【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★PCゲームレビュー★

超スピードで展開するデスマッチFPSが今ここに復活
注目のマルチプレイモードをレポート

「QUAKE 4」

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発元:Raven Software
  • 発売元:ライブドア
  • 価格:7,329円
  • 対応OS:Windows 2000/XP
  • 発売日:10月27日(発売中)



 Quakeシリーズと言えば、初代の「Quake」から「Quake III Arena」まで非常に多くのFPSプレーヤー達に支持されてきたシリーズだ。FPSを遊ぶプレーヤーならば遊んだことはなくとも名前を一度ぐらいは聞いたことがあるだろう。「Quake」をここまで有名にしたのは「インターネットを介した他者との対戦をメジャーにした」という点が大きい。

 '96年に発売された「Quake」は、FPSタイトル史上初めてTCP/IPプロトコルでの対戦を実現。これによってプレーヤーはQuakeを起動するだけで対戦を楽しむことが可能な今のFPSマルチプレイの原型ができ上がった。これによってFPSでの対戦は一部の好事家のものだけでなくなり、仮想空間上の戦いは爆発的に世界中へ普及していった。

 その後'97年12月、多くの「Quake」プレーヤーの期待を背に、待望の「Quake II」が発売された。対戦を楽しむプレーヤー数の増加傾向はそのまま鈍ること無く、Quakeシリーズは対戦用FPSのメジャータイトルとして多くの支持を集めていった。この頃から世界的に「Quake II」を扱った賞金のかけられたゲーム大会などが開かれるようになったのも見逃せないポイントである。id softwareのジョン・カーマックが愛車のフェラーリを賞品に出した大会もあったほどで、現在のe-Sportsに続く流れの地盤を作ったのは「Quake II」と言っても過言ではない。

 idは当時、2作目までしか作らないと公言していたが、'99年12月に2年ぶりとなる新作の「QUAKE III Arena」をリリース。シングルプレイモードを完全に省き、マルチプレイという要素に純粋化したタイトルであった。これもIIに続いて世界的に大ヒット、「QUAKE III Arena」の対戦サーバーが世界中に大量出現した。それに伴いプレーヤーの規模も雪だるま式に膨れ上がり、世界中にスタープレーヤーが生まれた。「Quake II」から続くこの流れは止まらず、後にCPLやWCGと呼ばれる大会も開かれるe-Sportsの流れはここで完全に確立したわけだ。

 しかし、「QUAKE III Arena」が発売されてから6年が経過し、いい加減ゲームとしても、優秀なネットコードを搭載した3Dエンジンとしても寿命が尽きてきた。結局プレーヤーたちが望む新世代のQuakeは、シリーズ最新作「Quake 4」まで待つことになる。本作のリリースに合わせ、国内を始め、世界中のQuakeプレーヤー達のコミュニティが過去のシリーズ時同様に活発な活動を展開し始めている。本稿では世界中のプレーヤーを魅了する「Quake 4」のマルチプレーヤーモードについて掘り下げていってみよう。

DOS時代(左)とOpenGL対応(右)の「Quake」。「Quake」登場当時はOpenGLのような3DCG用のAPIは用意されておらず、高度な3D空間の表現は難しかった。その後、技術的デモンストレーションの一環としてOpenGL対応の「Quake」が発表された。別のゲームと勘違いするほどグラフィックの質が違っているが、こういったデモンストレーションの実験台として選ばれるほどの存在だったわけだ


■ デスマッチは、FPSの基本をしっかりおさえたシンプルなつくりに

 「Quake 4」のマルチプレーヤーモードの基本となるのがデスマッチモード(通称DM)だ。PCやコンソールを問わず、ほぼすべてのFPSタイトルのマルチプレーヤーモードに採用されており、サーバーの設定したスコアに到達するまで他のプレーヤー達とスコアを競い合う。基本的に1マップあたり30フラグに到達するまで戦う事になる。

