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第2回 ~戦闘システムの楽しみ~

 前回は、群像ドラマとしての「幻想水滸伝」シリーズの楽しみについて触れた。人と人が交差し、集ったり、離れていったりするドラマ部分には本作の大いなる楽しみがあるわけだが、世は乱れた時代を迎えている。人それぞれの行動の理由には、国家レベルの争いや、部族間の対立、また個人の因縁もなども要素として絡んでくるのだ。今回は、そんな本シリーズならではの戦闘システムについて触れたい。



■ 「幻想水滸伝」の戦闘システムとは?

 「幻想水滸伝」シリーズでは、フィールドを移動中に敵とエンカウントする通常戦闘の他にも、ストーリー上どうしても戦いを避けられないキャラクタと「一騎打ちイベント」で決着をつける。また自分と縁のある国を守ったり敵国を攻めたりするのに「戦争イベント」が起こる。ストーリーの要所で訪れるこれらの要素は、人間ドラマを盛り上げるために巧みに作用し、ただゲームを飽きさせないというだけにとどまらず、大きな1つの物語を進めているという感覚を新たにさせ、そこに歴史のうねりを感じさせる。

 本シリーズ独自の、戦闘にまつわるシステムについて簡単に説明しよう。


● 通常戦闘

 通常の戦闘は、コマンド入力で戦闘を行なって、敵を倒して得た経験値によってキャラクタがレベルアップしていく。フィールドを移動中に敵とエンカウントすることで戦闘に入る。これは、一般的なRPGを想像して頂ければいいだろう。

 通常戦闘の中で特徴となるのは、魔法使用を可能にしたり特殊効果をもたらす「紋章」と、特定のキャラクタの組み合わせで強力な攻撃を行なう「協力攻撃」だ。

・紋章

 紋章のかけらを封印した「封印球」と呼ばれるものを、あらかじめ紋章師によって身体に宿してもらっておくことで、「封印球」に応じた特殊能力や魔法を使用できる。町や村には、道具屋や宿屋と同じように紋章師の店が存在し、ここで多少のお金(ポッチ)を支払って「封印球」の着脱を行なえる。

 例えば「火の封印球」を宿すことで強力な攻撃魔法を使用できたり、「水の封印球」で治癒系の魔法が使用できるようになる。こういった五行の眷属の紋章の「封印球」の他にも、さまざまな特殊効果を持つものが存在する。

 「幻想水滸伝」の世界では、世に存在する全ての力の源が「27の真の紋章」だと言われており、現在見付かるほとんどの紋章は、「27の真の紋章」から生まれた眷属だ。そんな眷属ですら、戦闘では大いに役立つ無くてはならない存在となる。この便利さを痛感するほど、眷属の力を遥かに上回るという「真の紋章」がいかに絶大な存在かを感じられるだろう。

「II」で、主人公が真の紋章の片割れ「輝く盾の紋章」を使用。「輝く盾の紋章」には、非常に便利な回復系がそろっている

・協力攻撃

 特定のキャラクタがパーティー内にいる場合、「協力攻撃」のコマンド選択が可能となる。例えば初代「幻想水滸伝」では、主人公と師匠カイによる「師弟攻撃」、「II」では、主人公と幼なじみのジョウイの2人による「幼なじみ攻撃」といった全体攻撃が可能となる。「III」ではヒューゴとその親友で人語を理解するグリフォンのフーバーの組み合わせを筆頭に、人間と動物(虫)による「ライドオン」攻撃が可能だ。

 協力攻撃が可能となる関係は、キャラクタの職業、種族、出身地、武器が同系統といった括りもあれば、美少女や美青年といった見た目によるものなど、様々な属性によって数多く存在する。このバリエーションの豊かさは、キャラクタ数の多い本シリーズならでは。

