ECTSレポートヨーロッパディビジョン開発のファーストパーティタイトル |
「HARDWARE:ONLINE ARENA」 |
E3ではタイトル名こそリストアップされていたが、実際に体験できるのははじめてとなるのが「HARDWARE:ONLINE ARENA」。NETWORK GAMINGゾーンで8台をつないだデモが行なわれている。開発しているのはSCEEのLondon Studioで2003年の発売を予定。現時点では30%程度の開発状況であることが明らかにされている。ここで用いられている『HARDWARE』は兵器の総称で、デモされていたゲーム内容も箱庭状のフィールドで陸上兵器同士が激しく戦いあうものだ。今回のデモは重戦車から軽火器を積んだジープまで数種類を使えるようになっていたが、エンドレスで対戦プレイが行なわれているため、来場者が自分で選ぶのではなく、着いた試遊機によって自機となる兵器が決まる。
ゲーム内容は、後方視点にこそなっているものの兵器を使ったFPSと考えればわかりやすい。実際、フィールド内にはパワーアップキットやファーストエイドキットなども点在している。兵器自体の操作もシミュレータ的なものではなく、ほとんどが同じ操作で扱える。もちろん機動性や火力には差があるので、その部分でプレーヤーの戦略性が問われるようだ。本格派というよりも、手軽に遊べることにポイントが置かれている。
同じNETWORK GAMINGゾーンでは、日本では発売されたばかりのカプコンの「auto modellista(アウトモデリスタ)」による8台連動プレイも行なわれていた。
■ゲームに再現されたロンドン市内をカーチェイス「The Getaway」
対象年齢が18歳以上と設定されているため、やや奥まったエリアでデモされている「The Getaway」。舞台となるロンドン市内を30キロ四方にわたって再現し、映画のようなストーリーと作り込みを行なっていSCEEの意欲作だ。ストーリーは、主人公のマーク・ハモンドとギャング団との関係を中心に展開し、息子の誘拐からはじまるカーチェイスやガンアクションなど、各ステージごとに山場が訪れ、ミッションをクリアしていくことでストーリーが展開する。ゲーム内で登場する60種類もの乗り物はもちろん、その気になれば徒歩でのロンドン横断も可能という。
今回のデモでは、ふたつのステージが体験でた。ひとつは導入部となる息子の誘拐シーン。3Dキャラクタとフルボイスを使ったストーリー展開のあと、プレーヤーの操作するカーチェイスへと移行する。クルマをコントロールして誘拐犯たちを追いかけていくのだが、後方視点からのウインカーの指示で詳細に再現されたロンドン市内を駆け回ることになる。もちろん追う立場である以上交通法規などは守ってはいられない。進入禁止の道路や対向車線にも飛び込んでカーチェイスを繰り広げる。ガードレールや他の車との接触はさけられず、車は白煙をあげ、スピードは落ち、コントロールも困難になるが、そんな時はすかさず銃で脅して一般車両を奪取。チェイスを続行していくというわけだ。残念ながら最初のステージのルートは、今回の取材で見知った道ではなかったが、さまざまなアクションに加えてロンドン市内の街並みを仮想体験できるのも、期待したい点だ。開発はTeam SOHO。ヨーロッパ地域では2002年11月に発売の予定だが、日本での発売は未定。
■ザッピングによるプレーヤー切り替えで、デーモンの世界を探訪する「Primal」
SCEEのStudio Conbridge開発によるアドベンチャー要素の強い3Dアクションゲーム「Primal」。デーモンが住む4つの王国で構成される混沌とした異世界を、自らの真の姿を見いだしながら進んでいくヒロインのストーリーだ。同時に2体のプレーヤーキャラクタを目的に応じて切り替えながらゲームを進めていく。
会場では「PlayStation Experience」専用のデモバージョンが、試遊台5台にインストールされていた。デモプレイはアクション要素を交えながら謎解きを進めるFULLバージョンと、アクションが中心のサブバージョン、それにムービーの3種類から選択できる。プレイできる内容は極めて限られていて、ストーリー的にはきわめて序盤にあたる部分と思われる。表面的には人間のキャラクタであるジェニファーと、ガーゴイルのScreeを操作して、まずは荒廃した宗教的な建築物の周辺からその内部へと侵入していく。プレーヤーキャラクタは2体となるが、常に操作しているのはどちらか一方。SELECTボタンでトグル式に切り替える。操作していないキャラクタは、一方のキャラクタに付いてくるような格好だ。プレイできる序盤では、ジェニファーのアクションで周囲の敵を倒し、Screeの操作でエネルギーを秘める石を収集していくという展開になっていた。群がる敵は、LボタンとRボタンを中心とする操作で攻撃することができる。
プレイできるバージョンでは、冒頭のストーリーはテキストで説明されているだけなのでまだ十分な理解はできていないが、デーモニッシュな背景など、民族的、文化的な側面からいっても地域に根ざしたクリエータでなければこうした世界観を描ききることは難しく、プレイする側にも基礎的な素養があれば、いっそう楽しめるゲーム内容であると思われる。2体のプレーヤーキャラを切り替えるというあまり多くはないプレイスタイルながら操作性も悪くはないので、日本市場においても受け入れられる余地は十分にあるといえるだろう。日本での発売について言及はされていないが、ヨーロッパ地域では2003年1月の発売を予定している。
□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□PlayStation Experienceのホームページ
http://www.playstationexperience.com/
□関連情報
【8月29日】ECTS開幕直前レポート
ヨーロッパの最新ゲームがロンドンに集結
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020830/pse.htm
(2002年8月31日)
[Reported by 矢作晃]
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