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今回は「ギルドウォーズ」短期集中連載の特別編として、4月28日より正式サービスが開始される「ギルド ウォーズ Campaign2 戦乱の章(以下、「戦乱の章」)」のプレビューイベントレポートをお届けする。 「戦乱の章」とは、RPGモードに「戦乱の章」という新ストーリー、戦乱の章の舞台である新大陸「キャンサ」、さらに「アサシン」と「リチュアリスト」という2つの新ジョブを追加する「ギルドウォーズ」初の拡張データだ。4月20日より拡張データのパッケージが発売、28日より全世界同時にサービスが開始される。 「戦乱の章」を拡張データと紹介したが、実際には、Campaign 1「予言の章(以下、予言の章)」とCampaign 2「戦乱の章」は独立したコンテンツになっており、どちらか片方のクライアントデータだけでもプレイが可能となっている。 本稿では、3月24日から27日まで開催されたイベント「Campaign2 戦乱の章 プレビューイベント」から「戦乱の章」の魅力をレポートしていく。このイベントでは、一部に日本語ローカライズが適用されていないものの、製品版とほぼ遜色がないバージョンを体験することができた。ファンタジーの世界で展開されるRPGモードの新シナリオ「戦乱の章」の魅力や、PvPモードにも大きな変化をもたらすであろう新ジョブ「アサシン」と「リチュアリスト」をチェックしていこう。 「戦乱の章」を導入することで追加される要素は以下のとおりだ。
・RPGモードの新シナリオ「戦乱の章」が追加
■ キャンサ大陸を襲う「シロウ タガチ」の脅威、対立しあう属国「カーツ」と「ラクソン」
大陸を統治する「キャンサ帝国」には、「カーツ」と「ラクソン」という2つの属国が存在するのだが、この2つの国は200年前に起こった「シロウ タガチ」討伐の戦いをきっかけに、大きな溝を持ってしまった。それ以来、属国は互いに領土を奪い合い、シロウ タガチが再び現われた現在においても対立したままなのである。 キャンサ大陸を救おうとする「キャンサ帝国」とプレーヤーこと「英雄」。大陸全土を脅かす「シロウ タガチ」の存在。そして属国「カーツ」と「ラクソン」。これら勢力の思惑が渦巻く中、互いが複雑に絡み合いつつ展開されるのが新章「戦乱の章」だ。「Campaign2 戦乱の章」のタイトルロゴには、Factions(複数の派閥)という文字が描かれている。プレーヤーは争っている属国「カーツ」と「ラクソン」のどちらに協力するかを選択していくことになり、この選択が「戦乱の章」をプレイする上で重要なポイントになるようだ。 プレーヤーが最初に降り立つのは、キャンサ帝国の中心街らしき「カイネン市場」というエリア。予言の章では見られなかった東洋風の建築が立ち並んだ市街エリアだ。今回筆者がプレイできた範囲の中で最もアジアンテイストを感じられた場所である。このエリアの中心にいるマスタートウゴからは、キャンサ大陸が現在置かれている状況。そして、その危機的状況を脱するには、何世紀にも渡って対立している属国「カーツ」と「ラクソン」を含めてすべての勢力が協力することが欠かせない、という話を聞くことができた。 マスタートウゴのすぐそばには、予言の章をプレイした人にはお馴染みのNPC「メンロ」がいた。どうやらメンロはマスタートウゴの弟子らしく、はるか北のアスカロンからキャンサを訪れたようだ。メンロもまた、属国に協力を要請していくとのこと。プレーヤーはその手伝いをしていくことになる。プレビューイベントではプレーヤーはキャンサとティリアの大陸間を移動できなかったが、正式サービスでは移動可能になるようだ。 フィールドに出るにあたり、カイネン市場でNPCの傭兵キャラクタをパーティに加入させる。このNPCをパーティーに加えられる要素は、「ギルドウォーズ」のシステムの中でも、筆者が最も好感触を得ている要素だ。友人、知人など、他のプレーヤーとパーティを組めるだけでなく、自分以外のパーティメンバーをNPCキャラクタで埋めることもできる。NPCの傭兵キャラクタの姿も予言の章から一新し、より個性的な姿をしており、そのバリエーションも豊富になっている。