 プレーヤーAがプレーヤーBを倒すとプレーヤーAには1フラグが加算されるわけだが、プレーヤーBは倒されても特にフラグがマイナスになるペナルティーは無い。しかし、それまで所持していた武器などはすべて初期状態へと戻されてしまうため、生き残ったプレーヤーとは性能に大きく差が開いた状態で再スタートを切ることになる。

 ただ、多くのユーザーが同時参加するデスマッチモードでは、いわゆる“事故”があり、プレーヤーの力量に関係なく、時に死角を狙われて倒される事態に陥ることがある。あまり目立たないプレーヤーや、始めて間もないプレーヤーでも、事故の具合次第では最終的には上位に入ってしまう。そういった逆転のカタルシスを味わうことができるわけだ。だがそれもある程度のレベルまでの話。真の上級者は練習を重ねて技能を高め、“事故”の起こる確率を限りなくゼロに近づける。ゲームを完全に自分の支配化に置く優越感は逆転のカタルシス以上だろう。この2つの要素がデスマッチモードの醍醐味とも言える。

デスマッチに限った話ではないが、他人のプレイを見るSPECTATEモードもある。上級者が勝ち続けるにはそれなりの理由があるわけで、自分だったらこの場面でどうするのか考えながら観戦し、上級者の技術を盗もう

 次に紹介するのはDMの派生型であるチームデスマッチモード(通称TDM)。このモードは海兵隊チーム(Marine)と異星人チーム(Strogg)の2チームにわかれてDMを行なう。このモードの基本ルールは通常のDMとは若干異なり、サーバーの規定した時間内に相手のチームとどれだけスコアの差をつける事ができるかを競う。チーム戦ということもあり、個人技だけでは勝てないモードで、攻撃力増加や体力増強アイテムなどが出現する前に出現エリアを制圧するといったチームとしての戦略が要求されるモードだ。

 当然だが、1人でカッコつけて敵のど真ん中に突っ込んでも袋叩きにされるのがオチなので、最低でも味方と共に行動することを強くお勧めする。マップ内を複数人で動き、敵をけん制する者、メインに戦う者、逃げようとする敵に止めを刺す者といった具合に敵を狩っていけると、プレーヤーの中に眠る狩猟動物の血が目覚めていくことだろう。

自らが動かないキャンプといわれる行為も、効率よく使うことができれば、ガントレットのような近接武器でも十分スコアを稼ぐことができる。ただ突撃するだけでなく、押し引きができることでプレーヤーのスキル差がついてしまうのがQuakeだ

 そして、今作で大きく変わったのがこのトーナメントモードだ。これはゲームモードというより、DMの新要素といったほうが正しいかもしれない。「Quake」から「Quake III Arena」まで多くのプレーヤーが魅了されてきたのが1対1のいわゆるタイマン勝負をするトーナメントモードだ。

 これまでのシリーズでは勝者側がマップ上に残り、敗者側が観戦しながら順番待ちをするアーケードゲームの対戦に近いプレイスタイルであった。これは勝者のゲームをじっくり見ることで、相手の上手い戦略を盗むことができるメリットがあるが、参加人数が多く自分が負け続けたりすると、ゲームを遊ぶより見ることのほうが長くなって退屈する。

 しかし「Quake 4」ではこの点に大きな改良が加わった。参戦者が4名だった場合、その4名を2ブロックに分け、2試合を同時に進行する。おそらくこの新機能は今後開催されていくであろう「Quake 4」の大会における、試合進行のスムーズ化を意識して開発されたものだろう。プレーヤー側からすれば強制的に観戦にまわされる時間も減り、プレイ時間も増えるからいいこと尽くめといえる。

 ちなみに本モードはタイマン勝負なので、デスマッチなどと違い、対戦相手にアイテムや武器を取得させない戦略が重要だ。上級者ともなると、自分の取得したアイテムが何秒後に再びマップ上に出現するのかを計算しながら戦ってくる。対戦のスキル差がもっとも浮き彫りになるのが本ゲームモードだ。

1対1で戦うトーナメントモード。位置の取り方、攻撃を仕掛けるタイミング、アイテムの集め方など、FPSに必要な技能をすべて問われるタイマン対戦だ。勝てば嬉しいが、負けるとメチャクチャ悔しい。トーナメントモードは、最大16人が参加して戦うことができるようになっている。オンライン大会なども進行がスムーズになるだろう

