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【連載第201回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ティーン向けの携帯型音楽プレーヤー
セガトイズ「サウンドキャリア」

「サウンドキャリア」
発売 セガトイズ
価格 3,990円
電源 単4アルカリ電池×2(別売)
発売日 発売中



「サウンドキャリア」パッケージ。「音楽でアソブ」というキャッチコピーが商品特性を言い表している
 iPodに代表される携帯型音楽プレーヤーは、ご存知の通り、大ブームとなっている。当初は“新しいモノ好き”だけが飛びついていたアイテムだったが、今では年齢やパソコンの習熟度を問わない一般的な人気商品として普及している。

 今回紹介する「サウンドキャリア」は、そんな携帯型音楽プレーヤーのブームから生み出された、ティーン向けの携帯音楽プレーヤー。おこづかいの都合でiPodには手が届かないけれど、携帯型音楽プレーヤーは使ってみたい。そんな少年少女に向けられたアイテムだ。ということは、少年少女がはじめて触れる携帯型音楽プレーヤーにもなるわけで、“トイ”の範疇にとどまらない性能が求められる。

 「サウンドキャリア」本体のデザインは、ひと言でいえば「クール」。全体が丸みを帯びたフォルムなどに少年少女向けの意匠が施されているのがわかるが、大人が手にしても恥ずかしくないデザインになっている。発売元のセガトイズがリリースした「idog」に通じるテイストだ。

 本体のカラーリングは、「オレンジ」、「ストロベリー」、「ミント」の3種類が用意されており、筆者は「ストロベリー」を手に入れた。


6種類もの異なるモードを備えた充実した内容

「サウンドキャリア」。実際に手にしてみると軽くていかにもトイという感じだが、外見はクールで高級感もある
 「サウンドキャリア」で楽しめることは、大きく分けると6種類ある。

    「1 音楽を録音 / 再生」
    「2 メッセージを録音 / 再生」
    「3 音楽ゲームのプレイ」
    「4 電子ペットの育成」
    「5 占い & ゲーム」
    「6 コミュニケーション」
 「電子ペットの育成」と「占い」、「コミュニケーション」は、携帯型ゲームには“付き物”といえる機能だ。これらに、「音楽の録音 / 再生」や「音楽ゲームのプレイ」機能が加わるのだから、豪華な内容だといえる。

 本体をくわしく見ていこう。本体の中央には液晶画面があり、その下には7個のボタンがある。そのためか従来の携帯型ゲームと比べると、ひと周り大きなボディになっている。しかし、手のひらに収まる程度のサイズにとどまっているので、片手で操作でき、持ち運びに苦労することはない。

 本体の上部には、合計3個の端子や穴が設けられている。録音コード差込口とヘッドフォン差込口、そして内蔵マイクだ。端子が上部についているので、一般的な音楽プレーヤーと同様に、ヘッドフォンを挿したまま、ポケットやバッグにしまえるようになっている。

 7個のボタンは、それぞれ「ペットモード」や「占いモード」などが割り当てられており、押すだけ各種モードを起動できる。中央にあるボタンは、決定ボタン。音楽やメッセージの録音と消去の役割も担っている。

 本体はカスタマイズが可能。付属の「着せ替えシート」を使うと、本体表面のデザインを好みのものに変えられる。パッケージの中には3種類の「着せ替えシート」が同梱されており、すぐにカスタマイズを楽しめる。さらにセガトイズの「サウンドキャリア」のサイトから、さまざまなデザインのPDFデータをダウンロードして使用することもできる。また、好みのストラップをつけられる取り付け位置も用意されている。

本体サイズは携帯型ゲームとしては大きめだが、手のひらに収まる程度だ 本体の上部にはイヤホン、ヘッドフォンの端子があり、中央にマイクを内蔵している 厚みは約2センチ。ポケットの中に入れても、負担にはならない
液晶画面のアイコンは、各種モードを表している。対応したボタンを押すと、各種モードがスタートする 音楽を聴いているイメージ。曲の選択に再生、停止は簡単に行なえる ゲームをプレイしているイメージ。7つのボタンをコントローラとして使用する
付属のヘッドフォン。本体に合わせて洗練されたデザインだ 付属のコード。「サウンドキャリア」と音楽機器を接続する。ステレオミニプラグ 着せ替えシートを取り付けると、雰囲気は大きく変わる



手順が明快で、録音と再生をかんたんに楽しめる

 それでは、音楽の録音からはじめてみよう。本体に設けられた録音コード差込口は、ステレオイヤホンジャック規格。CDプレーヤーやMDプレーヤー、あるいはiPodなどのヘッドフォン端子と接続して、本体の中に音楽を取り込む。録音の手順は、液晶画面に表示されるメッセージに従うだけ。イヤホンステレオジャックがはずれている、あるいは差込み方が甘い場合は、「せんをつないでね」というメッセージが表示される親切設計だ。

 録音できる時間は、最大16分。音質は「きれい」と「ふつう」の2種類があり、「きれい」だと約8分、「ふつう」だと約16分の録音が可能になる。曲はトラック単位で保存することができ、ひらがな4文字までという制限はあるが、曲名を登録することもできる。

