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タイトー、PS2「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」
「第2回 最強運転士決定戦」開催。向谷実氏ミニインタビューも掲載

3月7日 開催

会場:神奈川県 宮崎台駅 「電車とバスの博物館」

「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」の制作を担当したおなじみ、向谷実氏。手にしているのは5月31日発売予定の「九州新幹線」のパッケージ
 株式会社タイトーは7日、東急田園都市線の宮崎台駅に隣接する「電車とバスの博物館」のイベント館において、同社が2003年12月に発売したプレイステーション 2用ソフト「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」を使用したゲーム大会「第2回 最強運転士決定戦」を開催した。

 「最強運転士決定戦」は、PS2「電車でGO! プロフェッショナル2」の発売を記念して2003年2月に開催されて以来、約1年ぶりに第2回が開催されることとなった。会場となった「電車とバスの博物館」には予選エントリーに150名が集まる盛況ぶり。単にゲーム大会が開催されるだけでなく、現役運転士によるデモプレイ、さらには春に発売される予定の「電車でGO! FINAL」、そして株式会社音楽館により制作が進められている「Train Simulator」シリーズ最新作「九州新幹線 (販売:ジェイアール九州商事株式会社)」の紹介も行なわれるなど、盛りだくさんな内容となった。

 イベントは、まず最初に現役運転士による「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」のデモプレイからスタート。難しいと言われている同作だが、現役のプロの目にはどう映るのか、さらには毎日運転している運転士がシミュレータでどれほどの成績を取れるのかなど注目を集めた。デモプレイを行なったのは東京急行の大川氏、黒沢氏、土屋氏の3名。土屋氏は同作において音声収録に参加するなど関わり合いも深いが、大川氏、黒沢氏はプレイするのがこれが初めて。いくら現役運転士であっても初めてのシミュレータの運転……さらには数多くの目の肥えたファンに囲まれてのプレイはかなりのプレッシャーだったことだろう。

 各人とも通常運転時同様、「出発進行!」など声を出してのプレイに盛り上がった。特に土屋氏はゲームで流れる音声を“生”で聞けるとあって会場は大きな興奮に包まれた。向谷氏は「我々が運転士さんの本当の声を使う気持ちがわかるでしょ?」と問いかけていた。黒沢氏は定位置に止めた後「止まるのかどうかドキドキするところがよくできている(笑)」とコメント。黒沢氏のプレイ時の各種解説に来場者からは「乗客のことに気を遣って運転しているんですね」との感心する声があがっていた。

 さらに、向谷氏の「このゲーム、皆さん苦労していると言うことですけど、本当の運転も難しいんですよね」との問いかけに、土屋氏は「そうですね。電車の運転を極めるのも大変だが、このゲームを極めるのも大変だ」とコメント。ソフトの細かい出来については「信号の出来はソックリ。メーカー絶賛です。それに2000系の起動がソックリで感心する」と語り、向谷氏を喜ばせていた。

 また、途中行なわれた「電車でGO! FINAL」の商品説明では、「今回『FINAL』となっているが、これはグラフィックスなどプレイステーション 2ではやり尽くしたと言うところからきています。収録路線は山手線、大阪環状線、東海道線、中央線のたったの4路線だが、それぞれ上下線、内回り外回りなど遊ぶことができる」と語った。システムについては、「電車のシミュレータと思われがちだが、今回はゲームにこだわった」とし、ゲームをクリアすることで得られる“クレジット”で路線を買っていくといったシステムの説明もされた。このほかにも定通などを続けると“チェイン”と呼ばれるコンボ状態となり得られるクレジットが増加するといったシステムも予定されている。成田エクスプレス、あずさなどの使用が可能になるといった説明の度に大きな歓声が上がり、アウタービューの導入も大きな拍手をもって迎えられていた。


 向谷氏に今回のイベント、そして「Train Simulator 九州新幹線」などについて伺った。

編集部 今回のイベントはいかがですか?

向谷実氏 こんなに来てもらえるとは思わなくて。せいぜい50人から60人くらいだろうと思っていて、それに合わせた会場を考えたんですが、溢れてしまって時間もかなりかかってしまった。最終的にはエントリーに150名くらいでさらにお父さんやお母さんも来ているので大変なことになってしまいました。

編集部 ファンの方の反応はいかがですか?

向谷実氏 そうですね。最初に現役運転士の方にプレイしてもらって、まず僕らが伝えたかったことは、このソフトは東京急行電鉄の現役の運転士さんの協力でできているということ。このゲームにおいて、我々が演出していると思われているかもしれないけど、実は事実に限りなく近づけて制作しているんだということを、コアなユーザーさんに見せて納得して欲しかった。

 というのは、「Train Simulator」をよりリアルにしていくと、それに伴ってどうしても難易度が高くなっていく傾向があって、難易度という問題が我々がプログラム上で無茶なことやっていると思われることが一番残念なことなので、現場の運転士さん達の意見が反映されていると言うことに、運転士さんのプレイと解説で知って欲しい。今日も運転士さんに『よくできているね』と言ってもらったことが、我々にとっても非常に嬉しかったことだったですね。