 こちらも多くのFPSタイトルに採用されているモードであるキャプチャーザフラッグモード(通称CTF)。ご存知無い方に説明すると、TDM同様に2チームにわかれて戦うのだが、TDMと決定的に違う点は、陣地の概念があり、海兵隊側と異星人側とで中央から点対称のマップ上で戦う点だ。そして、敵陣の最深部に設置されているフラッグを盗み出し、自陣へと持ち帰るのが目的となる。

 しかし、フラッグをただ持ち帰るだけではチームにスコアは入らない。なぜなら、敵の旗を自分のチームの旗にくっつける必要があるからだ。敵チームが自チームの旗をもっていると互いに得点することができない。そのため、必然的にチーム内にオフェンスとディフェンスの役割が重要になる。このモードはクラン戦や大会などでも採用されているが、TDM以上にチームワークというものが重要視される。旗を取って来る人、追いかけてくる敵を排除する人、陣地を守る人、役割はさまざまだが、初心者は自陣を守るのが楽でいいだろう。

 また、このCTFには2つ目のアリーナキャプチャーザフラグモード(通称ACTF)が用意されている。このモードでは通常のCTFより多くのパワーアップアイテムが出現する。パワーアップアイテムを取得すると、取得したプレーヤーが倒されるまで効果が持続する。このモードで追加されるアイテムは足が速くなるScout、アーマーが最大値である200まで回復し続けるGuard、攻撃すると2倍のダメージを与えるDoublerと、充填速度は遅いが、弾薬が増え続けるAmmo-Regenといった非常に強力なアイテムが追加されている。このアイテムをどう使うかが勝敗の大きなわかれ目になるだろう。

CTFではダーツの羽のような光る物体をフラッグとして持ち運ぶことになる。フラッグを持ってる人間は最優先で敵に狙われるので、とにかく敵と自分の間に遮蔽物を作るように逃げて見方陣地へたどり着こう。右の写真にある“X2”というアイテムはACTF限定のアイテム。攻撃力を倍にしてくれる

CTFでのワンシーン。筆者が上段にいる敵を攻撃しようとした所、下段の通路から敵の仲間がハイパーブラスターを片手に攻めてきた。もう1枚は攻めてきた敵を2人掛かりで倒した所。旗を守るも攻めるも、1人では意味がない。やはり、即席コンビネーションでも上手く行くと気分爽快だ

ガントレットだからと舐めていたら、攻撃力の上がるQuadダメージで殴られ、すでに瀕死状態となっている筆者。この敵は筆者を撲殺した後、速やかに撤退していった。アイテムの力は恐ろしいと思わされた


■ 新旧の武器を織り交ぜた10種類の武器が登場! 性能を知って使いこなせ!

 ただ闇雲に対戦相手を持っている武器で射撃するだけでは意味が無い。それぞれの武器には特徴があり、各特徴に合わせた戦い方をしないとその能力は半減してしまう。ここではそれぞれの武器の紹介と、戦闘時の注意点を紹介しよう。ちなみに、これはあくまでさわりで、参考程度にしてもらい、読者個人で自分に合った使用方法を突き詰め、形にして頂きたい。
ガントレット
左が「Quake III Arena」のガントレット。右が「Quake 4」のガントレットだ。あまり使用頻度のない武器がこのガントレット。籠手についた回転する刃が敵を切り刻む。手先についた武器という事もあり、有効射程距離は非常に短い。また、ダメージもあまり与える事ができないので使用頻度はあまり高くない。弾薬が尽きてしまった場合にのみ利用するのが得策だろう。ちなみに、「Quake 4」では倒された時に装備していた武器を落としてしまい、他のプレーヤーに取得される恐れがあるが、このガントレットは落とす事がない。よって、自分が強い武器を所持している時に倒されそうな場合にワザとガントレットを装備しておけば、敵に武器を拾われないようにすることができる

