価格：5,800円

　株式会社バンダイは、プレイステーション 2用RPG「.hack//絶対包囲」の4月10日の発売を直前に控えた3月29日に“第2回ドットハックファン感謝祭”として「.hack//感謝拡大」というイベントを開催した。会場となった日本青年館には朝早くから約1,000人のファンが詰めかけ長い行列を作った。

　「.hack」は、4本で1作品となる連作として発売されたRPG。2002年の6月からシリーズの発売が開始され、約1年でシリーズ完結編となる4作目「.hack//絶対包囲Vol.4」が発売される。これまでにない試みとしては1パッケージにゲームだけでなく、OVAも入っているという点。こういった点から約4日で初回出荷版の12万枚を出荷するヒット作となった。テレビアニメや小説、コミックなどメディアメックス展開が行なわれ、巨大なジャンルに成長していった。

　ゲーム自体はオフラインのRPGだが、題材はMMORPGの世界観をベースにしており、少し複雑なゲーム構造となっている。プレーヤーはまるでMMORPGをプレイしているように、ゲームだけでなく、メールや掲示板などで情報収集も行なう……もちろんこれは全て「.hack」の中で行なわれており、そこまで含めてゲーム化されているのがこれまでにないところ。こういったことからボリュームが膨らみ4本のシリーズで発売されることとなった。ちなみにプレイデータは1作目から4作目まで当然、引き継ぐことができる。

　今回のイベントでは、斎賀みつきさん、平松晶子さん、バンダイのプロデューサーの内山大輔氏の3人が司会進行を務め、「.hack」プロジェクトの制作秘話などを中心に、貴重な映像も公開された。

　まず最初はサイバーコネクトツーがバンダイに企画書を持ち込んだところからスタートする。当初タイトルも違っていて「トレジャーハッカー (仮)」となっていたとか。そこからプロジェクトはバンダイの鵜之澤伸氏を中心にまわっていったようで、鵜之澤氏の一言でどんどん広がっていったという。
　例えば脚本の伊藤和典氏が参加することになったのも、鵜之澤氏の「伊藤和典さんで脚本決定」の一言で決定。この件についてゲームの制作を担当したサイバーコネクトツーの松山洋氏は「こちらはゲーム屋だし、伊藤さんはあくまでも脚本家。正直、衝突することもあったが、あーでもない、こうでもないと意見を戦わせることでゲームを作り上げていった」と当時を振り返った。

　さらに時間を要したのが、貞本義行氏にキャラクタデザインをお願いしたことだったという。貞本氏にキャラクタデザインをお願いするというのは、内山氏と松山氏の希望から実現。当初、貞本氏から、「自分のキャラクタを3D化したとき、どの程度のグラフィックとなりどのように動くのか知りたい」といった申し出があり、サイバーコネクトツーでは貞本氏のキャラクタを3D化。半年近くテストを繰り返した後、貞本氏の参加を勝ち得たのだという。

　このほか、「.hack//絶対包囲Vol.4」に関する情報も公開された。「絶対包囲」ではついに「.hack//SIGN」のキャラクタもメンバーに従えてゲームをプレイすることができる。また4巻すべて揃えたユーザーにプレゼントされる特別映像「.hack//Another Story」の内容も会場で公開された。内山氏によればすでにゲームは完成し、発売を待つのみだという。

　ちなみにプロジェクトの今後についてはなにも明らかにされていない。「映画化?」といった話も出演者から漏れたが、確定しているかどうかは不明。ただし、会場で上映されたテレビ未放送話「Intermezzo (間奏曲)」がスタッフ間では27話とされており、前述の「.hack//Another Story」が29話とされているという。28話についてはいずれどこかで公開されるということで (制作はほぼ終了)、今後もなんらかの展開が続くことが予感される。

今回出演したみなさん。後列左から真下耕一氏、内山大輔氏、千葉一伸氏、松山洋氏。前列左から平松晶子さん、相田さやかさん、斎賀みつきさん	イベントの進行を務めたバンダイのプロデューサー内山氏と平松晶子さんと斎賀みつきさん。終始ワイワイと楽しい雰囲気で進行した	最初のゲストはゲームを制作したサイバーコネクトツーの松山氏と、カイト役の相田さやかさん。制作の苦労話が炸裂
最初にサイバーコネクトツーがバンダイに提出した企画書。当初「トレジャーハッカー (仮)」というタイトルだった	アニメーションのゲストとして真下耕一氏と、銀漢役の千葉一伸さんが登場	最後に行なわれた来場者参加の大クイズ大会「.hack//KING」選出クイズ大会。優勝したのは佐藤さんという女性……つまりクイーンとなった
朝早くから開場前にはズラリと長い行列ができあがった。左写真にあるだけではなく、となりの公演をグルッと取り囲むように長い行列ができあがっていた。会場内もほぼ満席		最後は出演者がズラリと並んで挨拶を行なった。ここで真下耕一氏からすでに1本.hackのアニメが完成しているという衝撃の発言が……

(C)Project hack (C)BANDAI 2003

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「.hack」公式ホームページ
http://www.hack.channel.or.jp/
□関連情報
【2002年1月24日】バンダイ、ネット世界を中心に展開する
壮大なRPG「.hack 感染拡大 Vol.1」、アニメDVDを同梱
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020124/hack.htm
【2002年5月20日】ネットワークゲームを舞台にした壮大なオフラインRPG
バンダイ「.hack//感染拡大 Vol.1」をイベントで紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020520/bandai.htm

(2003年3月29日)

[Reported by 船津稔]

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