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“「PvE」も「PvP」も!バトル編”
・ジャンル:MMORPG
・開発/発売元:Blizzard Entertainment
・価格:8,800円程度(輸入版のみ)
・利用料金:14.99 USD(1カ月)
・対応OS:Windows 98/Me/2000/XP Mac System OS X 10.3.5
・運営状況:正式サービス稼動中


 「World of Warcraft(WoW)」の楽しみ方をレビューしてきた短期集中連載も、この第3回で最後となる。第1回では「クエスト」、第2回では「アイテム」をキーワードに解説してきた。最終回となる本稿では、「WoW」の世界観のキモとなる「Player vs Player(PvP)」を中心にした「バトル」をキーワードにゲームの魅力を紹介していきたい。

 筆者が注目するWoWの魅力は、週に数回しかプレイできないカジュアルプレーヤーから、毎晩プレイが基本のハイエンドプレーヤーまでを、存分に楽しませる懐の深さである。本稿で紹介するWoWのバトルシステムは、その懐の深さが最も色濃く反映されている部分だといえるだろう。


「PvE」と「PvP」という二大要素が詰まったWoWの「バトル」

WoW独特のコミカルなデザインの敵MOBが次々に登場。新しいダンジョンを開拓する楽しみは大きい
 WoWにおける「バトル」は「Player vs Environment(PvE)」と「Player vs Player(PvP)」の2種類に大別される。AIが操作するMOBを倒して経験値やお金を稼ぐ「PvE」の要素と、プレーヤー同士が闘争する「PvP」の要素。どちらかの要素1つだけでも、十分に1つのゲームとして成立してしまうほどボリュームがある。このボリュームこそWoWの持ち味だ。

 経験値やお金を稼ぐにはおなじみの「PvE」。Honor(名声)ポイントを稼ぐためには「PvP」。ともすればそれぞれが重過ぎて崩しかねないバランスを、「Alliance」と「Horde」という2つの陣営間の抗争という世界観で巧みに調節している。

 バトルにまつわる操作に関しては、実にオーソドックスだ。プレーヤーが選べるクラスは、Druid、Hunter、Mage、Paladin、Priest、Rouge、Shaman、Warlock、Warriorの9つ。Paladinを選べるのは「Alliance」側のHumanとDwarfだけ。逆にShamanを選べるのは「Horde」側のOrc、Tauren、Trollだけだ。それぞれのクラスはLv1から習得可能なスキルやスペルを持っている。そして、Lv4以降は偶数レベルになるたびに、新しいスキルやスペルをClass Masterから習得できるようになる。

 習得したスキルやスペルは、アイコンをドラッグして画面下に配置されたアクションバーにセットする。アクションバーにセットしておけば、キーボードの数字キーを叩くだけで発動する。一連のスキルやスペル、コマンドの組み合わせをマクロ化して、アクションバーへ入れることも可能。ネットカフェでのゲームプレイを意識した非常に扱いやすいインターフェイスだ。

ショートカット作成は「P」キーで開くSpellbookからアイコンをアクションバーへドラッグ&ドロップする 2、4、6と偶数のレベルが上がったら、Class Trainerの元へ。新しい魔法や技が習得できる 時には敵陣営のプレーヤーと「PvP」でのガチンコ勝負に。敵エリアの近くでは気を許せない


インスタンスダンジョンで繰り広げられるグループバトル

ヒューマンの首都Stormwind内にあるダンジョン「The Stockades」の入り口。暴動が起こった刑務所への潜入というストーリーである
 「PvE」のメインディッシュはグループでのバトルということになる。グループバトルの主な戦場はインスタンス形式のダンジョンだ。要求レベル15から60まで、全部で19のダンジョンが各地に配置されている。高レベルになってくると、1グループ(最大5人)程度では攻略できず、中にはレイド(最大40人)必須のダンジョンもある。どれもフィールドでのバトルに比べて手強いが、その分だけ報酬もおいしい。積極的に参加して装備などを充実させていきたいところだ。

