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ナムコ「テイルズ オブ エターニア オンライン」
佐藤プロデューサーに聞く



「テイルズ オブ エターニア オンライン」
    2005年 初頭:βテスト開始予定
    2005年春:正式サービス開始予定


 株式会社ナムコが手がける初のWindows用MMORPG「テイルズ オブ エターニア オンライン(TOEO)」。「テイルズ オブ」シリーズのファンだけでなく、注目の本作だが、ゲームシステムなど、いくつかの項目に関してプロデューサーを務める佐藤嘉範氏に質問できる機会を得た。


■ アジア展開を意識した「PC」という選択

2Dグラフィックをメインとした、PCプラットフォームの選択は、日本はもちろんアジアを意識したことによるもの
――まず、本作が開発にいたった経緯を教えていただけますか? いつ、どういった形で開発が始まったのでしょうか?

佐藤氏 2年ほど前になります。ドワンゴ社とネットワークゲームのソリューションに係わる話をしている中で、具体的な共同開発の話へと進展したことで、開発スタートとなりました。

――公開されている情報では、海外展開、特にアジア展開を強く意識しているように見受けられますが?

佐藤氏 その通りです。当初から、オンラインゲーム(MMORPG)を展開する上で、アジア(中国、台湾、韓国)市場を意識していましたので、日本はもとよりアジアでの展開を視野に入れて開発を進めてきました。本製品の動作環境は、アジアのPCカフェ等でも快適に動作する事を目標としています。

――そういった意味で、プラットフォームに関しても、PCでの提供のみを予定されているのでしょうか? 他にも提供予定はあるのでしょうか?

佐藤氏 国内はもとよりアジアでの展開も考えていたため、それらの地域で一番普及しているプラットフォームとしてPCを選択しました。PC以外のプラットフォームでの発売は、現在のところ未定となっております。

――インターフェイスは、マウス+キーボードのみになるのでしょうか? ゲームパッドの対応は行なうのでしょうか?

佐藤氏 現在のところ、未定となっております。

――ナムコとしては初のMMORPGということで、意気込みや苦労話などをお聞かせいただけると幸いです。

佐藤氏 ナムコ初のMMORPGを開発しているわけですから、開発スタッフの意気込みはすごいです。まだオンラインゲームを経験したことのない方を含めた多くの方々に楽しんでいただけるように、スタッフ一同鋭意制作しておりますので是非ご期待ください。また、苦労話等多々ありますが、開発に係わる事項もあるため、申し訳ありませんが今回は内緒とさせていただきます。もう少し先になると面白いエピソードをお話しできる機会があるかもしれません。

――MMORPGというジャンルについて、どう捉えていらっしゃいますか?

佐藤氏 MMORPGにはいろいろ楽しい要素があると思いますが、やはりコミュニケーションが醍醐味だと思います。原作にスキットシステムというキャラクタ達がドタバタと雑談するシステムがありますが、本作品では、プレーヤーのフェイスをビジュアル的したチャットシステムにアレンジしました。

あらかじめ選択したフェイスによるスキットが導入されている
――スキットはチャットシステムにどう組み込まれているのでしょうか?

佐藤氏 プレーヤーはキャラクタメイキング時に、フェイスの輪郭や瞳、髪型などを選択します。ここで作成したフェイスは、パーティチャット等に登場することになります。

――数ある「テイルズ オブ」シリーズの中で、なぜ「TOE」だったのでしょうか?

佐藤氏 現状、アジアにおいて日本のアニメが大ブームとなっており、アニメ的な演出や戦闘で好評である「テイルズ オブ」シリーズをまず選択しました。また、シリーズの中でもMMORPGとして開発・運営していく上で、インフェリアとセレスティアの異なる2つの文化を持つ世界設定が非常に面白い展開になると思われたため、まず「TOE」を選んだというところです。

――インフェリアとセレスティアの行き来の方法や、実際にセレスティアが登場するのはいつになるかなど、ゲーム仕様の実装に関して予定などを解説していただけますか?

佐藤氏 サービス開始当初は選択できる職業で昌霊術士という職があるので、セレスティアを展開するなら、あんな職も選択できるかな? などと想像しながらお待ちいただければと思います。

――ストーリー展開は、「TOE」本編を踏襲するものになるのでしょうか? それとも外伝的な内容ですか?

佐藤氏 バックストーリーとしては、「TOE」を踏襲するものになります。ただ、今回は、リッドたちが冒険を開始した時期とは、ちょっと違うスタートとなります。リッドたちがインフェリアからセレスティアに旅立つ頃からスタートするといった感じでしょうか。

――セレスティアといえば、メルニクス語は入りますか? プレーヤーがメルニクス語をしゃべることは可能なんでしょうか?

佐藤氏 いろいろ面白いことは考えていますが、セレスティアの展開はまだ秘密です。

――既存のキャスティングキャラクタとプレーヤーキャラとの関わり合いは? リッドたちとの遭遇はどういった形で行なわれるのでしょうか?

