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★Xboxゲームレビュー★
世界中で大ヒットし、PCやMacなどにも移植をされた「Halo」。今回紹介する「Halo 2」では前作からその舞台を大きく変え、地球の衛星軌道上や南アフリカといった場所で戦闘を行なうことになる。当然操るキャラクタは前作から引き続き登場の「マスターチーフ」。前作では超人的な戦闘力を発揮してコヴナントを蹴散らしたマスターチーフだが、今作では地球に迫り来る大量のコヴナントを相手に、どう言った戦いを見せてくれるのだろう。今回のレビューではこういったシングル面の要素を中心にレビューを行なっていきたいと思う。
「Halo 2」を始める前に前作のストーリーを知っておこう。やはり続編だけに前作のあらすじだけでもわかっていると、「Halo 2」をより一層楽しむことができるだろう。前作の「Halo」はコヴナントと呼ばれるエイリアンとの激しい戦いが舞台だった。軍の最高機密組織がコヴナント軍殲滅のために開発した装甲部隊「SPARTAN-II」、彼らはコヴナントとの戦闘で大きな成果を上げたものの、コヴナントの手は地球間近まで迫っていた。この激戦の最中、最後の1体となった「SPARTAN-II (マスターチーフ)」を乗せた戦艦「オータム」が自ら囮となり、コヴナント軍を地球から引き離す作戦を開始。ブラインドワープにより宇宙のどこかにジャンプしたオータムがそこで見たものはコヴナント軍が制圧している環状惑星HALOだった。前作ではこのHALOを大きな損失を被りながらも破壊することに成功した所で物語りは終わったわけだ。「Halo 2」は、HALOを脱出したマスターチーフが地球に帰還した後の話となる。 ■ 「Halo 2」で変更になった武器システムや、基本的なシステム さて、本作においてプレーヤーは、マスターチーフだけでなく前作でコヴナント軍を指揮していたエリート族のキャラクタもキャンペーンを通して操作することになる。このキャンペーンモードをプレイする上で頭に入れておきたいゲームシステムをここでザックリと紹介しておこう。 まず、基本となる攻撃は右トリガーで行なう射撃だ。ただ、武器に弾薬数の概念があるために交戦中に当然リロードが発生して弾が撃てない瞬間が発生する。そういった時に重宝するのが左トリガーで投げるグレネードや、Bボタンで発生する素手や銃底を使った殴りだ。とっさの時に、このグレネードや殴りを使いこなせるかどうかでゲーム中生き残れるかどうかの確率がだいぶ変わってくる。 射撃の武器だが、状況に合わせた使い方を心がけたい。例えば中近距離で的と対峙する場合はクローズドコンバットではサブマシンガンやショットガン、そして遠距離には当然スナイパーライフル等の遠距離用の武器、戦車のような兵器に対してはロケットランチャーといった具合に使っていこう。「Halo 2」では、先の展開を読みながら武器弾薬を集め、状況に合わせた武器を使っていけばちゃんと進めるようになっているので、敵が強くて進めないような場合は使っている武器の選択を考え直したい。また、「Halo 2」では味方の海兵隊員がバックアップで付いてくることが多いが、彼らが使っている武器を受け取り自分で使うこともできる。武器を奪うのはちょっとかわいそうな気もするが、状況にあわせてすばやく対応していくことが攻略への鍵となる。
そしてグレネード。「Halo 2」では現代でもおなじみの地球軍が使う「フラググレネード」とコヴナント軍が落す「プラズマグレネード」の2種類があり、それぞれに特徴がある。「フラググレネード」は現代でも使われているグレネード同様に見えるが、衝撃を感知する信管が使用されているため、遠くに投げた際に空中で爆発する時限信管のものとは違って地に落ちるまで爆発することがない。また、壁の反射を使って曲がり角の先にいる敵にグレネードを投げることも可能だ。
これに対して「プラズマグレネード」は投げてから3秒で爆発する時限式となっている。フラググレネードとの最大の違いは軟質素材でできていることだ。地球軍のグレネードは硬いために壁の反射を利用した戦闘ができるが、「プラズマグレネード」は軟質でできているために、同じようには使えない。ただ、特徴として「プラズマグレネード」には粘着性があり、敵に対して投げるとくっついてしまうのだ。当然体にぴったりとくっついたグレネードははがすこともできず、非常に大きなダメージを被ることになる。これは対人だけに言えることではなく対戦車時などでも言えることなので、しっかりと使いどころを分けていこう。
さて、グレネードが切れてしまった時にリロードにはいってしまったらどうするか? この場合選択肢としては隠れてリロードするか勇猛果敢に撃って出て敵を殴るかの2択になる。筆者としてはシールドが許す限りは後者を選んでいくことをオススメしたい。前作でも脅威のダメージを誇った“殴り”は今作でも受け継がれており、重宝する場面が多い。特に敵の背後をとったり寝ている敵に対して、殴りつければ基本的に一撃必殺で敵を倒すことが可能だ。これにより弾薬をセーブすることができるので、長い戦いを考えると重要なテクニックとなってくる。また、通常戦闘時でもグラントやジャッカルなどの比較的小さい敵に対しても、正面から積極的に殴っていくことで同様に武器弾薬のセーブが可能だ。殴れるチャンスがあったら積極的に殴っていこう。