 各ダンジョンにはそれぞれの歴史背景に関わるクエストが用意されている。せっかくダンジョンを攻略するのだから、クエストも同時に攻略してクエスト報酬をしっかりゲットしたいところだ。クエストの受け忘れがあったら必ずグループ内でクエストシェアするに心がけよう。Alliance側のキャラクタならWestfallにある「Deadmines」、Horde側ならThe Barrensの「Wailing Caverns」があたりがダンジョン入門編となる。

 グループバトルの問題は、グループを組むまでに時間がかかる点だが、WoWではグループを組むのを援助するための「Meeting Stone」というシステムが備わっている。「Meeting Stone」はダンジョンの入り口近くに設置されている石碑で、クリックするとダンジョン行きの「自動グループ探し」に申し込むことができる。一部の宿屋では、Innkeeperが「Meeting Stone」の機能を備えている場合もある。WoW初心者で仲間が少ないうちは、活用する場面もあるだろう。

 ところがこの「Meeting Stone」、実はあまり人気がない。どうやら米国サーバーのプレーヤーは、まどこっろしいことをせずにLFGチャットで直接交渉したり、現地でソロをしているプレーヤーをいきなりグループインバイトするのが好きなようだ。最初、筆者は少し面食らったが、慣れてしまえばこうした直球のLFG/LFMの方が心地よかったりする。これから参戦しようという日本人プレーヤーは、こうした文化の違いをちょっと覚えておくといいと思う。

 グループでのバトルにおいては、それぞれのクラスが「Puller」、「Tank」、「Healer」といった役割を演じることになる。「Puller」が敵をおびき寄せ、「Tank」が敵からのダメージを一手に引き受け、「Healer」が「Tank」を治療し、「Caster」が攻撃魔法で止めを刺す。MMORPGをやったことのあるプレーヤーなら戸惑うことのない、王道のバトルシステムといえるだろう。

 要するに「グループバトル」に関していえば、他のMMORPGと対して違わないシステムだ。インスタンスダンジョンだけで19もあるというボリュームを、従来のMMORPGを研究して手堅くまとめた、という印象である。

「Meeting Stone」を右クリックすると適正レベルのプレーヤーが見つかり次第、自動的にグループマッチングしてくれる 「Meeting Stone」の機能を備えている宿屋(INN)もある。複数のダンジョンから選べるのでこっちの方が便利だ Westfallにあるダンジョン「Dead Mines」でのプレイ。この後、ボスキャラを倒して運良くレアな指輪を手に入れた


グループだけでなくソロも楽しいのがWoW流

ペットを召還して戦うWarlockは、WoW屈指のソロ向きクラスだ
 WoW独特のデザインとして筆者が注目したいのが、それぞれのクラスがかなり「器用」だという点だ。どのクラスも自分自身でそこそこ回復できたり、そこそこタンクができたり豊富な立ち回りが演じられる。ここのさじ加減をあえて「ゆるく」デザインしているのがWoWの特徴だといえる。

 この各クラスの「器用さ」は、明らかにソロプレイを意図したものだ。グループを組んでダンジョンを攻略しようとすると、どうしても3時間や4時間が必要になってしまう。しかし、まとまった時間を確保できないカジュアルプレーヤーを取り込もうとするWoWは、ソロプレイにも重点を置いている。どんなクラスでも何でもできる「器用さ」が、ソロプレイを可能にしているのだ。

 回復魔法を持たないWarriorでも、「First Aid(応急手当)」を鍛えておけば戦闘の合間に十分回復できるし、必要ならProfessionsでHerbalism(薬草採集)とAlchemy(薬品調合)を選択しておけば、ヒールポーションは現地生産できる。適正レベルのMOBさえ見つかれば、Lv60までソロプレイだけで上げることも可能だ。はじめからソロ中心でプレイしようとするなら、HunterやWarlockのようなソロ向きのペット付きクラスを選ぶのもいいだろう。