「予言の章」では、ストーリーが進むにつれ、パーティを組める最大人数が増えていき、それに合わせて敵であるチャールも強くなり、数も増えていった。「戦乱の章」では序盤にも関わらず、パーティ最大人数が8人になっており、フィールドの敵もいきなり強い上、数も多い。自分達のパーティ同様に、敵にも様々なタイプが存在し、回復魔法を駆使する敵を率先して狙っていかないといつまでたっても敵を撃破できない。このような一歩踏み込んだ戦闘を、「戦乱の章」では序盤から体感できた。 今回はテストイベントなので、細かいゲームバランスについては正式版のリリースを待つ必要があるが、基本的に「戦乱の章」は既に本作の基本を身に着けているプレーヤーを対象にしたコンテンツと考えてよさそうだ。また、正式サービスでは予言の章で十分に成長したキャラクタで「戦乱の章」をプレイすることも可能であるため、「戦乱の章」を新規のキャラクタでプレイし始めた場合とは、ゲームバランスが大きく異なってくるだろう。
フィールドで「予言の章」の中盤から後半にあったような、多対多の激しい戦闘を味わいながら先へ進んでいくと、属国のひとつであるラクソンのエリア「カヴァロン」にたどり着く。ラクソンの人々は、ジェイド海という海に住む民だ。だが、200年前のシロウとの戦いにおいて、シロウの断末魔の叫びは、海をヒスイの塊にしてしまった。このときよりラクソンの民は、船で大海原を旅する民族から、ヒスイの上を進める陸船を扱う民族になったのだという。 ラクソンの中心的な街である「カヴァロン」もヒスイの上に建物が作られている。周囲のフィールドエリアに至っては、海に高い波が立った瞬間にヒスイとして固まってしまったような、静止画の中を動いているような不思議な風景が広がっていた。悲壮な背景があるものの、ヒスイの海は美しく、ラクソン全体へのイメージも明るく感じられる。 次に赴いたのは、もうひとつの属国「カーツ」のエリアである「ヘルツァー邸」。カーツはエコヴァルドの森に住む民で、5つの名家が中心となって運営している国だ。ヘルツァー邸は、その名家の中でも由緒正しい家柄。カーツの民が暮らすエコヴァルドの森は、200年前のシロウとの戦いの際に全て石と化してしまった。そのためヘルツァー邸を含め、道中のフィールドは森でありながらすべてが石化しており、生命の存在を感じさせない不気味なエリアになっていた。カーツへの印象はエリアの不気味さからも、ダークなイメージになっている。
そこでまずラクソンに協力してみた。ラクソンの民から受けられるクエストをひとつ完了し、ラクソンの報酬を獲得する。その後にカーツのエリアを訪れ、NPCと話してみると、先ほどに話しかけたときとは反応が違っていた。アイテムを取引してくれる商人のNPCと話しても「カーツ軍とその味方以外に見せるものなどない」というのである。どのNPCと話しても同じ調子である。ラクソンに協力したことにより、完全にカーツの民からは嫌われてしまった。もちろんこの状態になってからはカーツ側のクエストも受けることができないため、どちらの陣営に属するかは慎重に決めたいところだ。 また、ラクソンとカーツのエリアを行き来していると、筆者がパーティに組んでいたNPCの傭兵キャラクタにも変化があった。エリアを移動したタイミングでパーティから離脱してしまっているキャラクタがいたのだ。どうやら、傭兵キャラクタによって、特定の街に入れないキャラクタがいるようだ。傭兵キャラクタは、ラクソン、カーツのエリアにもそれぞれ固有のキャラクタがいるので、自分が協力する国の傭兵とパーティを組むことになるだろう。
また、各属国では、報酬ポイントとアイテムを交換してくれるNPCもいる。ラクソンのエリアであるカヴァロンでは、1,000ポイントをヒスイの輝石と交換してもらえた。ヒスイの輝石を素材にすると、ラクソンでも一番の防具を作成することができるという。このように報酬ポイントを得ることで特殊な装備品やアイテムを得ることもできるようだ。
属国のどちらかに協力することで、片方の信頼を得ることはできるが、もう片方の勢力から忌み嫌われてしまう。だが、キャンサ帝国のマスタートウゴは最初にこう語っていた。「シロウ タガチ」の脅威を退けるには、「キャンサ大陸にある全ての勢力が協力することが欠かせない」と。キャンサ大陸は、民同士がこのままいがみ合ったまま破滅していってしまうのだろうか? 「予言の章」のシナリオはプレーヤーを驚かせるギミックによる骨太で壮大なファンタジーが展開された。「戦乱の章」ではFactions(複数の勢力)が持つそれぞれの思惑が、どのような結末が展開されるのかが見所だ。
■ 属国同士で戦い領土を奪い合う「同盟バトル」、複数のギルドが結託関係を結ぶ「同盟」
