アイディアファクトリー、オンライントレーディングカードゲーム |
料金:フリータイプ …… 1カ月間 無料(機能制限あり)
登録タイプ …… 月額300円(WebMoney)
アイディアファクトリー株式会社のインターネットブラウザでプレイするオンライントレーディングカードゲーム「カードカードゲッター(CCG)」について、簡単ながらプレイレポートをお届けしよう。
なお、今回のレポートはVer.1をもとにしており、6月中にリリース予定のVer.1.5以降は内容が異なる可能性があることを、あらかじめお断りしておく。
「CCG」には、機能制限付きで1カ月間だけ無料で体験できる「フリータイプ」と、サービスがフルに利用できる月額300円の「登録タイプ」がある。支払いはWebMoneyを使用(毎月末締め)。インターネットに接続可能なPCと、個人のメールアドレスが必要。推奨ブラウザはInternet Explorer 4.0以上、Netscape Navigator 4.0以上で、Cookieは受付可能な状態にしておかなければならない。
■ カードゲッターってどんなゲーム?
「CCG」は、トレーディンカードを集めながらユーザー同士でオンライン対戦が楽しめるカードゲーム。既存のカードを集めてデッキを組むこともできるが、最大の特徴は“自分でカードを作れる”ことと“そのカードを配布できる”点にある。
カードの作成は、ひとり1日1枚まで。現時点での作成上限はフリータイプが3枚で、登録タイプが無制限。配布可能な期間は3日間。絵柄はあらかじめ用意されているものもあるが、自分で描いたオリジナルイラストも使用可能。パラメータ、カード名、カードに記載するコメントを決めて登録すれば、翌日から配布が可能になる。
■ フリータイプで無料お試しプレイなど
プレーヤーの外観は自作画像も使える |
ここから先は、まずゲーム内に登場する「自分の分身」を作る。「名前」、「ふりがな」、「誕生日」を記入して、分身の「外観」を選ぶ。ここで間違えると後から修正がきかないから、慎重に決めるべきだろう。
続いては「スターターカード」を選択する。スターターカードは「ネバーランドサーガ第1弾」、「まみむめ☆もがちょ第1弾」、「モンキークラブ」の3種類がある。バラ売りはなく、全てセット。カードを1枚づつチェックすればわかることだが、実はこの時点でパワーバランスに差がある。とはいえ、これらはあくまでも“スターター”であり、永遠にこのセットを使い続けるわけではない。あくまでも暫定セットに過ぎないのだから、ここは絵柄や雰囲気といった嗜好を優先したほうが、後々も楽しく遊べるはずだ。
【Ver.1 スターターカード一覧】 | ||
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「ネバーランドサーガ第1弾」 | 「まみむめ☆もがちょ第1弾」 | 「モンキークラブ」 |
■ まずはルールに目を通すべし
対戦相手を待ち受けている状態。先客がいたらそのプレーヤーが相手になる |
カードバトルを始めるには、カードを9枚集めて「デッキ」を構築しなければならない。「スターターカード」のカード9枚で「デッキ」を組むこともできるが、戦力としては最低限であり、いきなり実戦投入するには荷が重い。そこで、まずは「練習用バトル」でゲームの流れがどんなものかチェックすることをオススメする。
「練習用バトル」を始めるまえに、まずは「カードバトル会場」のことを知っておこう。バトル会場内は、本選となる「第1~第3バトル会場」と「練習用バトル会場」の2種類がある。プレーヤーは、各バトル会場に「デッキ」をエントリーさせて対戦相手を待つか、もしくは待機中のプレーヤーに対戦を挑むことになる。ちなみに、「練習用バトル」は戦績とは無関係に戦える場所で、負けてもペナルティはない(本戦は負けるとカードを1枚取られてしまう)。「こんなデッキを組んでみたけど、能力的にはどうかな?」とか「よくわからないけど、とにかくすぐに他のプレーヤーと戦ってみたい!」といった人向けだ。
今回はサンプルということで、「スターターカード」に何も手を加えないまま「練習用バトル会場」にエントリーさせてみた。結果は……あえなく秒殺。対戦相手の「デッキ」は人気カードを中心とした重厚な布陣で、戦闘ログを見ると練習どころか“準備運動”にさえならなかった模様。力の差は歴然で、練習とはいえ「よく相手にしてくれたなぁ」とさえ思う。
