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★PS2ゲームレビュー★

USBカメラを使用し、被写体をゲーム画面にうつり込ませてプレイ!
「EyeToy:Play」



 2月11日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンから、プレイステーション 2用「EyeToy:Play(“PlayStation2”専用EyeToy(USBカメラ同梱)」が発売となった。

 「EyeToy:Play」はソニー・コンピュータエンタテインメントヨーロッパ(SCEE)が開発したタイトル。コントローラ操作ではなく、ソフトに同梱されているUSBカメラの前で体を動かすことで、光学的にプレーヤーの動きを認識してゲームを操作する仕組み。カメラで取り込まれたプレーヤーの映像がゲームの中に入り込むという、画期的かつライヴ感にあふれるタイトルである。

 それでは早速、「EyeToy:Play」のインプレッションを設置編と実践編に分けてレポートしていこう。


■ 「EyeToy:Play」設置編――光量の格差やカメラとの距離は「オプション」でカバー

これがパッケージの中身。カメラはスモールサイズなので、友人の家に持っていくのも簡単
 「EyeToy:Play」は、ソフト1本とカメラ1台というシンプルなパッケージ構成。USBカメラ本体は、とても軽くてコンパクト。コードは2m以上あるので、TVの上や下など設置場所を探すには困らないはずだ。

 レンズ枠が一眼レフカメラのようなマニュアルフォーカスダイヤルになっているので、映像のピントが合わないときはダイヤルを回してピントを調節する。

実際のプレイ中の映像。低価格ゆえか、立体感のある表現や階調の再現性などはイマイチ
 実際に取り込まれた映像の感想だが、さすがにシャープで解像度の高い映像とまではいかないが、解像度はまずまずといった具合。取り込まれた映像は劣化しているものの、プレーヤーの表情や動きはもちろん、部屋の背景まで視認できる。動画の安定性は高く、コマ落ちしてカクカクした感じがほとんどないのには驚きだ。ゲーム用カメラと考えれば「1m~2m範囲内にいる人物の動作がしっかり認識できるか」というポイントに関しては十分にクリアーしていると思う。

 「EyeToy:Play」のカメラの感度、つまりプレイ中の操作性を向上させる条件は、光量とカメラとの距離。光量に関しては、室内が明るすぎても暗すぎても感度のバランスが崩れる。以前、渋谷のゲームセンターに「EyeToy:Play」の試遊台が設置されていたが、照明の影響からか、ボタンが勝手に選択されてしまっていた。製品版を深夜に遊んだときも、照明の影響かと思われるが、「勝手にボタンが選択されてしまいがち」という現象が起こった。

 光量の問題は、オプションのカメラ設定で調整が可能。「感度設定」で低感度~高感度の変更、そして部屋の状況に合わせて「部屋が暗いとき」、「部屋が明るいとき」をそれぞれ選ぶと自動的に補正が行なわれ、プレーヤーの動きをカメラが拾いやすくなる。筆者の場合、終電後にプレイするときは必ず「部屋が暗いとき」に設定。これで快適に操作できるようになった。

人型の枠はスタート画面だけでなく、各ゲームのタイトル画面にも表示される
 次にカメラとプレーヤーの距離だが、テレビから1.5~2m離れて立つのが推奨の間合い。スタート画面の人型の枠にプレーヤーの体がきっちりおさまることが快適操作の条件なので、プレーヤーの立ち位置やカメラ位置をしっかり調整する必要がある。

 以上で、設置編は終了。USBコネクタによるカメラの接続や設置は、難しい操作を必要としない。すぐに仲間や家族とワイワイとパーティーゲームを楽しめるだろう。パッケージを開けてから数分で設置を終え、ゲームをスタートできるはず。ただし、シングルプレイでハイスコアを狙うといった状況でシビアな判定を求めるなら、各種設定に手間を取られる可能性は大だ。


■ 「EyeToy:Play」実践編――画面内を“触れる”感覚は確かにある!

 次はいよいよ「EyeToy:Play」のコンテンツをプレイ。まずは、プロフィールの作成からスタート。プロフィールでは、プレーヤーの名前(アルファベットと数字による3文字)と顔写真の撮影が可能。プロフィールの保存にメモリーカードの空き容量が140KB以上必要。パーティーゲームにしては容量が大きいため、あらかじめ領域を確保しておいたほうがいいだろう。

 ここで「EyeToy:Play」ならではの機能が「楽しい顔」、「悲しい顔」、「おもしろい顔」といった顔写真の撮影。これらをプロフィールで撮影・保存しておくと、ゲーム中に自分の顔写真が使用される。一例を挙げると、「ボクシング・チャンプ」のスタミナゲージの横に表示される自分の顔写真だ。自分が優勢の時は「楽しい顔」が表示され、ボクシングロボットの猛攻を受けてスタミナが減少すると「悲しい顔」に変化する。こうした細かい部分の遊び心が、いかにも海外開発らしくて面白い。

まるで2D対戦格闘ゲームのように、用意した顔パターンが変化する。このような試みは「EyeToy:Play」ならでは。思い切りよくハジけたプロフィール画像を撮影していただきたい


 ゲームをスタートするまでの流れは、まずプレーヤーの数を決定する「シングルプレイ」、「マルチプレイ」の選択。その後プロフィール(プロフィール無しでもプレイ可能)とゲームの難易度を「かんたん」、「ふつう」、「むずかしい」からチョイス。最後に12種類の中から遊ぶゲームを決定する。

