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★DSゲームレビュー★

Wi-Fiコネクションで見えた任天堂ならではのオンラインプレイ
「おいでよ どうぶつの森」&「マリオカートDS」(その1)

  • ジャンル:コミュニケーション
  • 発売元:任天堂株式会社
  • 価格:4,800円
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • 発売日:発売中(2005年11月23日)
  • ジャンル:アクションレースゲーム
  • 発売元:任天堂株式会社
  • 価格:4,800円
  • プラットフォーム:ニンテンドーDS
  • 発売日:発売中(2005年12月8日)


無線LAN環境がない方へオススメの「ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ」。これをPCに接続することでWi-Fiコネクションの準備が整う
 ニンテンンドーDS(以下、DS)用ソフトに新しい魅力が加わった。無線LANの規格であるWi-Fiを利用した「ニンテンドーWi-Fiコネクション(以下、Wi-Fiコネクション)」だ。Wi-Fiコネクションは、インターネットを利用し、遠く離れた友達と一緒にオンラインゲームが楽しめるサービス。このサービスで任天堂がかかげたコンセプトは、「カンタン」、「あんしん」、「無料」という3つのポイント。いずれも従来のオンラインサービスでは、理想ではあるものの実現が難しいコンセプトだ。携帯機ならではの手軽さとタッチパネルによる新しい楽しさの提供が好評なDSが、上記の3つのコンセプトを持ってオンラインプレイサービスを提供するということで、注目していたゲームファンは多いだろう。

 このレビューでは、Wi-Fiコネクション対応ソフト第1弾「おいでよ どうぶつの森(以下、「どうぶつの森」)」と、第2弾「マリオカートDS」の2本をまとめて紹介。両タイトルともに、Wi-Fiコネクションの魅力が大きいものの1人用でのプレイも十二分に楽しいタイトルであることもあり、1タイトルの前半部分では、ゲームの概要や要素といった基本的な魅力を紹介。後半部分ではWi-Fiコネクションでのプレイで掴んだ感触をお伝えする。

 任天堂らしい配慮が光るオンラインサービス「Wi-Fiコネクション」の姿と、その楽しさが伝われば幸いだ。なお、Wi-Fiコネクションの接続や設定に関しては、ゲームグッズ研究所の第42回や、BroadBand Watchの記事が詳しいのでご参照いただきたい。


■ 「おいでよ どうぶつの森」概要編 不思議でほのぼのとした「むらの暮らし」

 Wi-Fiコネクション対応ソフトの第1弾として発売された「おいでよ どうぶつの森(以下、どうぶつの森」は、プレーヤー自身がどうぶつたちが暮らすむらの一員となって生活するというほのぼのとした雰囲気を楽しめるタイトル。ある「むら」には現実世界とはまったく異なるもうひとつの自分の暮らしが存在し、そこに住むどうぶつたちにもそれぞれの暮らしがある。むらの住人として自分の家を持ち、服を購入したり、家具を購入したり、どうぶつと話してコミュニケーションを楽しみ、釣りをしたり、昆虫採集をしたり。そんな穏やかな「暮らし」を楽しむ。

 この世界の時間はDS内蔵の時計によってコントロールされており、現実の時間と同じ速度で流れる。例えば深夜0時すぎともなれば眠ってしまうどうぶつもいるが、夜型の生活リズムで暮らしているどうぶつはもっと遅くまで起きていたりする。現実の世界同様にみな暮らしているのである。時間の流れは本作において重要なファクターだ。どうぶつの生活リズムはもちろん、むらに2軒あるショップは、どちらも午前8時から午後11時までが営業時間となっている。魚釣りや昆虫採集にも時間の要素は影響しており、魚釣りなどは現実同様に朝や夜のほうが大物が狙えたりもする。

 現実と同じ時間の流れというのは「どうぶつの森」シリーズの大切な要素のひとつだ。筆者などは、時計を見て「あ、そろそろお店が閉まっちゃうから行かなきゃ!」なんて思ったこともしばしばあるほど。本当に毎日がすごく忙しいという人には少々やっかいな仕様かもしれないが、現実のリズムと同様にアレコレと考えて、時間が来るのを楽しみに待つという感覚は、他のゲームでは味わえない面白さがある。

