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会場:幕張メッセ
記者懇親会は、各タイトルの資料は一切提供されない状態で、最初から最後まで質疑応答のスタイルで執り行なわれた。韓国では「ラグナロクオンライン2」、「レクイエム」、「スタイリア」はすでにそれぞれ発表会等が開催され、ある程度まとまった情報が公開されているが、日本では情報公開も出展も初めて。プレスキット等もないため、質問の内容についていくのがやっとだった。Gravityは今回、「世界に楽しさを提供するオンラインゲーム企業」というグローバル企業への躍進に向けた新ビジョンを発表したが、こうした部分はまだまだベンチャー企業らしい荒っぽさを残している印象がある。
■ 1と2はまったく別の世界観、シナリオは完成済み
世界観の繋がりについては、「“プロンテラ”という村は存在するが、世界はまったく別。共通点は“北欧神話をモチーフにしている”という部分だけ。1に比べ文明はより発展し、スチームパンク的、SF的な世界観のもと、人類同士の紛争が発生しているような世界設定になっている」とコメント。前作とは時代的、空間的な結びつきはバッサリ切り捨てていることが明らかになった。 2には、1のような原作マンガが存在しないが、ユーザーはついてこれるのか、という質問は、世界設定を担当するリー・ミョウジン氏がマイクを握った。ミョウジン氏は、「1のサポートを行ないながら、2の企画をしていた。2のシナリオ、世界観はすでに出来上がっている」と力強くコメントし、「マンガ化の予定などは今のところ無いが、シナリオの一端を紹介するような広告マンガの予定はある」とも。 要求マシンスペックについては、ノートPCでのながらプレイを2でも継続したいという韓国メディアの提案に対して、ヨンウー氏は「システムスペックを低くすることで、ゲームのクオリティが低くなることはしたくない」と一蹴。1が動く程度のPCの切り捨てを表明した。 続けて「シェーダーは最小限の使用にとどめたが、テクスチャは高解像度のものを使用」と、プログラマブルシェーダー対応のビデオカードを必須とし、ビデオカードはGeForce 2ではスペック不足で、GeForce FX2以上、メインメモリは512MB以上は必要で、CPUはPentiumIII 800MHz程度では厳しいとの見解を示した。 こうした見解を裏付けるように本日、Gravityブースのイベントステージでは、イベントの賞品としてGeForce 6600が贈られていた。NVIDIAなどのビデオカードベンダーとのコミュニケーションも相当進んでいると見るべきであり、互換性テストなども始まっているのだろう。2005年水準で言うと、デスクトップだとミドルグレードクラス、ノートだとハイエンドクラス一歩手前といったところだろうか。 サービススケジュールについては、「開発の視点から言えば」と前置きして、まずは韓国で最初にやり、次いで日本、有料化の際は日韓同時と、まずは日韓でのサービスを予定していることを明らかにした。年内開始が予定されているクローズドβテストについては、日本のユーザーは韓国サーバーに繋いでもらうこともありえるという。ただ、このプランはそれまでに日本のパブリッシャーが決まっていなければの話で、確定後はパブリッシャーとの交渉になるという。 βテストの具体的なスケジュールについては、「最近のオンラインゲームのクローズドβテストは、完成度が高い状態でスタートすることが多くなっている。昔は完成度が低くても許されたが、今はそうはいかない」と慎重な構えをみせ、完成度を高めてからやりたい考えを明らかにした。ただし、遅くとも年内には始めるという。 韓国メディアからは、日本のパブリッシャーにガンホーを本命視しつつも、パートナーとしてのガンホーの実力に懸念を示す質問も飛び出した。ヨンウー氏は、「ガンホーが日本でどういう運営をしているのか詳しく知らないが」と前置きした後、「正直にいってGravityもユーザーの評価は高くない。しかし、評判が必ずしも事実とは限らない」とガンホーを擁護。 続けて、「2は、運営に適したMMORPGになっており、ほとんどの事例は自力で解決できるようになっている。GMに文句をいう機会も減るだろうし、仮に運営が悪くてもゲームができないということはないだろう」と、運営側にとって負担の少ない設計になっていることを明らかにした。 個人的に「おっ」と思ったのはRMT対策に対するヨンウー氏の回答。同氏によれば、2ではアイテムには2種類があり、ひとつが経験値を獲得しレベルアップできる成長アイテム、もうひとつが既存の非成長アイテムだという。今回はRMTを防ぐ観点から、成長アイテムはトレード不可になっているという。 つまり、強力な成長アイテムが欲しかったら、自分の努力で手に入れるしかないという考え方だ。対象となるアイテムは、武器、防具、盾など。一方、非成長アイテムは従来通りトレード可で、対象アイテムはアクセサリ類やステータスに変化を及ぼさないアイテムなどになる。アイテムの能力値は固定ではなく、ある程度の変動幅を持たせているようだ。
最後にレベル上げについての質問もあった。2のレベル上げは、前作に比べ作業量的に易しくなっているという。また今回はすぐ1次職への転職が可能なため、ジョブレベルを上げやすいという。ヨンウー氏は、2の新システムのひとつであるコンプレックスジョブチェンジシステムを取り上げ、今回は服を着替えるように容易に転職が可能であることを強調。グラフィックスやアニメーションだけでなく、意欲的な新システムを数多く盛り込んだ「ラグナロクオンライン2」。βテストが待ち遠しい限りだ。
□Gravityのホームページ(日本語) (2005年9月17日) [Reported by 中村聖司]
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