マシンガン
ゲーム開始時にガントレット同様に所持している初期武器。連射速度は速いが、威力は初期武器なだけに低めとなっている。1マガジンを使用している間に対戦相手を倒すことが必要となる。ゲーム開始直後は、マシンガンの撃ち合いになる事がほとんど。ゲーム序盤から有利に戦いたいならば、ある程度練習をする必要がある。使い方としては。他の強力な武器を相手に当てて体力が僅かに残った場合にトドメを刺すといった使い方が非常に有効だ

ショットガン
これは武器の特徴をあまり説明する必要がないと思うが、いわゆる散弾銃だ。射撃時に自分のキャラクタから攻撃判定のラインが複数本、発射される。対象となる敵キャラクタの位置が近いと高いダメージを与える事ができるが、遠距離だと散弾するために威力がさがってしまう。マシンガン同様に相手の体力を削り倒すのに非常に優れている。パワーアップアイテムと併用して、敵に接近して使うのが一番効果的だ。間合いに入ったら必殺するつもりで撃たないと、逆にやられる

ハイパーブラスター
「Quake II」からの再登場となったエネルギー弾を連続放出する武器。弾速は若干遅めだが1発1発の威力が高い。敵の背後を取っている時や、狭い通路でばら撒いて敵の進路をふさぐように感じで使うのも効果的だ。敵の移動方向に前もって先読みして撃ち込もう

グレネードランチャー
パイプ状の爆発物を打ち出す武器。このパイプは、時限で爆発するが、敵に接触した場合も爆発する仕組みとなっている。また、壁などにぶつかっても反射するだけで爆発はしない。ただ飛距離はあまり良くないので、転がす感じで使用するのがベスト。相手に直撃させるのは難しいのであまりオススメはしない。相手に対しての牽制などでも非常に有効な武器。威力は中の上といった所

ネイルガン
初代「Quake」からの復活となる釘を連続で射出する武器。弾速はハイパーブラスターと同等程度で、若干遅めの速度となっている。しかし、その分威力が高い。注意すべき点として挙げられるのは、弾速が遅く、すぐに見切られてしまう事だ。使用方法はハイパーブラスター同様で問題は無い

ロケットランチャー
シリーズを通して登場し、「Quake」の代名詞とも言える武器。「Quake II」の続編という事もあり、弾速も「Quake II」に近いものとなっている。この武器は射出するロケットが着弾すると、着弾地点から一定範囲内には爆風の判定が出る。相手に直撃させずとも、爆風の判定で相手を倒すことができる。また。ロケットの着弾時に相手がジャンプしていると、爆風によって浮かせることができる。落ちてくるところを好きな武器で狙おう

レイルガン
「Quake II」からずーっと登場している武器。圧縮されたエネルギーをレーザーのように直線状に撃ちち出す。詳しく確認している訳ではないが、今作では攻撃判定が若干大きくなったようで大まかに狙いを定めればあたるようだ。ロケットランチャーで相手を浮かしたり、直撃させた直後にレイルガンでトドメを刺すと、Combokill!とアナウンスが流れるギミックもある。シリーズ中でも非常に人気が高い武器ではあるが、本作では威力も高く、当てやすい武器になっているために、サーバー上でレイルガンばかりの展開にならないかという懸念もある

ライトニングガン
「Quake」、「Quake III Arena」から引き継がれたきたライトニングガン。銃口から一定範囲まで直線上に雷が放出される。この武器は放出し続けることができ、放出している間はエネルギーを消費し続ける。過去のシリーズと比べると若干攻撃力が弱くなったという意見も聞かれるが、筆者も同意見である。だが、相手の動きを読みきった場合にこの武器の威力は恐ろしく高く、ものの1秒ちょっとで敵を倒すこともできる。いざという時のために練習しておくと良いだろう

ダークマターガン
「Quake 4」で初登場のニューウェポン。銃を発射するとブラックホールを射出する。壁や床などに着弾した場合、着弾点から一定範囲内のプレーヤーには非常に高いダメージを与えることができる。アーマーや体力が非常に高く無い限りは即死ダメージが与えられるという非常に脅威となる武器だ。しかし、使用できるマップは制限されており、なかなか目にする機会はないだろう。使用可能なマップでは、乱戦となっている所にブラックホールを置いて漁夫の利を狙うのが効果的だ

