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★ピックアップ アーケード★
連載第2回目は、前回予告していたとおり「スターターから始めても戦えるだけのフォーメーション」について考察してみたい。「“スターターでも”とのたまうからには、さぞかし奇想天外でゴッツイ戦法なんだろうな!?」と思われるかもしれないが、実はシンプルなコンセプトに基づいたフォーメーションにすぎない。 具体例に言及する前に、まずはその一歩となる基本からご紹介しよう。
※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ フォーメーションを組む前に ~全体の動きをイメージする~ 「WCCF」はプレイ前に選手カードを配置するが、これは常に固定されてゲーム画面に反映されるわけではない。フォーメーションは“ボールの位置”と“戦術ボタン”に連動して随時変化する。基本的には、攻撃側のボールの動きに対して、守備側が追走する形となる。まずは、下の図でキックオフ以降の簡単な流れを追ってみよう。
なお、下の図はあくまでも大雑把なイメージであり、実際にはイラストほど綺麗にアウトラインを形成することはない。ボールを持った選手が近いラインほど、攻撃側・守備側ともに選手の動きが極端になるからだ。
【1】… まずは手前からキックオフしたと仮定。ハーフウェーラインから向こう側に収まっている敵フォーメーションは、手前に向かって全体に伸張してくる。 【2】… キックオフ後はボールを持ったまま直進するか、横にはたくか、あるいは後ろからボールを回し始める。このとき、FWと最終ライン(DF)の間隔がズルズルと広がり続けることはない。選手カードの配置をベースに、FWに引っ張られるように最終ラインも上がる。また、ドリブルでの中央突破なら微妙に、左右タッチライン側にボールが動けば「攻撃側」→「防御側」の順でフォーメーション全体がボールのある方にシフトしていく。 【3】… ボールを持った選手が、相手コーナー側に深く入り込んだとする。タッチライン側にボールが接近するほど、DF陣の偏りが極端になる。プレスを押し続けていると、サイドバックの選手がゴールエリア中央部よりボール側に寄っていることも珍しくない。「WCCF」は選手にマンマークの指示ができないため、この偏りでファーサイドにフリーの選手ができてしまう。 【4】… 最終ラインでボールが奪取され、サイドチェンジされたとする。この場合、両チームの選手がボールに向かって一斉に移動する。 よく“フォーメーションの相性”といった言葉がきかれるが、「WCCF」の場合、ボール位置における選手の動きと、重なり合ったフォーメーションの「ズレ」が「相性」を作り出し、攻守にわたり大きく影響してくる。 こうした流れをプレーヤーが理解していないと、いつまでたっても「あれー、インターセプトされまくり。このフォーメーション弱いわ。やっぱ*-*-*で……」などと意味のない悪循環に陥ってしまう。肝心なのは、自分と相手のフォーメーションを照らし合わせて、どこで相手の攻撃を断ち切るか、どうボールを回すかであり、それには“カード位置の調整”が必要になってくる。
とはいえ、始めたばかりで「調整」と言われても、どうしていいのかサッパリわからないのが本音ではないだろうか。そこで今回は、筆者の経験から“基本に最適”ではないかと考えているディフェンスラインの一例をご紹介する。ただし、数学の公式のように単純に当てはめるのではなく、各ポジションの役割を理解したうえで、改めてカード位置の調整について各々で考察していただきたい。
■ 複数の攻撃パターンを想定した守備的フォーメーション「4-3-?-?」
まずは、選手カードで生じる戦力差を、どこかで埋めなければならない。「WCCF」ではハーフウェーラインを境に、相手側よりも自分側フィールドのほうがボール奪取の成功率が高くなる。これは「WCCF」、「Ver.1.2」、「Ver.2.0」、「2002-2003」とバージョンアップを重ねるごとにその傾向が顕著になっており、特にペナルティアークのあるラインが、ボールを奪取するのにもっとも具合がいいように思われる。フィジカル差でDF陣が蹂躙されることもあり、まぁ紙一重ではあるのだが、ここは発想を転換して利点として用いるほかはない。 理想をいえば、足が速い守備的な選手をサイドハーフ(SH)に配置して、最終ラインの選手よりも先に仕事にかからせたいところ。この場合、中央のディフェンシブハーフ(DH)はフィジカル重視で足が遅めの選手を選んだほうがいい。 このフォーメーションでは、攻め込んでくる相手に対して、以下のように対応するのが狙い。
