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マイクロソフト、「Xbox 360」ハードウェア編
丸山嘉浩氏「日本で成功しなければ成功したと言えない」

5月13日 発表

【Xbox 360】
発売日:2005年年内


ついに発表された次世代機「Xbox 360」。Xboxとはデザインが全く違うが、日本のチームもデザインに参加している
 米Microsoftは米国時間の12日夜にMTVの特別放送を通じて次世代Xbox「Xbox 360」を発表した。この番組は日本でも13日11時30分からMTVにおいて放送が開始されたが、時を同じくして都内の劇場で、マイクロソフト株式会社は次世代Xboxを発表した。次世代機の名前は「Xbox 360」だが、Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏は“Xbox サンロクマル”と呼んでいる。

 Xbox 360は、“Always Connected”、“Always Personalized”、“Always Hi-Definition”をコンセプトとして、デジタル エンターテインメントの世界でトップを目指すという、同社にとっては意欲的な商品。壇上に立ったXbox事業本部長の丸山嘉浩氏は「3年間全社をあげて開発してきた」とし、「ゲーム機に留まらないゲームプラットフォーム」と自信たっぷりに説明した。

 デザインは現行Xboxとガラリと変わっており、これまでブラックで統一され、平置きにしか対応していなかったが、白を基本としたデザインで、縦置きにも対応する。というか、発表会場においても縦置きでしか展示されなかったのが印象的。デザインについては米国と日本チームによるコラボレーションで、たとえば電源スイッチを入れるとグリーンに点灯するなどのアイディアは日本チームのアイディアだという。

 以前、Xboxの天版にデザイナーや漫画家が描いたカバーをかぶせるキャンペーンが行なわれたことがあるが、Xbox 360ではこれを一歩進めた形で、カスタマイズが可能になるという。詳しいことは不明だが、フロントパネルのデザインを変更することができるようだ。携帯電話のカスタムジャケットのようにすべて取り替えることになるのか、透き通ったフロントパネルの下に、何か挟むことになるのかも明らかにされていない。

 細かいスペックについては下記別表を参照して欲しいが、IBMと共同開発したPower PCベースの1テラフロップス以上の3コア マルチプロセッサを搭載。GPUはすでに明らかになっているとおりATIと共同開発したカスタムGPUとなる。メインメモリは512MB。20GBのハードディスクも搭載となる。ハイビジョンへの出力仕様を備えており、D4を通してプログレッシブ対応DVD-Video再生が可能。Windows Media Center Extenderが標準搭載されており、録画データの視聴等も可能となる。インターフェイスとしては、USB2.0端子を3つ搭載。

 ADSLや光ファイバーに接続していれば、Xbox 360の電源を入れた瞬間からブロードバンドに接続され (Always Connected) 、Xbox Liveのサービスなどを利用できる。Xbox Liveのサービスについては、「マーケットプレイス」などのヒントがちらっと登場したが、詳しい内容についてはE3で発表されるという。ただ、現行のXbox Liveのサービスにプラスαとなるサービスで、無料のサービスも追加されるという。このほか、通信関連では64人対戦がサポートされ、現在は別売りとなっているビデオチャットも標準装備になるという。

 コントローラは4台までワイヤレス仕様で、メモリユニットスロットは2つ用意される。メモリユニットのスロットは現行Xboxではコントローラに指すことになっているが、Xbox 360では本体に接続することになっている。これはワイヤレスコントローラであるため、電池を入れなければならず、重たくなるため、本体にセットするように変更したのではないかと推測される。

モックの各種アップ画像のひとつトレイは鏡面仕上げとなっており、。Xbox 360のロゴが入っている。また、メモリーユニットの差し込み口が2つ用意されているコントローラは標準でワイヤレス Xbox 360を縦置きにすると下部となるのがこちら電源スイッチを押すとグリーンに光る。これは日本チームのアイディア 背面の写真を見るとモックアップであることがわかる。まだ明らかにされていない点も多い
コントローラは現在のXboxコントローラのボタン配置にほぼ準じている。ただし、WhiteとBlackのボタンはなくなっている。その代わり中央部にいくつかボタンがあるようだ 裏面上部にもコネクタ端子部分が見える。こちらに何を差し込むことになるのかは不明。なお、中央部の出っ張りは、ワイヤレスであることを考えると電池収容部と思われる コントローラ下部にもコネクタ端子が用意されている。ボイスチャットなどを使用するときに、このコネクタを使用する模様


 丸山氏は「ゲーム開発者や市場関係者とお互いに利益が出ることを模索してきた。ゲーム プラットフォームはCPU、GPUの性能だけではなく、ハードのポテンシャルを引き出すソフトウェアとサービスがなければならない」と他のゲームプラットフォームを牽制。開発者に対しても、「Xboxの開発ノウハウを活かせるため、ゲーム制作への参入へのハードルを下げた」といった従来からの主張を繰り返しアピールした。そして早くも発売日について言及。2005年年末に発売すると発表した。これは日本市場におけるものだが、欧米など主要マーケットにおいても同様に2005年末発売になるだろうという。

 最後に丸山氏は「日本市場で成功しなければ“Xbox 360”は成功と言えない!」と力強く言い切った。そのために日本市場への投資を継続していくと宣言。ソフトウェアについては、同時発売のタイトル名はもちろんのこと、本数も未定。ただし、フロム・ソフトウェアはファンタジーRPG「【eM】-eNCHANT arM-」をハードの発売と同時に発売すると発表している。