 筆者は、「サウンドキャリア」にiPodとCDラジカセを接続し、MP3音源と音楽CD音源を録音してみることにした。まずは「きれい」の音質で録音。つぎに「ふつう」の音質で同じ曲を録音してみた。気になる音質は……う~ん、たとえるならAMラジオと同等程度。ボーカルははっきりと聴こえるが、バックの演奏はいわゆる“団子”状態になってしまっている。「きれい」と「ふつう」を聴き比べてみると、大きな差は感じられなかった。ただし、1万円以上するスタジオヘッドフォンを差し込むとノイズが目立つが、「サウンドキャリア」に付属しているヘッドフォンを使用すると、ノイズは抑えられ、いいバランスに聴こえた。音質面の不満は残るが、価格3,990円とアイテムだと思えば、納得のいくところだろう。数万円もする携帯型音楽プレーヤーと比較してはいけない。

 音楽の録音と再生に加え、音声の録音と再生も試してみた。こちらは良好な印象だった。音楽を再生したときにも感じたのだが、人間の声の再限度は高いので、ボイスメモとしては充分なクオリティだ。

録音のイメージ。「サウンドキャリア」にiPodを接続したところ 録音開始の画面。トラックナンバーと録音可能時間を確認したら、録音を開始する


 「音楽ゲームモード」は、上記の方法で録音した音楽を使用して遊ぶモードだ。ゲームは、「キャッチゲーム」、「リズムゲーム」、「おさんぽゲーム」、「レースゲーム」の4種類が用意されている。

 「キャッチゲーム」は、上から落ちてくる音符をキャッチするゲーム。内容自体に目新しいものはないが、録音したトラックをBGMとして流せるのが新鮮だ。

 「リズムゲーム」は、右から流れてくる白と黒のボールをキャッチするゲーム。第一印象は「キャッチゲーム」に似ているのだが、面白さの質は異なる。白と黒のボールをキャッチすると録音していた音楽が流れるが、×マークに触れてしまうと音楽が途切れてしまうのだ。つまり、音楽を気持ちよく聴くためには、白と黒のボールを確実にキャッチする必要があり、単調になりがちなゲームにメリハリを与えるのに成功している。

 「おさんぽゲーム」は、登場するネコを操作して、できる限り長く散歩をするゲーム。バックに流れる音楽が終わるまで散歩を続けられれば、クリアとなる。

 「レースゲーム」は、見下ろし型のレースゲーム。音楽のテンポに合わせて、スピードが変化する仕掛けがユニークだ。

「キャッチゲーム」。好きな音楽を聴きながら遊べるのが新鮮だ 「リズムゲーム」。×マークに触れると、音楽が途切れてしまう
「おさんぽゲーム」。障害物はジャンプをして避ける 「レースゲーム」。オールドゲーマーには、懐かしく感じられる画面だ


「ペットモード」。世話をすればするほど、ネコがたくさんの芸をおぼえる
 「ペットモード」は、「サウンドキャリア」の中で暮らすネコの世話をしたり、いっしょに遊んだりすることができるモード。「おみせ」でブラシやごはんを選んだり、音楽を聴かせたりすると、ネコが芸をおぼえて、披露するようになる。マイクを使ってその名前を言うことで、披露する芸もある。「たまごっち」などの本格的なペット育成ゲームと比べると控えめな印象があるが、数あるモードの中のひとつなのでそれほど不満は感じない。

 「占い & ゲームモード」では、2種類の占いと3種類のミニゲームを楽しめるモードだ。「音楽ゲームモード」でもミニゲームをプレイできるのだが、こちらは音楽を使用しない純然たるミニゲームになっている。

 「相性占い」では、自分と相手の血液型を入力すると、その恋の行方が判定される。「今日の運勢占い」では、決定ボタンを押すと、その日の運勢が診断される。

 ミニゲームのひとつ「もぐらたたきゲーム」は、7個の穴からモグラが頭を出した瞬間を見逃さずに、対応するボタンを押す。昔ながらのゲームだ。

 「音階記憶ゲーム」は、出題された音の連なりを暗記して、対応するボタンを押す。出題される音は最大で16種類に増えるので、これがなかなか難しい。

 「パネルゲーム」は、トランプの神経衰弱だ。パネルは7枚しかないので、さほど難しくはない。ただし、×が書かれたカードを引くと、その時点でゲームオーバーになってしまう。

「相性占い」。相性の良し悪しがハート色で表現される 「今日の運勢占い」。その日の運勢が短めのコメントで占われる 「もぐらたたきゲーム」。終盤は複数のもぐらが同時に顔を出す

「音階記憶ゲーム」。記憶する音が次第に増え、意外に頭を使う 「パネルゲーム」。パネル7枚の神経衰弱なので手軽に遊べる


 「コミュニケーションモード」は、録音した音楽を使ったクイズで遊ぶモードだ。録音した音楽がランダムで出題されるので、何の曲かを当てる。出題される曲はイントロだけだったり、スロースピードで再生されたりするので、友だちと競うと盛り上がりそうだ。

 「てんそうモード」は、友だちの「サウンドキャリア」と接続して、お互いの音楽やボイスメッセージを交換するモードだ。日常的に手紙の交換や交換日記を楽しんでいる小さな女の子たちは、ボイスメッセージのやり取りに夢中になりそうだ。

 根が音楽マニアなので音質の評価は厳しく書いてしまったが、「音楽も聴ける携帯型ゲーム」と考えれば、充分すぎる内容だ。願わくば、「サウンドキャリア」にはヒットをしてほしい。そして、今後も音楽を題材にした携帯型ゲームが登場することを望みたい。

Copyright 2005 (C) SEGA TOYS


□セガトイズのページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「サウンドキャリア」のページ
http://www.segatoys.co.jp/sound/index.html
□関連情報
【7月19日】「東京おもちゃショー2005」開幕
iPodなどを意識した“音楽系”おもちゃも登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050719/toy-s.htm


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(2005年12月1日)

[Reported by 元宮秀介]


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