【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

続・韓国電脳街「龍山」を歩く
ゲームキューブ、Xboxの正規販売はどんな影響を及ぼすのか?

12月13日 取材

 韓国の電脳街「龍山(Yongsan)」。弊誌では6月にプレイステーション 2流通開始後の状況をレポートした。今回はそれに引き続いて、12月14日にゲームキューブの正規販売を控えた龍山を紹介する。

龍山にある典型的なゲーム販売ショップのひとつ。ショーケースのなかには、ありとあらゆるプラットホームのタイトルが並んでいる。以前に比べて、正規流通品である韓国版PS2のタイトルが大幅に増えた
 日本で言うなら秋葉原に例えられる龍山。国鉄と地下鉄が乗り入れる駅ビルに入居する店舗をはじめ、延々と町並みには電気・電脳関連のショップがひしめきあっている。巨大なビルはいくつもあるが、そのいずれもが多数のテナントを抱えた雑居形式のビルで、日本のようにビルひとつで一店舗のような形をとっているところはまずない。いずれも間口数メートルばかりの専門店が連なっている。もちろん、家電からAV製品、PC関連からCD、DVDなどのソフト製品、果ては電子部品まで電脳街の名に恥じない品揃えだ。

 本年6月の状況は前回のレポートを参照していただくことになるが、前回特に注目していたプレイステーション 2のその後の状況は“好調”といって差し支えないだろう。ほとんどの店舗では、プラットホームを限定せずほぼすべてのコンソール向けタイトルを取り扱っているわけだが、そのなかに占めるSCEK正規販売品のPS2タイトルの割合がぐっと増えた。
 もちろん、いまだに日本版PS2本体やソフトの販売は健在だが、どちらかと言えば、日本発売直後の最新作やローカライズされないタイトルに限定されつつあるようだ。もちろん電脳街でもっとも多く販売されているのはPC向けのタイトルだが、それに迫ろうかという勢いが感じられる。やはり国内正規流通があるというのは、大きいようだ。同時に2001年12月の来訪では数多く見られたPSタイトルの怪しい販売(店頭にあるのはファイリングされたサンプルのみで、タイトルを選ぶとしばらくして裏が緑色のディスクが何処からか届く)だが、かなり駆逐されつつある。PSからPS2への移行が進んだという見方もできるが、これも正規流通をはじめた効果のひとつと言えるだろう。

 さて、それを追うゲームキューブ、Xboxが12月中に立て続けに韓国でのローンチを行なう。ゲームキューブのローンチは12月14日だ。これが日本なら、店頭には試遊台が連なり、ポスターやポップが満載という姿が想像できるが、ここ韓国ではいたって静かな感じである。前述の店舗をくまなく見て、ようやく「マリオサンシャイン」の韓国版ポスターを発見できたくらいである。

店舗の店頭に貼られていた「スーパーマリオサンシャイン」のポスター。左隅に記載されているのが、韓国での販売元となる出版社のDaiwon
 韓国におけるゲームキューブの販売は任天堂が直接手をくだすのではなく、提携する現地の出版社が販売元になる形をとっている。また、パッケージや取扱説明書などは韓国語にローカライズされるが、ソフトそのものは英語版をベースにするとされている。そのためかショップで少し話を聞いてみても、明日から入荷することに違いはないが、現在販売されている日本版のゲームキューブと扱いが大きく異なることはないだろう、という答えだった。プレイ中の言語が、日本語か英語かということだけの違いになるという認識らしい。ただしこれはすでに日本版のゲームキューブを販売している店の見方なので、正規流通により新たに参入する店では異なる見方もあることだろう。

 ちなみに韓国版のゲームキューブの価格だが、公式ページからリンクされているロッテ・ドットコムの予約価格によると、ゲームキューブ本体と、AVケーブル、メモリーカード59、そして「スーパーマリオサンシャイン」を加えて、275,000ウォンとなっている。ざっと、10ウォンが1円に換算できるので、日本円なら27,500円強といったところだ。ほぼ同等の価格に思えるが、消費者物価という面から見ると韓国では、ソウル市内のほとんどの場所に移動できる地下鉄の最小運賃が600ウォン、自販機の缶コーラも600ウォンなので、275,000ウォンは、日本人の感覚的には5万円強に相当する計算になる。

 同時に発売されるタイトルは「スーパーマリオサンシャイン」、「スマッシュブラザーズDX」、「マリオパーティ4」の3本になり、定価は61,000ウォン、上記の予約価格で各59,000ウォンに設定されていた。

 いっぽうXboxも12月下旬にローンチが決まっている。こちらも販売元の主導で予約キャンペーンが行なわれているが、龍山の店頭における盛り上がりはさほどでもない。やはりいくつかの店舗で、予約キャンペーンのポスターなどが見られる程度だ。店側のとらえ方もほぼ同じで、現在販売されている北米版、日本版にくわえて正規流通の韓国版が登場するといったような見方がまだ支配的だ。ただ、ゲーム自体のローカライズも程度の差こそあれ行なわれるため、前述したプレイステーション 2のように、他リージョンの製品を少しずつ駆逐していく可能性がある。

 この週末には、販売店舗の店頭に試遊台が設置されるようで、金曜の午後から順次搬入が始まったようだ。明日になれば液晶モニタを備えたこの什器を使って韓国版Xboxを体験できるはずだが、すでに店舗には日本版、英語版などで店頭デモを行なっているところも多く、自主的な試遊は昨年の米国ローンチ以降継続されていると見ることもできる。

 販売価格は本体の予約価格が記念品のダイアリー付で279,400ウォン。ソフト1本とDVD再生キットを加え、記念品がダイアリーと帽子になったセットは331,400ウォンだ。同時発売されるタイトルは「DEAD or ALIVE 3」、「プロジェクト・ゴッサム・レーシング」、「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」など全15タイトル。それぞれの価格は52,000ウォン。12月21日には、COEXセンターの一部を使って大規模なローンチイベントが行なわれる予定だ。

日本でも13日から販売されているはずの「ゼルダの伝説 風のタクト」が同日に店頭に並んでいる。販売価格は75,000ウォンとのこと。裏ゼルダの価格は交渉次第? 大々的なポップなどはないが、一部店舗にはこうしたXboxの予約キャンペーンののぼりやポスターが用意されていた。Xbox本体の販売価格は279,400ウォン(約28,000円強)になっている。正規流通のソフト価格は一本52,000ウォン


□韓国版ゲームキューブのホームページ (韓国語)
http://game.daiwon.co.kr/
□韓国版Xboxのホームページ (韓国語)
http://www.sjgamebox.co.kr/
□関連情報
【6月30日】韓国電脳街「龍山」を歩く。プレイステーション 2発売後、どう変わったのか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020630/yongsan.htm

(2002年12月13日)

[Reported by 矢作晃]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.