 筆者の雑感としてはロケットランチャーの弾速の遅さや、レイルガンが強力すぎる点に疑問を持った。スピーディーな展開が好みの筆者としては、今後のバージョンアップなどで引き続き武器バランスなどが細かく調整されていくことを希望したい。


■ 「DOOM 3」の不満点をきっちり改善して作りこんできたマルチプレーヤーマップ

 「DOOM 3」では光と闇の美しさをメインとしたマップが採用され、マップ中には動的なオブジェクトも多かったが、マルチプレイファンからは、クライアントの処理を遅くさせているだけと不評だった。

 「Quake 4」では「DOOM 3」で不評だった部分を排除し、「Quake」らしさを前面に押し出したマルチプレーヤーマップとなっている。今回は「Quake II」のマップと、「Quake 4」でリメイクされたマップ“Edge”(「Quake II」名The Edge、「Quake 4」名OVER THE EDGE)のエリア画面を交えながら「Quake 4」のマップの特徴をを紹介していく。

まずは左の「Quake II」の写真を見てほしい。こちらは淡色で非常に暗いイメージを与える。テクスチャのバリエーションも極端に少なく、砦の中のようなダークな印象だ。また、画面中央から僅かに左上の黄色いアーマーの横にはエレベーターが用意されている。それに対し「Quake 4」では多くのテクスチャーを使用し、施設的な雰囲気を漂わせる。「Quake II」ではアーマー横にあったエレベーターがジャンプパッドへ変えてプレーヤーの上昇速度を落とさないようにし、ゲームのテンポを損なわないよう配慮されている

次にアーマーとメガヘルスのある部屋を見てみよう。アーマー位置から左方向にあるボックスの上には「Quake II」にも登場した弾薬回復アイテムが置いてある。そして右奥の箱の上には「Quake II」のメガヘルスが配置されている。「Quake 4」の同じ部屋を見てみよう。アーマーのポジションは同様だが、部屋の構造が若干変わっているため、右奥にあったメガヘルスが、左手の箱の上へと移動している。全体的に明るくなり、アイテムが暗くて発見できないということはなさそうだ

先ほどの部屋を進むとこの写真の広場へと通じる。「Quake II」の場合、画面奥に位置する池の中に入るとレイルガンを取得することができたため、水中で敵と遭遇し、必死に倒そうと奮闘しすぎて溺死してしまうこともあった。次に「Quake 4」でのマップを見て欲しい。まったくの別物となっている。池を排除して、変わりにジャンプパッドで写真上部に配置されているレイルガンのある所まで飛ぶことができる。水中でジャバジャバ戦うようなスローなゲーム展開にはならないわけだ

 以上のように、Edgeひとつとってみても多くの改良が施されている。「Quake II」では煩わしかっただけのエレベーターがジャンプパッドが変更され、移動をスムーズにできるように変更をされたり、水中のルートを排除したりと「Quake 4」ではゲームテンポを阻害するものを無くすことを前提にマップが設計されているようだ。また、他のマップには「QUAKE III Arena」からの移植マップも2つあるが、「Quake 4」に合わせた広さなどの調整が行なわれており、旧作とほぼ同様のリズムで戦うことができた。これは古くからQuakeの対戦に親しんでいるプレーヤーにとってはありがたい話だろう。


■ 現状は80点。今後は更なるバランス調整とMODの開発に期待

 「Quake 4」のマルチプレイモードで気になるのは、内容よりむしろマシンスペックという人もいるかもしれない。

 筆者のスペックはCPUがAthlon64 3200+、メインメモリ1GB、ビデオカードはRadeon X850XT PEといったスペックだ。正直な所、これでもCPUパワーやビデオカードのパワー不足は否めない。特に、オブジェクトの多いマップや、すぐに乱戦になるマップ等はエフェクトなどの処理でほとんどのパワーを食われてしまうためにフレームレートが低くなり、乱戦になるとさらに症状は悪化する。

