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タカラ、年末に向けてのラインナップを明らかに
ネコ語がわかる「ミャウリンガル」など魅力的な商品ズラリ

7月17日 開催

 株式会社タカラは17日、年末商戦に向けての新製品ラインナップを一堂に集めたプライベートショー「タカラビジネスフォーラム 2003」を開催した。17日と18日は関係者のみしか入ることはできないが、19日は一般の人も入ることができる。会場は東京のお台場TFTホール。

 同時に行なわれた発表会ではその中でも特に新しいとされる商品4点を重点的に説明。犬の言葉を翻訳する「バウリンガル」のヒットに続き開発された、ネコの言葉を翻訳する「ミャウリンガル」や、4色印刷にプラス1版カーボン印刷で情報を印刷することで透明な情報を記録し、読みとる専用の機械を販売する「D-touch」など、すでにおもちゃという狭い範疇ではない、総合エンターテインメント企業へ邁進する現在のタカラの姿が鮮明となった。

 また、カプコン、小学館、小プロ、タカラで「ロックマン エグゼ」のアニメ化再開、タカラが商品化権を取得したと発表した。これ以上の細かい話はまだ公開できないということだが、秋に向けてかなり大がかりで面白い展開が期待できそうだ。

 そんな中から注目の商品をピックアップしてお伝えしていく。


■ “ワン”の次は“ミャウ!”、技術革新でネコ語も制覇

 なんと言っても注目なのが、ネコの言葉を翻訳する「ミャウリンガル」だろう。犬語翻訳機「バウリンガル」は単にヒットしただけでなく、ロシアのプーチン大統領へのおみやげとして取り上げられたり、米国でイグノーベル賞を受賞したりと話題性も抜群だった。

 「バウリンガル」が発売された当初から「ネコの翻訳機も出して欲しい」といった問い合わせが殺到したという。犬の市場が1,000万匹であるのに対し、ネコは700万匹と若干小さいが、それでも巨大な市場であることに変わりはない。そういった意味もあって、「ミャウリンガル」は当初から世界市場を狙っていくという。「バウリンガル」で世界市場への手応えを感じたことから、「ミャウリンガル」は早い段階で翻訳を済ませ、発売したい意向だ。ちなみに余談だが、なぜ「ニャー」ではなく「ミャウ」かというと、英語発音を意識しているからである。

 機能的には「バウリンガル」同様鳴き声をマイクで拾って翻訳するのだが、さらに仕草を入力すると、ネコの気持ちを翻訳してくれる「しぐさ翻訳モード」も搭載している。このほかチャート式の「健康チェックモード」や「データ分析モード」、「今日のミャウ占い」などが用意されている。このほかにもネコと飼い主がコミュニケーションを取ることに関する新機能を現在開発中だという。

 デザインは、インターフェイス部分をネコの肉球をイメージさせるデザインにするなど、可愛らしいものとなっている。なお、「バウリンガル」はマイク部分と本体が別々になっているが、技術の進歩により今回はひとつになっている。まぁ、ネコに大きなマイクをつけるのは“鈴”以上に難しい気もするのだが。11月の発売を予定しており、価格は「バウリンガル」よりかなり安く、8,800円を予定している。

【ミャウリンガル】
バウリンガルのヒットで一躍、時の人となった梶田政彦氏(右)。「ミャウリンガル」以外にも製品を開発中とか 「ミャウリンガル」はマイク部分と本体が1つにまとまっているため、ネコの近くに持っていくだけでいい 十字キーや決定ボタンが肉球のデザインになっている。発表会場からは「カワイイ」の声も
声の翻訳のほか、仕草の翻訳も用意されている。ネコとのコミュニケーションについてはまだ追加機能を開発中とか 会場でデモで流された画面の例。解析結果「ニャンだかさみしいな」に対してグラフィックも悲しそうな表情。もちろん笑うときもある



■ タカラもモバイルプリンタ市場に参入、「他社より早く出す」

 カメラ付き携帯電話のヒットにより、一気に加熱したカメラ付き携帯電話関連市場だが、モバイルプリンタでどこでも簡単にシール付き写真を作成できる機器が各社から相次いで発表されている。タカラの「モバイルプリンター R@ku-suru (ラクスル)」もそのひとつ。

