【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★PCゲームレビュー★

スターウォーズ世界のよりディープな楽しみ方
帝国軍と反乱同盟軍の激闘をレポート

スター・ウォーズ ギャラクシーズ



 「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」(以下、SWG)は映画「スター・ウォーズ」の世界でさまざまな生活を営むことができるMMORPGである。

 前回のレビューでは、プレーヤー達で作り出す社会の面白さを中心にゲーム世界の魅力を紹介したが、今回は世界観の魅力を中心に語っていきたい。本作は数少ない「SF的」な世界観を持つMMORPGであり、レーザーガンやドロイド(ロボット)、宇宙船など未来的なガジェットを自由自在に使いこなす、SF的なロールプレイを楽しむことができる作品だ。そしてなにより「スター・ウォーズ」の住人になれる。映画の世界に入って、生活を営み、映画のキャラクタに出会えるのである。

 「スター・ウォーズ」では根底に銀河を支配しようとする帝国軍とそれを解放しようとする反乱同盟軍の戦いがある。SWGでももちろんこの要素は再現されている。今回の原稿で筆者は、この映画世界により深く関わるべく反乱同盟軍に身を投じると共に、プレーヤー間で作るPA(プレーヤー アソシエーション=ギルド)に入れていただいた。ゲームの住人としての視点でお伝えしたい。


■映画のキャラクタとふれあい、ゲリラ活動が楽しめる反乱同盟軍軍クエスト

銀河内乱で各街に登場したダースベイダー。強力な兵士と共に街に侵攻してきた
反乱同盟軍に所属。緊張する瞬間だ
プレーヤーイベントであるコンサート大量のギャラリーも集まった
 SWGは「スター・ウォーズ」エピソード4からエピソード5の間の時代の設定になっている。エピソード4では、帝国軍の圧制化にある銀河で、帝国軍はその力の象徴である惑星破壊兵器“デススター”を完成させるものの、その設計図を反乱同盟軍に奪われ、破壊されるというところで幕を閉じる。

 このニュースが銀河中に知れ渡った結果、帝国の力は一時的に弱まり、反乱同盟軍が勢いを増した。しかし、帝国はより一層の圧力をかけていく。エピソード5の冒頭では、帝国軍は大兵力をもって反乱同盟軍の秘密基地を襲撃、反乱同盟軍は基地を放棄し撤退せざるをえない状況に陥る。ゲームではこのエピソードの中間にあたる時代での2つの勢力の激しい戦いを体験できる。

 SWGではプレーヤーは帝国軍、反乱同盟軍のどちらかに任意で入ることができる。もちろん、そういった戦いに興味がなければ関係しなくてもかまわない、あくまでユーザーに与えられたプレイスタイルのひとつにすぎない。どちらかに所属したければリクルーターに話しかけるだけ、手続きは簡単だ。

 リクルーターのいる位置なども両軍の性格を表していて面白い。SWGでは帝国のリクルーターは大きな顔をして往来の真ん中でプレーヤーを待っているが、反乱同盟軍のリクルーターの多くはカンティーナ(酒場)の片隅に隠れているのだ。反乱同盟軍では身分を偽り普通に生活を営むふりをしながら、いざとなったら活動を行なう、というロールプレイが楽しめるようになっている。

 筆者は反乱同盟軍に所属するプレイスタイルを選んでみた。勢力に所属するためには、まずそれなりの信用を得なくてはならない。反乱軍が勢力を持つ惑星で、ミッションターミナルから仕事を請け負い、それをこなすことでファンクションポイントを得ることで、リクルーターに認められるのだ。

 勢力への所属には“戦闘員”、“特殊部隊”、“予備役”という3種類のランクがある。戦闘員というのは敵対するNPCを攻撃することができるランクで、反乱同盟軍ならではのミッションや、各惑星にある基地攻略などが楽しめる。帝国軍に所属するプレーヤーキャラクタに攻撃されることはないので、手軽に映画世界に添ったロールプレイが楽しめる。

 特殊部隊はさらに激しい戦いが体験できるランクだ。こちらに所属している間は、敵対勢力の特殊部隊員とつねにPvPが可能になる。惑星の覇権をかけた戦いなど、ゲーム世界に密接に関係する、より濃密なロールプレイができるだろう。予備役はいわば休止状態で、どちらの勢力にも所属していない一般プレーヤーとほとんど変わらない状態だ。

