韓国電脳街「龍山」を歩く |
ソウルの地下鉄1号線の龍山駅で降りると駅ビルも含め電化製品やパソコンだらけの街となる |
「龍山」は日本で言えば東京の秋葉原か大阪の日本橋といったところ。いけどもいけどもつながっている巨大なビルディングの中には大きな家電販売店から小さなチップメーカーまでひしめき合っている。CPUやハードディスクといったパソコン関連パーツから、メモリやチップ、DVD-VideoからビデオCD、ゲーム関係のソフトウェアはもちろんのこと、洗濯機やキムチ製造機まで販売されている。まさしく電脳街で、ここで揃わないものはないくらいのイキオイだ。巨大なビルの地下から最上階まで小さい店がひしめき合っていて、1日では到底見て回ることはできないだろう。
実は2001年末に一度、この「龍山」を訪れている。このときはまだプレイステーション 2が発売されていなかったが、ソフトを販売している店のはほとんどがプレイステーション 2を販売していた。もちろんそれらは日本製で、日本のソフトしかプレイすることはできない。しかし日本製のソフトも販売されており、最新のソフトがずらりとそろっている。日本でも米国のソフトを輸入して販売している店があるのと同じ理屈だ。
では韓国でもプレイステーション 2が発売されどうなったのだろうか? 前回、日本製プレイステーション 2を販売していた店の多くが、韓国バージョンのプレイステーション 2のみを販売する体制に切り替えていた。韓国バージョンの「FainlFantasy X」や「鬼武者」、そして6月13日にこちらでも発売されたばかりのSCEの「オトスタツ」も店頭で並んでいる。「オトスタツ」はかなり力が入っているようで、チラシまでおかれていた。
もちろん一部店舗では日本だけでなく、米国バージョンのプレイステーション 2も販売している販売店も残っている。店頭では日本語のセリフが流れる「スーパーロボット対戦」のデモが行なわれているし、6月27日に発売されたばかりの「ユーディーのアトリエ ~グラムナートの錬金術士~」などズラリとそろっている。
これらの価格はというと、韓国バージョンのソフトが48,000ウォンや53,000ウォンで販売されている。レートを考えればほぼ日本と同じ価格帯となる(1円は約10ウォン)。これに比べ日本製のソフトは高く、約73,000ウォン程度となっており、約20,000ウォンから30,000ウォン高いことになる。韓国バージョン用のソフトはまだ本数が少ないことから、韓国のゲームの好きユーザーは日本製プレイステーションを購入するのかもしれない。もちろん、日本語の壁は突破しなければならないのだが。
ただし、これはあくまでも「龍山」という特殊な環境でのことだ。街中のショッピングモールに行くとこれとはまた違った展開となる。というのも韓国では日本やアメリカのようにゲームショップがほとんどないという状況だ。これまでコンソールマシンが販売されてこなかったので、当然といえば当然なのだが、先日訪問した釜山でもそうだったし、ソウルでもやはり見かけない。ではプレイステーション 2のソフトはどこで売られているのかというと、CDなどが販売されているショップの片隅におかれていることが多い。こちらではもちろん韓国バージョンのプレイステーション 2が置かれ、ソフトも並んでいる。今後、ソフトの販売本数が増えてきたときどのように対処するのかが注目されるところだろう。
「龍山」の駅の中にはプレイステーション 2の看板が掲げられている。そこには「Play Game、Play DVD、Play CD、PlayStation!」の文字が躍る。基本的なスタンスは日本と同じようだ。もちろん韓国において、DVD再生機能がプレイステーション 2の牽引役になるとは思えない。そうなるとソフトタイトルの拡充が最優先となるであろう。韓国製のソフトがどれほど登場するかがキーポイントだ。
「龍山」に話を戻すと、古いスーパーファミコンなどのソフトを販売している店も数は少ないがある。今回、店頭でPC Engine版「究極タイガー」がデモされているのを見て思わず目頭が熱くなった。こういった掘り出し物を探すのも「龍山」の楽しみかもしれない。PC関連ソフトはもういうに及ばず数多く並んでいる。「Neverwinter Nights」が多数販売されており、やはり最新作は人気の的となっているようだ。
そうそう、韓国オリジナルの携帯ゲーム機「GP32」はどうなっているのだろうか。はっきりいうと、高価なこともあり見かけることは少なかったし、販売店側もそれほど熱心ではないようだ。それでも発売直後とは違い、ソフトの本数も多くなっているようだし、ある店では試遊台も設置されていた。徐々に浸透しつつあるのだろう。面白いゲームが早く揃うことを期待している。
(2002年6月30日)
[Reported by 船津稔]
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