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会場:ニューピアホール
この大会は、「機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン」シリーズを通して初の公式全国大会となる。シリーズ5作目を数える「SEED」で初めて公式全国大会が開催されるというのは、その人気から考えると実に意外な話だ。長年開催を待ちわびていたファンもさぞや多いことだろう。 「SEED」自体は、7月中旬に稼動を開始してから、まだ約3カ月と間がない新作タイトル。しかし先日までテレビアニメが放映されていたこともあり、人気は前作に勝るとも劣らない。当日は雨天にもかかわらず、会場に用意された数百人分の観戦席が全て埋まり、立ち見が出るほどのファンが集まった。
大会には、全国の予選大会を勝ち上がったチームに、数チームの当日参加枠を加えた、128チーム256人が参加した。会場では午前中から、8セット32台用意された筐体で、参加者を8つのブロックに分けて予選トーナメント戦を実施。各ブロックを勝ち上がった8チームが決勝に進出した。
■ 決勝大会 レギュレーションは、制限時間210秒で、ステージはヘリオポリス内部。その他はデフォルト設定とされ、特別な設定にはなっていない。予選から準々決勝までは1本勝負、準決勝と決勝は2本先取で行われた。 大会で目立ったチームの組み合わせは、☆4と☆3という、それぞれが1回ずつ撃破されても大丈夫な組み合わせ。特にフリーダムまたはジャスティスと、ラゴウまたはストライク(ビームライフル)の組み合わせが人気だった。ほかには☆3.5が2機という組み合わせはちらほら見られたものの、☆2.5以下の低コスト機の使用者はまれで、準々決勝には1機も残っていなかった。双方が1回ずつ落とされてもいいという組み合わせのほうが、戦略が立てやすいということだろう。 決勝に勝ち上がってきたのは、準決勝で1本先取され、さらに2本目でも先に2機が撃破されるという不利な状況から、見事な集中攻撃で逆転した「ワララ~」チーム(ジャスティス、デュエル)と、1対1の戦いでは圧倒的な強さを見せつつ、相手の連携ミスにも助けられて準決勝をあっさりと勝ち抜いた「EXC」チーム(フリーダム、ラゴゥ)。戦法としては、「ワララ~」チームが連携重視、「EXC」チームが個人技重視という、対照的な内容になっていた。 1戦目は、「ワララ~」チームの連携攻撃が冴えた。どちらかの射撃が敵に命中すると、そのよろけ状態に確実にもう1機から射撃が飛び、避ける間もなく立て続けに3発命中。敵機のダウンを確認するやいなやもう1機の敵に振り返り、同様の集中攻撃を浴びせるという戦法が見事に決まった。「EXC」チームも後半追い上げて1機ずつ撃破するものの時遅く、1本目は「ワララ~」チームが先取。 2戦目は逆に「EXC」チームの個人技が冴えた。敵の集中攻撃を受ける前に、それぞれが眼前の1機を押さえ込み、「ワララ~」チームの連携を阻止。1対1ではラゴゥが俄然強さを発揮し、今度は「EXC」チームが先に2機を撃破。その流れを変えさせることなく、2本目を取り返した。 最終の3戦目は、再び「ワララ~」チームの連携射撃が見事に決まる。特に敵機を分断させる動きが見事で、2機で片方の敵を追い立てつつ、もう一方を後方に置いておくという徹底した位置取り。「EXC」チームも得意な形にできないまま反撃し、ライフ的にはきわどい勝負になったが、最後はラゴゥへの集中砲火でビームライフルがヒット。「ワララ~」チームの優勝が決まった。
1カ月半ほど続いた全国大会もこれで終了となる。稼動から間もない大会ながら、終盤の「覚醒」使用時に激変する攻防など、非常に見ごたえのある試合の連続だった。次回の開催は未定だが、より戦略やテクニックが練りこまれてからの大会もぜひとも見てみたいものだ。
■ 開発秘話トークと質問コーナー 予選と決勝の合間に行われた開発者のトークショーでは、開発秘話が披露された。 まず開発プランナーの渡邉氏より、「SEED」の開発初期の裏話が披露された。「最初は爽快感を追求して作ったが、撃ち放題のゲームになってしまい、対戦がイマイチに。そこから対戦ゲームとしてやりとりが面白いゲームに調整していった」という。爽快感が増したことは前作をプレイした人ならば誰でも感じていることと思うが、実際はもっと撃ち放題なバージョンがあったというのが面白い。 続けて、来場者からの質問にも回答。全国大会に出場するほどの猛者からの質問とあって、どれもかなり手厳しいもの。ロケテスト版から機体コストが変更されたことについて問われた渡邉氏は、「あまり原作に忠実にするより、ゲームとしての面白さを重視したため、コストを6段階にそろえた」と答えた。
さらに、巷で評判の「ステキャン」や「クイックグレイト」と呼ばれるテクニックはバグではないのか? という問いかけには、岩村氏が「仕様です」と断言。開発側もテクニック自体は認識しており、今後何らかの形で調整が入らないとも限らないが、現状はそれらを含めてのゲームバランスと見ているようだ。
■ 「インパルスガンダム」とシン・アスカがゲームに登場!
インパルスガンダムには、機動性と機体バランスを重視した「フォースインパルスガンダム」、巨大な対艦刀を装備した格闘仕様の「ソードインパルスガンダム」、チャージ可能な高エネルギー砲を備えた遠距離射撃仕様の「ブラストインパルスガンダム」の3形態がある。いずれもコストは☆×3.5(450)。位置づけとしてはストライクに近く、コストも同じなので、ストライクのユーザーは一度乗り換えて感覚を確かめてみるといいだろう。 AC版は今回で全ての隠し要素が公開されることになるので、このほかに「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のキャラクタは本作には登場しないことになる。気の早い話だが、続きは次回作の登場を期待して待ちたい。
さらに会場では、PS2版の新情報も発表された。AC版でも登場するインパルスガンダムやシンだけでなく、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のキャラクタが多数登場するという。AC版にはない、PS2版だけのオリジナル要素として盛り込まれるそうだ。また会場で上映されたプロモーションビデオでは、スカイグラスパーに乗ったムウの覚醒シーンなど、面白いシーンがいくつも見られた。
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□バンプレストのホームページ (2005年10月11日) [Reported by 石田賀津男]
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