【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★PCゲームファーストインプレッション★

7年ぶりに登場したデスマッチFPSの大御所
革新よりも洗練を選択してついに登場!!

「QUAKE 4」

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発元:Raven Software
  • 発売元:Activision
  • 価格:49.99ドル(日本は7,329円)
  • 対応OS:Windows 2000/XP
  • 発売日:10月18日(日本は10月27日発売)



 FPS(First Person Shooting)プレーヤーはもちろんのこと、古くからPCゲームに親しんでいる人間にとって、「Quake」はFPSの代名詞的存在として知られる。FPSの歴史をひもとくと、'94年にリリースされた「DOOM」はFPSというゲーム形態を確立したタイトルだった。閉鎖された3D空間で、その目から見た世界をモニターに映し出し、そこに登場するモンスターに手に持った銃で狙いを付けて撃つ。そんなFPSの根本とも言えるシステムとネットワークを経由した他者との対戦を、世の多くのPCゲーマーに知らしめた一本だった。

 そして、「DOOM」から2年後の'96年に登場したのが「Quake」だ。「DOOM」が作ったFPSという骨組みに、マウスによる視点移動やTCP/IPによる対戦相手を見つけやすいマッチメイクシステムを加え、現在に至るFPSというゲームジャンルが確立された。その後、数々のFPSがリリースされたが、そのほとんどが「Quake」の延長線上に存在していると言い切れる。

 そんな偉大な存在である「Quake」シリーズも、すでに「QUAKE III Arena」が発売されてから6年が経過し、さすがにFPSとしても、エンジンとしても鮮度が落ちてきた。「新3Dエンジンを使った『QUAKE III Arena』はでないものか……」。これが「Quake」コミュニティの切実な願いだった。そうした状況に終止符を打つものとして期待されたのが昨年発売された「DOOM 3」だが、キャラクターの移動スピードが遅く、射撃能力や反射神経を競うには不向きだった。

 そんな中、満を持してリリースされるのが、「QUAKE 4」である。今回は米国でのリリースに先駆けて特別に体験会を開いてもらえると言うことで、わずかな時間ではあったが日本のゲームメディアとして初めて「QUAKE 4」に触れることができた。詳しい掘り下げは後に掲載するレビューに回すとして、本稿では取り急ぎ「QUAKE 4」のシングルプレイモードとマルチプレイモードのインプレッションをお伝えしたい。


■ シリーズ初の「ストーリーを楽しむ」ことにチャレンジしたシングルプレイ

これぞ「Quake」的な生理的嫌悪を感じる敵キャラのデザイン。シングルプレイではこんなモンスターが立て続けに襲ってくる
"Strogg"の基地内に侵入し、これに立ち向かう地球軍の兵士達。やはり、ロケットランチャーやライトニングガンで倒すのが基本か?
 まずはシングルプレイから見ていこう。「QUAKE 4」の舞台設定は「Quake II」を引き継ぐ内容となっている。オープニングのカットシーンは惑星軌道上での艦隊戦から始まり、我々地球軍の宇宙艦隊が、敵の本拠地である惑星“Strogg”に侵略するシーンがが映し出される。破壊された上陸船の兵士だろうか、上半身だけとなった死体が宇宙空間を浮遊していたりと、のっけからグロテスクなシーンが散見される。「DOOM 3」エンジンをベースとしたカスタムエンジンを駆使してリアルタイムで描かれるオープニングムービーには一種特殊な現実感が感じられる。「Quake」テイストを感じさせるこの流れに期待は否応にも高まる。

 主人公達を乗せた宇宙船が惑星表面になんとか着陸し、地に足をつけて歩き始めたシーンから実際のゲームプレイが始まる。基本システムは「DOOM 3」とほぼ共通のシンプルなもので、操作系は平行移動、ジャンプ、武器の使用と単純そのもの。マップ中に配置されたギミックを使ったり、本作で重要な役割を演ずるNPC達とインタラクションするには単純に照準を合わせてクリックすればよく、操作方法を理解するのに3分とかからない。

