Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

「The Legend of Zelda」(ゼルダの伝説 GC)インプレッション
E3 2002バージョンで体験できる5つのステージとGBAとのコネクティビティ

会期:5月22日~24日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 2001年8月に開催されたNINTENDO SPACE WORLDでビデオ映像が公開された「The Legend of Zelda」(ゼルダの伝説 GC)。トゥーンシェーディングされたカートゥーン調のリンクはファンに大きな衝撃を与えた。それから9カ月。ついにプレイアブル出展される日を迎えたのである。

 今回、NINTENDO of America(以下、NOA)のブースでプレイできる「The Legend of Zelda」は、E3 2002向けの特別バージョン。ゲームを始めると最初にプレイするステージの選択が行なえるようになっている。製品版ではストーリーを追って順にプレイすることになると思われる各ステージだが、今回は様々なシチュエーションを簡単に体験するための親切な仕様だ。

 用意されていたステージは、全部で五つ。戦闘と移動が中心の「ダンジョン」と、フィールドでの謎解きやコミュニケーションが中心の「アドベンチャー」。そして、ボス戦を体験できる「ボス」と、隠れて移動・行動をすることが基本の「ステルス」。加えてヨットを操るミニゲームの「セイル」がプレイできる。実際のプレイで必要な時間は不明だが、今回は各ステージ15~20分程度のプレイが体験できた。

 プレーヤーキャラクタのリンクは、左のアナログスティックで移動。右側のボタンで行動を決定する。トゥーンシェードのリンクはステージの背景にも馴染んで、どんな行動をとってもまるでアニメーションを見ているかのような滑らかな動きを見せる。敵キャラクタや炎などのエフェクト、アイテムなどもカートゥーン調で統一してあり、ただ単にゲーム画面をみただけではそれぞれが3Dモデリングされたものであるということはほとんど感じられず、通常のアニメーションを見ているような気持ちになる。

 行動は基本的にBボタンとRボタンで選択。宮本茂氏によれば、行動をこのふたつに割り振ったことで、前作にあたる「時のオカリナ」に比べてもかなり操作がやりやすくなっているはずとのことだ。リンクが特定の行動が取れる場所にくれば、行動ボタンに表示されている内容が変わる。物を拾う・捨てる、宝箱を開けるなどはもちろんだが、例えばダンジョンのステージでは、壁際の細い通路で背中をぴったりと壁につけたまま横移動をしたり、さらにそれに“かがむ”というアクションを加えることもできる。こうした行動面での謎解きも、周りの状況を判断することで容易に判断できたり、ちょっと考えさせる場面があったりと、絶妙なバランス感覚は健在だ。他にも匍匐前進する場面があったり、ボタンを押しっぱなしにする“ため攻撃”の影響など、それぞれにユニークなアクションが数多く描かれている。

 宮本氏によれば、例えばステルスのとあるシーンでは、侵入者を発見するためにサーチライトが行き来しているが、これはすべて人間が動かしているものとして独自の動きをするようにしてあるという。そこで(リンクの置かれている状況を)良く理解すれば、どのサーチライトをつぶせば攻略が容易かという判断をつけることができ、ゲームがより一層楽しくなるような工夫がしてあるということだ。実際、このステージは試行錯誤を繰り返すようにもなっているので、次第にもっと良い方法というのを思いつくようになるのだろう。

 また、ゲームキューブのコントローラーのボタン配置に合わせて、持っているアイテムをXとYボタンに登録できるようになっている。アイテムを利用したいときはこれらのボタンを押せば、ダイレクトに利用することができる仕組み。

 22日に行なわれた任天堂のミーティングのなかで、宮本氏はこのタイトルについて、作品相互に直接関係はないものの「ゼルダ」という世界観のなかでは一番最初の物語になるとコメントしている。これまでは存在しなかったリンクの妹という設定がでてきたことも、今回のリンクにはどうしても「おにいちゃん」と呼ばれて欲しかった、とその理由をコメントした。

 また、これまでは未公開だったが、「The Legend of Zelda」はゲームボーイアドバンスを接続して利用ができることが、今回の出展で明らかになっている。いくつかのステージでメニューを開くと、アイテムのなかにGBAが含まれているのに気がつく。今回の出展バージョンで実際に利用できるのは、最初のステージ選択で“GBA Connect”の表示が出るダンジョンだけのようだが、製品版ではもっと幅が広がるものと思われる。

 今回のNOAブースに用意された試遊機には一台だけ、GBAケーブルでゲームボーイアドバンスが接続されているものがあった。メニューを開き、アイテムを持ち替えてアイテムのGBAを使ってみると『Call Tingel…』の表示のあと、パートナー(?)のTingelが呼び出される。実際のGBA画面には、マップとアイテムの一部が転送されているようだ。このTingelは、プレーヤーキャラであるリンクと一緒に進むことができるほか、GBAの十字コントローラを使って、転送されているマップ内をある程度自由に行動することができる。持っているアイテムを使うこともでき、ダンジョンでは爆薬を使って敵を倒したり、ふさがれている道を切り開くことができた。ひとりで操作できないこともないが、やはり誰かにこのTingelを操作してもらうことで楽しさが広がるということだろう。

 「The Legend of Zelda」は、北米地域では2003年2月の発売を予定。日本では一足早く、2002年内の発売が予定されている。


アイテムのGBAを使ってみると、GBA本体にはマップとアイテムが表示される。開発途上のバージョンのため、こちらは日本語表記のままだ。GBAにはマップやアイテムが転送でき、Bボタンでアイテムが使用可能 リンクの足下に表示されているのがTingel。ゲームキューブだけでプレイしていては、こうしたシーンを見ることはできないものと思われる リンクと一緒の行動もできるが、GBAの十字キーを使って転送されているマップ内をある程度自由に移動することも可能なようだ

(C) Nintendo

□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【5月22日】任天堂の誇る巨人達をラインナップしたE3出展作を公開 「マリオ」と「ゼルダ」は宮本氏がみずからデモプレイ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020522/ninten.htm
【5月23日】NINTENDOブースで「Legend of Zelda」のGBA対応を確認
GC用のLCDモニタやGAME EYEなどの周辺機器も参考出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020523/ninten.htm

(2002年5月23日)

[Reported by 矢作晃]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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