 今回の筆者は、戦闘員までを体験した。反乱軍ミッションを受けたのは、ハン・ソロの生まれ故郷である惑星コレリア。ここには反乱軍の秘密基地があり、戦闘員だけが入ることができる。

 最初に戸惑ったのは、基地に行くまでの長い道のりだ。戦闘員にならなければ基地には入れないのだが、その基地に行くために一番近い街は帝国の支配下にあるのだ。特に宇宙港の前は警護が厳しく、映画でおなじみのボディーアーマーに身を包んだストームトルーパーが銃を持って待ちかまえている。彼らと戦う事も覚悟しなくてはならない。

 彼らから逃れるためには、乗り物に乗るのが一番だが、敵に見つかり戦闘状態になると乗り物を呼び出せなくなってしまう。筆者は空港から出るかでないかギリギリのところで乗り物を呼びだし、レイガンに撃たれながらも脱出するという方法をとった。他にもそれぞれのプレーヤーなりの攻略法があるだろう。

 この惑星から出る時は、予備役になり帝国の目を欺かなくてはならない。筆者は一度撃たれながらも宇宙港に入り、自分の宇宙船に飛び乗ろうとしたのだが、帝国兵に蜂の巣にされてしまった。強いプレーヤーならこれらの帝国兵をすべて葬り去り、ゆうゆうと船に乗れるのかもしれないが、海外に脱出するためにニセの身分を用意しているかのように、こまめに所属を変え監視の目を欺くというのも、ロールプレイとしては楽しい。

 コレリアの反乱同盟軍の基地にはC-3POとR2-D2の映画でおなじみのドロイドコンビがプレーヤーを迎えてくれる。彼らが依頼してくるミッションをこなすことで信用を得て、より上の階級のNPCの出すミッションに挑戦していくのだ。

 ミッションそのものは基地の周辺に出現するNPCの護衛だったり、暗殺だったりとシンプルだ。ミッションを引き受けると基地周辺に対象のNPCとウエイポイントが生成され、プレーヤーはそこに移動し、戦闘や会話などをして、帰ってくる。ちょっと作業的な部分もあるが、本作ならではのアレンジが随所にあって、スタッフの強いこだわりが感じられる。

 C-3POは歯の浮くセリフを連発するし、ルークの親友であるパイロット、ウエッジという映画ファンならばニヤリとさせるキャラクタも登場する。ミッションでは護衛するはずの人物が実は帝国のスパイで襲いかかって来たり、帝国に追われるキャラクタをかくまったりと、反乱同盟軍ならではの活躍ができる。

 これらのミッションをこなすことでファンクションポイントを入手できる。このポイントを消費することで反乱同盟軍ならではの装備がゲットできるようになるのだ。また、この基地自体テーマパークとなっていて、オブジェクトも非常に凝っている。これらをチェックするのも楽しいだろう。

 反乱同盟軍のミッションでは帝国軍の兵士が行く手を阻んでくる。彼らはかなり強敵で、筆者は優秀なアーマーに身を固め、ドクターによるバフ(ステータス強化)を受けて何とかしのいでいる。この反乱軍ミッションは非常に長いものらしく、筆者はまだ半分も終えていない。

 この基地のボス的な立場にいるレイア姫から紹介されて、現在筆者は海賊のたまり場である惑星ロクでハン・ソロのミッションを受けている。この惑星は街のすぐ外に強敵がひしめいていて、ミッションを続けるのも非常に困難だが、頑張っていきたいと思う。この後別の惑星でルークも登場するという話だ。また、惑星にまたがるミッションもあるという。

 より深く反乱同盟軍と帝国軍の戦いに関わりたければ、個人の力では限界がある。志を同じくする人達をつのりPAを結成し、特殊部隊に所属し、ゲーム内の勢力図に直接関係していく。この経緯では、敵となるPAとの抗争も勃発していくだろう。現在既にそうした戦いを行なっているPAもあるとのことだ。

 もちろん、戦いだけがPAの楽しさではない。筆者はsatraさんがリーダーを務めるPA、「Salute to Freedom」に入れていただき、メンバーの方々とお話をさせていただいた。次項ではPAの雰囲気を書いていこう。

反乱同盟軍のアジトでは映画でおなじみのメンバーが迎えてくれる
危険な反乱軍のミッションは非常に長い
他の勢力に所属することで、さまざまなキャラクタと邂逅することができる