ドリブル突破に対するケアとスルーパスに対するそれでは、一発勝負になる後者のほうがはるかに危険。よって、このフォーメーションにおける最終ラインは、ペナルティエリアの若干手前がベスト。4バックのラインが高いと、スルーパスを通されたときにキーパーの飛び出しが間に合わなくなる。最終ラインの調節は「プレスボタン」の点灯で調整する。守備に回っているときは、プレスボタンを点灯しておけば、最終ラインが必要以上に下がらない。 このフォーメーションの場合、攻撃に失敗して相手にボールがわたるか、攻め込まれている際に相手がタッチライン側にボールをはたいたら、戦術ボタンとプレスボタンは“すぐに消灯”するのが基本。これは、フォーメーションの乱れを整えるための措置。中央にボールが出されたら、その瞬間に再度プレスボタンを点灯してパスの受け手を潰しにいく。 中盤からのサイドチェンジには、両SHがそれぞれ対応する。相手チームのウィンガーが前がかりで大きく広がっているようなら、ハーフウェーラインよりもカード半分~1枚分くらい下げたほうが無難。逆に引き気味なら、こちらがカウンターに転じたときのことを踏まえてハーフウェーラインより若干上に配置してもいい。ただし、あまり上に配置しすぎると、本来の目的である“ドリブル突破のルートを限定させる”といった役割が果たせなくなる。 深い位置に追い込んでクロスを上げさせるのは、クロスの軌道を長くするのが目的。ボールの滞空時間が長ければ、それだけキーパーの飛び出しでキャッチしやすくなるし、それ以前にディフェンダーがヘディングでクリアしてくれる確率が高くなる。
ゴールライン際まで攻め込まれた場合、必然的に相手の最終ラインも高くなっている。このとき、カウンターから決定的なスルーパスが狙いやすくなるが、相手フォーメーションによってはクロスボールをニアの選手に強烈なヘディングで叩き込まれることがある。なるべくなら、コーナーアーク付近までボールを運ばれる前に、SHの高さを調節して切り込まれないよう対処しておきたいところだ。
■ 3バックにこだわりたい人は?
3バックでも、強固な最終ラインは十分築ける。ただし、ひとりでふたりぶん以上の働きをする「マルディーニ」、「ネスタ」、「カンナヴァロ」、「サムエル」、「スタム」、「テュラム」など、選りすぐりのディフェンダー(DF)を3人揃えるという条件付き。さもなくば、選手の動かし方をある程度理解している相手には、スルーパスやサイドチェンジ一発で即1点を献上といった危険と常に背中合わせで戦うことになる。
不安要素を減らすなら、DHを最終ライン手前にふたり並べて配置するのが基本。さらには、DHの不用意なオーバーラップを防ぐために、フィールド中央にボールコントロールが巧みなMFをひとり据えておきたいところ。FWを含め前線付近に4人以上の選手がいれば、フィールド中央を経由する際にMFが潰されることは少なくなるはずだ。
筆者のおすすめフォーメーションで戦う場合、攻撃に割く人数は「3人」ということになる。これでは心許ないと思われるかもしれないが、そこまで悲観したものではない。キーパーが弾いたボールを押し込むといった真似は難しいが、仮に攻撃が失敗したところで、すぐにフォーメーションを立て直して相手のカウンターを断ち切ればいい。 また、動かすカードを3枚に絞ることで「調整した結果がわかりやすくなる」というメリットもある。キーパー以外の10人をこまごまと動かしていては、何がどうしてどうなったかなど、因果関係がわかりにくくなってしまうからだ。 選手カードに差があるからこそ、こちらが最も能力を発揮できる位置でボールを奪い、素早く攻撃陣にボールをフィードしてフィニッシュにつなげる。ただし、ボールをどうフィードするかは、先に述べた“カード位置の調整”が必要になってくる。次回は、その点について解説していく予定だ。 なお、ここで紹介したフォーメーションでディフェンスを固めていると、やがてキレた相手がミドルシュートやロングシュートを連発してくるかもしれない。そして、妙な倒れ方をしたキーパーの横を、コロコロとゴールに吸い込まれているボールを呆然と眺めることがあるかもしれない。恐らくはキーパー動作におけるロジック的な不備と推測されるため、現状ではコレといった対処法がない。キーパーのチーム経験値が上がれば多少はマシになるものの、それでも不可避な場合がある。
強いて対処するなら、なるべく高い位置でボールを奪うか、あるいは最終ラインの隙間を可能な限り狭くする、スイーパーを置くといった程度だろう。厚顔無恥な輩にコレばかり狙われると本当に腹立たしいが、だからといって相手に文句をつけるわけにもいかない。理不尽極まりない失点だけに、将来的なバージョンアップで改善されることを切に願う次第だ。
(C)Hitmaker/SEGA,2002,2003
□セガのホームページ (2003年11月21日) [Reported by 北村孝和]
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