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クロニクル4は、「リネージュII史上最大規模のアップデート」とアナウンスされている通り、多数の新要素が盛り込まれている。今回は、エヌ・シー・ジャパン本社にて体験したテストサーバーでのテストプレイを元に、新要素の魅力を前・後編にわけてお伝えしていく。前編では新職業や新装備などキャラクタにフォーカスを当ててお伝えしたい。
■ 多彩なスキルを獲得できる3次職、今までにない個性を付与することも可能に 「リネージュII」のレベルキャップは、正式サービス時に75に設定されて以来、1年半以上も引き上げられることはなかった。今回、このキャップが78まで引き上げられる。すでに上限まで育て上げたコアプレーヤーにとって、待ち望み続けたアップデートである。
76レベルになったキャラクタは、3次職クエストを受けられ、これをクリアすることで3次職への転職が可能となる。3次職は31種類ある2次職の上位となる職業で、強力な新スキルを獲得できるようになる。新しいスキルには、敵の行動を阻む「ホールド」や睡眠攻撃に対する耐性を向上させる「ウィズダム」など、ほとんどの職業が共通で持つスキルの他、各職業での固有のスキルも用意されている。77や78という上位のレベルほどより個性的なスキルを獲得できるようになる。 今回筆者はいくつかの3次職のスキルを体験してみたが、最も楽しみだったのが「アルケインパワー」である、これは自身のHPを持続的に消費する代わりに魔法の威力を“極大化”させるものである。ただ、実際使ってみると、どうも威力としては「少し高くなってるかな?」というくらいで、もっとはっきりした違いが欲しかった。このスキルは威力の割にHPの減りは激しく、使用には注意が必要。自己の魔力や魔法速度を上昇させる補助魔法を完備し、敵の体力を吸い取る力に秀でたオークのメイジ「ドミネーター」と非常に相性が良さそうなスキルである。特にPvPでの、1vs1の環境で使用するならかなりの強さを発揮しそうだ。 視覚的に大きな変化があったのはエルフのファイター「ソードシンガー」の上位職「ソードミューズ」の歌である。彼らは様々な歌でパーティーメンバーの能力を向上させる。今までは術者の頭上に巨大な剣が光っていたのだが、新しい歌は巨大なクリスタルが光り輝く。初めて見たプレーヤーはその派手さに驚かされるだろう。 反対に地味だったのがヒューマンのメイジ「ネクロマンサー」の上位職である「ソウルテイカー」の攻撃魔法「ダーク ヴォルテックス」である。今までの呪文の2倍近くの詠唱時間がかかる代わりに高い威力のダメージを敵に与えHPを吸収する魔法だが、威力は申し分ないものの、エフェクトは小さな光の輪が出るくらいで、もう少し威力に見合った演出が欲しいと思った。 3次職のキャラクタは、既存のスキルをパワーアップさせることも可能になる。スキルをプレーヤーの意志で強化できる、「スキルエンチャント」はコアプレーヤーの待ち望んだ機能だった。スキルエンチャントするには大量の経験値とSP、そして「下巨人の秘伝書」というアイテムが必要となる。エンチャントできるスキルは全てではなく各職業である程度限定されており、パワーアップできる効果も決められている。“コスト”では消費MPを減らすことができ、“パワー”では威力、“チャンス”では成功率、“タイム”では持続時間がアップできる。 スキル上昇を試みるにはリスクが伴う。成功すると“+1”といった形で表示される。強化していくことでスキルはより強力なものになるが、リスクも増す。もし失敗してしまうと、スキルは最初期の状態に戻ってしまう。+1程度ではほんの少しの効果しかなく、メリットを実感するためにはかなりの時間を費やす覚悟が必要となるだろう。「リネージュII」ではある程度ステータスを変更する事が可能であったが、ステータスにも王道が存在し、なかなかプレーヤーごとのキャラクタの個性が出しにくかった。このスキルエンチャントは、自分なりのキャラクタを追求できる要素である。何度かスキルエンチャントを成功させ、強力なスキルを獲得したプレーヤーはそれだけでも大きな名声を得られるだろう。 今回、何人かのキャラクタを体験できたのだが、その性能をきちんと把握できたとは言えないのが主な感想だ。何故ならば「リネージュII」は、パーティーメンバーの能力を強化する“補助魔法”が非常に重要な意味を持つゲームだからである。仲間からの補助魔法、パーティーならではの補助魔法など、実際のプレイでは様々な方法でキャラクタを強化する。仲間で能力を高め合ってこそ、“本来の”キャラクタ性能なのだ。 今回はテストサーバーのためこういった補助魔法を得ることができず、普段筆者が使っているキャラクタと同じ視点で比較する事ができなかった。また、追加されたスキルもパーティーでの恩恵をもたらすものが多く、筆者は改めて本作がパーティープレイを強く指向している作品であることを実感した。本当のキャラクタの能力はサーバーに実装された時にはじめて明らかになるだろう。実際に体験するのが楽しみである。
■ コアプレーヤーに更なる高みを提示する「ノーブレス」、そして「英雄」 クロニクル4では、3次職以上に高いレベルの目標が提示された。コアプレーヤーはその目標に向けて努力していくことになるだろう。「リネージュII」にはもともと持つ職業の他に、さらに3つ「サブクラス」を獲得できる。サブクラスは種族の制限なく自由に他の職業になりかわれるというもので、メインクラスと同じにレベル78まで育成できる。サブクラスは最大3つまで獲得可能だ。
