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“アイテム収集&生産スキル”編 |
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・ジャンル:MMORPG
・開発/発売元:Blizzard Entertainment
・価格:8,800円程度(輸入版のみ)
・利用料金:14.99 USD(1カ月)
・対応OS:Windows 98/Me/2000/XP Mac System OS X 10.3.5
・運営状況:正式サービス稼動中
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「World of Warcraft」(以下、「WoW」)の魅力に迫る集中連載企画。第1回はよく練りこまれた「クエスト」の導入部について紹介した。クエストをやりこむにつれ、絶妙のバランス感覚によるゲームデザインの良さと、「Warcraft」シリーズ独特の重厚な世界観が裏打ちされたストーリーが、プレーヤーを鮮やかに「WoW」の世界に引き込んでくれることだろう。
クエストに導かれてキャラクタが成長してくると、今度は装備品に代表される「アイテム」に興味が移ってくる。初期クエストやMOBドロップで得られるアイテムだけでは満足できなくなってくるからだ。この「WoW」では、他のMMORPGと同じように、自分の力でもっといい装備、もっと効率のいいアイテムを作り出すことができる。このいわゆる「生産スキル」をWoWに用意された次のステージへとプレーヤーを導いてくれるだろう。
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Lv15を超えて肩防具を身につけられるようになると、装備を充実させたい気持ちが高まってくる |
「クエスト」が初心者プレーヤーをWoWの世界への引き込む「導入部」だとすれば、「生産スキル」にハマり始めるあたりは、いよいよ「本編」のスタートと言える。どうやって装備を充実させるか、どうやって資金を確保するか。だんだん「生活」のコツが飲み込めてくると、やりたいことも一気に増えて、俄然面白さが多層的になってくる。
このレビューのためにWoWを始めた筆者は、今まさにクエストのこなし方を覚えて、装備をはじめとしたアイテムに興味が移り始めたところだ。これまではクエストとMOBドロップのアイテムによるツギハギ装備で満足していたのだが、Lv20を超えると欲が出てきたのだ。
ちょうどLv20過ぎといえば、プレーヤーは一通りの操作方法を覚え、キャラはクラスごとの特徴が出てくる。筆者が丹精込めて育てたハンターも、早く走れるようになる「Aspect of the Cheetah」というSpellを覚えたり、ペットの熊をMOBにぶつけてライフルで遠隔攻撃するスタイルもやっと様になってきた。プレイ自体に余裕が出てきて「生活者」としての自覚に目覚めた、というとその感触が伝わるだろうか。
足りない装備を揃えようとすると、どうしても取り組みたくなるのが自分でアイテムを作り出す「生産スキル」である。ゲームデザイナーの思うツボという感じもするが、それだけ巧みにプレーヤーを導いているということだろう。筆者もまんまとハマってしまった。
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中には釣りスキルがないと必要なアイテムが収集できないクエストなんてものある |
ノームには機械工学(Engineering)スキルに+15のボーナスポイントが与えられる |
機械工学スキルはWoWらしいセンスの機械仕掛けアイテムが作れるのが楽しい |
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熊を倒して皮を剥ぐハンター。こうして集めた皮で皮防具を作るのだ |
WoWにおける「生産スキル」は「Professions」と呼ばれる。直訳すると「専門職」という感じの意味になるだろうか。数あるスキルの中から、どのスキルの専門職になるか、プレーヤーは選択することになる。
「Professions」の内容は、「Primary」と「Secondary」というカテゴリにわかれている。「Secondary」は全てのクラスで役に立つ補助的スキルで、「Cooking(料理)」「First Aid(応急手当)」「Fishing(釣り)」の3種類。「Secondary」の3つは全て制限なく習得し、鍛え上げることができる。
頭を悩ませることになるのは「Primary」の方だ。「Blacksmithing(鍛冶)」、「Leatherworking(皮細工)」、「Tailoring(裁縫)」、「Alchemy(薬品調合)」、「Enchanting(魔力付与)」、「Engineering(機械工学)」、「Mining(採掘)」、「Skinning(皮剥ぎ)」、「Herbalism(薬草採集)」の9つのスキルから、2つしか選択できないのだ。