 登場モンスターは「Quake II」プレーヤーならおなじみのサイバネ生物(半機械・半生物のクリーチャー)が登場。設定的には「DOOM」と被る部分もあるのは確かで、「Quake 4」で初めて「Quake」シリーズに触れるという方には「DOOM 3」との違いがわかり辛いかもしれない。ただ、本作「Quake 4」で登場するモンスターのデザインセンスは、「Quake 2」そのものだ。つまり、デーモンというよりエイリアンであり、人体構成における機械部分の比率が高く、サイボーグ的な印象が強いキャラデザインとなっている。

 そんなモンスターを相手に戦うシングルプレイモードだが、今回は主人公1人だけの戦いではなく、地球奪還を目指す「地球軍」の味方達とのチームプレイが基本となる。序盤の流れを見てみると、ステージ中の行く先々で生きた人間、それも共に戦ってくれる兵士との遭遇があり、プレーヤーは「チームメンバーの一員」として惑星探索を進めていくことになる。

 プレーヤーと行動を共にするNPCは、「DOOM 3」のようにリップシンクさせながらフルボイスでしゃべる。このため、ストーリーを楽しむためには相当な英語力が必要になるだろう。NPCの移動に関しては、最近のFPSで主流になりつつあるAI制御という感じではなく、スクリプトに組み込まれた形で動き、プレーヤーを導いていく役割を与えられているようだ。このため、NPCの行動が原因でゲームを快適に進められなくなるようなことはなく、スムーズにゲームを進めながら、ドラマティックに展開するストーリー上の演出を存分に体感できる作りだ。

 チームベースのストーリー展開は、従来の「Quake」シリーズとは趣を異にするが、シングルプレイの充実度はこれまでの「Quake」から考えれば明らかに向上している。開発元は「Starwars: Jedi Knight」など映画原作付きのオリジナルストーリーを持ったゲームを多数手がけてきたRaven Softwareだけに、ストーリー重視のスクリプトデザインには好印象を持った。元来ストーリーに関してはそっけない印象の強い「Quake」シリーズだけに、Raven Software制作の「Quake 4」ではどのような物語を見せてくれるか、発売が実に楽しみである。

 グラフィックスに関しては「DOOM3」エンジンの発展系というだけあり、最高峰の3Dグラフィックスを堪能できる。ライティングはソフトシャドウが中心となり、「DOOM 3」に良くあった真っ暗闇なステージは少なくなり、視界が明瞭になって格段にプレイしやくなっている印象がある。他にもキャラクタの肌の質感が非常に自然になっているところが好印象。全体的にストーリーの演出にあわせてエンジンをカスタマイズしたという感じを受けた。動作は「DOOM 3」の発売当時に比べ、相当パフォーマンスの最適化が行なわれていると見られ、「DOOM 3」を上回る水準のグラフィックスを実現しながらも、同程度かそれ以上に軽いという感じで、少なくとも「DOOM3」以上に必須環境が高まることはないだろう。

 とりあえずプレイした限りで感じた印象は以上だ。序盤のシングルを体験した限りでは、新たな「Quake」にFPSの新世界を開拓するような新要素は見られなかった。“変革”を期待していた筆者としては少々拍子抜けしてしまったのは確かだ。世界観としては「Quake 2」をしっかり引き継いでいるし、続編としての感触は十分なのではないだろうか。これがストーリー終盤になってくると、どういう展開になるのかはまだわからないが、とりあえず最後まで遊んでは見たいという印象を筆者は受けた。

このモンスターは「Quake2」でおなじみのBerserkerのようだ。あまりにもディティールアップしているため、印象もずいぶん違って見えるが確実に「Quake2」のテイストは継承されている 「Quake2」のEnforcer的な立ち位置のモンスターに見えるが、どうやら違う。敵のバリエーションは豊富なようだ