ちなみに「自分のアルバム → トレーニング」で、3種類の「スターターカード」と「練習用バトル」が行なえる。IDを取得した直後は(記者のように無謀なチャレンジはせず)これでバトルの流れをつかんでおくといいだろう。
素のままの「スターターカード」で勝てるとは微塵も思わなかったが、ここまで差があると「よく相手をする気が起きたなぁ」と思う。まさに鎧袖一触、無残極まりなし |
■ バトル設定で色々いじってみる
カードの特性をふまえて役割を与えよう。戦闘の順番も重要だ |
バトルは、「主人」カードのHPを0(ゼロ)にしたほうが勝ちとなる。プレーヤーは、残り8枚のカードで「主人」をサポートしながら、対戦相手を効率的に攻められるようカードを選んで「デッキ」を構築していく。
「主人」は、必ず1枚が必要。「ガード」は「主人」とともに戦闘を主に担当するカード。配置は最大1枚まで。HPがゼロになると戦闘不能。「主人のサポート」と「ガードのサポート」は、それぞれ主人とガードの能力を引き上げる。いずれも最大2枚まで配置可能だが、「ガードのサポート」は「ガード」カードがデッキ内に設定されていないと配置することはできない。「フィールド」は、カードに設定されたパラメータの「影響」が効果を発揮する。最大1枚まで配置可能。
それ以外のカードは「兵士」となり、バトルの順番ごとに「特殊技」と「防御技」を発動する。なお、「主人」など全てのカードは「兵士」を兼任しており、バトルの順番がくれば「兵士」として戦闘を行なう。また、戦闘は「主人」と「ガード」が主に行なう。
このため「HPがゼロになったら負けだから、主人カードはHPだけ大きければいいや」とはならない。また、技を使用したカードは“使用済み”となり、バトル終了まで技が使えなくなる。「特殊技」や「防御技」は発動のタイミングが重要といえる。
■ 他プレーヤーのアルバムをチェック
カードセンター、プレーヤー配布ともに1日1枚までゲット可能。じっくり集めるべし |
ある程度“勝つ”ことを意識するなら、「ランキングボード」の「カード配布」で上位に位置するプレーヤーのカードをチェックしたほうがいいだろう。「人気のあるカードが強い」のが「CCG」の鉄則であり、すでに一定の価値を獲得しているカードを所有しておくことは、決して損にはならない。
人気のあるカードは「価値」のパラメータにより、能力値に最大10ポイントのボーナスがつく。単体のカードとしても十分に強力な数値だが、これが9枚ぶん積み重なれば、ボーナスがない「デッキ」との能力差は歴然としている。カードの属性をふまえた「デッキ」構築も決して無力ではないはずだが、現時点では「価値ボーナス」がそれを凌駕しているようだ。
何はともあれ、まずは「辞典(検索・目次)」のページから、他プレーヤーが配布しているカードをひととおり閲覧してみることをオススメする。新作カードをチェックしたい場合は「新作レビュー」を参照するといい。どちらも相当な数が登録されているため、片っ端からチェックするのは一苦労といった感もあるが、これが不思議と飽きがこない。
カードの絵柄もさることながら、個性的なコメントに目を通しているだけでも楽しめる。このあたりは、トレーディングカードゲームながら「オンラインゲーム」としてのコミュニケーション要素も含まれている。プロフィール欄から直接「伝言」が届けられる点も面白い。
■ お気に入りのカードを選びながら、自分でもカードを配布してみる
他プレーヤーからカードをゲットするだけで飽き足らなくなった人は、自分でもカードを作って配布してみよう。「いや、別に絵心なんてないし」という人向けに、サンプル画像もいくつか用意されている。作成方法は、あらかじめ用意された10ポイントを、カードの各項目に割り振るだけでOK。「主人に最適」や「攻撃型」など、コンセプトをもった「使えるカード」であれば、必ずや誰かの目にとまるはずだ。
絵心があれば、パラメータを無視した「ネタ系」カードに走るのも面白い。コメントでも笑いを誘えれば、「パラメータのバランスはメチャメチャなのに、みんながゲットするから何故か妙に強い」といったカードがバトル会場に嵐を巻き起こす可能性だってある。
サービスが開始されてから約2週間が経過した現時点では、すでに正統派ファンタジーから萌え系まで、さまざまな絵柄のカードが百花繚乱といった状態。カードそのものまで作り出せるなど、プレーヤー側からのアプローチに大きな含みをもたせてあるシステムは、他のゲームにはない「CCG」だけの魅力となっている。
■ 多大なる可能性を秘めた「CCG」だが、その一方で不安要素も……
