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会場:スクウェア・エニックス本社
アドベンチャーパックとは、基本的に他のMMORPGにも見られるような拡張データディスクに近い存在だが、規模を縮小し、ダウンロード専用にしたプロダクト。コンテンツの内容としては、複数のゾーンからなる小~中規模の新エリアと、そこで展開されるクエストなどとなっている。 英語版ではすでにアドベンチャーパック第1弾「ブラッドライン クロニクル」、第2弾「スプリットポゥ サガ」がリリース済み。プレイ対象レベルはそれぞれ「ブラッドライン クロニクル」が35から50、「スプリットポゥ サガ」が20~50となっており、価格はそれぞれ4.99ドルと7.99ドル。日本語版ではプレイ対象レベルを考慮して、第1弾と第2弾のリリース順が逆になっている。 すでにリリース済みの北米では、同作に欠かせない人気コンテンツのひとつとして高い評価を受けている。その理由については体験レポートを通してじっくりお伝えしていくつもりだが、プレーヤーレベルに応じてスケーラブルに敵の強さやリワードが変わるインスタンスダンジョンが魅力の核になっている。本稿ではその評価の高いギミックやシステムに重点をおいて紹介していく。ちなみに現在のところ「スプリットポゥ サガ」のローカライズは約90%を終えているとのこと。発売日のアナウンスももうまもなくといった印象だ。
■ 可変式レベルの敵モンスターやダンジョン内のパズル要素など、これまでにないギミックが満載
また、「スプリットポゥ」はグループインスタンスのダンジョンとなっており、グループ6人までのエリアとなる。ちなみにグループで進入した場合は、グループの最大レベルのキャラクタに合わせて敵のレベルが変化するということだ。 「スプリットポゥ サガ」の冒険はあるアイテムから始まる。アドベンチャーパックを適用することで、キャラクタのインベントリに特殊なアイテムが入れられ、それがキーとなって「スプリットポゥ」への扉が開かれるのである。 今回プレイできたのは最初の入り口から深部に下っていく途中の中腹付近までなのだが、まずそこまでの感触として、「スプリットポゥ」の雰囲気は同じくノールが多く徘徊しているアントニカの「ブラックバロウ」に似ている。薄暗い鍾乳洞的な洞窟になっており、人工的な作りではない。ノールの種類は非常に多彩で生きたノールたちはまず眼の色が赤くなっているのが特徴だ。他にアンデッド状態の骨だけのノールが襲い掛かってきたほか、ダンジョン内を浮遊するゴースト化したノールも見られた。
また、ダンジョン奥には多くのクモも確認することができた。「スプリットポゥ」のバックグラウンド的な部分は別記事にて詳しく紹介しているが、500年間隔離された世界の中で正常な意識のあるノールたちは、おそらく正常な思考が失われてしまったため共食いを始めた邪悪なノールと争い、はたまたノールを捕食するクモとの戦いも続けてきたのであろうと思われる。
さて、ギミック的な面を見ていくと、「スプリットポゥ」のダンジョンには、パズル的な要素が用意されている。どうあっても登ることができない高い場所に移動する際、周囲に積み上げてある「箱」をプレーヤーが操作して登りたい場所の近くに積み上げ、ジャンプして登る。というような場面があるのだ。箱を動かしているイメージは、家の中に家具を設置しているものを想像してもらうと良いだろう。もちろん、そうした場所にもアクティブで襲い掛かってくるノールたちが多く徘徊しているため、安全を確保してからとなる。
もうひとつのギミックが樽型の爆弾の存在だ。これも箱と同様にプレーヤーが置く場所を任意で設定することが可能。この爆弾の主な使い道はダンジョンの壁を爆破するというもの。ヒビの入った壁の前に火薬が詰まっているであろう樽を設置し右クリックから点火、火花が導火線を伝っていき、樽に達したときドカン! と爆発。壁はガラガラと吹き飛び、先に隠されていた道が開けるというわけだ。 また、樽爆弾の使い道はそれだけではない。爆発に巻き込まれたプレーヤーと敵モンスターは非常に大きなダメージをもらうのである。多くの敵モンスターに囲まれて絶対絶命のピンチ! そこでこっそりと樽爆弾を敵の近くに設置、グループメンバーに爆破させることを告げて点火! 爆弾の爆発で敵を一網打尽にする、なんていう戦略も可能なのである。
ひとつ注意したいのは、爆発の威力はかなり大きく、プレーヤーキャラクタがまともに爆風に巻き込まれた場合、ただでは済まないということだ。体力が満タンの状態で爆発に巻き込まれたところ、爆発のダメージだけでウォーデンのキャラクタは倒れてしまったのだ。扱いには細かな伝達と注意が必要になるだろう。爆弾の威力に関しても、敵モンスターと同様にレベルで可変するのではないかと思われる。
■ ノールの集落で楽しめる「闘技場」で試合に勝ち抜いて、賞品をゲットしよう!
この集落で最もポイントとなる設備が「闘技場」だ。「闘技場」というと拡張ディスク「デザートオブフレイム」のアリーナを想像したかもしれないが、「闘技場」はプレーヤーキャラクタが次々と現れる敵モンスターと戦うというシステムになっている。 闘技場を仕切っているノールと会話し、試合に挑むことを伝えることで参加が可能になっており、試合に勝つことで賞品をもらえるというシステムになっているのだ。試合は連戦も可能で連続勝利数が多いほど、豪華な賞品がもらえるようだ。
プレイ中に体験できた闘技場には「ソロ用」と「ヒロイック用」の場所が別々に存在しており、どちらの闘技場に入る際にも、3段階の難易度を選択することが可能。ヒロイック用の試合を2戦ほど体験し勝利したところ、賞品として一人当たり3Gほどのお金を得ることができた。1戦闘にかかった時間は10分程度で、その割に報酬はよい印象だ。続けて連戦勝利することでより豪華な賞品をもらえることも考えると、プレーヤーのモチベーションが上がる要素なのは間違いないだろう。
■ 楽しみ方の異なるアトラクション的コンテンツが多く存在する「スプリットポゥ サガ」 「スプリットポゥ サガ」はコンテンツ的な側面から見てみると、ソロ用、グループ用のアトラクションが多彩に用意されたレジャーランドのような場所と言える。短時間で楽しめるものから腰をすえて楽しむものまで幅広く用意されているというのも嬉しいところだ。 ただし、ダンジョン内の移動やそれに伴う戦闘に関しては、ソロでは難しいクラスもあるように感じる。クエストを進めることで、集落内にバインドポイントを設定できるようになるほか、集落内に一瞬でワープできるようなアイテムも存在するということなので、それを入手するまではグループでのプレイが前提と考えてよいだろう。
今回プレイしてみた感触では、ローカライズもほとんど終えており、いつリリースしてもおかしくない完成度だった。価格はまだ発表されていないが、7.99ドルという英語版の価格に準拠した価格帯になる見込み。「スプリットポゥ」という場所は前作「エバークエスト」をプレイしていたプレーヤーにとっても馴染み深い場所。事前知識をおさらいしておくとより一層「スプリットポゥ サガ」を楽しめるだろう。
□スクウェア・エニックスのホームページ (2005年8月23日) [Reported by 山村智美]
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