 ゲームの性質はそれぞれ異なるが、実際に遊んでみてわかったことは、どのゲームも“画面内を触っている”というバーチャル感覚がしっかりあるということ。「まどふき天国」なら全身で汚れを拭き取っているという感じが、「カンフー」なら敵キャラを徒手空拳で弾き飛ばしている感覚がダイレクトに実感できる。錯覚というか、脳が見事にだまされてしまっている感じ。自分の取り込み画像がモニター内にいるのだから当然といえば当然なのだが、「EyeToy:Play」は、ゲームとの一体感という点で、他のゲームより抜きん出ているタイトルだ。それでは、各ゲームを簡単に説明していこう。

【カンフー】【ビートフリーク】【まどふき天国】
建物などから現れる敵を倒すゲーム。敵キャラの表示された場所に手を軽くかざすだけでいいのだが、 表情やアクションをそれらしくキメてプレイするのがベスト 中央から四隅に飛んでいくディスクをリズムに合わせて叩くゲーム。リズムアクションではあるのだが、なぜかリズムに合わせるとパーフェクトが取りづらく、画面を良く見てタイミングを調整したい。曲数が3曲しかないのは残念 窓についた泡と汚れをきれいにするゲーム。95%以上きれいにすると次の窓に進む。ひとりでやっても何ら問題はないが、ふたり以上でやるのがベストのような気がする

【ヘディング・キング】【ボクシング・チャンプ】【空とぶUFO】
ボールを触って落とさないようにするゲーム。手を使ってもかまわないが、ヘディングでプレイすると没入感が高まるのは言うまでもない ビッグロボ・ブラザーとボクシングをするゲーム。プレーヤーとロボは真横から見た画面で対戦するので、取り込み画像は横向きなのだが当然カメラ目線になる。プレーヤーのガード動作はないので(スタミナ回復はあり)とにかく連打で押したい 発射台から出てくるUFO上で手を振って推進を補助し、真上まで打ち上げるゲーム。UFOを回しすぎる(手を振りすぎる)とUFOは爆発してしまうので、その加減が難しい

【いたずらねずみ】【皿まわし】【ブギーダンス】
4カ所から出てくるねずみに触れて退治するゲーム。ようはもぐら叩きで、ダミーも混ざっているため反射神経が問われる内容になっている 4枚の皿の場所で手を振ることで皿の回るスピードを加速させ、時間まで皿を落とさないようにするゲーム。スピードの乗せかたが難しくやることが多いので上級者向け 画面の中央で踊っている女性キャラの指したランプの場所を覚え、正確に再現する、記憶力とリズム感が問われるゲーム。ゲーム性には関係ないが、これもBGMが3曲しかない

【ゴーストキャッチ】【クルクルミラー】【ロケット花火】
墓場から出てくるオバケの上で手を振って退治するゲーム。飛来するコウモリなどを連続で撃ち落すと、得点が連続して入るのでなかなかスカっとする 女の子が入った緑色のボールに触れるゲーム。一見簡単そうだが、画面の上下左右が反転している場合は入力方法も逆になる。少しづつ手を動かすのがコツだ 打ちあがった花火にさわってロックオンした後、左右にある起爆スイッチに触れて爆発させるゲーム。同じ色の花火を一度に爆発させるとボーナス点が入るなど、なかなかテクニカルな内容


 体を動かすゲームのお約束だが、やり終えた後は運動不足気味の体がいい感じで筋肉痛になる。それだけ運動量はハードだ。特に「ビートフリーク」は曲自体が長く休憩がないので「も、もう勘弁してください!」と言わんばかりのボリュームがある。


■ 可能性は無限大――シングルで遊び込めるゲームの続編を!

保存された映像にもコマ落ちは見られない。メモリーカードの空き容量は、10秒のメッセージで1,619KB以上、60秒で7,988KB以上が必要だ
 その他の機能では、「ビデオメッセージ」機能がある。これは10~60秒内の映像メッセージ(音声付)が記録・再生できるという機能だ。マイクはカメラに付いているのだが、集音性はまずまず。ノイズは入るが、再生される映像と音声は普通に判別できる。

 近未来SF映画などで、空間に浮かび上がったPCのメニューを両手で触れて操作するというシーンがあるが、「EyeToy:Play」の印象はまさにそんな未来的な感じ。体を動かす、ただそれだけなのだが、画面との予想外のシンクロ感に思わず熱中してしまうこと受けあいだ。

 今回収録されているゲームは「パーティー」系が多いため、キャッチーでマイルドなゲームが大半。これ以降のシリーズが発売されるとすれば、やはりシングルプレイでも歯ごたえのあるゲームが欲しい。リズムアクションなら日本語歌詞の曲を増やす、格闘なら日本人受けしそうなキャラクタを登場させるなど、マイナーチェンジでもいいからコンテンツの継続的なリリースを望みたいところだ。

 なお、全国のトイザラスやイトーヨーカドーなどで「アイトーイ体験イベント」が開催されている。日程と開催場所は「EyeToy:Play」のページで確認できる。ぜひ一度、「EyeToy:Play」独特の新しい操作感覚に触れてほしい。



(c)2003 Sony Computer Entertainment Europe.
“EyeToy” is a trademark of Sony Computer Entertainment Europe in Japan and covers the specification of goods for video game software.

□プレイステーションのホームページ
http://www.playstation.jp/
□製品情報
http://www.playstation.jp/scej/title/eyetoy/
□関連情報
【2月10日】KONISHIKIさんをはじめたくさんの芸能人が来場。「EyeToy:Play」発売記念パーティ開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040210/scej.htm

(2004年2月19日)

[Reported by 福田柵太郎]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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