Stroggの巨大兵器と地球軍の戦闘風景。プレーヤーはこういった兵器同士の戦いにどのように関わっていくのだろうか? 「Quake2」にもFlyerやHoverなど、空中浮遊するモンスターが多数登場した。狙いも付けづらく、今回もこの手のモンスターに悩まされそうだ


■ 「QUAKE III Arena」の感覚を踏襲したことで、次代のデスマッチ対戦型FPSの急先鋒へ

「Quake 4」ではマップ上に別の場所へとワープできるゲートが用意されている。構造が複雑なマップには多数用意されていた。対戦時にはこういったワープを使用しながら相手を先回りしていく事になる。戦略に大きく絡んできそうだ
右後方にある赤い設置物を踏むと、壁の上にジャンプすることができる。こういったジャンプパッドが多数あり、マップ上の移動を手助けしてくれる。しかし、ジャンプ中は軌道がほぼ一定なので、浮いている間に狙い撃ちをされたり、着地時を狙われたりとリスキーな面もある
チーム戦で箱の上で光る「リジェネレーション」と呼ばれる回復アイテムを守る二人組み。こういった特殊効果を持つアイテムをコントロールするのがチーム戦の醍醐味だ
 シングルプレイを全員が一通りプレイしたあと、マルチプレイの方も体験させてもらった。「Quake」シリーズのファンにとって一番気になるのはやはりマルチプレーヤーモードだろう。これまで開発側はコミュニティに対して「QUAKE III Arena」のようなゲームスタイルに戻すと公言していただけに、どのようなゲームシステムになるのか非常に気になっていた。筆者も「Quake」シリーズには思い入れが強く、マルチプレイを浴びるほどやってきた人間なので、どうしても期待してしまう。ただ、冒頭でも書いたとおり「DOOM 3」でのマルチプレイがユーザーにはあまり受け入れられなかったと言うこともあり、id Softwareはまた同じミスを繰り返すのではないかという不安もあった。「DOOM 3」のマルチプレイは、シングルプレイと同じシステムを使って構築されており、ゲームスピードはシングルプレイと同じで、あくまでシングルプレイのオマケ的な作りに留まっていたためだ。

 そんな期待と不安が入り交じった感情を抱きつつ、とにかく体験とばかりにマルチプレイをスタート。ロードが終了し、フィールドに自キャラが出現した。さまざまな思惑にかられながら一歩踏み出したその瞬間だった。

「オオオオオオ!!」

 その場にいた人間が同時に驚きの声をあげた。明らかにゲームスピードがシングルプレイと違うのだ。スピードの感覚的には「QUAKE III Arena」に近い印象だ。プレイする前に感じていた「シングルプレイと同じゲームスピードだったらどうしよう」という不安は完全に払拭された。それに、また、DOOM3では煩わしいだけだった高所からの落下ダメージや、処理に負荷がかかるだけだったマップ内の動的オブジェクトも排除もされており、数分マップ内を動き回った後には、プレイする前に抱いていた不安は一気に解消されていた。プレイ感覚は「QUAKE III Arena」に近い。これはいい。

 「QUAKE III Arena」で可能だったテクニックもいくつか試してみた。マップ上を走りながら移動を斜め方向に入力しつつジャンプを連続することで加速できるテクニック、通称「ストレーフジャンプ」を試してみた所、移動速度の加速を確認することができた。徹底的に試したわけではないので結論は先送りするが、前作である「QUAKE III Arena」と同じ感覚で移動ができる。また、武器の着弾時に発生する爆風などを使用して高いところへジャンプする「ロケットジャンプ」などのテクニックも可能だったことを付記しておく。

 次に筆者が試したのはロケットランチャーだった。これまでにQuakeシリーズではロケットランチャーの弾速が必ずコミュニティで議論されており、筆者としてもシリーズの中では「Quake」の超高速で着弾するロケットランチャーが好きだったりする。しかし、シリーズ毎に弾速が変わっており、「Quake II」の非常に遅い弾速のロケットランチャーはコミュニティでは不評だった。

