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Electronic Entertainment Expo 2006現地レポート

Sony Computer Entertainment America E3 Press Conference 開催
PS3の本体価格、コントローラーが正式発表される

5月8日 発表(現地時間)

会場:Sony Pictures Studio

 E3開幕の2日前となる5月8日(現地時間)、Sony Computer Entertainment America(以下、SCEA)は、プラットフォームホルダーの先陣を切ってメディア向けのE3 Press Conferenceを開催した。場所は昨年と同じSony Pictures Studio。


■ PS3の価格、発売日を発表

 まず、大きなトピックであるプレイステーション 3に関して、SCEAのCEOである平井一夫氏から、価格とハードウェア構成が明らかにされた。既に報道されている通り、日本での「プレイステーション 3」の発売日は11月11日。ハードウェア構成の違いにより、HDD20GBモデルは62,790円、60GB搭載モデルの価格はオープンプライスとされた。米国での発売は11月17日で、HDD20GBモデルは499ドル。HDD60GBモデルは599ドル。欧州でも11月17日に発売を予定。HDD20GBモデルは499ユーロ、HDD60GBモデルは599ユーロと設定。

 HDD20GBモデルと60GBモデルの違いだが、HDD容量のほか、Memory Stick/SD/CompactFlashスロット、IEEE 802.11 b/gワイヤレスLAN、HDMI出力端子が省略され、その分価格が抑えられている格好となっている。本体色はクリアブラックがスタートとなるが、会場には以前から登場していたシルバーも展示されていた。

 平井氏によれば、「開発機は最大数の1万以上を出荷し、11の国の208の会社に提供する。最終的な開発機はローンチの6カ月前に出荷する。E3では、いくつかのゲームがこの最終的な開発機で動いている」と、PlayStation Meetingからの情報のアップデートが行なわれた。

 また、平井氏はPS2とPSPに関しても様々な発表を行なった。PS2に関しては、新作タイトルを発表した。

PS2の新作タイトルはE3のSCEAブースで確認できるとしている
「ATV Offroad Fury4」
「Destroy All Humans 2」
「Dirge of Cerberus」
「Dragon Ball Z Budokai Tenkaichi Z」
「Final Fantasy XII」
「God of War 2」
「Guitar Hero2」
「Justice League」
「Madden NFL'07」
「MLB'06:The Show」
「Mortal Kombat Armageddon」
「NBA'07」
「Okami」
「Rogue Galaxy」
「SingStar」
「SOCOM:U.S.Navy SEALs:Combined Assault」
「Urban Chaos」
「Yakuza」

 PSP関連ではネットワークサービス「e-Distribution」の連動コンテンツを紹介した。まず始めに目玉であるプレイステーションのエミュレーターについて平井氏が実演した。このコンテンツはPS3と連動している。PS3を通じてコンテンツサーバーからダウンロードしたデータをメモリースティックに保存。

 今回の実演ではプレイステーションのエミュレーターとナムコのPSタイトル「リッジレーサー」のデータが入ったメモリースティックをPSPに差し、PSPメニューのメモリースティックから「プレイステーション」のエミュレーターを起動させていた。

 スクリーンにはPSの起動画面から「ギャラクシアン」のロードデモ、実際の走行画面まで問題なくエミュレーションに成功していた。平井氏は「リッジレーサー」をプレイ中にスクリーンサイズの変更(3段階)も行ない、様々なゲームのエミュレーションに対し、最適な画面サイズに調整できるとしていた。

【スクリーンショット】


スクリーンには50(おそらくドル)とかかれたカードが一枚映し出された
 また、平井氏はオンラインコンテンツを利用する際の代金支払い方法として「The PlayStation Card」というシステムについての説明を行なった。この「The PlayStation Card」に金額をチャージし、ゲーム内の様々なコンテンツを購入するために利用できるようにするとのこと。

購入画面はスライド資料で実際に購入したわけではなかった
 実際にスクリーンにはSCEA制作の「Warhawk」というゲームの「WARHARK Store」という購入画面が映し出された。ここで追加武装やビークルが1ドル~2ドル単位で購入が可能で、購入したアイテムは実際のゲームに反映されるという。

有名アーティストの楽曲を選択してダウンロードが可能
 その後、マイクデバイスで歌声を入力する「singstar」というゲームでは、追加楽曲のダウンロード販売のダウンロードをデモンストレーション。「e-Distribution」関連の具体的なサービス例を提示していた。