ゲーム内の時間は現実と同じ速度で変化する。写真は左から昼、夕方、夜の模様だ。夕方には雲が増えてきたなーと思ったら、夜には雪が降り出した


 むらには自分を含めて多数のどうぶつ達が住んでいる。プレーヤーが引っ越してきたときから住人として住んでいるどうぶつもいれば、あとからある日突然新しい住人として引っ越してくる動物もいる。そして悲しいことに、むらから出て行ってしまうどうぶつもいる。住人候補のキャラクタ総数も豊富で、それぞれの住人には男女の違いもあるし、性格や口調ももちろん異なっている。仲良くしていたどうぶつが引っ越していってしまうのは悲しいのだが、また新しい出会いが待っているということである。この辺り、なんともリアルで奥深い。

 どうぶつ達とのコミュニケーションには様々なバリエーションがあるのだが、まずは会話をして仲良くなっていくことが大切だ。それぞれにまったく異なることに興味を持っているという点で、どうぶつ達は現実にいる人となんら変わりがない。どうぶつに共通しているのは、いずれも個性的であるということ。テンションのアップダウンが激しいものもいれば、アンニュイな雰囲気をもったものもいる。話していて飽きないのだ。ただ話すだけではなく、質問をされたり、魚釣り勝負や昆虫採集の勝負を持ちかけられることもある。中でも面白かったのは、新しい口癖を決めて欲しいというものだ。

 どうぶつ達はそれぞれ会話の語尾に癖があるが、ある程度仲良くなるとプレーヤーに新しい口癖を考えて欲しいと言い出す。口癖というのもなんとも漠然とした注文なのだが、どうぶつたちはかなり個性的なので、なんとなくそれっぽく思い浮かんだものにしてみるのと、以外としっくりきて面白い。

左の2枚は、ウサギのペチカとの会話の模様。口癖は「だっち」だ。右の2枚では、パーチクから服を買わない? と持ちかけられている。あまり安く設定すると怒って売ってくれなくなってしまうので注意
メルボルンと話したところ、しもやけさんにプレゼントを届けて欲しいと頼まれた。時間制限は30分以内。これはもちろん現実の30分のことだ。しもやけさんにプレゼント届けて戻ると、反応がどうだったかを聞かれる
犬のロビンとの会話中、こちらの部屋に遊びに行きたいと持ちかけられた。遊びにきていい時間を伝えるのだが、今すぐではなく3~40分ほどあとの時間にする必要がある。約束を忘れずに部屋で待っていると遊びにきて仲良くなれるが、すっぽかすと次に話しかけたときにプンプンと怒られてしまうのだ。ちなみに筆者のキャラクタはポムという名前だが、ロビンは勝手につけたマロンというあだ名で呼んでくれる


 ゲームはいつも自分の家のベッドから始まる。その日の気分に合わせて、自分のキャラクタに服やアクセサリを着せて外にお出かけを開始! 玄関を開けて外に出ると、家の入口にあるポストに手紙が届いていることがある。むらの住人からのものもあれば、部屋のコーディネート具合を採点してくれる「ハッピールームアカデミー」からのものもある。また、たまに届くお母さんからの手紙は、内容はユニークで楽しいものの、読み終わった後にふと現実の家族を思い出してホロリともする。また、Wi-Fiコネクションに接続していると任天堂のスタッフからプレゼント付きの手紙が送られてくることもあるようだ。

 むらの木々に実っている果物を拾いつつ、まずはむらにあるお店「たぬきちのお店」の商品をチェック。たぬきちのお店では、手紙を書くのに使う「びんせん」や、すれちがい通信用に必要となる「メッセージボトル」といった、毎日販売されている物に加えて、日替わりで変化する家具も売られている。ショップは一定の売買を行なうとで改築されて大きくなり、扱うアイテム数が多くなる。次はお隣の服飾ショップ「エイブルシスターズ」へ。こちらでは服や帽子、アクセサリーが販売されており、自分で服のデザインを作成することもできる。作成したデザインはDS同士の通信やWi-Fiコネクションでのプレイ時に友達とやりとりすることも可能だ。

