ネクソンジャパン記者説明会を開催
「マビノギ」は2004年下半期にβテストを開始
7月29日発表
会場:経団連会館
株式会社ネクソンジャパンは、7月29日、経団連会館にてネクソン記者説明会を開催、ふたつの新作タイトルと、自社のゲームポータルサイト“NEXON”の開設を発表した。
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ネクソン代表取締役社長のSeo Won-Il氏 |
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ネクソンジャパン代表取締役社長David K. Lee氏 |
まず最初に、韓国Nexon代表取締役社長Seo Won-Il氏が挨拶を行なった。今年2月に社長に就任する前は、海外事業部の部長を務めていたとのこと。彼の就任は、ネクソンが海外への事業展開へいかに注力しているかの証明だろう。
ちなみにWon-Il氏は27歳の若さで韓国第2位のオンラインゲームメーカーの代表取締役社長に就任している。こういった抜擢は、アメリカの企業によく見られるもので、韓国のオンラインゲームメーカーでは珍しいケースといえる。Seo Won-Il氏のコメントは、新制ネクソンの姿勢そのままに、海外展開への展望が中心。日本だけでなく、中国や、台湾、といった地域を足がかりに、東アジアに豊富なゲームをサービスしていくプランを語った。
ネクソンジャパン代表取締役社長David K. Lee氏は、まず日本の市場について、自身がかつて所属していたソフトバンクの「Yahoo BB!」を比較対象に、独自の視点で市場分析を行なった。「Yahoo B.Bはインフラを重視していたが、私はコンテンツを重視している。YahooB.Bは、オークション以降、新しいコンテンツを提供していない。こういった状況の場合、アメリカでは企業家が進出してきてインフラとコンテンツのギャップを埋めるが、日本の場合はそうした傾向が薄いためギャップが埋まっているとは言い難い。このギャップを埋めるためには、まず日本のユニークな社会、消費者のニーズを理解しなくてはならない」とコメントをした。
さらに、「ネクソンジャパンが'99年に設立されて5年。この間に我々が学んだことは、韓国のコンテンツをただ和訳するだけではなく、日本のユーザーが好む言葉で、翻訳し、日本人の嗜好にあったゲームを提供しなくてはならないということだ。日本のユーザーは、アメリカや中国のユーザーよりも、他のプレーヤーにアピールすること、協力をすることを好み、親しみやすいゲームの需要が大きい。日本の消費者が、“感謝”してくれるような環境、オープンでカジュアル、そして誰にでも楽しめるコンテンツを提供していきたい」と語った。
■ユーザー間のコミュニティーをアバターシステムによって強化
ゲームポータルサイト“NEXON”
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ゲームポータルサイト“NEXON” |
7月30日よりスタートするゲームポータルサイト“NEXON”。今までのネクソンのサイトのように、各ゲームをプレイするための情報サイトという側面以外にも、よりユーザー間のコミュニティを強化したサイトとなる。
「ラウンジ」は、年代や、地域、趣味など、さまざまなカテゴリー別に設置できる多機能掲示板。掲示板には、文章だけではなく、自分が描いた絵や、写真も掲載可能だ。掲示板の開設者により、ラウンジの開示制限を設けたり、会員の公開情報を設定するなど細かい設定が可能。
このラウンジが交流の中心になることで、ゲームのプレイを目的としてこのサイトを訪れるだけでなく、さまざまな話題や、テーマによって雑談ができる、「ゲームも楽しめる交流サイト」を目指しているといえるだろう。
交流に華を添えるのが、自分のキャラクタをもてる「アバターシステム」。2頭身のキャラクタを髪型、性別、輪郭などを自由にカスタマイズして、自分だけの分身を作ることができる。このキャラクタは課金コンテンツとしてさまざまなアクセサリーや服装を追加することができ、より個性的なキャラクタにすることができる。
「WEB GAME」はさまざまなミニゲームを無料で楽しめるコンテンツ。麻雀ゲーム「ネクポン」、カードゲーム「大富豪」、「オセロ」、「セブンブリッジ」、「ばばぬき」など、前部で12のカジュアルゲームが用意されている。来場者同士の対戦が楽しめ、自分のキャラクタとしてアバターを表示させてアピールすることもできる。もちろん、「テイルズウィーバー」や「メイプルストーリー」など、現在もサービスしているネクソンのゲームの情報を得ることも可能だ。
さらに、「NEXONメール」や「NEXONメッセンジャー」といった独自ツールを使用可能で、メッセンジャーから対戦ゲームを直接起動できたりする事もできるという。さらに、情報コンテンツとして、占いの他、ニュース配信や、天気予報のストリーミング配信も予定しているという。
このサイトが目指しているのは、「コミュニティの充実」である。ゲームのコアなファンが情報集めるために集う場所だけではなく、雑談を楽しむサイトとしてのアイデアを盛り込んでいる。ミニゲームやアバターシステム、メッセンジャーなどはそう言ったコミュニケーションのための「ツール」なのである。多くの人々へ、門戸を開いたサイトと言えるだろう。
■プレーヤーが作曲をし、ゲーム内で音楽会をする事も!