 また、今後リリースされるPSPのタイトルも紹介された。これらの詳細は後日のSCEAブースにて詳しくお伝えしたい。

【スクリーンショット】
「ATV Offroad Fury Pro」 「Gangs of London」 「Killzone:Liberation」
「TalkMan」 「WORLD TOUR SOCCER 2」 「syphonfilter DARD MIRROR」
「B-Boy」 「planetpsp」 「LocoRoco」
「APE ACADEMY2」



■ SCEの久夛良木健社長がPS3専用コントローラを説明

 続いて、SCEのCEOである久夛良木 健氏が登場。PS3専用コントローラについての紹介を行なった。久夛良木氏は「これが最終決定のPS3専用コントローラである」として、懐からPS3のコントローラを取り出した。形状は現在の「Dual Shock 2」とほぼ変わりないように見えるが、久夛良木氏は「ボディは一般的なコントローラに見えるが、内部機能はパワフルでエレガントなシステムを採用している」として内部機能の充実を強調した。

【スクリーンショット】
従来通り、方向キー、○、×、△、□ボタンに二基のアナログスティック、L1、L2、R1、R2ボタンを配置 コントローラーの上面に位置するL2、R2ボタンの形状に変更が加えられた コントローラーの上部はUSB端子が実装、接続状態を示すBluetoothランプを4個配置


 細かなところでは、アナログジョイスティックの傾斜角度、アナログジョイスティック部分のアナログ情報の検出精度を従来の8bitから10bitに拡大。Bluetoothによる無線操作可能で、USBによる充電を行なうことができる。

 強調されて説明が行なわれたのは、PS3専用コントローラの6軸検出システムについてである。6軸検出システムは、新たにROLL(左右傾き)、Pitch(前後傾き)、Yaw(左右振り)の姿勢3軸に加えて、コントローラ自体の3軸(XWZ)加速度の情報をリアルタイムに検出するというものだ。会場のスクリーンには箱の中からPS3専用コントローラが飛び出して空中で停止するという映像が流された。ソニー・コンピュータエンターテインメント・ワールドワイドスタジオの社長Phill Harrison氏による、PS3のコントローラと連動しており、動かしたり傾けると、スクリーンに浮かんだコントローラも同じ動きを取るというデモ。

 この他に、PS3のデモンストレーションではもはやレギュラー化しているあのアヒルのデモが用いられた。Phill氏がPS3専用コントローラを斜め横方向に傾けると風呂場の水面に浮かんだアヒルも斜めに傾き、下方向に傾けると風呂場の水面に浮かんだアヒルも頭を下に向けて直立するという具合だ。

 さらにPS3用の「War Hawk」にてPS3専用コントローラの性能を実演。コントローラを左右に傾けることで機首の転回、上下に動かすことで高度の調整を行なうことができる。そのレスポンスにも驚いたが、コントローラがワイヤレスというおかげで、大きくコントローラーを動かすことができるという点も特徴的だった。

 実際にコントローラーを持ってみると、カンファレンス会場限定での仕様なのかもしれないが、従来の「DUALSHOCK2」コントローラよりはるかに軽く感じる。また、セレクトとスタートの間のプレイステーションのロゴマークも別パーツで構成され、ボタン状の突起となっていた。

 この6軸検出システムの導入に伴い、従来のPS、PS2の標準コントローラー「DUALSHOCK」、「DUALSHOCK2」に装備されていた振動機能は、PS3専用コントローラから取り外される予定だ。実際に会場で触れることができたコントローラは、このモーターがないためか、非常に軽量であった。


■ PS3用のデモ、実機プレイ映像が公開。「グランツーリスモHD」で1080p出力を実現

 今回のカンファレンスでは、PS3用に制作されたデモや実機でのプレイ映像が多数公開された。Phill Harrison氏をメインとした進行で、多数の映像が公開された。

 中でも、実際に開発者が登壇しプレゼンテーションが行なわれたタイトルがいくつかあった。グランツーリスモシリーズのプロデューサーである、ポリフォニーデジタル プレジデントの山内一典氏は、E3に向けて制作されたという「グランツーリスモHD(GTHD)」を公開した。山内氏は「この『GTHD』はPS2『GT4』をベースにしたもので、映像を高解像度化しPS3用に移植したもの」と断りを入れてプレゼンをスタートした。

 流れたレースのデモは、1,920×1,080ピクセルの60フレーム/秒のプログレッシブ映像。山内氏も「家庭用のモニターで60フレーム/秒のプログレッシブ映像が動くことは、人類にとって始めての経験だろう」と発言。「GTHD」の映像の情報量はPS2の「GT4」の12倍という数字が、PS3の映像処理能力の高さを証明している。

