Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

来場者殺到のNINTENDOブースで「Legend of Zelda」のGBA対応を確認
GC用のLCDモニタやGAME EYEなどの周辺機器も参考出展

会期:5月22日~24日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

■ ゲームキューブ版「The Legend of Zelda」はGBAと接続可能

 E3開場直後にもっとも混雑するブースといえば、Nintendo of America(以下NOA)をおいてほかにはない。ここ米国における任天堂ブランドへの信頼感からか、来場者の多くが、なにはともあれNOAブースを目指して会場入りする。そのため、人気ゲームの試遊機はあっという間に順番待ちの行列ができ、ブースの内側は渋谷のスクランブル交差点並みの混雑となる。

 今年のNOAは、外周を壁でおおったややクローズドなブースデザイン。その壁を利用して、外周部にはドルビーサラウンド音声で試遊ができるプライベートな空間を確保している。それぞれの入り口は、米国の一般的な映画館を模した雰囲気作りがなされていた。

 もちろんブース内の主役の座はスタンドタイプの試遊機。注目の「Super Mario Sunshine」が最大数で10数台。次に多いのが「Metroid Prime」で、さらに「The Legend of Zelda」、「Star Fox Adventures」がそれぞれ10台前後用意されている。これに続くのは「Eternal Darkness:Sanity's Requiem」といったところ。「Mario Party 4」は、ワイヤレスコントローラ「ウェーブバード(Wave Bird)」のデモを兼ねて多人数向けにデモプレイが行なわれている。

 個々のタイトルのインプレッションは追ってレポートすることになるが、この試遊機から、これまで未公開の情報だった「The Legend of Zelda」のゲームボーイアドバンス(以下GBA)対応が確認できた。数ある試遊機の一台にGBAがGBAケーブルで接続されており、この試遊機でのみGBAを使ったプレイを体験することができるのだ。その内容の詳細はソフトインプレッションで紹介する。

今年のNINTENDOブースは、外周部が壁でおおわれたブースデザイン。ブース内ではTシャツなどが当たるイベントもあるため、その順番待ちの行列が壁に沿ってできている それぞれの試遊エリアにはこうした入り口がしつらえてある。米国で一般的な映画館を模したデザインで、なかでプレイできるタイトルがパネルになっている。なかではドルビーサラウンドでの試遊が可能 ブース内の主役、スタンドタイプの試遊機。プレーヤーのほか順番待ちが数人に、ギャラリーを加えて、人気タイトルの前は黒山のひとだかりだ
数ある「The Legend of Zelda」の試遊機のなかでも特別の一台。GBAがGBAケーブルで接続してある。液晶画面が見やすいように、上からスポットライトもあてられている これが「The Legend of Zelda」とGBAが連携している様子。内容については、続報となるインプレッションレポートにて紹介 ワイヤレスコントローラ「WaveBird」のデモ。プレーヤーの目線の先には大型スクリーンに映し出された「Mario Party 4」がある。勝者は「Wave Bird」を発売に先駆けてゲットできるので、かなり真剣


■ ゲームキューブ用のLCDモニタを参考出展。「PSO EpisodeI&II」で新しい試みも……

 インフォメーションカウンターの背後には、昨日のブリーフィングでは一切触れられなかった周辺機器「LCDモニター」が展示されていた。アクリルケースのなかに入っているのものの、3台がそれぞれ「Super Mario Sunshine」、「Metoroid Prime」、「The Legend of Zelda」を試遊できるようになっている。スペック表によれば、スクリーンは4:3比率の5インチで、320×240ドットの表示を行なっている。接続はデジタルRGBとなり、高画質が期待できる。

 このLCDモニターについては、同日に行なわれた任天堂とのミーティングで、岩田聡経営企画室室長がいくつか説明を加えている。それによると、このLCDモニターの目的は、テレビのない場所でのパーソナルモニタとしてはもちろん、複数のLCDモニタ付きゲームキューブを持ち寄ってそれぞれ専用の画面を使って、ネットワークゲームができたら面白いという発想も含まれているという。

 今回このLCDモニタの参考出展にあたっては、ソニックチームの中裕司氏が「Phantasy Star Online EpisodeI&II(PSO EpisodeI&II)」をベースにしたカードバトルゲームを用意したという。カードバトルという性格上、自分の手持ちの札が他人に見えないことが前提となるため、こうしたパーソナルモニタに適した素材と言うことだ。ゲームの詳細については、後日セガとソニックチームより紹介されることになるが、内容的には先日のGame Jam2で公開されたPSOのカードゲームと連携するものになる模様だ。