佐藤氏 原作の主役であるリッドたちに出会えるかどうかはまだ内緒ですが、町の人たちとの会話の中から噂として伝わってくるという状態にしたいと思っています。「TOE」の危機が高まっていく状況を、噂話の変化やいろいろな所で発生する災害などで表現していき、そのような中で仲間とチャットをしたりしてワイワイ楽しんでもらいたいです。

――料理以外の生産要素、また経済の仕組みはどうなるのでしょう?

佐藤氏 基本的には原作にある要素をMMORPGにアレンジしたとお考えください。ただし、多数用意しているレアアイテムや、ルーンボトルを使ったアイテム強化など、プレーヤー同士のコミュニケーションが盛り上がるような仕上がりになると思います。



■ 「LMB」は「TOE」準拠だが、MMORPG向けにアレンジ

「TOE」に準拠した形になる戦闘システム。オートモードも存在
――「LMB(リニア・モーション・バトルシステム)」が実装されるということですが、戦闘はリアルタイムでプレーヤーが操作することになるのでしょうか? それともAIのようなもので選択肢を入力する形になるのでしょうか?

佐藤氏 プレーヤーが操作することになります。ただし、「テイルズ オブ」シリーズでおなじみのオートモードもMMORPG向けにアレンジはしますが設定するつもりです。作戦設定に従って、キャラクタが縦横無尽に戦う予定です。弱い敵に会ったらオートモードにして、戦闘が終わるまで仲間とキーボードでチャットする……なんて楽しみかたもアリですね。

――戦闘への参加はどういった形で行なわれるのでしょうか? エンカウントはランダムですか? シンボルですか?

佐藤氏 シンボルエンカウントを予定しています。

――あらかじめパーティを組んだ状態のメンバーのみ戦闘に参加ですか?

佐藤氏 戦闘が始まる瞬間はそうなります。ただし、途中参戦、いわゆる助太刀も可能になる予定です。

――シングルプレイの場合、戦闘はどう変化しますか?

佐藤氏 パーティプレイの時と基本的に変化しません。当然ですが、1人で全てのモンスターを相手にすることになります。

――パーティの最大参加人数は何人ですか?

佐藤氏 最大4人を予定しています。

――画面を見る限り、戦闘は1ラインのようですが、「TOE」と異なる部分はありますか?

佐藤氏 基本的に「TOE」のリニアモーションバトルの再現を目標として開発していますが、MMORPGとしての遅延対策、及びキーボード、マウスを使用した入力に適したシステムにアレンジしてあります。

――戦闘で得られる経験値や報酬などはどういった形で配分されますか?

佐藤氏 いくつかのパターンの中から、パーティリーダーが選択するシステムになる予定です。

――ギルドのようなものは存在するのでしょうか? ギルドの機能にはどのようなものがありますか?

佐藤氏 ギルドシステムは存在します。

――フリンジシステムなどはどう取り込まれるのでしょうか?

佐藤氏 フリンジシステムの扱いについては、今のところ内緒です。

――大晶霊はどんなものが登場するのでしょうか?

佐藤氏 大晶霊はリッド達と契約しているので、プレーヤー達が大晶霊と契約して冒険するという事はないですが、大晶霊の代わりにプレーヤー達が召喚できるシステムは考えています。ただ、詳細はまだ秘密です。

――ミニゲームのようなものは用意されますか?

佐藤氏 できるだけ再現していきたいと考えています。

――洞窟探索や遺跡発掘では、街でパーティを編成して実際に攻略するまで、実時間でどれぐらいの時間が必要になると想定していますか?

佐藤氏 詳細については、まだお話しできませんが、どうしてもMMORPGは、プレイ時間が長くなりがちですので、今回は短時間(1時間程度)でも楽しめる冒険もいろいろ用意していくつもりです。

――βテストでの募集人数、サーバー規模、1サーバー当たりのキャパシティ、有料化後の見込みのユーザー数はどのぐらいを想定されていますか?

佐藤氏 申し訳ありませんが、この件は現在のところ、公表できません。

――GMなどのサポートは用意されているのでしょうか?

佐藤氏 用意していきます。

――どうもありがとうございました。


 βテストもこれからということで、まだまだ明かされていない情報も多い「TOEO」だが、少なくとも、今までに登場したMMORPG並みのサービスは提供されていくようだ。さらに、「TOE」ならではの「LMB」がどうアレンジされてくるのか、メインキャラクタたちとの絡みなど、シリーズならではの膨大な世界をどう堪能できるのか、興味は尽きない。


(C)いのまたむつみ
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画面は開発中のものです。

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□ドワンゴのホームページ
http://www.dwango.co.jp/
□「テイルズ オブ エターニア オンライン」のページ
http://www.toeo.jp/
□関連情報
【10月8日】ナムコ、「テイルズ オブ エターニア オンライン」詳報
必要スペック、職業などが判明
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041008/toeo.htm
【10月4日】ナムコとドワンゴ、WIN「テイルズ オブ エターニア オンライン」
2005年初頭βテスト、春には正式サービス開始予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041004/toeo.htm

(2004年10月20日)

[Reported by 佐伯憲司]

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