そして「Halo 2」になって追加された最大の特徴ともいえるのが、敵が乗っている乗り物を奪うことが可能になったという点。これにより、高速で移動してくるゴーストや敵のレイスといった乗り物を強奪することができ、より遊びの幅が広がったのだ。9月の東京ゲームショウにおいてBungieのフランク・オコーナー氏からお話を伺った際にほとんどの乗り物が略奪可能と聞いていたのだが、実際に試してみると要所要所で乗り物が使えれば敵を容易に倒すことができるなど、ゲームの戦局を大きく左右する有効な要素だと実感できた。
また、今作での大きな相違点として記述すべきことがもうひとつ。片手で射撃が可能な武器は両手での装備が可能になり演出面だけでなく、戦略にも大幅な変化ができたことだ。両手持ちのできる武器は、片手で使用が可能なものだけ。残念ながらロケットランチャーを両手装備や、ショットガンの両手装備は不可能だ。ちなみに地球軍の武器ではあまり両手持ちが可能な武器は多くないが、対してコヴナント軍の武器は片手で使用するものが多い。威力の高い地球軍の武器と上手く組み合わせて使うことが重要となるだろう。
■ ゲームに登場する武器や兵器をしっかりと覚え、登場したら乗りこなそう
今作で新たに追加された武器や、若干の変更点のあったものを紹介していこう。これらの情報を頭にたたき込んでプレイすることで、長く大変なキャンペーンもバリバリとクリアできるようになっていくはずだ。
今作で一番使用する機会が多いのがサブマシンガン。前作のサブマシンガンに比べると使い勝手が悪く、フルオートでの射撃時に反動により銃が上にぶれてしまう。この反動が上に向かうのに対して視点操作側のスティックを逆方向に倒すことでリコイルコントロールが可能だ。攻撃力は低いが、保持できる弾約数が多いので何かと使う機会が多い。
こちらも今作からの登場。BR55ライフルは3連バーストでの射撃が可能。スコープが装備されており、右スティックを押し込むとズームすることが可能。遠距離ではスナイパーライフルには太刀打ちできないが、中距離からの撃ち合いでは重宝する。3連バーストのため、連射性がないが攻撃力はサブマシンガンより強力だ。前作のハンドガンと同じような感覚で使っていくと良いだろう。
前作ではプレーヤーは運転しか許されなかったが、今作ではAIの強化により、プレーヤーが後部銃座に乗り、AIに運転させるという使い方がついに可能となった。主な変更点としては左トリガーを引くことによりパワースライドが可能となったこと。パワースライドを使うことで一気にワートホグを加速させることができる。これにより前作より運転に爽快感が増した。
今作でも登場する地球軍の地上兵器としては最大の攻撃力を誇る戦車。前作と比べると、機動力が落ちたものの、弾薬装填スピードが格段にアップし、ゴーストなどのコヴナント車両に囲まれても難なく抜け出せてしまう。サブウェポンとして同軸機銃もあるため、主砲で敵をしとめられなかった場合に機銃で反撃の隙を与えないように心がけたい。
【コヴナント軍】
コヴナント版のスナイパーライフル。シールドの有無に関わらず、ヘッドショットが決まれば相手を一撃で倒すことができる高い威力のビームを発射する。連射をするとオーバーヒートを起こしてしまうので、近距離には当然むかない。2段階のズームができるため、中距離と遠距離では活躍の機会が多い。
今作で筆者が一番お気に入りな武器がこのエナジーソードだ。近接戦闘用の武器ではあるが、その分威力が非常に高く設定されている。基本的に敵は1発で倒すことができるために、セカンダリーの武器として装備することをオススメしたい。覚えておきたいのはBボタンを押すと敵を引き付けて切り倒す攻撃と、右トリガーを引くと突き刺す攻撃、2種類の攻撃方法がある点。また、相手をロックオンし、照準が赤くなった状態で使用することで、敵との間合いを一気に詰めて突き刺すことが可能だ。
この車両は小型で機動性が高く、狭い道などでも問題なく目的地に向かうことができる。車両後部にはプラズマキャノンが装備されており、コヴナント版ワートホグといった印象だ。ただ、キャンペーンモードをプレイ中にはあまりお目にかかることがないのが残念だ。
前作で登場するもプレーヤーが使用することができなかったのがこのレイス、今作ではめでたく使用が可能となった。後部に備え付けられているプラズマ迫撃砲による攻撃は非常にインパクトがあり、うまく使用することで敵の部隊を簡単に壊滅することができる。こちらはスペクターと比べると比較的使用頻度がある。ぜひ積極的に使っていきたいところだ。
キャンペーン中、どうやっても弾薬が切れてしまう人へのちょっとしたアドバイスを記述しておこう。今作では味方の武器との交換が可能となっている。実はココにちょっとした裏技的な要素があるのだ。味方のAI兵士は弾薬が無限なので、強力な武器を交換することで、ロケットランチャーやショットガンといった、強い武器での援護を半永久的に受けられるのだ。また、敵の攻撃の山場を終えた際に再度武器を交換すれば、手渡した状態と同じ弾薬数で手渡されるので、必要場面に応じて武器の交換をしていくことをお勧めしたい。
■ 今作でも濃密なストーリーは健在! 序盤のストーリーを紹介!