【「グランツーリスモHD」】


 また、山内氏はローディング時間の短さについても言及。「GT4」はデータのローディングに役15秒程度のロード時間を要していたが、「グランツーリスモHD」はPS3本体のHDDキャッシュを利用することで、わずか2~3秒でロードが完了することを実演して見せた。

 この「GTHD」は制作期間わずか3カ月程度のスピード移植で、コード周りやグラフィックエンジンなどはまだ完全に最適化が行なわれていないにも関わらず、このスペックの映像が出力できている。山内氏は、「『GTHD』を作って、さらにPS3に対してワクワクしてきた」とうれしそうに語っていたことが印象に残った。

 さらに、次期「GT」に向けて、「GT4」でのネットワークテストが行なわれることが明らかになった「山内氏は「まもなく、日本とアメリカで『GT4』をベースにしたオンラインのβテストが始まります。PS3バージョンで発売する将来の『GT』はオンラインをサポートする。『GT』を拡張するというよりはむしろ、オンラインにおいて『グランツーリスモ』が爆発するというようなところを狙っていきたい」とコメントした。

 PS3版「GT」についてのリリーススケジュールだが、発売日は明確にしなかったが、「(PS2の時は『GT3』がハードのローンチから1年かかってしまったので)次はなるべく早い時点でお届けしたい」とした。

 Electronic ArtsのCEOであるLarry Probst氏は「NBA LIVE 07」と「Tiger Woods PGA TOUR 07」についての説明を行なった。Larry氏は「NBA LIVE 07」を例に挙げ、PS2とPS3のハードの能力差が、ゲームにどれだけ影響を与えるかを、実際の映像で比較しながら実演した。PS2では選手が向きを変える時、足の位置をまったく動かさず不自然に回転していた。だが、PS3では選手が片足を交互に動かしまったく、違和感の無い回転動作になった。

【「NBA LIVE 07」】


 「Tiger Woods PGA TOUR 07」はメイキングビデオを放映。その中で本物のタイガー・ウッズ選手の顔中にセンサーを取り付け、動作から表情までモーションキャプチャーを行なった過程が放映されていた。壇上では実際にタイガー・ウッズ選手のモデルをリアルタイムでポーズを取らせ、いろんなセリフをしゃべらせることで、表情の違いを実演した。

【「Tiger Woods PGA TOUR 07」】


【「Genji2(仮称)」】
アクションゲーム「Genji」の続編。弁慶と義経を好きなタイミングで交代できるようになった


【「Heavenly Sword」】
二刀流の女剣士が戦うアクションゲーム。主人公の動きはスピーディーかつ滑らか。連打により繰り出す連続技、そして二本の鎖の先に刃がついた剣で相手をロックして振り回し画面上の敵をなぎ倒すシーンはアクションゲームの「God of War」と良く似たシステムという印象を受ける。また円盤を投げたり、障害物を持ち上げることも可能。ボスとの対決では画面に方向キーやボタンが表示され、タイミング良く押していくことで柱を駆け上っていき空中でボスと切り結ぶ、という特殊な戦闘が用意されていた


【「SingStar」】
GDC 2006で初登場した楽曲の伴奏部分に合わせ、マイクデバイスで歌詞を入力するカラオケのようなゲーム


【「Warhawk」】
GDC 2006で初登場した3Dシューティングゲームデモ。PS3専用コントローラ6軸検出システムに対応し、コントローラそのものを動かすことで機体を操作する。バルカンの他、ロックオンミサイルが主要の武装


【「メタルギアソリッド4」】
TGS 2006以来のトレーラームービーが放映された。ナノマシンによる抑制から制御に支配された世の中をオールド・スネークが「戦争は変わった」と連呼し、自身の役割は終えたと語る中、雷電、メリル、オセロット、ナオミ、オタコンたちが登場。オールド・スネークが「俺の中のMEMを抹消する」とのメッセージとともに、銃を口に入れて引き金を引いて画面は暗転した


【「FINAL FANTASY XIII」】
デモ映像。疾走する列車の中に、女戦士がバイクに乗って登場。剣を振り、銃を撃ち、体術も駆使して兵士や機械を撃破していくというアクションゲームかと間違えるばかりのスピーディーなデモ


【「鉄拳6」】
リリと仁の対決シーンからスタート。仁の攻撃をくらい吹っ飛ばされたリリが障害物に当たってバウンドし、さらに別の障害物に当たるという壁コンボの強化版のような場面があった。最後にファランがバイクに乗って登場


