【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Electronic Entertainment Expo 2006現地レポート

SCEAブースレポート その1
プレイステーション 3のプレイアブルタイトルを12作品出展

5月10日~12日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 先日のカンファレンスでプレイステーション 3の発売日と価格が発表されたSCEAのブースでは、予想通りPS3のプレイアブルタイトルが数多く出展されていた。前回のようなクローズドシアターや派手なイベントはなかったが、階段で上がるPS3タイトルの展示フロアや仕切られた小部屋での展示には入場制限がかかるほど来場者が押しかける混雑ぶりとなった。このPS3のエリアは格調の高いイメージで手堅くまとまっていたという印象を受ける。また、ブース中央にはラックに納められたPS3の開発機を中心に、多数の試遊台が設置されていた。サードパーティのものも含めると膨大な数になるが、その周囲も人垣がなくなることはなかった。

PS3の実機展示の前には多くのカメラが集まっていた ラックに収めたPS3の開発機を中心に、多数の試遊台が並ぶ中央は大混雑

 ユニークだったのがPSPの出展エリア。飛行機やサブウェイの客席をイメージしたゾーンを構築し、来場者にPSPのプレイアブルタイトルを遊ばせていたのだ。携帯機の利便性が一目でわかる演出で、来場者もどこかリラックスしたムードでPSPのゲームを楽しんでいた。

居間やバスケット場をモチーフにした展示場所のあるPSPエリア


 今回のブースレポートでは、SCEAブースのメインとなったPS3の出展タイトルの模様からブースレポートをお届けしたい。


■ カメラとサイバーコードを利用した識別システム「The Eye of Judgment」

 3×3の9マスで区切られたフィールドにモンスターを召喚し、先に自分のモンスターで5マスを埋めることで勝利する陣取りゲームタイプのライブパズル。開発・販売はSony Computer Entertainment Japanでローンチタイトルを目指して鋭意制作中だという。

このゲームではモンスターの召喚に本物のトレーディングカードを使用する。ゲームで使用するトレーディングカードにはソニー独自の2次元バーコード「 サイバーコード」が印刷されている。この「サイバーコード」をソフトと同梱で発売予定のカメラが識別し、モンスターの種類からモンスターの位置や向きのデータが読み込まれるという仕組みだ。

【「The Eye of Judgment」】
カードの上部の黒い線が「サイバーコード」 この盤面を見下ろすカメラと固定スタンドは開発中という シートのマス目ごとカメラがモニターに映し出してくれる


 陣地とモンスターには火や水や機械という属性があり、属性の異なる陣地にカードを置くとダメージを受ける。筆者は水属性のプリーストレスを溶岩地帯に設置してしまい、召喚された直前にプリーストレスのライフがゼロになってしまった。基本的にモンスターは前にしか攻撃できないので、相手の次の一手を読み、有利な位置に召喚することが重要だ。

 カードのトレーディング方法については教えてもらえなかったが、オンライン対戦にトレードができるような仕組みになるのではないかと筆者は推測する。カードの種類は30枚以上あり、カードコンプリートへの収集意欲も同時に満たしてくれるタイトルとなるだろう。

【「The Eye of Judgment」】



■ 新ビークルとしてバイクを実装「グランツーリスモHD」

 来場者が長い列を作ったのが「グランツーリスモHD」。言わずもがなだが、「グランツーリスモ」シリーズは海外でも高い人気を誇るシリーズであることがわかる。驚かされるのが、このタイトルはE3のためだけに開発されたもので、「グランツーリスモ4」に収録されていた各種データを高精度化、高解像度化した上でプレイステーション 3に移植した作品だということだ。

 さらにバイクが3台導入されている点も見逃せない。HONDAのCBR 1000 RR'5、YAMAHA YZF-R1 RM'05、SUZIKIのSkywave 250 SS '05だ。もちろん、この3台は実際に動かすことができる。PS3の描画能力以前に、「グランツーリスモ」の世界で単車を走らせるということは独特の感覚。CBRの加速感、ライダーの動き、バイクの挙動のシミュレートの度合いは「これでプロトタイプか?」と唸るほど違和感のない出来映えに思えた。

