産業用バーチャルリアリティ展が開幕 |
車や飛行機の教習やモデルルームの展示といった用途に使用される産業用バーチャルリアリティ関連製品を一堂に集めた展示会「産業用バーチャルリアリティ展」が7月3日、開幕した。期間は7月5日まで。基本的に産業用の最新技術と言うことで、コンシューマ用途とはまったく無縁の展示会だが、バーチャルリアリティや立体映像などの最新技術を知ることはできる。
会場では巨大な立体映像表示装置から、メガネを付けなくても立体に見える「裸眼立体ディスプレイ」や立体音響システム、3D映像を感触を得ることができる立体ビジョンなどなど……、コンシューマでは体験できない世界がある。これらの技術がいつの日かコンシューマ用途としてダウンサイズされるときが来るかもしれない。そういった意味では注目の技術展示会でもある。
■ 旭エレクトロニクスが「O.R.B.S.」にフライトシミュレータソフトなどを搭載し出展
今回、最もゲームユーザーに近い位置にあるのが旭エレクトロニクスのブースに出展されていた「O.R.B.S.」だろう。ご存知のとおり、2001年9月に開催されたAMショーでナムコから発表された大型汎用筐体だ。1,500mmの完全半球スクリーンを搭載しており、視界をほぼカバーしている。
今回は旭エレクトロニクスがソフトウェアを開発、搭載し、産業用バーチャルリアリティマシンとして出展されている。搭載されているソフトはWindowsマシンで制作されたもので、フライトシミュレータ、電車の運転、車の運転、街中や博物館風の場所を歩き回ることができる一人称視点風のプログラムなど8種類から選択して楽しむことができる。バーチャルリアリティマシンと言うことで、純粋なゲームは収録されていないが、コントローラがセットされており自分で自由に操作することができる。表示解像度は1,024×768で出力。
同社の担当者によれば、「O.R.B.S.」用に効果を考慮して画像を設計したわけではないと言うことだが、体験した限りその迫力は大変なもので、「O.R.B.S.」の迫力を十分体感することができる。逆に物理シュミレーションを含め「O.R.B.S.」独自のソフトを作り上げたならば、バーチャルリアリティマシンとしてかなり威力を発揮することになるだろう。
記者が体験したものでは、特にフライトシミュレータが気持ちよかった。視界をほぼカバーしていることから本当に空を飛んでいる雰囲気を味わえる。スティックをグッと引き太陽に向かってどこまでも飛んでいくと視界には太陽と真っ青な空しか入らなくなり、逆にグッとスティックを倒せば一気に視界すべてを大地が覆い、圧倒的迫力で迫ってくる。普通に飛んでいるだけでも、足下まで空の風景が表示されているので、鳥にでもなった気分だ。
車や電車は地面に接しているため、そこまでの開放感は得られないが、トンネルから出た瞬間にパァッとひろがる風景は本当に気持ちいい。一人称視点で街中を歩き回るプログラムではこれをうまくFPSのゲームに仕立て上げれば面白いかとも思った。とにかく、「O.R.B.S.」の映像はズバリ“クセになる”ものだと思う。この気持ちよさはそれだけで新しいものだ。今回の旭エレクトロニクスでの出展はあくまでも参考出展と言うことだが、今後の展開にも期待したいところだ。
ちなみにこの映像を体験するためには整理券が必要となっている。かなり盛況だと言うことなので、仕事などで会場を訪れる人は先に整理券を手に入れておいた方がよいかもしれない。
とにかくどこも混雑している会場。旭エレクトロニクスのブースもかなりの人だかりとなっていた | 今回出展された「O.R.B.S.」は、基本的には前回出展されたときと変わらない。AMショーに続いて2回目の一般公開となる | |
「O.R.B.S.」の外では中と同じ映像を体験することができる。その迫力の違いを感じることができるだろう | 体験するには整理券が必要となる |
■ 「O.R.B.S.」以外にも各社が色々なバーチャルリアリティ関連製品を出展
「O.R.B.S.」以外にも数多くの興味深い製品が展示されている。すぐにでもゲームに応用できるものもいくつか見受けられたので、かいつまんでご紹介する。
(2002年7月3日)
[Reported by 船津稔]
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