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【Sony Computer Entertainment America E3 Press Conference レポート】

PS3は「コンピュータエンタテインメントのためのスーパーコンピュータ」

5月16日 発表(現地時間)

会場:LA Center Studios

「プレイステーションの歴史は、最新の光学式メディアを探す歴史であった」とし、PS3のメディアに次世代DVD「ブルーレイディスクROM」が採用されたことをアピールする久夛良木氏
 「2006年春にPS3を発売」というコメントが報告されたSony Computer Entertainment America(以下、SCEA)のカンファレンス。ここではカンファレンスの流れを追いながら、第一報より詳細なレポートをお届けしたい。

 SCEAのCEO平井一夫社長の開会宣言後、SCEA久夛良木健CEOが壇上に登場。久夛良木氏はプレイステーションでのリアルタイム3D CGの実現、プレイステーション 2のCPU“Emotion Engine”の開発というPSの歴史を辿った。その上で、プレイステーション 3はCPUにソニーグループとIBM、東芝が共同開発したCELLプロセッサを搭載したことを発表した。さらにメモリはメインメモリとなるXDR RAMを256MB、VRAMとなるGDDR3を256MB搭載している事が語られ、久夛良木氏はPS3を「コンピュータエンタテインメントのためのスーパーコンピュータだ」と評した。

 デジタルメディア・プロセッサで世界をリードするNVIDIAの社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏のプレゼンテーションでは、米NVIDEAとソニーグループが共同で開発したグラフィックスプロセッサ「RSX」の基本仕様が語られた。「Kutaragi's Challenge to NVIDIA」と題するスライドでは、「世界最先進のGPUを築いてほしい」、「映画級のグラフィックの実現したい」といったSECA側の要求をNVIDIAがクリアしたことをユーモアを交えつつ発表した。特に「RSXの総トランジスタ数は、過去の7機種のハードのプロセッサの総トランジスタ数を足したものに匹敵する」としたコメントは会場の反応が大きかった。

EPIC GAMES社開発の「Unreal Engine3」が活用されたリアルタイムデモ。最先端のシェーダ技術を駆使した映像で、ロボットと戦士の戦いを描く。このレベル映像がリアルタイムに動き、さらに場面を巻き戻し戦闘を別の角度から見たり、背景をズームすることもやってのけた


二基のHDMI出力端子を活用することで2台のHDモニターで32:9のパノラマビューがシームレスで楽しめるようになるという。出力機能の応用で、1台のスクリーンに複数のゲーム情報を重ねて表示することも可能になるとコメント。ネットワークゲームでは、この画面を複数表示する機能を活用し、ゲーム中に友人のビデオ・チャットなどを同時に受信できるようになる
 続いて壇上に上がったのは、SCEのコーポレート・エグゼクティブ兼CTOの茶谷公之氏。茶谷氏からは主にPS3によるネットワークに関連する機能が説明された。

 ネットワーク関連は、ギガビットイーサネット(HUBとして使用可能)の搭載によりブロードバンドへ対応。インターネットのブラウジングなども可能であることが発表された。Bluetoothに対応し無線化したコントローラ、マルチタップを使わずに7本まで繋げることができる。WiFiを利用した無線LANでPSPとも接続可能。PSPをメインモニター、またはコントローラとして使うことも可能となる。

  続いて、SONY COMPUTER ENTERTAINMENT EUROPEの副社長Phil Harrison氏によるPS3のデモのプレゼンテーションが行なわれた。ここではPS2のお披露目の時に公開された有名なアヒルのデモを題材にした「PS3用のアヒルのデモ」を公開。

一匹のアヒルが浴槽に浮かんでいるのだが、「Cell」による処理能力強化でリアルタイムにデモを操作することが可能。オブジェクトの数の調整なども思いのままだ Eye-Toyの開発者Richard Mark氏によるPS3上でのEye-Toyの実演。彼が手にした二つのコップがEye-toyを通じて画面上に出現、Richard氏が手にしたコップを動かすと、モニターの中のコップもリアルタイムで動く。水をコップですくい上げてはこぼす実演をした その他のデモ映像では、人物のハイレンダリングCG(映画「スパイダーマン2」に登場したOctopus博士を演じたAlfred Molina)のアップに様々なライティング効果を加えるデモ映像などが流された。このOctopus博士のムービーを動かすために割り当てられるメモリは全体の10%未満だという
郡を抜いて素晴らしかったのが、SCEEが作成した「グランツーリスモ」と「スパイダーマン」の作品。市内を「グランツーリスモ」のGTマシンが疾走する中、ビル郡の合間をスパイダーマンがスイングしていくという内容だった。リアルタイム・レンダリング映像は見てきたが、今回のデモ映像は別次元の美しさを誇るクオリティ。このハイレンダリングCGがゲームモデルとして動かせるというのだろうか EAは「ファイトナイト」シリーズと思われるボクシングゲームのデモ映像を公開した。一人のボクサーの猛打が対戦ボクサーの顔にヒットした時、殴られた側の顔は頬肉が振るえ汗が飛び散る様まで表現した。さらにその映像をコントローラーで逆再生操作、さらにカメラワークも自在に操作できることを実演した