 仲間が増えてきて、パーティーメンバーを任意で入れ替えできるようになれば、意識して関係がありそうなキャラを連れていくことも楽しみの1つとなる。

「II」の主人公と幼なじみのジョウイによる「幼なじみ攻撃」。序盤からいきなり、とても頼れる攻撃だ



● 一騎打ちイベント

 「必殺」、「攻撃」、「防御」という3すくみの関係となっている選択肢を、相手のセリフから次の行動を予測して選択する。イベント中は体力がゲージで表示され、ゼロになった方が負けとなる。相手が「必殺」のときは「防御」を出し、「防御」のときは「攻撃」、「攻撃」のときは「攻撃」か「必殺」を出していくのが基本だ。

 仕組みそのものは至って単純だが、「一騎打ちイベント」はストーリー進行上重要な場面で発生し、キーパーソンと渡り合うことが多い。過去のシリーズでは、縁あって闘いたくない相手とどうしてもぶつかり、決着をつけなくてはならない場面があった。相手のセリフを噛み締めながら、物語の山場をじっくり楽しめるポイントともいえる。

「III」のヒューゴ編一章で、ギョームと一騎打ちするメルヴィル。ここではイヤミな大人のギョームがメルヴィルを倒してしまうが、後に主人公との一騎打ちが訪れる



● 戦争イベント

 仲間になっているキャラクタがグループに別れて、敵国・部族などと戦争を行なう。

 これまでのシリーズでいうと、3作品ともシステムが異なっており、初代「幻想水滸伝」ではコマンドによるバトルだったが、「幻想水滸伝II」以降、どんどんシミュレーション色が強いものになってきている。

 これもストーリー進行上、必然的に発生するもので、キャラクタ達が折に触れて喋るセリフがストーリーと密接に関係している。パーティー単位の戦闘とは異なり、多くの人々の運命を分ける戦いとなる。そこにクローズアップして介入することで、更にのめり込み度が上がるだろう。

「II」のかなり終盤の戦争イベント。それ自体が強いストーリー性を帯び、シナリオの進行から切っても切り離せない



■[Q&Aコーナー]「幻想水滸伝」初めてさんいらしゃ~い!

Q.「幻想水滸伝」と言えば、「紋章」っていうのが重要だと聞いたけど、それって何?

  世に存在する全ての力の源が「27の真の紋章」であり、絶大な力を持つため、これまでに度々争い事の中心にもなってきました。

 シリーズ歴代の主人公は、様々な苦悩、決意と共に「真の紋章」の担い手となっています。初代の主人公は生と死をつかさどる「生と死を司る紋章(ソウルイーター)」を、「II」では、「始まりの紋章」の片方である「輝く盾の紋章」を主人公が、もう片方の「黒き刃の紋章」を幼なじみのジョウイが所持することとなりました。「III」では3人の主人公が、それぞれ「真なる火の紋章」、「真なる水の紋章」、「真なる雷の紋章」を所持しました。

 そして、「IV」で主人公が背負うことになるのは、宿主に強大な力を与える代償として命を削る、「罰の紋章」です。この紋章と、それを宿した主人公を巡って巻き起こるであろう壮大な物語に、期待できない訳はないでしょう。

Q.パーティーの仲間が協力し合って、協力攻撃かぁ……。やっぱ、がっつり仲間集めしないとダメなんじゃない?

  協力攻撃は、カテゴリの幅が広いんです。仲間の人数が多いだけに、様々な組み合わせが存在します。これまでのシリーズでも、序盤から協力攻撃が可能でしたし、物語の進行上、必然的に仲間になってくれる人たちの間でも、強くてありがたい協力攻撃が可能でした。

 早く先へと進みたい人は、変わり種の協力攻撃を発見していく部分は、追加の楽しみと捉えればいいと思います。

(C)1995 2004 Konami Computer Entertainment Tokyo

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「幻想水滸伝」シリーズ公式ページ
http://www.genso.com/
□関連情報
【8月11日】初めてトライする幻想水滸伝
第1回 ~群像ドラマを楽しむ~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040811/gen.htm

(2004年8月12日)

[Reported by 河本茉澄]


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