アイテムを売買する「たぬきちショップ」。筆者のむらでは2度改築が行なわれ、「スーパーたぬき」になっている。販売しているものの中でも家具の類は毎日ラインナップが変化するので、こまめにチェックしたい
こちらは元気な妹と物静かな姉が経営する服飾ショップ「エイブルシスターズ」だ。服やアクセサリの売買はもちろん、デザインを作って展示することもできる。中央の写真はデザイン作成中。写真右の主人公の目の前に展示されているのが、このときに作ったデザインの服だ


 ショップで「釣竿」や「虫取りアミ」を購入することで、海や川で魚釣り、そして昆虫採集ができる。「釣竿」を片手に流れる川や海辺を歩いていると、さっそく魚影を発見! 釣り針を垂らして、魚がかかるのを待つ。「ポチャン!」という音が聞こえたら、タッチペンやボタンで釣竿を上げると見事に魚をゲット! 魚は季節や時間帯、その日の天候によって大物が出現するタイミングがあるようだ。雨の日や雪の日の夜などは特殊な大物も出現するようで、その状況で大きな魚影を見かけると心が踊る。大物は釣竿を引き上げるタイミングも難しく、釣れたときには思わずガッツポーズしてしまうほどだ。釣れた魚や採集した昆虫はたぬきちショップで売ってお金にしてみたり、博物館に寄贈したりすることができる。

 博物館では、寄贈した魚や昆虫、化石が展示されている。この展示物をコンプリートするだけでもかなりの種類があり、完全主義者と言うほどでもないものの、ちょっと神経質な筆者などは展示物のコンプリートに相当熱が入っている状態だ。それだけになかなかお目にかかれない珍しい魚や昆虫をゲットできたときには飛び上がるほど喜んでいて、その模様はとても人には見せられない。中でも嬉しかったのは「スズメバチ」をゲットしたときだ。スズメバチは木を揺らすことで発見できる。木を揺らすと家具やお金が落ちてくることがあるのだが、たまにハチの巣がボトリと落ちてくることがある。巣を落とされたハチが怒ってプレーヤーに襲い掛かかるのだ。ここで冷静にアミに持ち替えて振ることができるとスズメバチを捕まえることができるのだが、これがなかなか難しい。失敗して刺されてしまうことも多々あった。

 夕方から夜になると、空には星座が見える。博物館にある天文台では星座を観察したり、自分で作ることも可能だ。Wi-Fiコネクションでのプレイ時に友達の手によってこっそりと作られている星座があったりとたまに見ると驚くことがある。博物館といえば地下にある喫茶店の存在が筆者的にはなにより重要だ。ここには物静かなマスターが一人おり、席に座るとコーヒーを飲める。筆者この喫茶店で流れるシットリとしたBGMがなにより好きなのだ。はじめて喫茶店を訪れたときには、あまりの感動で喫茶店内のイスにキャラクタを座らせて、1時間ほどうっとりしていたほど。BGMの効果も相まってか、心安らぐ落ち着いた喫茶店の雰囲気というのがしっかりと味わえる。喫茶店にはたまに住人以外の変わったNPCがいたりすることもある。また、土曜日の夜には喫茶店のステージで「とたけけ」というキャラクタがライブを開いているので欠かさず毎週通いたいところだ。

 地面に×印があったら、化石ゲットのチャンスだ。そこをスコップで掘ると、何かしらアイテムが埋まっている。化石のほかにお金であったり、家具と同じように部屋に飾れる不思議なハニワだったりすることもある。

地面にバッテンの印を発見! そこを掘るとお金やアイテムが埋まっているのだ。このときは化石をゲット! 博物館の2階にある天文台。望遠鏡で星座をみることができるほか、星同士をくっつけて星座を作ることもできる


