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会場:Necca秋葉原店
■ 第2回ファンイベントが開催。DAoC日本語版の今後の展開などが明らかに
オフラインイベントの効果はセールス面等の数値面には直接反映されにくいものの、結果的に成功しているMMORPGメーカーの多くはこれを重要視している。たとえばSony Online Entertainmentの“EQ Fan Faire”やBlizzard Entertainmentの“Blizz Con”など、欧米が中心だが、最近では日本でもガンホーが積極的に行ないだしてきている。 第2回Round Tableは、今年末に英語版のリリースが予定されている6番目の拡張パック「Darkness Rising」の紹介からスタートした。Darkness Risingでは主に、プレーヤーが騎乗できる馬のカスタマイズや、各国の王から受ける長編クエスト“Champion's Weapon”等が可能となる。レベル帯は中~上級者を幅広く対象としており、高難易度で知られる「Trials of Atlantis」程のヘビーな内容ではないという。 続いてはDAoCファンが自主制作したプレイムービーの上映会が行なわれた。現在は複数のPC環境があれば、比較的手軽に録画を行なえ、それらを編集したショートームービーを自主配布するプレーヤーもいる。中でも人気が高いジャンルは、数十名が激戦を交わすRaidをテーマにしたムービーで、そのゲームを知らない人が見てもなかなかのインパクトがあるのだ。今回上映されたムービーの中には、制作者が自分でアテレコを行なうという熱心なものも多かった。 そして次は、DAoC日本語版の今後の展開について。DAoC日本語版はローカライズの作業が入る都合上、本国の英語サーバーからはゲーム内のバージョンが若干遅れている。具体的には現在の英語サーバーが“1.79”なのに対し日本サーバーは“1.73”だが、この差分を詰めて“1.78”まで一気にバージョンアップするというのだ。これにより英語サーバーと日本サーバー間は、実質的にパッチ1回分の差分となる。
バージョン“1.74~1.78”までの主な内容を挙げてゆくと、まず対人戦エリア“New Frontiers”に新たな島エリアが追加される。次に、対人戦以外でもRealmポイントを稼げる“RvRミッション”が導入。他にはユーザーインターフェイスの強化やチュートリアルが音声で出力、そしてスキルバランスの微調整等々と、全プレーヤーが何らかの恩恵を受けられるようだ。ただし、現在はチュートリアルの音声を男性か女性かで悩んでるという段階なので、実際に導入されるのはもう暫く先の話かもしれない。
■ DAoCプレーヤーの懐の深さを感じさせた、理想的なオフラインイベント
クイズの序盤は荒くれ者が揃うミッドガルドが早押しクイズの多くに正解し、その都度執拗にアルビオンを狙い続ける展開となった。というのも、実はRound Tableの前日にアルビオンがミッドガルドのレリックを奪った裏事情があり、ミッドガルド側には深い思惑があったようだ(笑)。しかしアルビオンはミッドガルドからの侵攻を食い止めつつ、時には逆に攻め込む場面も。これは手強いと感じたミッドガルドは、矛先をヒベルニアに変更。このようにゲーム内と同様三つ巴の激戦が続き、最終的には僅差でアルビオンが勝利を獲得。アルビオンのメンバーはゲーム内の“/random”コマンドを用い、その結果上位2名にELSA製のビデオカードが贈られた。 そして最後は定番のジャンケン大会。参加者全員が参加して、結果的に半数以上がアーサー王の聖杯や開発者のサイン入りアートワークといった、DAoC関連グッズを持ち帰ることになった。しかし個人的には、この際に受賞者がマイキャラの名前や所属ギルドのアピール等を積極的に行なっていたのがとても印象的であった。 これは日本ならではの傾向といってよいが、プレーヤーは個人情報を露出することをあまり好まない。効率的なプレイやマニュアル志向といった勤勉な考え方が根底にあるせいか、自由なスタイルでは遊びづらい窮屈なゲームとなりやすいのだ。しかしDAoC日本語版のプレーヤーは欧米的とでもいうのだろうか、実に伸び伸びと遊んでいる。受賞者の数名に聞いてみたものの、大半のプレーヤーは名前の露出程度の些細な事ではまったく動じておらず、むしろRound Tableでの新たな出会い楽しみにしているようだ。これを聞いた筆者は思わず、DAoCのプレーヤー層の懐の深さを強烈に羨ましく感じてしまった。 今回のイベントの後にはオフ会も行なわれた。筆者は都合により参加できなかったのだが、上記のようなスタンスの人が多いのだから、その盛り上がりぶりは想像に難くはない。メーカー主導の一方的な内容ではなく、プレーヤー同士の横の繋がりを深めたRound Tableは、オフラインイベントとして理想的な結果を納めたといえる。現在のDAoC日本語版は、既存プレーヤーを繋ぎ止めておく事において恐らく最良の状態にあるのではないだろうか。 そしてDAoC日本語版が最後にクリアすべき課題は、新規プレーヤーの獲得面である。プレイすればしみじみと伝わってくる良さが随所にあるものの、どうしても第一印象のインパクトが弱いのは否定できない。これがインパクトを強くすると、下手をするとDAoCの良さが失われかねないので、実際には口で言うほど簡単ではない。しかし、Round Tableのようなイベントを定期的に行なえるだけ熱意が開発側にあるのなら、きっとクリアできる問題だと筆者は信じている。
筆者は職業柄多くのRPGに触れているが、「対人戦も行なえるMMORPG」と「対人戦のためのMMORPG」は、対人戦の完成度において決定的な違いがある。そして大人数が参加する対人戦ジャンルでは、DAoC日本語版は依然として孤高の完成度といってよい。本稿を呼んでDAoC日本語版に興味を持った読者は、とりあえず公式サイトからデモムービーをダウンロードしてみてはどうだろうか。
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□ビー・ビー・サーブのホームページ (2005年9月20日) [Reported by 川崎 政一郎:kawasaki@ln3.jp]
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