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★PCゲームレビュー★
2月より本格的にスタートした「エバークエスト日本語版」(以下、「EQ」)。全世界で43万人のプレイ人口を持つ世界有数のMMORPGがついに日本語にローカライズされた。今回、公式ページからのダウンロード可能な「クラッシック」版を使用し、初心者という立場から紹介をする。 実は筆者は、「ウルティマ オンライン」を4年もやっているようなプレーヤーで、EQはアメリカでスタートしているときから、気になっていたタイトルではあった。しかし、結局いままでEQに触れなかったのはやはり“完全に英語”という部分。今回、ついに日本語化されたと言うことで、プレイをしてみた。あくまでEQ初心者の視点で、“EQならではの面白さ”、と筆者が考えた部分をクローズアップして伝えたいと思う。
現在、EQは製品を購入する以外に、プログラムをダウンロードする事でプレイすることができる。ダウンロードで楽しめるのは、EQの基本となる「クラッシック」というパッケージ。製品版にはこの「クラッシック」に加え、「ザ・ルーインズ・オブ・クナーク」、「ザ・スカーズ・オブ・ベリオス」というふたつの拡張セットが同梱してあり、更なる世界、より多彩な種族でプレイが楽しめる。ゲームではプレイをするのに月額1,480円の利用料がかかるのだが、4月までは月額480円の割引料金でプレイが可能だ。 ■ 3Dで表現されたファンタジー世界
もちろんEQには独自の歴史や伝説があり、しかもプレイに密接に関わっている。しかし、まず第一印象として、エルフやドワーフといった多種族の人々が、「ひとつの目的に向けて力を合わせる」というシチュエーションはとても魅力的だ。闇の勢力と光の勢力が争う「指輪物語」の中の登場人物になったかのような感慨が味わえる。 エルフの、ドワーフの“常識”によって造られた建物、その“感触”に注目して欲しい。ドワーフの街は極めて天井が低く、ひげ小人用に快適に作られていて、エルフの街は木の上に足場を組んで作られている。港町フリーポートは多種族が混じり合う雑多な街のイメージがある。 プレーヤーは種族によって店員などに露骨に違う扱いを受ける。筆者の友人の「チャンドラ」はハーフエルフという種族なので、ドワーフの街やフリーポートでは盗賊という職業のため店員から警戒され、取引を拒否された。売買はすべて、ドワーフである筆者を介して行なわれた。ドワーフには何でもない対応をする店員が、チャンドラには全く違う顔をするのだ。こういった街の評価は、街の周りに巣くうモンスターを倒すことで好転する。しかし、受け入れられるためには努力が必要という感覚は、とても独特で、だからこそリアルな感触がある。 こういった“種族ならではの感覚”は、建物やNPCに限らない。ドワーフの街は腰をかがめて歩かないといけない場所があり、他種族の人は「めんどくさいよー」とか、愚痴をこぼす。逆にここに「なんだ、見慣れないでかい奴がいるぞ?」などと街の住人がツッコミを入れたくなる気持ちがある。はじめていった街での他種族ばかりのちょっとした孤独感や、右も左もわからない感覚。初めて見た種族に対するギョッとしてみたり、「きっと凄い魔法が使えるに違いない」というような思いこみ。さまざまな外見を持った種族が生活するこの空間は「ロールプレイング」をたやすくさせる。 また、3Dならではの壮大で広大な空間の演出も非常に冒険の感触を刺激させる。特に“闇夜”は、ゲームレベルを破綻させるほどの真っ暗闇で、始めたばかりのプレーヤーをとまどわせることだろう。 世界は本当に広大で、隣街に行こうとしても実時間で30分近く歩かされる。道のりには初期キャラクタではかなわない魔物ばかり、たどり着くためには命綱である道が足下にあるかどうかを確認しながら歩くしかなく、とても不安だ。分かれ道にいきあおうものなら、途方にくれるしかない。少しずつ、知っているところが増えてきて、自分の感覚での“安全圏”が増えていく。そして、まだ見ていない世界への期待が膨らんでいく。 筆者はドワーフのクレリックとしてこの世界を訪れてからまだ1週間、3つの街しか見ていない。北方のバイキングや、機械の都だというノームの世界などは未知の世界、ダンジョンなどまさに近寄ることもできないところだ。 いずれ、世界をもっと旅したい。この感覚をすんなり味わえる。冒険者に憧れるプレーヤーとしては非常に楽しいゲームとなるだろう。 ■ ひとつひとつ確かめながら歩いていく感覚 ゲームのシステムはちょっと複雑だ。特にダウンロードをした場合は頼りとなるのは公式ページのみ。店員と話をするときは店員を右クリック、移動はテンキー、といった基本動作はページを見ることで調べられるが、独特の会話システムなど、実践を経ないとわからないところも多い。 レベルアップでのトレーニング、消費する食料、職業や種族によってできる装備の差、売っているものの意味などはこのゲーム独特で、日本のゲームに比べれば説明が足りないと感じることも少なくない。 しかし、さすがに4年近くも練られたゲームだけあって、随所に初心者への配慮を感じさせるところも多い。レベル4までは死ぬことで食料は自動補給されるし、レベル9までは装備を失うこともない。冒険の合間、雑談がてら疑問を他のプレーヤーにきくこともできるのはオンラインゲームならでは。「教えてクン」は敬遠されるが、きちんと礼儀さえ考慮しておけば、そう冷たい反応は返ってこないだろう。おなじ“世界”に住む仲間なのだから。 街の周囲には、一人でも倒せるモンスターがうろうろしていて、それを倒し、レベルをあげていく。かなわないと感じたらガードのいる場所に走っていけばいい。