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価格:8,379円
リアルタイムストラテジーの名作として高い評価を受けた「コサックス」。ドイツのCDV Softwareが手がけた、16世紀から18世紀までの中世ヨーロッパをテーマにした作品である。発売当時ユーザーを驚かせたのは、1ゲームに最大8,000のユニットが登場し、大規模な合戦を行なうというスケールの大きさ。砲弾が飛び騎兵が走る、軍隊は整然と隊列を組み、プレーヤーの指示により、まるで雲の様に動くユニット達が巻き起こすその戦いは他のゲームとはまったく違う感触をユーザーに味わせてくれた。
軍隊には構成や戦闘態勢の他、指揮値や疲労値などさまざまなステータスを持っている。ナポレオンはロシア遠征により兵を疲れさせ、冬将軍に敗れてしまったが、彼が犯した失敗をどのように回避するか、ナポレオンが夢見て、ついになしえなかったヨーロッパ制覇をどのように実現するか、それはプレーヤーの腕にかかっている。士気の低いユニットは敵に攻め込まれるとプレーヤーの意志に関係なくちりぢりになって逃げ出してしまう。兵の心を掌握することこそ、良い指揮官の必要とされる資格なのだ。 本作では兵士個々の力量よりも、陣形単位の戦闘力に重点をおいている。「戦術」こそが勝利の鍵なのである。横隊や方陣隊など軍隊を整列させ、たくみに撤退や攻撃を行なうことで時には数に勝る敵を撃退することも可能だ。射撃の距離や、騎兵や歩兵など異なった兵種の組み合わせを工夫するだけではなく、演習などもおこなって兵と共にプレーヤーの用兵方法を鍛え、戦場で実演する。リアルタイムストラテジーは状況が刻々と変化する。なかなか条件が思ったようにならないだろう。だからこそうまくいった時の爽快感は大きなものとなる。 本作ではまた経済も重要な要素となっている。プレーヤーは制圧した都市の経済を発展させ、豊かにすることでより強力な軍隊を作り出すことができる。さらに戦略として交易を行なう相手国に対して経済封鎖を行なうことも可能だ。単純な戦いだけではなく、周辺国との駆け引きも、ヨーロッパ制覇には必要不可欠である。和平を提案したり、同盟を結んだり、できるだけ敵国を不利にし、来るべき戦いを有利にしなくてはならない。敵領土内に破壊工作員を組織することすら可能だ。 これら凝ったゲーム性を彩るのが美しいグラフィックス。建物や兵士が身にまとう衣装など、本作はユニットから建物、マップの地形までさまざまなポイントを膨大な資料から再現しており、当時の雰囲気をたっぷりと体験できる。本作は2Dと3Dをたくみに統合させたグラフィックスで描かれており、ユニットや建物などにみられる職人芸のような細かい書き込みにも感心させられるだろう。19世紀の戦いでは大砲が重要な役割を果たすが、その弾道のこだわりにも、スタッフの思い入れを感じて欲しい。
複雑な要素がからむ本作であるが、キャンペーンで歴史を追うことで、段階的にこれらの要素を覚えていける。プレーヤーの階級は最初は中尉で、戦いで勝利することで昇進していく。歴史上の人物がプレーヤーの指揮下に入り、より多くの軍、大きな戦場で戦うことになり、広い視野を要求されるようになっていく。ゲームのコツをつかんだら、マルチプレイにも挑戦したい。前作同様マルチプレイにはAIも参加可能である。
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□ズーのホームページ (2005年4月18日) [Reported by 勝田哲也]
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