よくある組み合わせとしては、「採掘」と「鍛冶」、「薬草採集」と「薬品調合」のような、2つのスキルで「収集・採集」と「生産」が完結するパターンが上げられる。ここは、どんな生産スキルをやってみたいか、じっくりと考えよう。ちなみに筆者が選んだのは、「皮剥ぎ」と「皮細工」の組み合わせ。動物MOBから剥いだ皮を使って、自前の皮防具を作ろうという腹積もりだ。
選択するスキルを決めたら、トレーナーを探してスキルを習得する必要がある。が、最初のプレイの場合、これが意外と苦労するから注意して欲しい。Ironforgeのような大きな街は、ほぼ全てのスキルトレーナーが揃っているから便利だ。しかし、街が広すぎて、目的のスキルを教えてくれるトレーナーがどこにいるのか、さっぱりわからないのだ。、筆者も最初は「皮細工」のトレーナーを探して、Ironforgeの街を小1時間ほどさ迷ってしまった。
そういう時は慌てず騒がず、街の衛兵を右クリックしてトレーナーがいる場所を聞くといい。マップ上にマークと矢印がつくので、迷うことなくたどり着けるだろう。衛兵は、クラストレーナーや銀行など、主要施設の場所は全て教えてくれるので、新しい街を訪れる度にお世話にはずだ。
ともあれ衛兵の助けを借りて、Ironforgeの中心にある巨大な溶鉱炉「The Great Forge」に皮細工のスキルトレーナーがいる「Finespindle's Leather Goods」という店を発見。後は、お金を払ってスキルを習得するだけだ。「Primary」スキルには「Apprentice(~75) 」「Journeyman(~150)」「Expert(~225)」「Artisan(~300)」の4段階があって、スキル値をアップしていかなければ次にステップに進めないようになっている。最初のステップである「Apprentice」を習得するには10カッパーと安価だったから、お金が足りなくて習得できないということはないだろう。
スキル習得が完了したら、スキルを使うために必要なアイテムも忘れずに準備しよう。例えば「Skinng Knife」をカバンの中に入れておかなければ皮剥ぎはできない。大抵の場合、スキルトイレナーの隣にスキル使用に必要なアイテムを売ってくれるベンダーが立っている。さあ万事準備が整ったら、いよいよ「Professions」生活の始まりだ。
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街で探し物が出来たときはガードを右クリックして道を尋ねよう |
画面右上のミニマップに注目。ガードに尋ねた宿屋の方向が表示されている |
「Primary」スキルは2つしか選べない。習得する際には入念な下調べをしておきたい |
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「薬草採集」でせっせと採集した薬草が「Heal Potion」や「Mana Potion」の材料となる |
ひとえに「生産スキル」といっても、材料がないことには始まらない。一部の材料はMOBドロップやベンダーから購入するが、多くの場合「収集・採集系」のスキルを使って集めることになる。
収集・採集の対象になるのは、「採掘」で集める鉱石や宝石、「薬草採集」で集めるハーブ類、「皮剥ぎ」で集める動物の皮など。また、魚だけでなく生産スキルの材料が収穫できることもある「釣り」も、「収集・採集系」スキルに入れてもいいかもしれない。
筆者の場合、皮防具を作るのも目的に「皮剥ぎ」スキルをチョイスした。クエストなどで動物MOBを倒す機会はたくさんあるので、せっせと動物の死体に「皮剥ぎ」スキルを使用して、皮を集めていった。
スキルを覚えたばかりだと、皮剥ぎに失敗したり、「Ruined Leather Scraps(痛んだ皮くず)」ばかり取れて効率が悪い。しかし、スキルが上昇していくにつれて、そのまま加工に使える「Light Leather」や「Medium Leather」、「Heavy Leather」といった皮がゲットできるようになる。
必要な量は、皮細工で最初にトレーナーから作り方を習うレシピ「Handstitched Leather Pants(必要スキル値:15)」なら、「Light Leather」が4枚と、ベンダーで購入する「Coarse Thread(きめの粗い糸)」1つ。スキル値が高くなると40枚の皮が必要なレシピなんてのも登場する。スキル値の高いレシピほど、どんどん必要な皮の質と量と種類は増えていくから、効率は「皮細工」よりも材料集めの「皮剥ぎ」の方が重視される。
「皮剥ぎ」だと狩りの結果として収集できるが、「採掘」や「薬草採集」は、まずフィールド上にある鉱脈や薬草を見つけ出す必要がある。「採掘」や「薬草採集」を習得すると、近くにある鉱脈や薬草を感知するスキルが身につくので、フィールドを走り回っているうちに、どのあたりに目的の材料があるか、わかるようになるだろう。