 そんなことを考えつつ、早速ロケットランチャーをぶっ放してみた。結論を先に言ってしまうと微妙な速度だった。感覚的には「Quake II」と「QUAKE III Arena」の中間くらいの速度と言えばいいのだろうか? 移動に関しては「QUAKE III Arena」と同等のスピードを維持できる本作において、若干ミスマッチな印象を受けた。しかし、遊んだマップの多くがそんなにだだっ広い訳でもなく、狭い通路などで戦うぶんには問題はないと言える。広いスペースに出た場合は武器を変えれば良いということだなと納得した。

 これまで「Quake」シリーズには広い空間のマップが多く、中間距離での打ち合いが多かったが、今回体験したマップは狭い空間のものが多かった。体験したマップには部屋と部屋をつなぐ通路が多く、近距離での打ち合いになるだろうと予測できる。また、戦略性を高めるために、別の地点へとワープするためのゲートが設置されていた。これを利用する事により、対戦相手に先回りをしかけたり、逆にワープを利用させ、別地点に現れた敵を倒していく感じになるだろう。

 また、通路が多いので、出会い頭の戦いも頻出しそうな印象だ。プレイしながら筆者はすでに「QUAKE III Arena」を遊んでいた頃のように、実際に対戦でこのマップを戦った場合、どのアイテムをどの順番で取り、マップをどのように動き、どこで敵をしとめるかと考えはじめていた。そういった意味で、筆者はすでに「Quake 4」のマルチプレイを受け入れ始めていた。

 残念な事に、今回の体験会ではプレイ可能なマシンが1台限定で、実際の対戦はできなかったため、武器のダメージバランスなどがどうなっているかまでは不明だ。しかし、「QUAKE III Arena」で成功したゲームシステムを本作でそっくりそのまま踏襲していることを考えると「QUAKE III Arena」に近いものになっているものと考えられる。

 ひとつだけ懸念材料を挙げるとしたら、「QUAKE III Arena」のシステムに近すぎ、これが「QUAKE 4」だ! という革新的な要素が見あたらない点だ。ただ、これまでのFPSが新要素の追加を意識しすぎて洗練されなくなっていたことを考えると、「Quake 4」が「QUAKE III Arena」の感覚を極力壊さずに踏襲し、新3Dエンジンへとゲーム感覚をそのままに移行させた英断には拍手を送りたい。

 対戦コミュニティを盛り上げる大きな原動力となるのはCPLやWCGといったe-Sportsの大会だが、こういった大会では革新的要素よりもゲーム内容が大きく変わらない保守的な要素が好まれる。「QUAKE 4」は、CPLではすでに種目として採用が決まっているし、来年度以降のWCGでも種目候補に挙がっている。デスマッチ型として安定しているまとまりを見せた本作が大会種目となれば、「QUAKE III Arena」で名を馳せた多くのプレーヤーが戻ってくることだろう。そういった意味で本作は、ゲーム自体を変革するのではなくゲームコミュニティを変革するのかも知れない。

(C) 2005 Id Software, Inc. All rights reserved. Published and distributed by Activision Publishing, Inc. under license. Developed by Raven Software Corporation. QUAKE and ID are registered trademarks of Id Software, Inc. in the U.S. Patent and Trademark Office and/or some other countries. Activision is a registered trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners. Distributed In Japan By livedoor.


【Quake 4】
  • CPU:Pentium4 2.0GHz 以上
  • メモリ:512MB以上
  • HDD:2.8GB以上
  • ビデオカード:VRAM 64MB以上


□「Quake 4」のページ
http://www.Quake 4game.com/
□関連情報
【10月4日】ライブドア、「Quake 4」を10月下旬に発売
日本語マニュアル付き英語版で、日米ほぼ同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051004/Quake 4.htm
【5月22日】Electronic Entertainment Expo 2005 現地レポート
QUAKE×2、CALL OF DUTY×2、今年もACTIVISIONはFPS三昧
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050522/actv.htm

(2005年10月19日)

[Reported by GAME Watch「Quake 4」取材班]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.