編成し、3人チームにするか、どのスタンスで戦うかが重要な意味を持ってくる。加えて、予選ではキャラクタ達のすべてのスキルレベルが1に設定されている。「グラナドエスパダ」ではスキルのレベルが上がらないと、上級スキルでも威力を発揮しないものも多い。 このスキル制限は「あまり短時間で試合が決まるとつまらなくなる」といった判断もあったという。「グラナドエスパダ」の通常のPvPではスキルの火力が勝負の大きな要素になるが、このバランスが大きく変わることになった。決定力に欠けて、長引く試合もいくつかあった。少し残念だったのは、当日に欠席する選手がいて、不戦勝で勝ち残るプレーヤーの姿も見られたことである。 決勝戦ではファイター、ウォーロック、スカウトの編成で勝ち残ってきたタンカー氏と、速攻を得意とするrkn氏がぶつかることとなった。rkn氏はファイター、ウィザード、スカウトの編成で戦っていたのだが、決勝戦ではスカウトをマスケッティアに変更した。より攻撃力に特化した編成で挑むことにしたのだ。 タンカー氏のファイター、ウォーロック、スカウトは今大会で多く見られた組み合わせだ。スカウトでキャラクタ達の能力を上げ、ウォーロックの最強呪文「エレメンタルストライフ」を当てることを狙う。ファイターは、仲間を守ると共にウォーロックが攻撃した敵に更なる攻撃を加える。 決勝戦は3戦で行なわれるのだが、1戦目は不用意につっこんだタンカー氏が、rkn氏に迎撃されてしまった。2戦目からはお互いが相手が来るのを待ちうけるという戦いになった。ここで目立ったのが、タンカー氏のエレメンタルストライフの発動のタイミングの見事さと、ファイターの追い打ちのうまさだ。更にここにスカウトの罠を設置することで、徹底的な“待ち”の作戦に出た。しびれを切らしたrkn氏はタンカー氏のペースに乗せられ敗北した。 3戦目もタンカー氏はひたすら待ち続けた。rkn氏はウィザードを浮遊させてスカウトのボムを除去するというユニークな作戦を実行するも、そこを集中攻撃されて負けてしまった。「勝負」に徹したタンカー氏が見事優勝を果たした。 攻撃範囲に入った瞬間を見逃さず、エレメンタルストライフを放ち、ファイターで追撃するというタンカー氏の優れたプレーヤースキルは確かに感じられたのだが、「グラナドエスパダ」のPvP戦はもう少し呪文の効果や、大会ルールでの練り込みが必要だと思った。 現時点では、PvPにおける有効な戦術が限られていて、ユーザーの戦術は一定の枠内に収まっている印象だが、その中でも目立っていたのが、「エレメンタルストライフ」である。ところがこの「エレメンタルストライフ」は、相手が有効範囲に来るのを待って使うことで、そのまま“ハメて”しまえる。 「グラナドエスパダ」は5種類の基本キャラクタとたくさんのNPCが、それぞれ多彩なスタンスとスキルを持っている。プレーヤーは状況に合わせてキャラクタの方向性を決めて戦っていくことが可能である。対人戦ももっと多彩な戦いが展開できる可能性を持っているはずである。ルール、バランス、スキルの効果などのバランスの練り込みをもっと行なうことでより緻密な駆け引きが楽しめるのではないだろうか。
PvPのバランスは多くのユーザーがその時のバランスに合わせ頭をひねり最適の作戦を考え、更にそれを破るための作戦を考えていくことに醍醐味がある。これからの「グラナドエスパダ」とユーザーの戦法の進化に期待したい。
■ ゲスト達のぶっちゃけ話で大いに盛り上がったトークショウ PvP大会の後、TaQ氏のスペシャルステージで始まったゲスト達のトークショウ。今回来場したゲスト達とテリョン氏によって「グラナドエスパダ」の様々なエピソードが語られた。
久保田氏は「グラナドエスパダ」の曲を手がける際に、自身のヨーロッパでの生活から「自然ににじみ出るものを活かして欲しい」と言われたとのこと。MMORPGの音楽と言うことで、長い時間、繰り返し聞ける音楽を心がけて曲を作っていったという。 小林さんはユーザーから寄せられた新コスチューム案に関して、「肌が見えている系がエッチくさくて良かった。私も本当は少しエッチくさいのが好きなので、少しそうしていこうかなと思います(笑)」と、会場の笑いを誘うコメント。また、現在、14~15歳の女の子のデザインも行なっていることを明かした。 スカウトの声を担当している井上さんは、スカウトを担当することが決まった時、スカウトの性格は「攻撃力がなくて、みんなを助ける存在なんだよ」という設定を聞き、スタッフに「控えめなセクシーさを表現してください」という注文が出された。そうした中で、井上さんがスカウト像として考えたのが「おとなしい峰不二子」だという。スカウトのセリフには、井上さんの中の精一杯の“峰不二子”が詰め込まれているとのことだ。 テリョン氏は韓国での「グラナドエスパダ」のユーザーの期待度を紹介。ユーザーからの評判は良いのだが、「ここはこうしてくれ」、「もっと早く実装してくれ」といった厳しい要望も多く、スタッフはこういったユーザーの声に応えるために頑張っているという。日本のユーザーへのメッセージとしてテリョン氏は、「『グラナドエスパダ』では、色々な体験ができる作品にしていきたいと思います。期待してください」と語った。 今回のイベントで最も盛り上がったのが、TaQ氏と久保田氏のコンサートだ。最初に登場したTaQ氏はオリジナルアレンジで久保田氏の曲を熱演。激しく体を振り、腕を大きく広げ来場者からの声援を求めた。その勢いに観客達も大きな声で応える。その声の中でTaQ氏は気持ちよさそうに激しく体を動かしていた。 久保田氏は、演奏だけではなくテトラ遺跡で流れる「Odyssey」ではその声も披露。また、韓国のアーティストが作曲したリボルドウェのテーマなどを演奏した。アーティストによる生の演奏が楽しめるのは「グラナドエスパダ」のイベントならではの楽しさといえるのではないだろうか。ファンは激しい曲には手拍子を、静かな曲には足でリズムを取り、演奏を一心に聞き入っていた。 フィナーレはTaQ氏と久保田氏の「Old Speckled Reel」の合奏である。TaQ氏がバイオリンを持って登場し、繊細なメロディーを奏で、多才さをアピール。会場の雰囲気もクライマックスに。
演奏している背後にはテーマに対応するゲーム画面が映し出される。プレーヤーならば誰しもゲーム内での体験がよみがえってくる。両氏の演奏と、ゲーム内での記憶の相乗効果による独特の興奮が体験できたコンサートだった。イベントが終わっても興奮の名残がいつまでも残るような、楽しい体験だった。ユーザー達が晴れ晴れとした顔で会場を去る姿が強く印象に残った。
□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ (2006年5月29日) [Reported by 勝田哲也]
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