しかし、ただ走り回って鉱脈や薬草を探しているようでは効率が悪い。鉱脈と薬草の採集にはちょっとしたコツがある。場所さえ覚えておけば、鉱脈や薬草はまた同じ場所にPOPするだ。効率は、いかに正確にどんな場所で何が採れるかを覚えるか、という点にかかっている。
話がちょっとだけ横道にそれるが、WoWには「Addon」という、ユーザーが作ったインターフェイス変更用のプラグインが存在する。他のMMORPGでもインターフェイスの見た目を変える「スキン」、「UIファイル」と呼ばれるものは採用されてはいるが、WoWの「Addon」はちょっとした機能拡張までカバーしているところがポイントだ。Blizzardも著しくゲーム性を損なわなければ自由に使ってよし、としている。
「採掘」や「薬草採集」を極めようとするなら、「Gatherer」というAddonの利用をオススメしたい。どこでどんな種類のアイテムを採集したかを、「Gatherer」が記録してマップ上に表示してくれるのだ。例えば、「薬草採集」で「Silver Leaf」という草を集中的に集めたい、という場合などは、「Gatherer」が記録してくれたマップ上の「Silver Leaf」アイコンの多い場所を重点的に回る、など効率のいい採集ができる。
もちろん、「Addon」の動作は正式にサポートされるものではないので、自己責任の範囲内での利用となる。しかし、この「Addon」の充実ぶりはWoWの隠れた魅力でもあるので、機会があれば改めて深く掘り下げて紹介したい、と考えている。
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釣りでゲットできるアイテムは食料だけとは限らない。時には貴重なレシピも手に入る |
「Addon」の選択画面。プレーヤーの間ではもはや定番となったモノも多数存在する |
「Gatherer」で記録した鉱脈の位置情報。マップ上で何が採集できるかも把握できる |
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ウォリアーは重装備なだけに購入すると資金がかかる。「鍛冶」スキルで自給自足できれば装備代の節約になる |
材料が集まったら、いよいよ「生産スキル」を使ってアイテムの作成だ。筆者はオークのウォーリアーで生産スキルの花形である「鍛冶」を選択し、装備は全て自分で作ってみようと考えた。
しかし、いきなり満足いく防具や武器をを作れるわけではない。トレーナーは規定のスキル値に達していなければ、作り方(レシピ)を習得させてくれないからだ。最初は簡単なレシピでスキル値をアップさせる必要がある。
鍛冶のトレーナーに教えてもらえるレシピを例にとって説明しよう。要求されるスキル値が最も低いレシピは「Copper Chain Pants(必要スキル値:1)」だ。レシピの習得にはいくらかのお金はかかるが、序盤のレシピは安価なので金欠になることはないだろう。
「鍛冶」に入る前に、まずは採集した「Copper Ore」を「採掘」スキルで「Copper Bar」に精製する。「Copper Bar」を4つ用意できたら、「鍛冶」スキルを使って「Copper Chain Pants」を作ればOKだ。作成に失敗して材料がパーになることはない。必ず成功する。ポイントはその際、スキル値が上昇するかどうかだ。
適正な難易度のレシピを選択していけば、スキル値はほぼ例外なく作成する度に上昇していく。難易度を見分け方は、レシピ名の色だ。オレンジ色のレシピが最もスキル値上げに適している。黄色、緑色の順に難易度は下がっていき、スキル値アップのチャンスは減る。灰色のレシピは簡単すぎてスキル値は上がらない。
こうして作成できるレシピの中から適正な難易度をものを選びつつ、スキル値を上昇させていく。「鍛冶」スキルが15まで上がれば「Copper Mace(必要スキル値:15)」のレシピが習得可能になるので、次のレシピに移行するというワケだ。徐々にレシピの難易度を上げていってスキル値を上昇させる、というのは他の「生産スキル」も同じである。
たとえ他のプレーヤーやMOBドロップから高級なレシピが手に入ったとしても、設定されたスキル値に達するまで習得はできない。レシピ習得に必要なスキル値までアップするまで銀行にでもしまいこんでおくか、他のプレーヤーに渡すか、さもなく売り払うか…。スキル値が足りないレシピが、カバンのスロットの埋め尽くしてしまうなんてことのないようにしたい。
他のMMORPGでは、生産スキルはいわゆる「廃人仕様」になっていて、ありえないくらいアップしにくいゲームデザインになっているのものもある。そういう意味では、WoWの「Professions」スキル上げに理不尽なほどの厳しさ、マゾっぽさはない。生産スキル修行の前半は材料集めがポイントに、そして後半ではレアなレシピ探しの方がメインテーマになっていくだろう。
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「料理」スキルのウィンドウ。難易度がレシピ名の色の違いで表現されている |
レシピ習得画面。レシピ名が赤いということは、まだスキル値が足りないことを意味する |