 「最強運転士決定戦」という場で、ただ単にゲームの腕前を披露するというだけでなく、「Train Simulator」がどういったいとで作られているのかを知って欲しかったし、それは達成できたと思う。

編集部 次回作は「Train Simulator 九州新幹線」ですが、タイムリーなところもあるかと思いますが、なぜ「九州新幹線」なのでしょう

向谷実氏 それは、九州新幹線を盛り上げようというひとつの動きの中に、ジェイアール九州さんから「Train Simulator」に興味を持っていただいたというのがあるんです。もちろんこちらからも接触したんですが、先方が非常に乗り気で『やりましょう』という話になったんです。それと開業が部分的だというところがあって、お客さまに周知する手段のひとつとして、我々のソフトを活用していただくことが非常に嬉しいことだと思う。2003年に発売した「Train Simulator 御堂筋線」と同じ様な方法で、鉄道会社とコラボレーションとして発売することになりました。そのかわり、開業前に作っているので色々なこともできるし、普通ではできないような濃く作り込もうと言うことになっています。

編集部 開業してから撮影など行なうのかと思っていたのですが、すでに映像素材なども撮影済みなんですね。

向谷実氏 そう。だから開業前なので、駅なんてまだあんまりできてなかったりするんだよね。最初は開業日に間に合わせてくれと言われたんですが、それは無理ということで、現在は5月31日を予定しています。今回DVDが片面2層なのでスケジュールが早くて厳しいのですが……。

編集部 今回のこだわりはいかがですか?

向谷実氏 やっぱり新幹線の運動性能、加速減速……とくに加速性能がスゴイですね。それと勾配やトンネルの空気抵抗ですね。新幹線は走らせれば楽に走っているように思えますが、トンネルでは空気抵抗がすごくて減速してしまうんです。九州新幹線はトンネルが多いので大変ですね。あと260kmくらいで走るので、色々な保安装置が付いているんです。デジタルATCとか、そのパターンに当たったときどうするのか、その辺のシミュレーションですね。これはかなりうまくいったんじゃないかと思います。

 あと787系のつばめは廃止になる区間が入っています。ここは単線区間で大変なんですよ、信号も多いし制限速度が大変ですよ。でも右側に八代海という綺麗な海が広がるところが結構続くので、映像的にはイイですよね。

編集部 廃線区間は残したいところですよね。

向谷実氏 そうなんですけど、難しいんですよね。早く知らないとできないので。最後になってくると人が多くなってきますから、絵的に矛盾しちゃいますしね。

編集部 今回、初めて新幹線を扱いますが、改めて驚かれたことはありますか?

向谷実氏 やっぱり (新幹線は) 速度が速いから驚きますね。それと今回の映像はプログレッシブ方式で撮影していて、1枚1枚完全な静止画が取れるようになっているので今回映像がスゴイ綺麗なんですよ。あと在来線では女性運転士さんがいて、そういったところでしょうか。

編集部 最後に、タイトーさんの「電車でGO! FINAL」も春に発売されますが、先ほどの説明を聞いていかがですか?

向谷実氏 いや、全然わからないのですが、説明で今回初めてJASRAC表記がされていて、高田馬場の音などがキチンとはいっていると言うことで、そこらへんは嬉しいですね。ゲームで音って重要だと思うんです、そういった意味でもね。

編集部 ありがとうございました。


 ちなみに大会では「電車でGO! FINAL」の発売を記念した第3回大会が開催される予定であることが明らかとなった。今回参加した人はもちろん、鉄道ファンは大会に参加を考えてみてはいかがだろうか。

大会開催前に行なわれたイベントでは、現役の運転士である大川氏、黒沢氏、土屋氏の3名によるデモが行なわれた。さすが現役運転士といった絶妙なプレイを披露 大川氏と黒沢氏は今回がなんと初プレイ! 大川氏は少し手こずったが、黒沢氏は多くのギャラリーを前に無難なプレイをこなした 「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」で、音声収録に立ち会ったのはこの土屋氏。かけ声をかけながらのデモプレイに観客から大きな拍手がわき上がった
タイトーから春に発売される予定の「電車でGO! FINAL」のデモ版を公開。さらにデモプレイも公開した。ゲームを紹介するコーナーでは、現在制作中のジャケットを電撃公開。凝っている…… 向谷実氏は5月30日発売予定の「Train Simulator 九州新幹線」を本邦初披露。今回もコアなネタ満載で解説を行なった
約150名のエントリーがあった「第2回 最強運転士決定戦」。神奈川県 宮崎台駅に隣接する 「電車とバスの博物館」のイベント館は選手とギャラリーでギッシリと埋まった


(c)音楽館
(c)TAITO CORP.1996

□タイトーのホームページ
http://www.taito.co.jp/
□イベント告知ページ
http://www.taito.co.jp/d3/news/
□音楽館のホームページ
http://www.ongakukan.co.jp/
□「Train Simulator+電車でGO! 東京急行編」のページ
http://www.ongakukan.co.jp/tokyu/
□関連情報
【2003年2月10日】熱い戦いに多くの人が盛り上がった
タイトー「電車でGO! プロフェッショナル2」発売記念最強運転士決定戦
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030210/taito.htm

(2004年3月8日)

[Reported by 船津稔]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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