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★GCゲームレビュー★
株式会社セガが世に送り出した名作「ファンタシースター」の世界観を継承するオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン(以下、PSO)」がトレーティングカードゲーム(以下、TCG)の要素を加えて、新たな機軸として発売されたのが「PSO エピソード3 カードレボリューション(以下、PSO3)」だ。
本作は「PSO1&2」の設定や世界観をそのままに、戦闘シーンがアクションではなく「TCG」の要素が加わったものとなっている。とはいえ、世界観は「PSO」そのままなので、旧作からのファンの方でも違和感なく遊ぶことができるだろう。
■ TCGとしての完成度は高い 先にお断りしておくことがある。「旧作からのファンの方でも違和感なく遊べる」と切り出してみたものの、筆者自体は、「PSO」に関しては友人がプレイしているところを眺めていたり、どんなゲームなのか話を聞いたことがあるだけにすぎない。 しかし、筆者は生粋の「TCG」マニアであり、「マジック・ザ・ギャザリング」や「カルドセプト」、最近では「アヴァロンの鍵」をこよなく愛するゲームファンの1人である。そこで本稿は「PSO1&2」との比較はせず、「TCG」経験者が感じた“PSOの世界観と「TCG」の要素が生み出す魅力”をコンセプトに話を進めていきたいと思う。
まずはプレーヤーキャラクタを作成するところからスタート。まずはキャラクタタイプを選択し、キャラクタクリエイト画面に移行。ここではいくつかのバリエーションを組み合わせて自分だけのキャラクタを作ることができる。選んだキャラクタによって設定できる項目は異なるのだが、それにしても、髪や色などは当然として、「PSO」未経験の筆者はプロポーションまでが変更できる事実にかなり驚いた。
本作はタイトルが示す通り、オンラインに対応したゲームである。もちろん、数あるオンラインゲームと同様にオンライン、オフラインの両方で楽しめる作りになっているわけだが、本作はほかのオンラインゲームと比べてオフラインの重要性が高いと感じた。なぜならば基本システムが「TCG」である以上、ルールを把握するのはもちろんのこと、実際に戦闘をするために必要なカードの束である「デッキ」を構築するために、カードを集めなくてはならないからだ。つまり、どのプレーヤーもはじめはオフラインでルールを学び、カードを集めるところからスタートすることになるだろう。 さて、キャラクタネームを入れ終われば「プレーヤーキャラクタ(以下、Pキャラ)」の作成が終了となり、「PSO」の世界に足を踏み入れることになる。ここで「ハンターサイド」と「アークズサイド」のどちらで始めるか選択を迫られる。「ハンター」と「アークズ」についての詳しいことは後述するが、初プレイ時はあまり気にする必要はないと思うので、気軽に選択してもらってよいだろう。Pキャラは指揮官という設定になっており、実際に戦闘を行なうのはシナリオを進めていくことで仲間になる「ストーリーキャラクタ(以下、Sキャラ)」となる。まずは「モルグ」と呼ばれる場所でデッキの作成や調整を行なうこととなる。本作はデッキの総数が30枚で、デッキに入れられる同じカードは3枚までだ。 「TCG」未経験者には若干、ルールの把握に時間がかかるかもしれないが、カードを集めながらじっくりとルールを覚える時間があるので、説明書を読むのが嫌いな方でも、そこまで作業感を感じないで「PSO3」の世界に溶け込めるはず。ともあれ、ゲームが始まった瞬間からすでに30枚のデッキを所持している状態なので、まずはオフラインモードで「シナリオ」をプレイしてみるといい。 「シナリオ」をスタートするとプレーヤーは「ハンターズ」と「アークズ」の2つの組織のうち、Pキャラ作成時に選んだ側から依頼を受けることになる。本作は「ヒーローサイド」と「ダークサイド」のデッキタイプが存在し、「ハンターズ」が「ヒーロー」、「アークズ」が「ダーク」といった具合。 「ヒーローサイド」はSキャラにアイテムを装備させて直接対決することになり、武器や防具を装備することで攻撃力や防御力が変化する。「ダークサイド」では、Sキャラの周りにエネミーを配置して攻撃や防御を行なわせることになる。