実際にノーブレスのキャラクタを触ってみたが、そのテレポート地点の細かさに驚かされた。テレポートを利用するにはお金がかかるのだが、既存に用意されているテレポートは決して安いものではなく、筆者含め多くの高レベルプレーヤーも徒歩で節約する場面が多々ある。しかし、ノーブレスのテレポートは驚くほど格安に設定されている上、通常のテレポートでは飛べないダンジョンの奧に直接飛ぶこともでき、狩りにとても便利だ。 また、「リネージュII」では重量がネックとなって魔法使い系のキャラクタはあまりCPポーションを持ち歩くことができなかったが、ノーブレスの「サモンCPポーション」のスキルによって軽い精霊石からCPポーションを作るようにできるようになったのはうれしい。血盟戦に、攻城戦に、役だってくれるだろう。 さて、ノーブレスは前述したように、「オリンピアード」という専用のPvP大会に参加することができる。オリンピアードは毎日20時~24時まで行なわれ、クラス別競技と無制限競技がある。ノーブレスのキャラクタ達はこの時間内に参加申請することでランダムにマッチングされ、1vs1での戦いを繰り広げることになる。戦いは専用の競技場で行なわれ、一般プレーヤーは各村のオリンピアード運営者を通じてこの戦いを観戦できる。 オリンピアードで勝利することでオリンピアードポイントを獲得できる。クラス別に勝利した場合は、10位まで表示されるランキングに自分の名前がのることもあるだろう。オリンピアードは1カ月単位で結果が集計され、31あるクラスそれぞれの頂点に立ったプレーヤーが「英雄」となる。英雄はそのサーバー全体に届く全体チャットが使え、身体が光り輝き誰からも彼が英雄であることがわかる。英雄は能力がアップされ、さらに専用の英雄武器を装備することができる。英雄は次の英雄が決まるまでの1カ月その座に居続けられる。
今回は残念ながらオリンピアードは体験できなかったが、英雄となったキャラクタを見ることができた。英雄は「光りすぎだろ」とツッコミを入れたくなるほどまばゆく光る。白い装備などの場合には、装備の装飾が見えなくなるほどになってしまうほどだから凄い。それに加えて英雄武器も光り輝くので、非常に目立つことになる。この“輝き”は実装された時、話題を集めることは間違いない。英雄が誕生するのは最短で3月。どういった変化がこの世界にもたらされるだろうか。オリンピアードでは今までのギルド戦や攻城戦とは違うソロの戦いである、こちらの戦術も興味のあるところだ。
■ 中級プレーヤーの「役割」を変える新召喚獣、新装備はより一層派手に 今回のアップデートは特に上級プレーヤー向けのものが多いが、それ以外にも追加された要素も多数ある。召喚職はレベル56での新しい“召喚獣”が追加された。今回実際に触ってみたのはレベル56のウォーロックが召喚できる「クィーン オブ キャット」とネクロマンサーの「カーズドマン」である。
この他にエレメンタルサマナーが召喚できる「ユニコーンセラフィム」はパーティーの魔法効率を上昇させ、ファントムサマナーの「ナイトシェード」は自分に攻撃を引きつけるという力を持っている。「リネージュII」の召喚獣はクリスタルを消費し召喚するのだがクリスタル代は安いものではない。さらに召喚状態だと得られる経験値が大きく減少してしまうため、パーティー向けの仕様とはいえなかった。しかし、今回追加された召喚獣の多くは経験値の減少率が低く、パーティー向けの能力を持っている。クロニクル4では各パーティーに召喚獣が参加している姿が多く見られるのではないだろうか。 今回、Sグレードの武器や防具を装備してみた。どれも非常に派手で、インパクトがある。これらの装備をゲーム内で手に入れるは膨大なコストがかかる。作るための製作図を手に入れるクエストにも触れてみたが、「ドロップアイテムが1,000個必要」といわれる。対象モンスターも非常に強く、集めるのは大変そうだ。しかもそれを手に入れたとしても、そのアイテムを作る材料も手に入れなくてはならず、さらに全ての条件をそろえてもそのアイテムが製作できる成功率は60%なのだ。 Sグレードの武器や防具は気の遠くなるような手間で手に入る物凄く貴重なアイテムなのだ。だからこそ、熱心なプレーヤーは夢中になって手に入れようとするだろう。これらのアイテムを装備し誇らしげに街を闊歩するプレーヤーは割と早くに出現するのではないかと思う。 前編では、キャラクタに焦点を当て、特に上級者向けの要素を中心に紹介した。どの要素もプレーヤーが手に入れるには、高い熱意とたっぷりの時間を必要とするものばかりだ。筆者は個人的にこの困難さこそが「リネージュII」の大きな魅力だと思っている。プレーヤー達は仲間と共に毎日プレイし、キャラクタを育て、少しずつ目的に近付いていく。達成することよりも、目標がある方が大事なのだ。 「終わりなきゲームをプレイしている」、この楽しさを「リネージュII」はとても達成できないような高い高い目的を提示することで提供していると思う。筆者も仲間達と共に、本作をプレイし、そして少しずつ目標を達成していこうと思う。
後編では新地域を中心に紹介したい。今までにない広大な地域が実装され、視覚的な驚きも大きい。ぜひご期待いただきたい。
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□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2006年2月6日) [Reported by 横山譲 / 勝田哲也]
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