 1枚ずつデータを赤外線で転送し、シール紙を1枚挿入し印刷。約60秒で印刷される。1、2、4分割が可能で、フレームはタカラモバイルエンタテインメント株式会社と共同でインターネットを通じて配信される。価格は12,000円を予定しており、20枚セットの専用シール紙とインクリボンをセットにしたものが980円で販売を予定。インクリボンは20枚以上プリントできると言うが、途中で印刷できなくなったりかすれる事もあるので、20枚ごとに交換するのがよさそうだ。203dpiで印刷される。

 実は、価格も機能もほとんど同じモバイルプリンタが他社からも発売されるが、同社社長の佐藤氏は「こちらの方が早く発売できる」とアドバンテージがこちらにあると発言。発売時期は10月を予定している。また、携帯を吸盤で固定する三脚を780円で発売する。もう立派なカメラのようだが、最近の携帯電話はメガピクセル化している。大きいデータでも転送、印刷は可能だが、担当者によれば「時間が掛かるでしょう」と言うことだ。

【モバイルプリンター R@ku-suru】
時を同じくして他社からも「モバイルプリンタ」が発売されるのだが、「優位点は?」と聞かれ佐藤慶太社長は「他社よりも早く発売する点」と答えている。携帯用の三脚 (吸盤で貼り付けて固定) など、周辺機器も発売する予定となっている



■ 見えない情報を印刷し、情報をリンクしていく新技術「D-touch」

 すでにおもちゃの枠を超えているのが「D-touch」。基本的には印刷技術で、通常の4色印刷に加えカーボン印刷を1版加えることで目には見えない情報を印刷する。このデータを読み出すことで、教育機器などに応用していく。

 会場でデモされていたのは、動物園の紙にデータが印刷されており、ペン型のスキャナを当てると鳴き声を再生する。今回のデモでは音声だったが、画像やその他のデータでも印刷可能で、色々な面で応用が利くという。例えばゲーム雑誌にデータを印刷しておき、ゲーム機と連動させたり、USBでペン型スキャナとPCを接続し、色々な印刷物とリンクさせるといったアイディアも披露された。いわゆる「どうぶつの森 e+」などと同じ手法をイメージするとわかりやすいが、こちらはインクが見えない点がさらに一歩進んでいると言えるだろう。

 印刷さえできればどこでも使用可能なので、地球儀などでも利用することができる。コストは通常の印刷に加え5%~10%ということで、出版業界と言うよりはむしろ広告業界や、レストランのメニューなどで利用するといった企業への用途が中心となるかもしれない。

 同技術を応用した製品として最も早く発売されるものは、2004年2月に発売が予定されている「D-touchシリーズ ピピタッチ」。ピピタッチ専用ソフトを収録したカートリッジを本体に差し込み専用印刷物にスキャナをかざすと、隠された情報を音声として再生する。当面は低年齢児童の教育用ソフトや語学ソフトを発売していくという。

【D-touch】
今回公開されたモックアップ。紙に印刷された情報をペン状の入力装置で読みとると、音声で出力してくれる 音声だけでなく、画像やどんなデータでも印刷できるため、ゲーム機などと連動することも可能 こちらも試作品だが、USBでパソコンと接続してデータを読み出す装置。これだけでなく、色々な用途に転用できる技術だという



■ 犬が耳をパタパタ歌い出す「歌犬物語」

 カワイイ犬のフィギュアに息を吹きかけると歌を歌い始める……という癒やし系のグッズ。コーギー、ダックス、パグ、チワワ、プードルの5犬種を商品化。これらの犬には性格があり、クラシック好きだったり、モーニング娘。が好きだったり、サザンが好きだったり様々。

 ところが、この犬たちを一列に並べると各々パートを分けて合唱をはじめるという。1匹でも楽しいが、揃えれば揃えるだけ楽しくなると言うわけだ。1匹にはそれぞれ3曲収録されている。発売は8月8日で、価格は1体1,680円。

 また楽器を演奏する「弾犬物語」の発売も予定されている。

【歌犬物語】
息を吹きかけると歌い出す犬たち。それぞれ性格が設定されていて、クラシック好きやサザン好きなど覚えている歌も違う こちらは「弾犬物語」並べると連動してパートごとにそれぞれの楽器を演奏する「歌犬物語」に比べちょっとリアル