【「バーチャファイター5」】
サラやジャッキーといったおなじみの登場キャラクタが1人ずつ登場。目まぐるしく次のキャラクタに変化していくというデモ映像が公開された。


【「EIGHT DAYS」】
GDCのSCEWの基調講演で破壊される車の映像が公開されたが、それはこの映像の一部だったと気づかされた。ゲームの内容はアクションゲームで、アリゾナの砂漠で男たちが激しい銃撃戦を繰り広げるという。主人公らしき二人組は銃弾を回避し、窓をぶち破っての移動など荒々しいアクションをこなし、敵を撃ち殺していく。最後に建物にタンクローリーが激突し横転、漏れ出したガソリンに主人公の一人がライターを投げつけて去っていくという


【「THE Eye of Judgement」】
トレーディングカードを使ったライブパズルゲーム。同社のPS2用『EyeToy』のようなライブカメラを盤面の上に設置し(出力解像度から見ると『EyeToy』よりも高機能のようだ、カードを置いてあげると、画面上にもカードと対応したモンスターが登場。モンスター同士が戦いを開始する。新たなカードを置くと新しいモンスターが登場し、おなじみのアヒルも召喚され、炎を吐き、水を滝のように降らせるなどして会場に笑いが起こった


【「CODED ARMS ASSAULT」】
昨年発売されたPSPのオリジナルFPSとして話題を呼んだタイトルの続編。前作と大きく異なる点は舞台となるバトルフィールドだろう。前作は仮想空間内のダンジョンという閉鎖空間が主要の舞台であったが、デモでは天井のない都市部の道路やビル内がバーチャルワールドで構築されていた


【「GUNDAM」】
ジム、ガンキャノン、ガンダム、ドムが登場した。MSの装甲の劣化、汚れ具合の描写が従来のガンダムゲームと一線を画していた


「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
会場ではプレイアブルのバージョンも出展されていたシリーズ最新作。ソニックだけではなくシャドウ・ザ・ヘッジホッグも登場していた
「Resistance:Fall of Man」
エイリアンを相手に戦うというFPS。仲間の軍人がモンスターに組み付かれて惨殺されるショッキングな内容も放映された


「NAUGHTY DOG」
ジャングルにTシャツとGパンという出で立ちの男が登場。パンチや銃で敵を倒していくというアクションゲーム
「L.A.I.R」
デモ映像では飛竜に乗った騎士が登場。数十体の飛竜が登場し、別の飛竜に鎖を刺して移動していた
「GATEWAY」
平凡な街の一角をカメラが移動し、建物の中に入ると何者かが男を撃ち殺しているシーンが放映された


「FORMULA ONE 06」
2006年のF1シーズンをPS3の映像クオリティでゲーム化。スクリーンでは実機でのライブ映像が公開された。PSPと通信でつながり、PSPの画面でレース画面の中継を確認することができた


「BLADE STORM」
中世を舞台にした、大規模な集団戦闘のデモが放映された
「アーマードコア4」
人気3Dロボットアクションシリーズの最新作。デモ映像で海上をホバリングする機体などの映像が公開された
「AFRIKA」
サイやキリンやチーターといった動物が出現するデモ映像。ゲーム内容は不明


「Fatal Intertia」
近未来を舞台にしたレースゲーム。2台のビークルが岩場を疾走するデモが公開された
「MONSTAR KINGDOM」
7つのドア、ダークファンタジーというテーマが表示されるデモ映像。男が血の涙を流しデモは終了する
「みんなのGOLF」
人気ゴルフゲームシリーズの最新作がPS3で登場。パワーショットの際のエフェクトや、ギャラリーのアクション処理が強化されていた


 最後、平井氏はPS3の生産スケジュールを公表した。PS3の発売と同時に200万台、2006年の年末までに400万台、2007年の3月までに600万台という見通しを立てているという。資料によると、この数が日本国内限定なのか、世界を含めてのことなのかは定かではない。もし、国内で200万台が発売日に出荷されるとすると、品薄状態は回避できるとは思うが……。ともかく、11月11日という日を一日千秋の想いで待ちたいものである。

□Sony Computer Entertainment Americaのホームページ(英文)
http://www.us.playstation.com/
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□プレイステーションのページ
http://www.playstation.jp/
□ニュースリリース
http://game.watch.impress.co.jp/
□関連情報
【2005年5月】E3 2005 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/ps3link.htm

(2006年5月9日)

[Reported by 福田柵太郎]



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