■PA加入により見えてくる上級者のプレイスタイル

PAホールでリーダーにより入隊を認められる
霧に閉ざされたジェダイ村。いつか行くことができるだろうか
トライアスロン。ルールは今後議論をしてもっとスマートにしたいとのこと
 SWGはかなりソロプレイ、もしくは少人数のプレイが可能なゲームである。前述の反乱軍クエストなどもソロでどんどん進めていける。武器やバフは商人としてプレイしている人達からそのつどもらえばいい。パーティーによる大人数の狩りがしたければ、宇宙港前の募集に参加すればOKだ。

 しかし、知り合いを作り、彼らと毎日のように挨拶を交わし、他愛のないおしゃべりをし、時には力を合わせて難解なダンジョンに挑む、というプレイの楽しさは格別なものである。そういった知り合いを手軽に多く作るためにはPAはうってつけの場所だろう。現在既に多くのプレーヤーがさまざまなPAを結成している。また、PAに所属せず、プレーヤーシティの仲間と冒険を楽しんでいる人も多いようだ。

 筆者が入れていただいた「Salute to Freedom」(以下、STF)は構成員30人以上の惑星コレリアの反乱同盟軍側PA。基本的にPA戦やPvPはせず、楽しくプレイしていこうという方針とのこと。筆者が入隊させていただいた時は帝国側のプレーヤー基地が周りを囲みつつあり、ちょっと緊張感のある雰囲気もあった。リーダーであるsatraさんは、自軍の勢力を増すため、コレリアにある他の反乱同盟軍PAとのつながりも持っていきたいというビジョンを話してくれた。PAホールで、「反乱同盟軍の構成員」としての話を聞けるというのは、ゲーム世界により深く没入できたような、かなりゾクゾクする体験だった。

 入隊した後、「せっかくだから」と、帝国軍の要塞攻略に参加させていただいた。コレリアの街、タイレナで反乱同盟軍のエージェントに会い、戦闘員になってから宇宙港に侵攻、そこから要塞を目指すというルートだったのだが、メンバーの強いこと強いこと。タイレナもまた帝国軍の支配下にある。その真ん中で敵対宣言をしたのだから、あっという間に帝国軍兵士に囲まれ、猛烈な射撃が加えられた。しかし、メンバーはそれを物ともせずに片端から帝国軍兵士を倒していくのだ。あっと言う間に宇宙港の警備員すら倒し、ゆうゆうと移動を行なったのであった。

 要塞では空港の比ではない激しい抵抗にあった。しかし、メンバーはまったくひるまない。ストームトルーパーはそんなに弱いんだろうか? と筆者も戦ってみたのだが、一対一でも何とか五分といった感じ。メンバーが手助けをしてくれるとそれらの敵はどんどん倒されてしまう。改めて力量の差を思い知った。要塞は最後の抵抗か、鳥足形の機動兵器AT-STを出してきたが、これこそメンバーが待ちかまえていたもの。気合いを入れて一気に攻め、あっと言う間にガラクタに変えてしまった。要塞が高々と掲げていた帝国の旗が同盟軍のものに変わり、侵攻が完了したことを告げたのであった。

 メンバー達の強さを目の当たりにすると、プレイに大きな意欲が出てくるのが自分でも面白かった。それまで筆者はそこそこの鎧で満足していたのだが、やはり、メンバー達が使っている強い鎧は違う! ということで、貯めていたお金をはたいて買ってしまった。乗り物も速い物に変え、ドクターのバフも積極的に活用するようになった。お金がいくらあっても足りず、何とか稼ぐ方法を考えよう、というのが今の課題だ。

 ギルドメンバーにイベントを積極的に行なう方がいてくれたのも、レポートする上で非常に助かった。特にレース用のドロイドを使って、走り、乗り物に乗り、最後は泳ぐという「トライアスロン」を提案したhipopoさんのアイデアには、なるほどと唸らされてしまった。筆者は「ウルティマオンライン」で友人達と手作りのイベントを楽しんでいたのだが、久し振りにそのころの感覚を思い出した。

 ギルドチャットで声をかけると、メンバーがいて、誰かの提案で冒険に出発する。MMORPGのギルドの楽しさの根幹はここにあると筆者は思う。時には情報交換をしたり、生産品の材料を受け渡したしたり、クエストを手伝ったり、ふとした偶然で同じギルドに入り、関係を強めていく。ギルドシステムが持つ普遍的な楽しさは本作でも変わらない。