 WoWにはクリアしきれないほどのソロ用クエストが存在する。適正レベルのクエストをしっかりこなしていけば、どんなクラスでもそれほど苦労せずにLv60まで上げられるだろう。週に数回しかプレイできないとか、1時間しか連続してプレイできない、などという状況でも、ちまちま&まったりとキャラクタを育てられるのは、WoWのあまり語られることのない長所だ。

 もうひとつ、カジュアルプレーヤー向けの特長は、「Rest System」という「経験値倍付け」ボーナスの仕組みだ。「Rest Bonus」はINNや都市にいるだけで自動的に貯まっていく。ログアウトしている間も貯まり続けるので、毎日プレイできないカジュアルプレーヤーほどたくさんボーナスが貯まるという仕組みだ。「Rest Bonus」の貯まるペースは、リアルタイム・8時間で1バブル分(20バブルでレベル1つ分)。貯まった「Rest Bonus」は、画面下部の経験値バーに薄く色がついて区切られるのですぐにわかるだろう。

 「Rest Bonus」が貯まっている状態でMOBを倒すと、入ってくる経験値の量は2倍。つまり、ボーナス分は2倍のスピードで経験値稼ぎができるのだ。「Rest Bonus」は、最大30バブル分(1.5レベル分)貯めることが可能なので、週末にしかプレイできないソロプレーヤーも、ボーナスの恩恵を受けて毎週レベルアップすることができるだろう。かといって、ボーナスの恩恵だけでは、熱心に毎日プレイするハイエンドプレーヤーにレベリングのスピードで勝てないという、妥当なさじ加減になっている。

 オーソドックスかつボリュームたっぷりのグループバトルと、カジュアルプレーヤーにやさしい設計のソロプレイ。この2つの要素を絶妙なバランスでデザインされているのが、WoWにおける「PvE」の特徴だ。

MOBを3体倒して一休みするWarrior。包帯を巻いて、食事休憩をとればすぐにHPは回復する 画面下部の経験値バーに注目。薄く色がついているのが貯まった「Rest Bonus」 画面左上のCharacter Portraitに「ZZZ」マークが出ている間は「Rest Bonus」獲得中


PvPまで楽しんでこそWoWの真髄を味わえる!

サーバーの選択画面。PvP、Normal、RP(Role Playing)の3種類が存在する。
 そもそも「Warcraft」シリーズは、プレーヤー同士の戦いが熱いRTS(Real Time Strategy)のブランドである。「Alliance」、「Horde」という勢力に分かれ、様々なエリアで激しい戦闘を繰り広げるWoWは、「Warcraft」の持つ長大な物語のごく一部を切り取った世界なのだ。

 しっかりと構築された物語の上にPvPというシステムがあるため、殺伐とした気分にならない点が大きい。PvP可能な他のMMORPGもいくつかプレイしてみたことがあるが、「人殺しのための人殺し」といったPK行為が横行し、さらに報復が報復を生み、ゲームを「楽しむ」雰囲気が損なわれるケースもある。

 しかしWoWの場合は、PvPという要素が持つ「激しさ」を、「Warcraft」シリーズが培ってきた「Alliance」と「Horde」の闘争の歴史にうまく溶かし込んでいる。「Ashenvale Forestにクエストしに行ったらオークに殺されたー」「Barrensとの国境あたりにはHordeの連中がよくいるから気をつけないと」という具合。「Warcraft」そのものが持つストーリー上の出来事として、妙に納得がいくのだ。

 PvPをプレーヤーが思い切り楽しめる素地には、WoWの「死亡におけるペナルティ」が少ないという要素も関係している。WoWでは死亡してもアイテムやお金を失うことはない。幽霊になって復帰すると装備の耐久度を10%失うだけだ。幽霊状態で死体のある場所へいくと蘇生できるのだが、周りにMOBがウヨウヨしていたり、敵が待ち伏せしている場合もある。そんなときは墓場での蘇生を選択するのだが、その場合でも装備の耐久度を25%失うだけだ。失った耐久度はNPCにお金を出せば修理してもらえる。死体を回収できなくてにっちもさっちもいかなくなる、という嫌なパターンにはハマりにくいので「安心して」冒険できる。

