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メディアクエスト、「Hearts of Iron」の発売を中止
理由は「ゲームに日本語化が困難な部分」

8月11日発表

 株式会社キッズステーションのゲーム部門メディアクエストは、第二次世界大戦をモチーフにしたストラテジーゲーム「Hearts of Iron~戦火の獅子達~」の発売を中止すると発表した。姉妹作である「Europa Universalis II 日本語版」については、予定どおり今冬発売予定としている。

 発売中止の理由は「英語版の一部に弊社のゲームソフト作成基準上、日本語化が困難な部分があるため」としている。平たく言うと、日本語版で出すにはゲームデザインに問題があることが判明したため、ということになるだろう。すでに日本語の組み込みは発表の時点でスタートしており、「Europa Universalis II 日本語版」の開発は予定どおり進められていることを考えれば、開発上の問題とは考えられない。いずれにしても非常に珍しいケースだ。

 「日本語化が困難な部分」についての具体的な内容については明らかにしていないが、同作のテーマであるイデオロギーの激突が、日本語化して発売するにはあまりにも露骨過ぎると判断されたのではないだろうか。

 同作は、他のストラテジーゲームと同様に軍令、軍政を軸としたコンクエストゲームだが、メインテーマである民主主義、共産主義、ファシズムという3つのイデオロギーの戦いをリアルにシミュレートするため、そこからさらに一歩踏み込んで政治体制そのものを変えることができるようになっている。

 たとえば、ドイツの政治傾向をファシズムから民主主義に変えるとする。この場合、クーデターを起こしてヒトラーを廃する必要がある。これが日本の場合、天皇制を廃することに直結してしまうわけである。「だからダメだ」ということになると、史実をモチーフにしたシミュレーションゲームは全廃させなければならないことになるし、同ジャンルを十八番としてきた同社のこれまでの事績の半ばまでを否定することにも繋がるが、こうした部分が発売中止の決断に影響を及ぼした可能性は否めない。ほかにも理由はあるのかもしれないが、経過はどうあれ今回の決断は非常に残念だ。

(C) Copyright 2003 Paradox Entertainment AB

□メディアクエストのホームページ
http://www.kids-station.com/game/index.html
□関連情報
【2003年7月3日】メディアクエスト、「Hearts of Iron~戦火の獅子達~」を9月に発売
全世界をカバーした史上最大規模のWWIIストラテジー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030703/hoi.htm

(2003年8月11日)

[Reported by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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