 本作にはここまでで紹介した以外にも様々な出来事が起こる。怪しい家具を販売する「つねきち」がむらを訪れたり、別のキャラクタにこれまた怪しい保険への加入を持ちかけられたりすることもある。リアクションを教えてくれるお笑いのシショー、毎週週末にはカブを売買することもできる。たまに現われる住人以外のどうぶつだけでもかなりの種類がいるようだ。決まった日時や時間にはイベントも開催される。筆者が参加できたものだと、住人同士、互いをほめあうという「ほめるデー」や、それぞれの家を訪れて、気に入った家具を購入できる「フリマデー」などがあった。もちろんそうした日には、自分の家にも住人が遊びにきたりする。これらの出来事は、細かに紹介していくと本稿には書ききれないほどの量であることもあるが、筆者としてはぜひとも自分の目で、先入観のない状態で発見してもらいたいという思いがある。それが本作の楽しさのひとつだからだ。

 本作の内容はいずれも刺激的な内容ではなく、心が暖かくなるようなほのぼのとした出来事で、むらの暮らしをよりいっそう豊かにしてくれる。何気ない会話、何気ないやりとり。日々続く穏やかなむらの暮らし。刺激的なことにまみれて忘れてしまった喜びとでも言えばいいだろうか、何気ない日常でも、ひとつひとつに心の手をそっと伸ばしてみると忘れていた輝きがあることを思い出せる。子供でも安心して遊べるのはもちろんのこと、筆者のような大人でも、心の余裕を作る手助けをしてくれるような暖かい感触を味わえるはずだ。

手紙を作って出すのも楽しい。写真では宛名を未来の自分あてにした手紙を書いてみた。届くのは2006年の1月31日だ。はたして未来の自分はこの手紙を読んでどう感じるだろうか?
雪が積もったらすることはひとつ。道に落ちている2つの雪玉を転がして最後に乗っけると、ゆきだるまが完成! むらのゆきだるまは陽気に話してくれる
筆者お気に入りの空間「喫茶店」だ。口数の少ない渋いマスターが入れたコーヒーを名曲を聴きながら味わう。土曜日の夜には写真右のように「とたけけライブ」が開催される



■ 「おいでよ どうぶつの森」Wi-Fiコネクション編 繋がるだけではなく、暮らしの幅広がる

 さて、ここからはいよいよ本稿の主題である「Wi-Fiコネクションで広がった魅力」をお伝えしていこう。Wi-Fiコネクションに関するやりとりは全てむらの北にある門にいる「もんばん」との会話形式で行なう。「どうぶつの森」でのWi-Fiコネクションはゲームの性質上の考慮もあり、「ともだちコード」という番号を互いに登録する方式になっている。互いにコードを登録しあった状態で、どちらかが門を開放して受け入れる側、もう片方が違うむらへ「おでかけ」するというやりとりになる。

 友達のむらへと出かけていくと、ショップなどの施設や海、川といった要素的な部分は同じなものの、地形が異なることに面白みを感じる。もちろんそこに住んでいる住人も自分のむらとはまったく異なる。ある友人のむらを訪ねてみたところ、なぜかニワトリタイプのどうぶつが3人も住んでいて笑ってしまった。「自分のむらはこうなっている」という点と比較してみるだけでも面白い。むらに実っている果物も異なり、筆者のむらでは主に桃が実っているが、ある友人のむらではオレンジが大量だった。筆者はそれを見て、自分のむらから桃を持ちだし友人のむらの空いている場所に穴を掘って桃を埋めた。桃を埋めた場所にはゆくゆくは大きな木に育つであろう苗がぴょこんと顔を出していた。順調に育ってくれればあのむらにも今頃、桃のなる立派な木が誕生しているはずだ。

むらの北にある門を開いておけば、ともだちコードを互いに登録している友達が遊びにくる! 写真左と中央は、自分のむらに友達が遊びにきている場面だ。また、自分が友達のむらへお出かけする場合は写真右のように、門が開かれているむらを選ぶことになる。お出かけする場合も遊びに来てもらう場合も、最大4人でプレイ可能だ