「ダークサイド」側ではエネミーを配置できる代わりに、Sキャラにアイテムを装備させることができない。 このように「PSO3」では基本設定の段階で、デッキタイプが2つに分けられている。これは数ある「TCG」の中でも珍しい設定で、これによって「PSO」における「TCG」要素の魅力とバランスが上手く確立されていると感じた。 カードタイプは「アイテム/エネミー(ヒーロー/ダーク)」、「アクション」、「アシスト」の3種類に分類されていて、カードの左、右、上にそれぞれ色がついている。左右の色はアクションフェイズ時に左と右の色が同じだった場合、カード同士をつなげて場に出すことができる。これにより、武器やエネミーにコンボ(連続攻撃)の特性を追加することができる。
さて、ゲームの流れだが、プレーヤーターンと対戦相手ターンに分かれており、自ターンではフェイズごとに行動が決まっている。まずは「ダイスフェイズ」でダイスの目に従い「アタック(以下、ATK)ポイント」と「ディフェンス(以下、DEF)ポイント」を決定する。「ATKポイント」は自ターンに、「DEFポイント」は相手ターンにそれぞれ行動をするために必要な原動力みたいなもの。このポイントを消費することで、各カードを使いながら戦闘を行なうことになる。
対戦相手ターンでは「ダイスフェイズ」で決定した「DEFポイント」を使用することで、対戦相手の攻撃に対して防御行動が行なえるのだ。防御はカードの上部にある色(つまり属性)が相手のカードと同じ物でないと防ぐことはできない。この流れでゲームは進み、SキャラのHPが0になった時点で負けとなる。
筆者が数時間プレイしてみた感想では「ヒーロサイド」と「ダークサイド」の2つにデッキタイプが分類されているところに、大きな魅力を感じた。様々なカードからデッキを選択する以前に、デッキタイプが2つに分かれていることで、同じカードでもタイプによって新たに思考する必要があり、既存の「TCG」とは一味違った楽しさが伝わってきた。
■ オンラインでしか味わえない「PSO3」の魅力 オフラインでゲームのルールを理解し、それなりにカードが集ってきたならば、是非ともオンラインモードで対戦してほしい。基本的にはオフラインプレイと変わらないのだが、フェイズごとに時間制限があり、ノーレスポンスの場合は20~30秒で相手のフェイズへと移行するといった多少の違いがある。 オンラインプレイを推奨する理由を挙げるとキリがないのだが、大きく分けて2つの要素がある。 1つはオンラインモードでしか味わえない「トレード」の楽しさ。これは少しでも「TCG」の経験がある方ならば理解してもらえると思うのだが、オンラインモードならばプレーヤーキャラクタ同士でカードの交換を行なうことができる。自分のいらない、もしくは余っているカードを必要なカードに変える、いわゆる「トレーディング」は「TCG」の大きな魅力の1つだ。 もう1つは語るまでもないであろう「人間同士による駆け引き」が楽しめること。もちろん、オフラインでも充分楽しめるようゲームは作りこまれていると感じたが、やはりオンラインゲームである以上、コンピューターを相手にするよりも人間同士でプレイしていたほうが盛り上がることは間違いない。
加えて、「PSO3」を通じて、全国各地のプレーヤーとゲームをプレイし会話を重ねることで、新たな友情関係が生まれることもあるはず。「PSO3」をより深く楽しむためにも、情報交換は欠かせないわけだし、ゲームを通じて親友ができるならば、お互い共通の趣味を持つ友人が生まれるわけで、言うことはないはずだ。しかし、お互い顔を合わせることはないが、ゲームに負けそうになったからといって対戦中にゲームを終了したり、罵詈雑言を浴びせるなどもってのほか。オンラインゲーム未経験者はこういったネット上でのエチケット(ネチケット)はしっかり守り、全てのプレーヤーが楽しく「PSO3」を楽しめることを切に願う。
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□セガのホームページ (2003年12月17日) [Reported by 林 智加良] また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
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