 本作はレベル制のMMORPGと比べると、強さの違うプレーヤーが一緒に遊べる可能性が高いのも特徴だ。サポートを考えたり、装備を調えれば上級者と中級者が一緒に狩りを楽しめる。強い先輩達に助けられながら、明日の自分を夢見ることができるのだ。レベルが5違っただけで狩りを一緒にできず、ギルドチャットでの話しかできない、という状況はMMORPGでは良くある風景だが、そういう状況は本作では少ない。

 また、本作のダンジョンはテーマパーク的な魅力も持っており、映画に登場した小物をチェックするのも楽しい。タスケンレイダーの要塞には彼らの騎乗動物である「バンサ」の飼育場までちゃんと設定されていて、スタッフの遊び心とこだわりを感じることができる。映画に詳しいメンバーをガイドにして、挑戦したいところだ。

 STFのメンバーには「ジェダイ」を目指す人も多い。本作における「ジェダイの騎士」への道はそうとうに厳しく、とても熱心なプレーヤーでも数カ月はかかるそうだ。ライトセーバーがふれるようになるジェダイの騎士の見習い“パダワン”になったプレーヤーが日本サーバーに現れたという話だが、そこにたどりつくにも膨大なプレイ時間が必要だという。ジェダイは上級プレーヤー達が目指す究極の目的なのだ。

 筆者はそのジェダイへと続くクエストを手伝わせていただいたのだが、クエストを受けられる通称“ジェダイ村”にすら入ることができなかった。それに関する条件をまったく満たしていないのだ。メンバーは村に入れるし、クエストも進めていて、ジェダイへの道をお互い助け合いながら進めている。こうなると、筆者としてもむくむくと後に続きたい気持ちがわき上がってくる。やはり、この世界に生まれたからにはライトセーバーを手に持ってみたい。プレイ時間などを考えればそれはとても叶わぬ夢になりそうだが、せっかくの機会だし、進んでいこうと思っている。

 PAではさまざまなプレイスタイルを持つ人達とふれあうことができ、大いに参考にさせていただいた。多彩なプレイスタイルを持つことが可能な本作ならば、この体験は一層楽しいものになる。生産者組合や、PvPでの戦術論を極めようとしているPAは今回筆者が体験した世界とはまた違ったベクトルでSWGを楽しんでいるだろう。

 実は現在、この世界は一大変革を迎えようとしている。拡張パック「エピソード3拡張版 ウーキーの咆哮」の発売と同時期に“コンバットアップグレード”というルール変更が行なわれるのだ。戦闘に関する要素がガラリと変わり、「今まで以上にエキサイティングになる」とのこと。多くのプレーヤーは期待とともに少しの不安を持ってこの新ルールの導入を待っている。PvPを楽しむプレーヤー達もこのために活動が少し消極的になっているようだ。筆者も一応は戦闘職である。拡張パックの要素にも非常に興味を持っている。また次回、その変化した世界の状況をお伝えしたいと思う。

要塞に侵攻。メンバー達の強さに驚かされた ジェダイクエストを手伝う
メンバー達と宇宙へ。大人数の宇宙戦いは初めてで、とても興奮させられた
きつい狩りにも後衛としてなら参加することができた 筆者自身もジェダイクエストに挑戦することになった

LucasArts and the LucasArts Logo are trademarks of Lucasfilm Ltd. Star Wars Galaxies is a trademark of Lucasfilm Entertainment Company Ltd. (C)2002-2004 Lucasfilm Entertainment Company Ltd. or Lucasfilm Ltd. & TM as indicated. All rights reserved.


【スター・ウォーズ ギャラクシーズ】
  • CPU:Pentium III 933MHz以上
  • メモリ:512MB以上
  • HDD:3GB以上
  • ビデオカード:VRAM 32MB以上

□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」のページ
http://www.japan.ea.com/swg/
□関連情報
【3月28日】EA、WIN「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」 拡張パックに登場する新たなスターシップを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050328/swg.htm
【2005年2月14日】PCゲームレビュー
「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050214/swg2.htm
【1月5日】EA、MMORPG「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」
WebMoneyによる決算に対応
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050105/swg.htm
【2004年12月20日】EA本社にて「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」体験会を開催
鬼教官の指導のもと、帝国軍のミッションを体験
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041220/swgt.htm
【2004年12月8日】PCゲームファーストインプレッション
「スター・ウォーズ ギャラクシーズ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041208/swg.htm

(2004年4月15日)

[Reported by 勝田哲也]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.