 製品版としてのPS3版「グランツーリスモ」はポリフォニーデジタルにて鋭意制作中であり、今回の「グランツーリスモHD」と比較して遥かに高い品質の作品となる予定とのこと。PS3版の完成を期待して待ちたい。

【「グランツーリスモHD」】



■ 人類の存亡を賭けたFPS「Resistance Fall of Man」

 ロシアとヨーロッパ全土を制圧したクリーチャーに、残された軍人が戦いを挑むという設定のFPS。ショーバージョンの開発度はすでに70%ということで、壁や敵に残る銃痕やグレネードの爆風で吹き飛ぶ土の描画など細かな点まで完成していた。タイプ的には、問答無用で弾をばらまく「撃ちまくり」系のFPSにカテゴライズされるのではないかと思う。

 暗いタッチの世界観がゲームの良いエッセンスになっていると感じた。灰色を基調とした重々しい世界、目の前でクリーチャーに喉を刺され殺される同僚、そして主人公が撃ち殺したクリーチャーの死屍累々が積み重なっていくシーンは圧巻そのものであった。軍事物ではあるのだが、クリーチャーという非現実的な存在を出すことで軍事色を弱めている点も面白いところだ。

 獣のようなクリーチャーは猛スピードで移動しているのだが、主人公の移動と方向転換もスムーズなので動きながら撃てば一方的に勝つことができる(ショーバージョンだからなのだろうか……)。ショーバージョンはキャンペーンモードのみであったが、この移動速度が予定されているオンラインでのマルチプレイにどう影響するかが楽しみである。

【「Resistance Fall of Man」】



■ 開発度は60%「GENJI 2」

 2005年6月30日にPS2で発売された「GENJI」の続編がPS3で登場する。時代劇テイスト溢れる3Dアクションで、左方向キーを押すことで義経と弁慶を切り替えて進んでいく。ショーバージョンでプレイできた状況は火に包まれた神殿の中での戦闘で、炎の揺らぎや崩落する建物の破壊パターンのディテールは次世代機のパワーを感じることができる。

 スピードで翻弄する二刀流の義経、巨大な体躯でねじ伏せる弁慶を切り替えることでアクションがテンポチェンジするところも、ゲームとして面白いと思う。ただ、まだ開発度60%ということで自機のコリジョンやカメラワークに首を捻るところが何点かあった。今後の調整に期待したい。

【「GENJI 2」】



■ 自分の歌声をアップロード可能なカラオケゲーム「SingStar」

 会場の個室で盛り上がっていたのがLondon Studiosの「SingStar」。著名アーティストのPVに合わせて流れてくる伴奏に合わせ、歌声をマイクで入力するゲームだ。判定は1フレーズごとに行なわれ、安定した音程を保ち続ければステージクリア。音を外しすぎるとゲームオーバーとなってしまう。

 「このマイクはプロ仕様なのですよ」と聞いて歌ってしまった筆者だが、洋楽(しかも女性グループ)だったためにあえなく轟沈したのは言うまでもない。判定は意外としっかりしていて、当たり前のことだが正確に歌詞を歌ったほうが良い。鼻歌では良い評価を得られなかったので、その識別方法に興味をそそられた。

 PS3が提供するオンラインコミニティを最大限に活用したコンテンツは「MySingStar」機能。プレーヤーが記録した歌声をフィードバックし、アップロードして共有することができるという。

【「SingStar」】



■ 作り込まれたアクションに刮目「Heavenly Sword」

 アクションアドベンチャーゲームの「Heavenly Sword」はショーバージョンの開発度は50%。カンファレンスと同じく、敵の集団が現われ、ボスと戦闘をするところまでしかプレイできなかった。だが、開発度50%でも「Heavenly Sword」は次世代機のパワーを存分に見せつけてくれた。

 ○ボタンで相手を掴むグリップと、□の刀での攻撃ボタンの組み合わせで起こるアクションは多彩。刀での連続攻撃といったスタンダードな技から、刀についた鎖で相手を巻き付け締め落とすといった高度なアクションまで行なうことができる。また、このゲームでは背景も有効な攻撃手段となる。オブジェクトの近くで×ボタンを押せば、それを相手に投げつける。攻撃の選択範囲が大きいこのゲームでは、プレーヤーが独自の戦闘スタイルを作り上げることができるだろう。