前作で多大な被害を被りながらもHALOを破壊することに成功したマスターチーフ。今作ではいったいどういった舞台で戦うのだろうか? ストーリー序盤の流れをここに紹介しよう。
前作の戦いから、地球衛星上に300以上も配備されているステーション、地球防衛プラットフォームにて、前作で囮としてコヴナント軍を地球近郊から引き離した戦艦「オータム」の生還者式典の最中に、突如としてコヴナント軍の艦隊が押し寄せてきた。
プレーヤーはまず最初にステーションカイロと呼ばれる宇宙ステーションをコヴナントから防衛することになる。敵はすでに様々な場所に突入しており、いたるところにコヴナント軍のエリートやグラントといった敵兵士が待ち受けている。 突如として他のステーションが爆発、内部からの破壊による要因と解ると、チーフに対してカイロ内に爆弾が仕掛けられている可能性を示唆し、この爆弾による脅威の排除を命じられる。この命令を遂行するためにチーフはコルタナによるサポートを元に爆弾を探しに行くことに。
大部分のコヴナント軍が地球へ降下していったために、チーフたちもこれに追いつくべく南アフリカのニューモンバサへと向かう。ペリカンと呼ばれる輸送機に搭乗し前線へと向かうが、その最中に敵の4足兵器「スカラベ」に撃墜されてしまう。ペリカンは使えなくなったものの、奇跡的にも負傷者を出さずに済んだチーフ達は先に派遣されていた海兵隊と合流すべく旧市街へと向かった。
旧市街を抜けて海兵隊員と合流するも、部隊は壊滅状態。そこへジョンソン軍曹からペリカンでスコーピオンをプレゼントしてもらう。チーフはスコーピオンに乗り込み旧市街からメトロポリスへと移動し、「スカラベ」を破壊する作戦に参加することに。
■ 前作でコヴナント軍を指揮していたエリート族のキャラクタのシナリオも
チーフやジョンソン軍曹が式典に出席していると時を同じくしてコヴナントの聖なる都ハイチャリティでは前作のコヴナント軍の指揮をとっていたしていたエリートが裁判にかけられていた。HALOの破壊を許したことから異端者との疑いをかけられ、見せしめでの処罰を受けることになる。
処罰を受けたエリートに対し、預言者達からお前は異端者ではない、真に罰せられるべき異端者が他にいると説明を受け、謀反を企てようとしている真の異端者を討伐せよと命令が降りる。その際にアービターという預言者直属の兵士となることに(以降このキャラクタはアービターと呼ばれる)。 ■ 旧作のストーリー説明がなく世界観の理解が大変など、不満点はあるのだが…… 今回のレビューでは序盤のみをお伝えしたのだが、筆者は一通りプレイをし終えている。筆者が今作で一番気になっていたのは、前作のように同じようなマップ構造のステージを何度となく通り、だらけてしまう部分も受け継いでいるのではないか? といった点だ。しかし、今回はまったくそんなことはなく、前作でストレスを感じた部分はほとんど見受けられなかった。また、キャンペーンのボリューム的にも充実しており、何度となくプレイしてしまう中毒性にも似たおもしろさを感じた。その割には、同じレベルをプレイしていても飽きが来ないのは、前作をふまえて調整された絶妙なバランスゆえのことだろう。 演出面でも、映画顔負けの展開がされるので、見ているだけでも飽きない。このままのシナリオで映画を作ることも可能ではないか? と思わせてしまうほどのものができあがっている。欲を言ってしまえば、前作の説明がほとんどなされないままゲームが始まってしまうことだ。これでは新規プレーヤーがキャンペーンモードを楽しむことができない。できれば前作のダイジェストムービーなどが、スタート前にあるとわかりやすくて良かったかもしれない。 加えて、前作と今作の中間のストーリーがわかりにくいのも気になった。じつは北米ではHaloは小説として出版されており、この部分もカバーされているのだが日本では発売されていないため、いきさつがわかりにくい所だ。できれば小説を出して貰えるとありがたかったりするのだが。 さて、気になる次回作だが、Bungieでは次のプロジェクトがHaloシリーズであるというコメントは出していない。だが、ここまで大ヒットを重ねてきたシリーズだけに続編が出ない訳がないと筆者は考えている。ただ言えることは、現行のXboxでは次回作が出ないことは確実だろう。(これはプラットフォームを変更するという意味ではなく、Xbox 2等の次世代機でのリリースを意味する)。
前作をプレイした人には当然買いのソフトでもある。新規でやろうと思っているプレーヤーには若干ストーリーがわかりにくい所があるが、これだけの大作なので、「Halo」をプレイした上で本作をプレイすることをオススメする。
□Xboxのホームページ (2004年12月1日) [Reported by BRZRK@ukeru.jp]
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