■ チョロQの次は、携帯で気まぐれペットを育てよう「チョロモードPET」

 携帯電話でチョロQを操作できるという一風変わったラジコン「チョロモード」が発売されたばかりだが、その第2弾が発表された。今度はわがままなペットを育てる「チョロモードPET」。原理は「チョロモード」とまったく同じで、携帯のボタンを押したときに出る“ピポパ”と鳴る音をつかって操作する。携帯のマイク端子に「チョロモード」についている通信ユニットを接続し、そこでデータの変換を行ない、ペットに送信するのである。

 カワイイペットを数字キーを操作することで導く (動かす) ことができるのだが、あまりかまっているとわがままなため、グレてしまう。そうなると前に進めようとボタンを押しても後ろに進むなど操作が利かなくなってしまう。この時にメールモードと呼ばれる機能を使い“おやつ”と入力し、ペットに送ってやると機嫌が直る。また、動作がとぎれとぎれになるときはダルがっている証拠で、その時は同様にメールモードで“くすり”と打ち込んでやると直るという。

 こうやってペットとコミュニケーションを取ったり、「チョロモードPET」は歌を歌うことで感情表現をするので、そこでコミニュケーションを取ったりすることができる。12月に2,980円で発売を予定。種類は現状では、ミドリネコ、アオウサギ、コゲチャイヌ、オレンジネコ、ピンクウサギなどが予定されている。

【チョロモードPET】
発売されたばかりのチョロQを携帯電話で操縦する「チョロモード」に続くのはペットの育成「チョロモードPET」。我が儘なペットをおやつやクスリを与えながら機嫌をとっていく 「チョロモード」同様、ある程度は操作する (導く) ことができる。これが不機嫌になると言うことを聞かなくなる。そこでおやつやクスリを与えることとなる



■ ついにインターネットで曲をダウンロードし「e-kara」で楽しめる!!

商品名が「webトースター」ということで、トースターのような形状となっている。カセットがパンというわけだ
 これまでカートリッジに曲を収録し販売してきた「e-kara」だが、インターネットによる曲の配信をついに開始する。e-kara通信カラオケシステム「e-kara web」がそれ。バンダイの「カラオケステーション」が同様のシステムだが、根本的な発想が違っている。タカラではブランクのカセットを販売し、ダウンロードした曲をカセットに焼き付けるという手法を取る。

 「カラオケステーション」では曲数によって課金するため、データをインターネットを使ってダウンロードしPC上で保存することができる。ところが「e-kara web」では何曲ダウンロードしてもタダだ。

 だが、ダウンロードするとその場でカセットに記録するかどうか聞いてくる。ここで記録しなければデータは見えなくなってしまう。カセットに記録したデータは消すことや編集することはできない。つまり事前にカセットを買うことで、 (曲への) 支払いは済まされているという感覚だ。

 カセットに曲を書き込むライター「webトースター」は1,980円だが、webトースターと8曲入れることができるカセット「webメディア」をパックした「エントリーパック」が2,980円で販売される。なお、12曲収録できる「12Mシリーズ」が2,200円、28曲収録できる「28Mシリーズ」が3,480円。

 インターネットを使ったダウンロードはそれだけで難しく、敷居が高いが、カセットを有料化することで課金制度をすっ飛ばし、操作を簡略化したという点では面白い試みといえるだろう。webトースターとPCの接続はUSBを使って行なわれるが、つなげた段階でアプリケーションが起動するなどの工夫があると、もっと簡単だったかもしれない。


【その他】
「WORLD TANK MUSEUM IRC」。NTT DoCoMoのN504isでリモコン操作できるサービスがスタートした。現状この機種でしかできないとか 「e-chargers」シリーズの新シリーズ「AIR HOG」戦闘機タイプのものとヘリコプタータイプのものがある。空気を入れてバタバタ飛ぶタイプもある 赤外線で携帯電話のおもちゃ (写真にある付属品) から注文すると、リカちゃんがスクーターに乗ってピザを届けてくれる。リカちゃんは携帯電話の赤外線を感知しそれに向かって走ってくる


□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□ビジネスフォーラム2003 パブリックデーのお知らせ (PDF形式)
http://www.takaratoys.co.jp/ir2/jp/press/pdf/030711.pdf
□関連情報
【2001年8月7日】タカラ、“犬”の意思がわかる夢のマシンが登場
ドリトルプロジェクト「バウリンガル」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010807/takara.htm

(2003年7月17日)

[Reported by 船津稔]


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