 そこで筆者が思いついたのが「Quake III Arena」時代にフレームレートを維持するために画質や音質を低く設定をしていた事だ。ここで筆者はそれに習い、画質と音質を落としてマルチプレイを試してみたが、何故かあまり改善されないどころか、逆に処理が重くなっていると感じた。次に試したのが同じ画面の解像度にし、画質も最高にしてみた所、画質が高いほうが断然処理が早かったのだ。

 これは何かの間違いではないか? と思い、「Quake 4」をプレイしている友人達にも話を向けたところ、私と同じように画質が高いほうが安定したフレームレートを出すという答えが返ってきた。また、ユーザー主催のネットカフェの貸切イベントに参加した際に別の友人達にも同様の設定を頼み、検証してもらった結果、グラフィックスクオリティが高いと証言を得ることができた。あまりFPSが出ないと嘆いているプレーヤーは思い切って高画質設定を試してみるのもいいだろう。

 久々のデスマッチベースのタイトルである「Quake 4」だが、現状では武器バランスなどシビアな問題が未調整であるため、必ずしも大満足というわけではない。実際、海外のコミュニティサイトを見ていると“レイルガンの打ち合いにしかならない”という否定的な意見が出始めている。これは筆者も実感している事だが、ロケットランチャーやネイルガンといったほかの武器は段速が遅いため、1対1の状況では、一瞬で敵に到達するレイルガンに対抗する術がない。

 開発側が意見を取り入れ、パッチなどで改善する事を望んでいるが、はたして改善されるかどうか。そこで期待したいのが、ユーザーのMOD(Modification)だ。MODはいわゆる改造プログラムで、簡単に説明すると、本来のゲームと全く違うゲームを作成した物と認識してもらって構わない。「Quake III Arena」時代はこのMODにより武器のチェンジ速度や、移動速度の改善が図られたMODがリリースされており、かなりの人気を博していた。そのため、バランスに対して厳しい意見のある「Quake 4」でも同様なMODが作成され、バランスの調整をユーザー側が作り上げてしまうことに期待がかかっている。どちらにしても今後半年のid Softwareの反応とユーザーMODの出方で、「Quake 4」の今後の興隆が確定するだろう。

 ただ、「Quake 4」は、「Battlefield 2」や「Counter-Strike」などのそれなりに人数が集まらなければ対戦自体が成立しないチームベースのタイトルと違い、1on1からでもゲームとして成立するのは非常に手軽だ。筆者はバランス云々の問題は感じているが、それを加味した上で、CTFなどは十分に楽しめている。それに7年ぶりに出てきた「Quake」の新作だ。とりあえずは1週間2週間で判断せず、じっくり腰をすえてプレイしていきたいと思う。

(C) 2005 Id Software, Inc. All rights reserved. Published and distributed by Activision Publishing, Inc. under license. Developed by Raven Software Corporation. QUAKE and ID are registered trademarks of Id Software, Inc. in the U.S. Patent and Trademark Office and/or some other countries. Activision is a registered trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. Distributed In Japan By livedoor.


【Quake 4】
  • CPU:Pentium4 2.0GHz 以上
  • メモリ:512MB以上
  • HDD:2.8GB以上
  • ビデオカード:VRAM 64MB以上


□「Quake 4」のページ
http://www.Quake4thegame.com/
□関連情報
【10月28日】PCゲームレビュー「QUAKE 4」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051028/q4single.htm
【10月19日】PCゲームファーストインプレッション「QUAKE 4」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051019/quake4.htm
【10月4日】ライブドア、「Quake 4」を10月下旬に発売
日本語マニュアル付き英語版で、日米ほぼ同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051004/Quake 4.htm
【5月22日】Electronic Entertainment Expo 2005 現地レポート
QUAKE×2、CALL OF DUTY×2、今年もACTIVISIONはFPS三昧
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050522/actv.htm

(2005年10月31日)

[Reported by GAME Watch「Quake 4」取材班]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.