何世紀にも渡って争い続け、領土を奪い合っているカーツとラクソン。プレーヤーたちはその戦いに否応なく巻き込まれることになる。属国のどちらかに協力することになるプレーヤーは「同盟バトル」という新要素に参加できる。 「同盟バトル」とは、1チームあたり12名(4名を1組として、3組で合計12名)のプレーヤーが参加する戦いで、より多くの同盟バトルに勝利した国は、戦線を移動させて相手方の領土を奪い取ることができる。PvPモードで楽しめるチーム戦や、ギルド単位のGvGとはまた異なるRvR(国家vs国家)の戦闘である。領土を奪い合うという点では、ストラテジー的な要素も含んでいるといえるだろう。 「同盟」とは、ギルド間で結成する大枠での協力関係だものだ。同盟を結んだギルド同士は、専用のチャットでコミュニケーションを取ったり、互いのギルドホールを行き来することができる。先の「同盟バトル」は1人でも参加できるが、ギルドの集合体である「同盟」単位で参加していくことをメインに考えられているようだ。同盟のリーダーが、カーツまたはラクソンのどちらに協力していくのかをNPCに申告して協力していくことになる。 同盟のメンバーは、協力している国に報酬ポイントを納めることで同盟のランクを上げることができる。さらに、ランクの高い同盟は支配しているエリアの支配権を得られる。支配権を得たエリアでは、特別なイベントが発生したり、特別なエリアにアクセスする権利が与えられるということだ。 このほかRPGモードには、以下のような新機軸のミッションが3つ追加されている。
・チャレンジミッション
・エリートミッション
・競争ミッション ■ 敵を葬り去るのに特化した暗殺者「アサシン」、異形の精霊を操る黒魔術師「リチュアリスト」
アサシンは、日本風に表現すると「忍者」そのもの。物理攻撃に特化したスタイルをとり、得意の武器である「ダガー」で手数の多い攻撃を繰り出す。ダガーマスタリーのスキルには、高いダメージと状態異常を引き起こすものが多く揃っており、エリートスキルの中には、スキルヒット時に再使用時間が短縮され、さらなる連続攻撃ができるものもあった。他のジョブには真似のできない回転数の高い攻撃が可能だ。 装備できる防具などは軽装。そのスタイルを生かした移動速度を向上するスキルが揃っているため、撃退するターゲットに素早く向かい、瞬時に倒すということも可能だろう。その反面、防御力に乏しく、スキルの中には防御力を補うものもあるが、単独での長期戦は難しそうだ。相手パーティの戦力をピンポイントに断ち切る暗殺者というポジションになりそうだ。サブジョブにアサシンを選択するのも他の前衛的なジョブには有効だろう。
召喚した精霊は固有のヒットポイントを持ち、出現している間、非常に強力な効果を発揮するが、リチュアリストそのものの移動ができなくなる。召喚した精霊が撃破されてしまった場合、召喚スキルの再使用には多くの時間が必要になるため、かなり無防備な状態になる。 また、その特性ゆえ仕方ない部分もあるのだが、召喚した精霊に取り囲まれた有利なフィールドで戦いたくなるジョブであり、PvPにおいても保守的な「待ち」の戦い方が主体になってきそうだ。リチュアリストを含むパーティーを撃破するためには、精霊の力を無力化することを考えていかなければならないだろう。
上記のようなスタイル的な問題を持つジョブではあるが、その精霊の力が心強いのは確か。モンクやエレメンタリストといったスペルユーザーのサブジョブとしてリチュアリストを選ぶのも有効だろう。
■ プレーヤー参加可能な国家戦争が盛り込まれた“戦乱の章”。キャンサ大陸の未来も気になる
また、ストーリーの冒頭には「邪悪な存在に対抗するには、全ての勢力が協力しなければならない」という意味深なメッセージにも注目したい。同盟バトルという要素を活かし続けるために、ストーリーがこれ以上発展しない可能性もあるのだが、これらの素材がひとつの結末を迎えていくとしたら、どのような展開を見せてくれるのか非常に気になるのも確かだ。
新ジョブである「アサシン」と「リチュアリスト」や、既存ジョブへの新スキルによって変化するであるPvPのバランスも気になるところ。このような、パワーバランスが変化するタイミングは、今も本作をプレイしているプレーヤーの方がより楽しめるタイミングなのはもちろん、新規にプレイを始めるという方にもオススメのタイミングのはずだ。
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2005年3月28日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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