購入したりクエストで得たレシピは、必要スキル値に達していたら右クリックで習得できる |
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Ironforgeのオークションハウスでレシピを検索した結果画面。オークションではレシピは人気商品である |
狩りを行なっていると、自分の生産スキルでは利用できない材料アイテムが貯まっていくことが多い。例えば、「皮細工」を選択した筆者のハンターが、「裁縫」スキルの材料となる「布切れ」を大量に手に入っても困ってしまう。
「応急手当」スキルを使って包帯を作ることもできるが、それだけではとても消化しきれない。そのままベンダーに売ってしまうのもアリだが、「裁縫」スキルを習得している友達や自分の別キャラに、「郵便」で送ってしまうのも手だろう。
WoWの世界には、主要都市だけでなく、各エリアに点在するINN(宿屋)にも、必ずMailBox(ポスト)が設置されている。アクセスしやすい場所にポストがあるので、他のキャラに荷物を送るのがとても便利なのだ。
生産スキルをやりこみ始めると、「郵便」は頻繁に使うようになる。自分では作れないアイテムが、生産スキルの材料として必要になるからだ。筆者の場合、「皮細工」で「Nimble Leather Gloves(必要スキル値:120)」を作ろうと思ったら、「薬品調合」で作る「Elixir of Minor Agility(必要スキル値:50)」が材料として必要になった。
こういう場合は、「薬品調合」スキルを持っている別キャラクタでアイテムを作り、郵便で送ると早い。友人のキャラクタが必要な生産スキルを持っているなら、お願いして送ってもらうのもいいだろう。送った郵便は現実時間の1時間程度で到着する。
自分では作成できないアイテムを手に入れるには「オークションハウス」を利用する手もある。WoWには「オークションハウス」は3つ存在する。Allience陣営側は「Ironforge」に、Horde陣営側は「Orgrimmar」にそれぞれ設置されている。WoWらしいのは「Gadgetzan」には設置されている、両陣営に対して中立のオークションハウスだ。
敵対陣営との間では郵便どころか会話すら成り立たないWoWの世界だが、Gadgetzanのオークションハウスだけは例外。AllienceとHordeの間でも交易が可能となる。ひょっとしたら相手方の陣営にしか出回らない超レアなレシピが手に入るかもしれない。生産スキルの材料だけでなく、積極的にオークションハウスを利用したい。
基本的な装備はクエストやMOBドロップで揃うし、足りない装備はベンダーから購入できる。しかし、筆者の序盤プレイの経験からいうと、それだけではどうしてもショボい装備がどこかのスロットに残ってしまう。やはり、「Professions」で自給自足しながらお気に入りの装備を揃えていくのが、効率面からも楽しさの面からもオススメ、かつ「王道」だと言えるだろう。
さて、次回はいよいよ最終回。「バトル」をテーマにWoWの魅力を紹介したい。特に、最もWoWらしいといえる「PvP」を中心にお送りする予定だ。
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宿屋に設置されたポストから自分では装備できないアイテムを別キャラに郵送する |
狩りをしているといつの間にか貯まってくる皮。皮細工を鍛えているキャラにまとめて郵送 |
新しい「Primary」スキルを習得したくなったら、1つのスキルを忘れることができる |
(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
【World of Warcraft(カッコはMac版の必要スペック)】
- CPU:Pentium III 800MHz以上(G4 G5 933MHz以上)
- メモリ:256MB以上(512MB以上)
- HDD:4GB以上(4GB以上)
- ビデオカード:32MB以上(32MB以上)
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□「World of Warcraft」の公式ページ(英文)
http://www.worldofwarcraft.com/
□関連情報
【7月1日】短期集中連載「World of Warcraft」クエスト編
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050701/wow1.htm
【5月16日】PCゲームレビュー「World of Warcraft」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050516/wow.htm
(2005年7月20日)
[Reported by 下野 宏]
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