 丸山氏は「欧米のスタジオでは最新のゲームが開発されており、これらのソフトを日本語化していく」と発言。MTVの番組内では英Rareが制作中のFPS「Perfect Dark ZERO」のプレイ風景も公開されていた。ちなみに、すでに日本のゲームメーカーから参入の意思表示をしているメーカーが見られるため、どのタイミングで発売されるか注目されるところだ。

 今回の発表は、第1段階とも言えるもので、来週米国で開催されるE3でさらにつっこんだ発表が行なわれると思われる。というのも、質疑応答時も同社にとって答えられない点が多く、たとえば、互換性についても「現状では正式に発表していない。今の時点では決まっていない。今後、しかるべき時に発表する」と歯切れの悪い答えに終始した。

 ハードウェア的なスペックは大まかなところが発表となったが、重要な要素となるサービス、ソフトウェアそして細かいスペックが明らかになっていない。これらはE3をはじめとした各種イベントで継続的に発表されていくものと思われるので、今後も注目していきたい。

Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏はXbox 360のモックを手に登場しステージ上の台座に置き、自信たっぷりに説明を始めた デジタル エンターテインメントでトップを目指すという。このため、3年間全社をあげて開発を進めてきたという 3月に米サンフランシスコで開催されたGDC 2005でもJ.Allard氏がキーワードとしてあげたコンセプトを説明
Xbox 360を縦置きにした上部には鏡面仕様のものが見える。モックアップであるため何かは全く不明で、公式には説明もなかった ハードウェアの主なスペック。Power PCベースの3コア マルチプロセッサ、豪華なメインメモリ、20GBハードディスク搭載など豪華な仕様となっている Xbox Liveのサービスについて詳しくはE3で明らかにされるという。現行のサービスにプラスαする内容となり、無料のサービスも用意されるという
マイクロソフトの「ゲーム プラットフォーム」に対する答え。高機能なハードウェアだけではダメで、ハードのポテンシャルを引き出せるソフトと、サービスも必要だとしている すでに何度も話題としてあがっている“開発のしやすさ”を再度強調。これまでの開発ノウハウを活かせる点も挙げている Xbox 360のロゴ。これまでを踏襲したデザインとなってる


【Xbox 360 スペック】
CPU IBM PowerPCカスタム 3.2GHz 対称型3コア
1MB L2キャッシュ
各コア2スレッド(計6スレッド)
各コアにVMX-128ベクトルユニット(計3ユニット)
各スレッドに128個のVMX-128レジスタ
CPUゲーム演算性能 90億内積処理実行/秒
グラフィックプロセッサ ATIカスタムグラフィックプロセッサ 500MHz
10MB内蔵DRAM(EDRAM)
シェーダーパイプラインへ動的に割り当て可能な並列48基の浮動小数点演算器
統合型シェーダーアーキテクチャ
ポリゴン描画能力 5億トライアングル/秒
ピクセルフィルレート 16Gサンプル/秒 MSAA(マルチサンプルアンチエイリアシング)4X使用時
シェーダー演算性能 480億回/秒
システムメモリ 512MB GDDR3 RAM 700MHz DDR
UMA(統合型メモリアーキテクチャ)
メモリ帯域 メインメモリ : 22.4GB/秒
EDRAM : 256GB/秒
フロントサイドバス : 21.6GB/秒
浮動小数点演算性能(システム全体) 1T FLOPS
記憶装置 20GB HDD(取り外し、アップグレード可能)
12倍速 DVD-ROMドライブ(2層対応)
64MB メモリユニット(発売時の容量)
I/O 最大4台のワイヤレスコントローラ対応
USB2.0端子 ×3
メモリユニットスロット ×2
オンライン対応 Xbox Live
Xbox Liveマーケットプレース(コンテンツダウンロード)
ゲーマープロファイル(全ゲーム共通)
ボイスチャット
イーサネット端子内蔵
IEEE 802.11a/b/g対応ワイヤレスLAN(オプション)
ビデオカメラ(オプション対応予定)
デジタルメディア対応 DVDビデオ、DVD-ROM、DVD-R/RW、DVD+R/RW、音楽CD(CD-DA)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、WMA CD、MP3 CD、JPEG Photo CDの各フォーマットに対応
Windows Media Center Extender機能内蔵
携帯音楽プレーヤーやデジタルカメラ、Windows XP対応PCに保存されているデータの再生
HDDへの音楽の取り込み
全てのゲームで使用可能なカスタム再生リスト
音楽再生時の3D視覚エフェクト
ハイビジョンゲーム対応 全てのゲームで16:9のワイド画面、D4(720p)およびD3(1080i)表示、アンチエイリアシング対応
ハイビジョンビデオ出力
標準ビデオ映像出力
オーディオ サラウンド音声出力
48KHz 16ビットオーディオ対応
320チャンネルの音声を同時デコード
32ビットオーディオ処理
256以上の同時発音数
本体の設置方向 縦置き、横置きに対応
フェイスプレート 交換可能(オプション)


□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「Xbox 360」のページ
http://www.xbox360.com/
□ニュースリリース
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20050513-1.htm
□関連情報
【3月10日】「HD時代の到来」J.Allard氏が次世代ゲームのビジョンを語る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050310/gdc_xb.htm
【3月14日】Xboxキーマンインタビュー
J.Allard氏に、次世代Xboxの勝算や今後のゲーム業界の展望について聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050314/gdc_xb.htm

(2005年5月13日)

[Reported by 船津稔]


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