「マビノギ」2004年下半期にはβテストを開始
エンターテイメントサイト開設の情報と共に、発表された新作MMORPGが、本誌でも何度か扱っている「マビノギ」である。韓国では6月22日より正式サービスを開始、会員数210万名、正式サービス開始一週間で同時接続25,000名を達成、といった大きな人気を博している。特に正式サービス開始と同時にユーザー数が200%になるという“快挙”は、韓国オンラインゲーム初だという。本作の人気の秘密は、ハードコアユーザーと、ライトユーザー双方を呼び込む懐の深さとのことだ。
会場で流されたムービーでは、かわいらしいキャラクタがギターを取り出し、演奏を始めると、それに併せて他のキャラクタが一緒に演奏を始める。これは、ゲーム内でプレーヤーが作曲した曲を、みんなで一緒に「合奏」している姿だという。
その曲に合わせて流れる映像は、どうやら「生産」画面らしい。キャラクタ達は、羊の毛を刈り取り、畑から収穫し、鉱山につるはしを打ち込む。材料を得たキャラクターはそれを高々と掲げ、とてもうれしそうなアクションをする。アクションだけではなく、キャラクタの表情も満面の笑みを浮かべている。
本作は世界を独自の3Dグラフィックエンジンで描画、ケルト神話を題材にした魔法的な世界を、暖かみのあるかわいらしいデザインで表現している。キャラクタの表情が多彩に変化するのは本作の大きなセールスポイントで、感動に目を潤ませたり、泣き顔、マジメな緊張した顔など、“マンガ”的な表情を浮かべさせることができる。用意されている服装はファンタジー路線だけではなく、現代的なものも取り入れられているという。
たき火を囲んで、炎に照らされながら談笑したり、丘の上から眼下の街を眺めたりと、牧歌的な場面を演出することも可能で、キャラクタの成長も、戦闘だけではなく、本を読んだりすることでも成長できるという。「生活することの楽しさ」にかなりのエネルギーが込められた作品なのだ。
もちろん、生活だけのゲームではない、ストーリーの展開はシングルRPG的な手法を使い、ムービーシーンや、込み入ったキャラクタによる人間模様など、「冒険する」楽しさも提供、さらに戦闘では、対人戦を楽しむようなハードコアユーザーも納得できる駆け引き要素や、リアルタイムなアクション性も盛り込まれている。多くのユーザーのニーズを満たすことを目指したゲームデザインが、人気の秘密だという。
プレーヤーはのんびりとした生活も、音楽や多彩なキャラクタの表現でパフォーマンスを追求することも、戦闘に明け暮れることもできる。「自由度」というのが本作のキーワードなのである。
現在、韓国では“First Generation 女神光臨編”というシナリオが展開中。これが完結した時点で、日本でサービスを開始するとのこと。このバージョンでは、シナリオと生活や戦闘の他、ウェブと連動したギルドや、メッセンジャー、ランダム生成ダンジョンなどが楽しめる。日本でのβテストは2004年下半期とのことだ。
次のアップデートは、“Second Generation 聖騎士編”と名前が決まっており、新しいストーリーの他、ペットシステムが導入される予定だという。
■アバターシステムを取り入れた、
多人数対戦型オンラインアクションゲーム「BnB」
「BnB(ビーエヌビー)」は、水風船で相手プレーヤーを倒す多人数対戦型オンラインアクションゲーム。ネクソンジャパンと、ハドソンの提携によるタイトルで、ゲームデザインとしては「ボンバーマン」に非常に近い。だからこその提携なのだろうが、日本では今回の提携で「ボンバーマン」ファミリーのひとつに加えられることになった。韓国では35万人、中国では65万人という最大同時接続者数を記録、高い人気を誇っている。
プレーヤーは、1人、またはチームを組んで対戦を行なう。水風船は設置をするとしばらくしてから破裂する。その爆風に敵プレーヤーを巻き込めば勝ちだ。多彩なアイテムが戦略性を変化させ、さらに仲間を助けることができるチームプレイ要素が、緊張感と楽しさを倍加させてくれる。
さらに本作を楽しくさせるのがアバター要素。本作はプレイそのものは無料だが、課金することでさまざまなアイテムを購入、キャラクタをカスタマイズできる。特徴的なキャラクタになれるほか、水風船を連射できるようになるなど、強力なキャラクタにすることもできる。足りないテクニックをアイテムでカバーといった戦い方も可能なのだ。
オープンβテストは8月開始を予定。ユニークなオリジナル要素を詰め込むことで、ゲームの感触がどのように変化するか期待したい。
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※画面は韓国で運用されているものです。
□ネクソンジャパンのホームページ
http://www.nexon.co.jp/
□ゲームポータルサイト“NEXON”
http://gameweb.nexon.co.jp/notice/index.html
□「マビノギ」の公式ページ
http://www.mabinogi.com/jpn/default.html
□関連情報
【2003年10月7日】「マビノギ」開発者インタビュー
これまでにない要素を多数盛り込んだフリースタイルMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031007/nexon_02.htm
【2003年9月27日】ブースレポート~ネクソンジャパン編~
ポスト「ラグナロク」を狙ったフリースタイルMMORPG「マビノギ」を初公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030927/tgs_nex.htm
【2002年12月13日】オンラインゲーム満載のNEXONブースレポート
カートゥーン採用の新感覚MMORPG「Mabinogi」ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030912/tales.htm
(2004年7月29日)
[Reported by 勝田哲也]
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