テキストのやりとりはソフトウェアキーボードで行なう。あるキャラクタからリアクションを教わると、照れたり、喜んだりといった感情表現をするためのボタンもキーボード上に追加されるのだろう
 友人のむらにある家を訪ねてみると、自分とはまったく異なるコーディネートが見られてこれまた面白い。ある友人の家はゴチャゴチャとこれでもかといわんばかりに家具が敷き詰められていたし、別の友人の部屋には釣った魚を入れた水槽が驚くほど並んでいた。その時はたぬきちショップが改装中で魚を売ることができなかったようだ。また別の友人の部屋は、すっきりとシンプルに、整然と家具が置かれていた。いろいろと家具が手に入るにつれてたくさん置きたくなるのは共通しているが、家具のチョイスやレイアウトにはその人の好みや性格が現れている。

 ある友人の部屋は、タンスのような収納の類の家具が置かれておらず、余った家具やアイテムがそこら中に溢れていた。収納の存在を教えてあげたかったのだが、筆者が訪れた時は門を開放したまま違うことをしていたようで直接教えることができなかった。そこで、そっと自分の家から持ってきた収納家具を置いておいたのである。はたしてその用途に気付いてくれるだろうか? 次にむらを訪れるときが楽しみだ。

 友達とのやりとりはソフトウェアキーボードによるテキストで行なえる。これは本作全体に言えることでもあるが、DSの特徴であるタッチパネルが上手く生かされており、パソコンのようなキーボードでの入力と比べてしまうとさすがに劣るものの、さして不便は感じない。DSだけでここまでできるのか! という思いが強いのもあるが、リズムの速いチャットのやりとりよりも、タッチパネルで行なうまったりとしたスピードのやり取りのほうが本作には似合っているような感触もある。

 ある友人のむらへ行くと、自分のむらは晴れだったのにも関わらず雪が降っていた。雪が降っているときには大物の魚が釣れる。釣竿を持ってさっそくフィッシングである。海沿いを歩いていると、明らかに大物の予感を感じさせる大きな魚影を発見! テキストで大きな魚がいることを伝えると、トコトコと友人のキャラクタも見にきた。「スズキじゃないですか?」と話す友人。そうなのだ、海で魚釣りをしていると頻繁に釣れる魚がいる。それがスズキだ。ある程度大きな魚影を見ると、「これは大物では!?」という思いと「またスズキか!?」という思いが交錯する。とりあえず釣ればわかることだ。釣り糸をたらす筆者。隣でじっと見守る友人。魚がかかった! ボタンを押して釣り上げる! 見事針にかかりバシャバシャと泳ぎ回る魚!! ジャバーン! と釣り上げられた魚は……巨大なマグロだった! テキストで「マグロだー!」と伝える筆者。「すっげーーーー!」と驚く友人。持ち物をチェックし、マグロを突き出すポーズを取って見せびらかす。

 このマグロ釣り事件に登場する友人は、仙台に住んでいて、東京に住んでいる筆者とは年に数回も会えない人だ。Wi-Fiコネクションによってほのぼのとした楽しみを共有できるのは嬉しいかぎりだ。

巨大な魚影に向けて釣りを開始! 釣れるのは大物か、はたまたスズキか……。このときは見事にマグロをゲット! Wi-Fiコネクションで集まった友達4人と、釣り大会なんていう楽しみ方も。会話を楽しみながら緩やかな時間を釣りをしつつ楽しむ。友達の前で大物が釣れたときは喜びもひとしお


 Wi-Fiコネクションで広がるのは友人との直接的なやりとりだけではない。Wi-Fiコネクションで友人のむらに住む住人と会話した翌日には、その友人のむらに住むどうぶつから手紙が届くことも頻繁にある。どうぶつ達の会話にも影響するようで、筆者のむらに友人が遊びにきたあとには、友人に関する会話などが増えていた。衝撃的だったのは、筆者のむらに住むお気に入りのどうぶつが引っ越してしまった後に、友人のむらでそのどうぶつを発見したときだ。同じ外見のキャラクタというわけでもなく、筆者のことを覚えている元住人なのである。筆者のむらから引っ越してきたということを話していた。逆に筆者のむらにも、友人のむらから引っ越してきたどうぶつもいる。ただ単純に世界が接続されるだけではなく、互いに影響しあうこともあるところが細やかで嬉しい。