……もちろん間に合わず、死んでしまうことも多いが、すぐに街の前で復活するのでめげることはない。いつかそのモンスターを倒すことを誓って、鍛錬していけばいい。 動物の死体から取れる、「昆虫の脚」や「蛇の卵」といったアイテムは、NPCが買い取ってくれる。またゴブリンなどのモンスターはアイテムの所持数を増やすバッグを持っている。このアイテムがないと6つしかアイテムがもてないので、店で買ってしまうのもいいだろう。まず必要となる、初心者必携のアイテムなのである。 筆者の場合はプレーヤーが協力する「グループ」というシステムに興味があったので、いきなり周りでプレイしている初心者プレーヤー(装備が貧弱なのと、相手をしているモンスターで見分けがつく)に声をかけ、その人に回復などをしてあげることで、一緒に戦ってみた。最初からクレリックらしいプレイができて、ちょっと楽しめた。 肉弾戦のウオーリアー、攻撃的な呪文の得意なウィザードなど、EQのキャラクタは職業により、それぞれ特徴的なキャラクタに成長していく。強力なモンスターを倒すためには「グループ」を組み、弱点を補い合う必要がある。 “EQで上級者プレーヤー、強いキャラクタになるには、「グループプレイ」の巧みな人間になること”というのは、ネットで出会った友人の言葉。信頼できる仲間を得ることが、EQの楽しさであり、ある意味難しさであるとのことだ。 グループも最初の頃は「地域性」があるのが面白い。エルフの街ケレティンで入れてもらったグループは、すべてエルフで構成されていた。ドワーフの街カラディムではドワーフのパーティーが多く、フリーポートにはさまざまな種族がいた。 出会ったときからずっと同じグループというのは、個人の“現実”が大きく影響するMMORPGでは難しくなっていくだろう。そういった時に募る仲間は、今までとは違う“異郷の人”になっていく。出会う状況もさまざまだろう。仲間とのプレイ、そして出会いの感覚がゲームの物語性を強くさせていくのだ。 筆者は低いレベルから違う街にわざと出てみて、それぞれの街の地元の人ならではの「経験値スポット」に連れていってもらうという、楽しい経験をした。ご当地ならではの体験をするという、旅人感覚も味わえるのだ。レベル9までは死んでもペナルティーがない。訪れた街で「バインド」をすれば、その街から復活できるようになる。このシステムを利用して、できるだけ多くの街を訪れた後、どこかに腰を落ち着けて強くなる、そんなプレイも可能だろう。 ■ はるかに遠く、ひろがっていく世界 EQの世界には独特の神話があり、歴史が紡がれているという。正直、EQを始めたばかりの筆者は、まだ記号としてこのファンタジー世界を歩くだけで、そういったものには触れている実感はない。 しかし、海外版をプレイした上級者の話には、実に驚くべき話がある。一週間に一度しかあらわれない特殊なアイテムを持った巨人を求め、プレーヤー間の情報交換が行なわれ、あらわれる推測時間には、いくつものグループがその出現を待ち、獲得したプレーヤーは周りから羨望の的になるという。 epicと呼ばれる種族の伝承で語られるアイテムもある。これを得るには他のダンジョンでのアイテムも必要となるという。限られた種族・職業のアイテムのため、そのアイテム奪取のためだけに協力してくれる、他のメンバーの献身が必須となる。そのアイテムを持つプレーヤーは、ただの上級者ではなく、信頼する仲間のいることの証にもなる。 また、海外でも伝説的な扱いになっているドラゴンの話もあるそうだ。この世界には「目覚めさせてはいけないドラゴン」がいて、あるサーバーはそれを起こしてしまい、その影響で世界が一変したという事件があるという。幾人かのプレーヤーが世界そのものに干渉してしまった事件だそうだ。 EQではキャラクタを充分に成長させると神さえも殺せるような、半神的な活躍をすることが可能なゲームだ。プレーヤーは神話のような活躍をすることができるようになる。また、追加シナリオによるエピソードや世界はどんどん広がり、より壮大に、緻密な歴史が綴られていく。 まさに「もうひとつの現実」とも呼べる深く濃い世界を造り出しているEQ。この世界をきちんと知るには、ネットで調べたり人に聞いたりと、多くの「調査」を必要とする。そしてその調査に応えるだけの懐の深さを、このゲームは持っている。 ある意味、一人の冒険者から、神話的な活躍をするヒーローまでの道が、このゲームの中には存在する。こういった自分でストーリーを紡いでいくようなゲーム展開が、多くの人を魅了し続けているのかもしれない。 (C)Sony Corporation,(C)2003 Sony Communication Network Corporation,(C)2003 Sony Computer Entertainment America Inc. EverQuest is a resistered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in theU.S. and/or other countries. SOE and the SOE logo are registered trademarks of Sony Online Entertainment Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are property of their respective owners. All rights reserved.
□So-netのホームページ (2003年3月7日) [Reported by 勝田哲也]
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