 スクウェア・エニックスのプレゼンテーションでは代表取締役社長和田洋一氏が登場。PS2「ファイナルファンタジー XII」のムービーを流した後、PS3用のテクニカルデモとして「ファイナルファンタジーVII」のムービーが公開された。

 ハイエンドCGで描かれたエアリスやクラウド、列車が駅に入ってくるシーンが流された。PS3版「ファイナルファンタジーVII」の発表……と思いきや、残念ながらこの映像はサンプルであってPS3で「ファイナルファンタジーVII」をリリースする予定はないとのコメント。



 続けて、PS3サードパーティー各社のデモ映像が公開された。新ハードのお披露目なので当然だが、総じて映像の美しさを強調しオブジェクトを画面に多数登場させ、それをどれだけ処理できるかを意識したデモ映像が多かった気がする。なお、下記のタイトルに関してのジャンルや発売時期などの説明は無かった。

 SCEは「F1 Formura 1 NEXT GENARATION」の映像を公開、「FORMURA ONE」シリーズの最新作に位置づけされる今作。走行シーンや表彰台でのビールかけなどの映像が公開された。「KillZone(仮称)」は近代兵器が登場するタイプのFPSタイトル。「グランツーリスモ」シリーズのPS3用タイトルは「VISION GRAN TURISMO」、“to complete reality”というテロップに裏付けられるようにリアルドライビングを追い求めている。ピットインシーンなどの映像も確認し、リアルドライビングシミュレータの進化は終わらないといったところ。「EYEDENTIFY(仮題)」という近未来を題材にしたゲームを発表。プレーヤーが何らかの手段で画面に取り込まれ、女性キャラクタ2人とトークしている映像が流された。

 「Heavenly Sword」は女戦士が主人公の3Dアクション。敵兵士を鎖で絡めとりぶん回して周囲の敵をなぎ倒すなど、ストレス発散型の豪快なゲームだ。「I-8 」はエイリアン(モンスター?)と戦うFPSタイトルで、味方兵士が何百人と戦場を移動するシーンは圧巻の一言に尽きる。エイリアンの不気味な造詣も期待大。

【Formula 1】


【Killzone】


【Vision GT】


【EYEDENTIFY】


【Heavenly Sword】


【I-8】


 株式会社カプコンは人気スタイリッシュアクション「デビルメイクライ4」を発表。雪原を舞台に主人公のダンテが銃を撃ちながら跳躍するという内容で、間幕で挿入された「Legends are made…」という字幕が印象的だった。

【Devil May Cry 4】


 株式会社バンダイは「機動戦士ガンダム」シリーズをテーマにした「MOBILE SUIT GUNDAM」を開発。ザク、旧ザク、ジム、グフ、ガンタンク、ガンキャノン、ガンダムが映像に登場。MSの圧倒的な質感を感じていただけるだろうか? 本当にビルの合間からMSを見上げているようなかつてないリアリティを感じる映像だった。

【GUNDAM】


 株式会社ナムコは人気格闘ゲーム「鉄拳」シリーズの最新作「TEKKEN」のデモ映像を公開した。風間仁が演舞を行なうという超短編な内容ながらも、ハイエンドのモデリングキャラの完成度は高い。「TEKKEN」というロゴが出ただけで、「鉄拳6」とは表記されていなかった。

【Tekken】


 株式会社コーエーは歴史アクションエンタテイメント「仁王」を発表。秀麗な巫女の舞から一転舞台は日本の合戦風景へ。甲冑に身を包んだ兵士たちが突撃するも、たいまつをつけた牛の大群に跳ね飛ばされるというワンシーンが強烈だった。

【Ni-Oh】


 IncognitoはPS3用タイトル「WAR HAWK」のデモ映像を公開。残念ながら、画面からはジャンルを特定できなかった。ただ、尋常でない数の戦闘機の編隊が空を多い尽くすというインパクトのある映像を見ることができた。

【WarHawk】


株式会社セガは、「プレイステーション 3」用タイトル第一弾として、「Fifth Phantom Saga(仮)」を発表した。映像を見た限りではFPSジャンルに近いと思われるが面白いのは、常に主人公の周りにいる霊体(青白い光を放ち浮遊する)。敵か味方かは定かではないが……。

【Fifth Phantom Saga】


 Ubi社の「キリング・デイ」は現代を舞台にしたFPSタイトル。ショッピングモールを二丁拳銃で練り歩くシーン、そしてショーウィンドウが派手に破壊されるデモが公開された。

【Killing Day】


 SCEE Evolution Studioの開発した「Motor Storm」。二輪から四輪までモーターカーが走破していた。

【MotorStorm】


 久夛良木氏のプレイステーション 3の発売時期発表後、壇上にはプレイステーション 3が登場しカンファレンスは無事閉幕した。発売時期は明かされた物の、最後まで本体価格については触れられることがなかった。ここまで豪勢なスペックのゲームハードPS3、その価格設定が今後のファンの一番の関心事となるだろう。

【Getaway】


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□Sony Computer Entertainment Americaのホームページ(英文)
http://www.us.playstation.com/
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□プレイステーションのページ
http://www.playstation.jp/
□ニュースリリース
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050517.pdf
□関連情報
【5月17日】SCEI、「プレイステーション 3」を発表
発売は2006年春!! PS/PS2と互換性あり
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050517/sce.htm

(2005年5月17日)

[Reported by 福田柵太郎]


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