 Wi-Fi通信後にはメッセージボトルが流れてくることもある。メッセージボトルとはビンの中に手紙を入れて海に流すという誰に届くかわからない手紙のことだ。DS同士のワイヤレス通信「すれちがい通信」に成功したときにやりとりされるものなのだが、Wi-Fi通信後に、登録されている友人の流したものが届くこともある。内容は基本的に不特定多数の人に向けて書いているものなので、直接的なコミュニケーションとはまた異なった味わいがある。また、「あやしいネコ」というキャラクタも面白い。これはネコのキャラクタがWi-Fi通信をしているプレーヤー間を移動してまわるというもので、なんと顔をプレーヤーが書くことができるのだ。真っ白い顔に顔を書き込み、その顔のコンセプトを入力できる。自分の書いたネコの顔がどこかでプレイしている誰かを楽しませるのだと思うと、なんとも面白い。

Wi-Fiコネクションを通じて色んなむらに出没する「あやしいネコ」顔を書いてあげると、その顔でどこか別のプレーヤーのもとに出現する。この時書いたのは「イチョウの葉」をコンセプトにした顔なのだが、正直ちょっと怖いかもしれない


 全体を通して「どうぶつの森」におけるWi-Fiコネクションに感じたことは、オンライン通信を適材適所な配慮で生かしているということだ。他人のむらでは、植えてあるキレイな花を引っこ抜いてしまったり、オノを使って木を切り倒してしまったりと、使い方によっては悲しい行為もできてしまう。一見、「それらの行為はできなくしてしまえば良いのでは?」とも考えるところだ。だが、例えば、子供同士で遊んでいてふとしたきっかけでケンカして、むらを荒らしてしまったというようなことを想定してみよう。そのあと、子供同士、嫌な気分のなか自分でどうすればよいのかを考えて、相手にちゃんと謝りあい互いに許しあえれば、それは素晴らしい人生経験だと筆者は思う。荒らすこともできるけど、それをしない。もしくは、してしまってもちゃんと謝る。そういったことが可能なのは直接連絡できる友人ならではと思える。だが、誰とでもすぐに接続される仕様だとそういうやりとりはできず、単純に悲しい出来事を生む可能性があるだろう。むら同士の接続にともだちコードという登録制の仕様を用いたのは素晴らしい判断だと評価したい。

 ともだちコードが不要なオンライン通信は、「あやしいネコ」のような、誰に届いても問題がなく、むしろ面白いというものに使われている。なんでもかんでも繋がればよい、というのではなく、その先にあるメリットデメリットをしっかりと考慮したのが伺える。任天堂がWi-Fiコネクションに向けて掲げた「カンタン」、「あんしん」、「無料」の3点は見事に具現化されている。

 ともだちコードによる健全なオンラインプレイの弊害は、言うまでも無く、連絡をちゃんと取れる友達がDSと「どうぶつの森」を持っている必要があることだろう。この点に関しては、ファンサイトなどでコードを交換しあうようなやりとりもされているので、そちらを頼ってみるのもよいかもしれない。もちろん友達に勧めるのもよいだろう。友達に勧めるときの言葉はもちろん、「おいでよ どうぶつの森!」で決まりだ。

 ちょっと蛇足的だが、最後に友人のむらに出かけて果物を売ると高額で売れる件について記述しておこう。これは、友人のむらから果物を集めてきて自分のむらで売ると高額で売れる、ということでもあるのだが、友人のむらから果物を持ってきて自分のむらで売るのはあまりオススメできない。実っている果物には限りがあるからだ。どうしてもしたい時にはその友人の許可を得るようにしよう。自分のむらに実った果物を持ってきて友人のむらで売る分には問題がないと思うので、互いにお金を稼ぐ方法に使ってみるのがよさそうだ。


(C) 2005 Nintendo

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「ニンテンドーDS」のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/
□「おいでよ どうぶつの森」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/admj/
□「マリオカートDS」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/amcj/

(2006年2月13日)

[Reported by 山村智美]



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