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ガンホー「ラグナロクオンライン」制作プロデューサー廣瀬高志氏特別インタビュー
ニブルヘイム、転生システムなど気になる新要素を聞く

7月19日収録

会場:Gravity本社

 6月27日に開催されたガンホー主催のファンイベント「ラグナロクオンライン ドリームスタジアム(ラグスタ)」では、現在日本で展開中の「ラグナロクオンライン Episode4.0」の次期アップデート内容が公開された。当初の予定では、メインステージで発表を行なった「ラグナロクオンライン」制作プロデューサー廣瀬高志氏とのインタビューも予定されていたのだが、RWC日本予選でクライアントにトラブルが発生した関係で急遽取りやめになった。

 そこで今回、RWCで選手サポートのために同行していた廣瀬氏に、RWC期間中に無理を言ってインタビューをお願いした。廣瀬氏はガンホー設立直後にGM一期生として入社した古株のひとりで、入社前はバリバリのコアゲーマーだったという。中でも「Counter-Strike」はかなりの腕前だということで、今でも仕事が煮詰まってくると気晴らしに「Counter-Strike」をプレイしているという。インタビュー内容については「ラグスタ」で発表された内容を中心に聞いてみたので、ラグナファンは今後の参考にしていただきたい。


■ ニブルヘイムはレベル80推奨の高難易度エリア

編集部 それではまずラグスタで公開された新エリア「ニブルヘイム」について教えてください。

ガンホー廣瀬高志氏 ニブルヘイムというのは正確には街の名前で、読んで字のごとく死者の街です。ウンバラにたどり着いた冒険者たちが新たな目的地として見つけたのですが、誰一人戻ってこない。ルーン・ミッドガッツ王国の国王も兵を投入しましたが、同じように帰ってこない。そこで一般の冒険者たちが行くということになったわけです。

 死者の街というと恐ろしく強い敵がうようよいるようなイメージですが、具体的に対象レベルはどれぐらいなのでしょうか?

廣瀬氏 それは階層にもよりますし、経路にも寄るんですが、これは私の体感ですけれども、ひとりでいくとして入り口付近ならならレベル60ぐらいあればなんとかなるのではないかと思います。

 意外と間口は広いですね

廣瀬氏 ですが、メインフィールドとなるニブルヘイムの街に行こうとすると、対象レベルはグンと高くなります。私もその手前で死んでしまったのですが、最低でもレベル80は必要になるでしょう。パーティーでもレベル70ぐらいはないときついでしょうね。

 ニブルヘイムは街というにはあまりに特異な風景ですが

廣瀬氏 街なんですが、ニブルヘイムはちょっと特殊な扱いになっていて、街の中にモンスターが出没します。

 モンスターが出るけど、店に行けばアイテムは買えるわけですか?

廣瀬氏 買えます。ただし、扱っているアイテムもちょっと特殊です。死者の街ですから生きている人間はいないわけです。通常の街だと生きている商人がアイテムを販売しますが、ニブルヘイムではそのあたりにちょっと仕掛けがしてあります。その辺は実際に行ってみて確かめてほしいですね。

 ニブルヘイムは扱いとしては街ということですが、ワープポータルの扱いはどうなるのですか。一度行けば直接飛べるのですか?

廣瀬氏 そこの仕様は正確に把握してませんが、ダンジョン扱い、つまりメモは使用できないと思います。現在、ローカライズ作業中なので、細かい仕様についてはまだ私も把握していない部分が多いです。

 ニブルヘイムを統べるボスキャラクタとしてロード・オブ・デスの存在がありますが、やはり強いのでしょうか

廣瀬氏 これまでで一番強いモンスターになると思います。

 そもそもウンバラに足を踏み入れる理由がお宝目当て的な側面もあるわけですが、ニブルヘイムのドロップはどんな感じなのでしょうか?

廣瀬氏 モンスターのデザインに対応したものがドロップされます。アイテムに関してはほとんど新規、新頭装備の材料になるものなど貴重なアイテムも多いです。アイテム目当てでニブルヘイムに足を踏み入れるユーザーさんは多いでしょう。

 実装時期はラグスタの発表のままなのでしょうか

廣瀬氏 そうですね、予定通り、夏実装の目処が立ってきたところです。ご期待ください。

 中国のグローバルマップ「洛陽」(編注:韓国ではすでに「龍之城」と名称変更)についてはいかがですか?

廣瀬氏 テストサーバーで数回見ただけですが、日本のアマツは日本の風景が広がっていたように、「洛陽」も三国志時代の中国のような、広い荒野があって、だだっ広いお城があって、万里の長城のような高い塀が延々と続くような場所です。

 全体の規模としてはアマツと同程度と考えていいのでしょうか?

廣瀬氏 フィールドが1、街が1、そしてダンジョンが3階層ぐらい。だいたい同程度と考えていいと思います。ただ、洛陽の街は驚くほど広いです。歩くのが大変なぐらい。

 対象レベルはどのぐらいでしょうか?

廣瀬氏 階層にもよりますが、レベル40以上というところでしょうか。


■ 転生システム導入後はギルド攻城戦の勢力図が大変貌を遂げる!?

 日本でも転生システムが遂に発表されましたが、ガンホーとしてはどのように捉えていますか?

廣瀬氏 2種類の考え方があると思います。レベル99に上げるのは無理だから関係ないやというのと、レベル99のユーザーさんにとっては新たな目標が示されることになります。今回、RWCに参加したギルドメンバーも仰ってたのですが、特に321Colorsさんは全員レベル99なんですね。彼らに言わせれば正直やることがないと(笑)。

 転生システムの先には上位2次職がありますが、このためにレベル99を目指すユーザーさんも多そうですね。

廣瀬氏 転生システムをクリアすると転生前に就いていた2次職の上位クラスに転職することができます。

 たとえば、ナイトだったら、転生後に転職するとロードナイトになるということですね。

廣瀬氏 そうです。2度目に2次職に就くと、グラフィックスが新しくなり、さらに新しいスキルを覚えられます。

 たとえば、転生前にセージに就いた状態で、転生後にナイトを選択すると普通のナイトになってしまうわけですか?