 PvPも世界観の一部として扱われるWoWだが、PvPをどこまで楽しむかはキャラクタを作るサーバーでプレーヤーが選択できる。WoWにはルールの違う「Normal」「PvP」「RP(Role Playing)」という3種類のサーバーがある。Warcraftの世界観やファンタジーの知識に精通した英語がネイティブのプレーヤーが推奨される「RP(Role Playing)」はひとまず除外すると、通常の日本人プレーヤーは「Normal」か「PvP」のどちらかを選択することになるだろう。

 「Normal」サーバーは原則としてPvPが起こらないようなルールになっている。あえて敵陣営のNPCを攻撃したり、敵陣営の都市に入ったり、PvP中のプレーヤーに助太刀したりしなければ、他のプレーヤーから攻撃を受けることはない。PvPはどうしても不安があるという人は「Normal」サーバーで始めてみるがいいだろう。

 筆者のオススメは「Alliance」と「Horde」の熱いバトルが存分に楽しめる「PvP」サーバーなのだが、実は「Normal」サーバーにもいくつかキャラクタを作ってある。「PvP」サーバーで敵陣営のプレーヤーにコテンパンにされてヘコんだとき、ちょっと「Normal」サーバーに浮気して和むのだ。ヘタレプレーヤーというなかれ。この遊び方の幅こそがWoWの懐の深さなのだから。

墓場のSpirit Healerに頼めば、死体まで戻らずにその場で蘇生することも可能 自力で復活するためには、幽霊のまま死体のある位置まで戻らなくてはならない 痛んだ装備品はベンダーが修理してくれる。冒険に出る前は装備のチェックを忘れずに


Duelで修行し、敵陣営との戦いの日に備えよ

Ironforgeの城門前のような人多い場所では、常に誰かがDuelをやっている。観察していればPvP戦術の勉強になるかも
 初心者プレーヤーが最初にPvPに触れるのは敵陣営のキャラクタ相手ではない。ほとんどの場合、味方陣営キャラクタから申し込まれる「Duel(決闘)」となるだろう。PvP修行をしたいプレーヤーは、手ごろなレベルの相手を見つけてガンガンDuelに挑んでいる。人が多く集まるIronforgeの門前などは、絶えず誰かがDuelを繰り広げている状態だ。

 筆者が最初にDuelを経験したのは、レベルがまだ1ケタだった頃。スターティングタウンのAnvilmarを卒業して、Kharanosの宿屋前にたどり着いて、カバンの中身を整理している時だった。いきなり見覚えのないウィンドウが立ち上がった。まだ操作に習熟していなかったので、最初はグループに誘われたのかを思ったが(外国人プレーヤーが無言でグループインバイトしてくるのは普通)、よく読んでみると「決闘を申し込まれた」と書いてあった。

 もちろん面白そうなのでOKボタンをクリックすると、即座にカウントダウンが始まった。あたふたしてるうちに連続して攻撃魔法を浴びせかけられ、またたく間に初陣は敗戦。しかし、周りにいたプレーヤーたちとDuelを繰り返していると、PvPはどんな攻撃と守備とあるのかが分かってくる。Duelで死亡しても装備の耐久度が下がるなどのペナルティは一切ない。PvPの入門として積極的に参加するといいだろう。

 自陣営エリアでは、敵陣営のプレーヤーと遭遇してもあわてる必要はない。こちらが攻撃しない限り、相手は手出しできないからだ。しかし、Lv20を超えたあたりで受けるクエストで足を踏み入れ始めるのは「中立エリア」では、敵陣営のプレーヤーとの「遭遇戦」が起こるだろう。中立エリアは全てのプレーヤーが敵陣営のプレーヤーといつでも戦闘可能な危険地帯なのだ。

 街道で敵陣営のプレーヤーとすれ違おうものなら、先手必勝とばかりに襲い掛かってくるだろう。「話せばわかる!」などといっても通用しない。WoWでは、敵陣営のプレーヤーとの間でチャットを使った意思疎通はできないのだ。中立エリアは文字通り、問答無用の戦場なのである。