プレーヤーに委ねている部分が大きいからこそバランス調整が重要になってくる |
まず第一に「人気のあるカードが強くなる」システム。これは非常に合理的なシステムだが、将来的にも“公正”な状態を保てるかどうかは、誰にも断言できない。現時点ではフリータイプのユーザーでもカードを獲得すれば1カウントに数えられており、フリーメールなどを利用して多数のフリータイプアカウントを一気に取得すれば、それを悪用して価値ボーナスを操作することも不可能ではない。オンラインゲームは“チート対策”が不可欠だが、現時点で“対策が万全”とはいえない。
また、カードの価値ボーナスが配布された枚数の“絶対値”なのか“比率などの相対値”なのか不明だということ。もし絶対値であれば、今後ユーザーが増えたときにどう対処するのか。比率であれば、プレーヤーが少なかったときであれば容易に突出したボーナスを得られたカードも、プレーヤーが増えて獲得数が平均化されれば、配布してもほとんどボーナスがつかなくなる可能性もある。
これらは全て“単なる考えすぎ”なのかもしれないが、プレーヤーが少なかったときに出回ったカードと、プレーヤーが増えてから出回るカードの価値ボーナスについては、バランス調整が検討されてしかるべきかと思われる。極端な話、獲得数と破棄数を比較して、カードの価値ボーナスが変動するシステムを導入するのも面白いと思う。
トレーディングカードゲームの熟練者は「安定した戦闘力が期待できないデッキなんて」と思われるかもしれないが、自由度の高さが魅力なのに“ガッチガチの鉄板デッキ以外はアウト”という状況はいかがなものだろうか。また、その影響で「上位進出者および手持ちデッキが全てお揃い」というケースを目の当たりにするのも、これまたお寒い話だ。
流動的な要素が濃厚だと単なる運だけのゲームに終わってしまうが、希薄すぎるとライトユーザーから敬遠されてしまいがち。とはいえ、「CCG」は一般的なトレーディングカードゲームと違い、バージョンアップ(第?版)でいちいちカードを買いなおす必要もないぶん、バランス調整などのシステム改変についてはクレバーな対応とサポートが期待できる。
これに関しては、同社は6月以降、順次バージョンアップを行なうことをホームページ上で発表している。初期に見られたサーバーの混雑も現在ではだいぶ緩和されており、「CCG」は着実に良い方向に向かっているといえるだろう。
インターネットブラウザだけでプレイできるなど、手軽さでは、プレイに場所と時間を要する一般的なトレーディングカードゲームとは比較にならない。あとは「他のトレーディングカードゲームとは全く異なるアプローチ」がどれだけ多くのプレーヤーに受け入れられるかが隆盛を左右する鍵になりそうだ。
■ おしきせのトレカゲームに飽きた人にオススメ。手軽に遊べるのもポイント高し!
「登録タイプ」でも、一般的なトレーディングカードゲームのブースターパック約1個ぶんの値段で1カ月遊べるなど、コストパフォーマンスは十分。1カ月無料のフリータイプでも雰囲気は十分味わえる。
記者は、コンビニでWebMoneyを購入して早速プレイしている。これまでのトレーディングカードゲームとは異なるアプローチのゲームが、プレーヤーの増加とバージョンアップでどう変貌していくのか、とても興味があるからだ。特定のプラットフォームに依存しないぶん、将来的には携帯端末でプレイできるようになる可能性だってある。
記者は、自作のカードを公開するほどの絵心はないが、それでも“フリーマーケット”的な感覚を求めて、いつかはカードを配布してみたいと思っている。そして、多くの人が自作カードを使ってくれたらウレシイなー、などと99.99%ありえない妄想に浸ってみる今日この頃である。
(C) 2002 IDEA FACTORY
□アイディアファクトリーのホームページ
http://www.ideaf.co.jp/
□「カードカードゲッター」のページ
http://www.if-ccg.com/
□関連情報
【5月10日】アイディアファクトリー、ブラウザで遊べるオンラインカードゲーム
「カードカードゲッター」を5月21日よりサービス開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020510/ccg.htm
(2002年6月3日)
[Reported by 北村孝和]
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