 迫力の戦闘を支えるのは主人公のアクションだけではなく、優秀な戦闘エンジンで動かされる敵キャラクタたちも秀逸だ。プレイしていると、敵のAIが状況を判断しているのがよくわかる。味方が複数いる状況は囲みに、一対一になった場合は主人公から距離を置くなど知性のある動きをするのが特徴的だった。アクションゲームファンは期待して待っていてほしい。

【「Heavenly Sword」】



■ 浮かんでいる皿を動かす感覚「Warhawk」

 自機は戦闘機、バルカンとミサイルのロックオンで敵を撃墜するゲーム内容でフライトゲームのようだが、筆者にはこのゲームがフライトゲームには見えなかった(ジャンルもアクションアドベンチャーゲームになってはいるが)。

 「Warhawk」はPS3専用コントローラの6軸検出システムを活用し、コントローラを傾けることで自機の操縦を行なう。基本的に自機はふわふわと浮いているので、飛行しているというイメージが薄い。たしかに自分の手で直接画面の中の物を動かす感触は素晴らしいのだが、まるで浮かんでいる皿を動かして戦闘機ごっこをしているようにしか思えなかった。

 会場のバージョンではオンラインでのマルチプレイはできなかったが、将来的には32人もの空戦が楽しめることになるとのことである。

【「Warhawk」】



■ 「FORMULA ONE 06」

 F1の公式ドライバー、車種、ルールをシミュレートしたレーシングゲーム。ショーバージョンの開発度は60%。ブースのプレイアブルタイトルはローディングの長さが少々気になったが、車体の質感、コースと背景の存在感はリアルさを追求するタイプのレースゲームが持つインパクトを確かに与えてくれる。

【「FORMULA ONE 06」】



■ 「MADDEN NFL07」

 ショーバージョンの開発度は30%のアメリカンフットボールゲーム。プレイ中の映像やハイライトシーンも荒削りで、臨場感あふれるグラフィックスとはお世辞にも言い難い。まだ参考出展ということで、完成バージョンに期待したい。


■ 「GUNDAM MOBILE SUIT」

 アニメ「機動戦士ガンダム」を題材にしたロボットアクションゲーム「GUNDAM MOBILE SUIT」のプレイアブルタイトルが出展されていた。ショーバージョンでの目的はブリーフィング画面で説明される。自機である陸戦型ガンダムに搭乗し、敵モビルスーツを六体破壊せよ、という指令が下される。カメラはガンダムの背面から追走するタイプで、コックピットの視点には切り替えることはできなかった。

 L1ボタンで敵をロックオンし、R2のバルカン、△ボタンのビームサーベルで攻撃を開始できる。装甲はパーツ単位で制御されているので、攻撃を受けると当該部位のみが破壊される。筆者の場合は左側面から攻撃を受けたときに、左腕が破壊されてなくなってしまった。メカニックを操縦しているという実感が味わえるタイトルといえる。

 画面全体の処理が遅いのは、開発度20%のためやむなしと言ったところか。


■ 「Virtua Tennis 3」

 日本でもアーケードで人気を博したリアルテニスゲーム「パワースマッシュ3」が、「「Virtua Tennis 3」としてプレイステーション3に移植される。ショーバージョンの開発度は20%。まだ20%ではあるが、プレイに関してはボールの跳ね方や球速は問題なくシミュレートできていると感じた。各選手のハイライトシーンも汗まで丁寧に作り込まれているので、テレビ中継のような映像を楽しむことができる。


 映像出展では、「HEAVY RAIN THE CASTING」と「WARDEVIL【ENIGMA】」が展示されていた。他にプレイアブルで出展されていた「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」に関しては、今後掲載を予定している各メーカーのブースレポートに期待にしていただきたい。

□Electronic Entertainment Expoのホームページ
http://www.e3expo.com/index.asp
□□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□関連情報
【5月9日】Sony Computer Entertainment America E3 Press Conference 開催
PS3の本体価格、コントローラーが正式発表される
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060509/scea.htm

(2006年5月11日)

[Reported by 福田柵太郎]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.