 面白いのは、敵陣営のプレーヤーと意思疎通できる唯一の方法として、「Emote」コマンドを使った感情表現があることだ。驚いたり、怒ったり、泣いたり、手を振ったりという「Emote」は、アクション付きで相手に伝わる。筆者は一度、Ashenvale Forestで高レベルのオーク・ウォリアーに出くわした時、どうせ殺されるならと命乞いの「Dance」を試みたことがある。この決死のダンスの意図はなんとか相手に通じたようで、しばらく一緒に踊った挙句、手を振りながらオーク氏は去っていた。

 筆者の命乞いのエピソードはさておき、この中立エリアでの遭遇戦はかなりエキサイティングだ。いつどこでどんな敵と鉢合わせになるか分からない状態でクエストを遂行し、次のエリアを開拓するのだ。「Alliance」と「Horde」の緊張状態を楽しみながら、初心者プレーヤーは中立エリアは駆け抜けていただきたい。Duelで修行を積み、レベルを上げて装備を固め、場数を踏んでいけば、いずれ高レベルのプレーヤーたちと互角の勝負ができるようになるだろう。

 PvPの結果として得られるのはHonor(名声)ポイントだ。これは経験値とは別立てで獲得できる。Honorポイントが特定の値に達するとRank(階級)が与えられる。階級は全部で14段階あり、Alliance側の最高位は「Grand Marshal」、Horde側の最高位は「High Warlord」となる。与えられるのは階級だけではなく、階級に応じた「Reward(褒章)」も存在する。

 最高位にまで登りつめることができれば、「Epic」と呼ばれる装備をコンプリートできる仕掛けになっている。例えば「Alliance」側のハンターなら「Grand Marshal's Hand Cannon」という武器が手に入る。Lv20代のキャラクタしか持ってない筆者からみれば腰が抜けそうな性能だ。いつかはEpic装備を狙えるようになってみたいものである。

「中立エリア」は地名がオレンジ色で表示される。初めていくエリアに入る際は必ずチェック 街道を走っていると敵陣営のプレーヤーとばったり…。そこが「中立エリア」なら即戦闘だ 高レベルのプレーヤー vs ひよっ子プレーヤー集団のような「1対多」の戦いになることもある


大規模PvPをマッチングしてくれる「Battleground」

「Warsong Gulch」のAlliance側の砦に集合したプレーヤー。画面撮影当日は「Battleground」がオープンしたばかりだったので大盛況だ
 レベルが上がってPvPに自信がついてくると「遭遇戦」のような小規模戦闘では満足できなくなるかもしれない。かといって、敵陣営の都市に直接侵攻するような大規模戦闘は、コアなプレーヤーが中心の楽しみになりがちだ。しかし、「Alliance」対「Horde」のPvPは、WoWのバトルシステムの中核である。週に数日しか遊べないカジュアルなプレーヤーでも存分にPvPを楽しめるようにしたい、というのがBllizardが出した答えだ。

 その答えが形となったのが、2005年6月に導入されたPvP専用のインスタンスゾーン「Battleground」である。「Battleground」では、中規模や大規模のPvP(Raid vs Raidといってもいいだろう)を気軽に楽しむことができる。内容は、最大10対10の対戦となる「Warsong Gulch」(レベル:Lv21以上)と、最大で40対40の大規模戦闘が楽しめる「Alterac Valley」(参加必要レベル:Lv51以上)の2つだ。残念ながら筆者のキャラクタは「Alterac Valley」に参加できるレベルには達していないので、「Warsong Gulch」のレポートでその雰囲気を味わっていただきたい。

 「Battleground」への参加方法は、「現地での申し込み」と「都市にいる受付用NPC(Battlemaster)への申し込み」の2通りがある。「Warsong Gulch」の場合、現地とはAshenvaleとBarrensの国境近く。Alliance用の砦とHorde用の砦がそれぞれ設置されている。入り口に赤いポータルに飛び込むことで申し込みが受け付けられる。Alliance側のBattlemasterはInronforgeに、Horde側のBattlemasterはOrgrimmarいる。Battlemasterの居場所は都市の衛兵に尋ねればミニマップ上に表示してくれるので、迷うことはないだろう。