廣瀬氏 そうです。というのは、レベル上げに有利な職業というのが存在するので、転職を自由にしてしまうと特定のジョブに固まってしまうおそれがあるからです。

 廣瀬さん自身はこの転生システムをどのように評価していますか?

廣瀬氏 う~ん、悪く言うと少しハードルが高すぎるかなと。ですが、実際にレベル99のユーザーさんも数多くいますので、そうしたユーザーにとっては大いに励みになるシステムなのでその点は大きく評価しています。

 どうでもいい話ですが、転生システムが実装されたあとはしばらくギルド攻城戦の勢力図がガラリと変わりそうですね。

廣瀬氏 レベル99の2次職のキャラクタが、レベル1のノービスになるわけですから、そういう側面は否定できないと思います。まあギルドによっては、レベル99のままで城を確保し続けるところもあるでしょうが、将来的なことを考えると、同レベルであれば上位2次職のほうが明らかに有利なので、一般論としてはレベル99のユーザーさんのほとんどは転生システムを利用されるのではないでしょうか。

 韓国でレベル99で転生システムを利用したユーザーさんに話を聞いたことがあるのですが、思ったよりもレベルが上がるのが遅く、転生して失敗したと言ってました(笑)。でも日本ですでにレベル99に達しているユーザーさんなら、それほど苦もなくレベルを上げられるでしょうし、逆にそれぐらいのほうが歯ごたえがあると感じられるのではないでしょうか。

 ひとつ気になるのは、転生後も同じ狩り場で再び同じ敵を倒すのかというところです。転生してますが、中身は同じわけで、同じ事を2度やるというのは不自然ではないですか?

廣瀬氏 う~ん、現状見ていると、転生キャラクタ専用のマップなどは実装されないようですし、同じ狩り場でやることになると思います。ただ、私などもそうですが、いったんキャラクタのレベルをある程度まで上げて、別のキャラなどで再びレベル上げをしているというユーザーさんも多いです。レベル99まで育てているユーザーさんは複数のキャラクタを使っていることが多いですから、それほど抵抗感はないと思いますよ。


■ BOT問題はGravity協力のもと対応を加速化

 話は変わりますが、今更な感はありますけれども、BOTに対するガンホーとしてのスタンスを今一度教えて頂きたいのですが。

廣瀬氏 ガンホーとしては、BOTをはじめとした不正行為は認めない、許さないという方針で動いております。地域によってはBOTの存在について、あまり気にしないところもあるのですが、日本でははっきり認めないというスタンスです。

 BOTに対しては、我々としてもその対策に注力しておりまして、先週の火曜日(13日)の定期メンテナンスで、新たなBOT対策を施したのですが、破られてしまった。そこでGravityに連絡して早急に対策を施してもらいました。Gravityのスタッフが弊社に常駐してくれるようになったので、対応スピードはかなり速くなりました。

 BOTの問題は、「ラグナロクオンライン」における最大のウィークポイントだと思いますが、個人的にはもっとも問題なのは、国によっては、BOTを容認、あるいは黙認するという動きが存在するということではないかと思うのですが?

廣瀬氏 それはパブリッシャー間の話になるので、たとえばガンホーがBOTに関して、各国のパブリッシャーに対して何らかの直接的な働きかけを行なうということはできません。我々として言えるのは、BOTは無くすべきであり、真剣に取り組んでほしいということです。

 RWCを見てもわかるように、今や「ラグナロクオンライン」は、真の意味でワールドワイド規模のMMORPGになったわけですが、同じクライアントプログラムを用いている以上、他国の不正行為による脅威は、ガンホーにとっても脅威なのではないですか?

廣瀬氏 結局、サービスは国単位で行なっていますし、ユーザーさんは複数の国にまたがってプレイされているわけではありません。もちろん、担当者レベルでは情報交換を行なっていますので、他国の不正行為を知りながら、うちが対策を怠るということはありえません。

 Gravityさんも最近は本腰を入れてBOT対策に乗り出してきています。もともと韓国は全ユーザーが国民番号で管理されており、完全に身元が割れた状態でプレイしていますから不正行為を行なうユーザーさんは少ないんです。逆に言うとだからこそ対策が遅れてしまった部分もあるのですが、現在では完全に日本の状況を理解して頂いた上で対策して頂ける環境が整ったので、今後は目に見えて成果が出てくると思います。

 それでは最後の質問になりますが、「ラグナロクオンライン」プロデューサーとして廣瀬さんにお話しをお伺いするのは今回が初めてになりますが、今後の豊富についてお聞かせください。

廣瀬氏 もともと私はGMチームにいたのですが、今回制作に携わることになって、ゲームに直に触れられるようになりましたので、今後は私が思い描いているプランを、マーケティングなどと絡めつつ、ユーザーさんを捉えて放さないような施策を練っていきたいと考えております。

 これはバージョンアップもそうですし、GMイベント、もちろんBOT対策も含まれます。今後とも魅力あるコンテンツとしてのクオリティを維持し続ける努力を重ねていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

(C) 2004 Gravity Corp. & Lee Myoungjin (studio DTDS), All Rights Reserved.

□ガンホー・オンライン・エンターテインメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「ラグナロクオンライン」のページ
http://www.ragnarokonline.jp/
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(2004年7月20日)

[Reported by 中村聖司]


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