 参加申し込みをしたら後はメンツが揃うのを待つだけだ。「Warsong Gulch」ではレベル帯を21~30、31~40、41~50、51~60の4つに分けてマッチングを行なう。自分にキャラクタのレベルにあったチームに編成される。自分だけ極端にレベルが低くてまったく役に立たない、ということは起こらないから安心して欲しい。

 メンツが揃ったら確認ウィンドウが出た上で、インスタンスゾーンにキャラクタが転送される。1分間の準備時間を経て、いよいよ「Warsong Gulch」の開始である。「Warsong Gulch」のルールは「旗獲り合戦」だ。敵陣にある旗を右クリックで奪い、自陣へと運ぶ。3つの旗を自陣へと運ぶと勝利となる。

 敵陣営に攻め込んでの旗を奪取し、奪われた味方陣営の旗を奪い返す。目的は単純だが、攻めと守りのバランスが崩れると、せっかく獲得した旗もすぐに取り返されてしまう。戦いが進むにつれて即席チームの呼吸が合ってくるようであれば、勝利できるだろう。敵に殺されても自陣にある墓場で定期的に自動蘇生されるし、ハンターやワーロックのようなペット使いの場合、ペットも一緒に復活する。思うままに暴れまわってスカっとするのもよし、作戦を考えてひたすら勝利を目指しHonorポイントを稼ぐもよし。

 なによりも「Warsong Gulch」は、30分から1時間もあれば勝負がつく点が筆者のお気に入りだ。カジュアルプレーヤーには特にオススメしたい。反対に「Alterac Valley」は戦術、戦略を駆使しないと勝てない、コアなプレーヤー向けといえる。いずれは筆者もキャラクタを鍛えて、本格的な攻城包囲戦が楽しめる「Alterac Valley」戦に参加してみたい。いずれにしてもこの「Battleground」は、幅広いプレーヤー層にWoWの世界でPvPを楽しんで欲しい、というBllizardの意気込みが見事に形になっている。

 「PvE」と「PvP」という全く異質のバトル。「ハイエンドプレーヤー」と「カジュアルプレーヤー」という相反するターゲット。こうした要素を圧倒的なボリュームとクオリティで提供し、その全てが「Warcraft」シリーズ全体の世界観に絡まっていくのがWoWである。もしプレイするMMORPGに迷っているなら、ぜひこの夏に体験して欲しいと筆者は思う。もっとも、全てを楽しみつくそうとすれば、とてもひと夏くらいでは足りない可能性は高いが。

「戦場」への入り口。ここにキャラクタを進ませると申し込みウィンドウが表示される 両軍入り乱れての大乱戦。ハンターがターゲットマークをつけた敵に攻撃が集中される 味方プレーヤーが旗を奪い自陣へと走る。他のプレーヤーは取り返されないようサポート
幸運にも勝利することが出来た我がAlliance軍。最後に個人成績ウィンドウが表示される 「Battleground」への参加申し込みは、首都にいるBattlemasterから可能だ Battlemasterの位置が分からなければ衛兵に尋ねてみよう。ミニマップでナビゲートしてくれる

(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.


【World of Warcraft(カッコはMac版の必要スペック)】
  • CPU:Pentium III 800MHz以上(G4 G5 933MHz以上)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上)
  • HDD:4GB以上(4GB以上)
  • ビデオカード:32MB以上(32MB以上)

□「World of Warcraft」の公式ページ(英文)
http://www.worldofwarcraft.com/
□関連情報
【7月20日】短期集中連載「World of Warcraft」アイテム編
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050720/wow2.htm
【7月1日】短期集中連載「World of Warcraft」クエスト編
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050701/wow1.htm
【5月16日】PCゲームレビュー「World of Warcraft」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050516/wow.htm

(2005年8月12日)

[Reported by 下野 宏]


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