参考出展されたLCDモニタ。320×240ドットの5インチスクリーンに「Super Mario Sunshine」がデジタルRGB出力されている。モニタのデザイン自体も開発途上のものということだ。価格も未定 LCDモニタを接続した状態を側面から見た。映像出力はモニタ固定用のユニットと一体になっているようだ。背面の様子をみることができないため、液晶モニタの電源がどこからとられているかは不明 任天堂とのミーティングで披露された「PSO」をベースにしたカードバトルゲーム。展示会場では公開されていない。それぞれに搭載したブロードバンドアダプタをクロスケーブルで結んで接続している


■ ユーザーにコネクティビティを提供するソフト&ハードを展示

 ブースのほぼ中央には、「コネクティビティ」をテーマとした展示エリアが設けてある。ここでは、「e-READER(カードeリーダー)」や「GBAケーブル」をはじめとする機器とその対応タイトルを見ることができる。

 「e-READER」の体験のために、インフォメーションカウンターでは来場者にカードeを配布している。このカードを持ってこのエリアに来るとカードを使った抽選やミニゲームができるというわけだ。他にも昨日発表があった“N-Port”(カートリッジがない状態で、ゲームキューブからゲームボーイアドバンスにゲームやデータをダウンロードする)に対応する「PSO EpisodeI&II」や「Animal Crossing(どうぶつの森+)」が展示されている。

 また、昨日のブリーフィングでコネクティビティのひとつとして紹介されていた「GAME EYE」もプロトタイプによるデモが行なわれている。4年前にゲームボーイ用のモノクロカメラ「ポケットカメラ」が販売されていたが、それとよく似たコンセプト。対応ソフトとしてデモされていた「STAGE DEBUT」は、分身となるキャラクタにGAME EYEで撮影したフェースイメージを貼り付け、さらにジャケットやパンツなど衣装を決めると、その分身がステージで踊りまくるという内容である。

 この「STAGE DEBUT」は、日本語タイトルの模様。説明するスタッフも昨日はじめて触ったということで心許なく、ゲーム内容もいまひとつ新鮮さが足りない気がする。とりあえずは新しいコネクティビティ「GAME EYE」の第一歩というところか。

繋げる楽しさを紹介する「コネクティビティ」関連の展示エリア。ゲームボーイアドバンスなどを、さまざまな接続手段でゲームキューブの周辺機器のひとつとしている 「GAME EYE」のプロトタイプ。レンズ部分は回転式で、デジタルカメラのように正面を撮ったり、自分自身の顔を液晶画面でモニタしながらキャプチャしたりできる。説明スタッフも昨日はじめて触ったということでスペックに関わる部分は不明 GAME EYEのデモに使われている「STAGE DEBUT」。キャプチャしたフェイスイメージを加工して、分身となるキャラクタに貼り付ける。衣装などを整えたら、そのキャラクタがステージで踊りまくる
「コロコロカービィ」で採用されていた傾きセンサーを使ったゲーム「Roll・o・Rama」。迷路のようなコースをボールを転がしながら進むゲームだ 懐かしのドンキーコングをゲームキューブ上でユーザーが面エディットし、ゲームボーイアドバンスにダウンロードして楽しめる「DONKY KONG +」 「e-READER」のデモ。インフォメーションカウンターで配布されているカードeが抽選券になっている。他にも、「Game&Watch e」のマンホールゲームなどを、自分自身でカードをとおして遊ぶことができる


■ 「F-ZERO」はビデオ出展、「RESIDENT EVIL 0(バイオハザード0)」はプレイアブル

 NINTENDOブース内には、サードパーティによるGC、GBA対応ソフトの試遊機も用意されている。展示スペースには限りがあり、また、開発や販売元も自身のブースを出展していることから、ライセンシーのエリアでそれぞれ1台ずつの試遊機を用意しているのが一般的だ。

 そうしたサードパーティのタイトルのなかでクローズアップされているのが、カプコンの「RESIDENT EVIL 0(バイオハザード0)」だ。これまではスクリーンショットのみ公開され、昨日のブリーフィングでは初めてビデオ映像を見ることができたが、ブースではいよいよプレイが可能になっている。日本ではすでに販売されている「RESIDENT EVIL(バイオハザード)」と合わせて、計3台の試遊機がNOAブース内に用意されていた。

 また「PSO EpisodeI&II」は、画面分割によるオフラインプレイと、3台のオンライン同時プレイが専用コントローラを使ってデモされている。ちなみに「F-ZERO」は、昨日の名越氏のコメントどおりビデオ出展にとどまっている。

「PSO EpisodeI&II」のオフラインとオンラインによるデモプレイコーナー。専用コントローラも用意されている 「PSO EpisodeI&II」の専用コントローラは、先日のGame Jam2で出展されていたものとほぼ同じものと思われる。キートップは英語仕様になっていたので、米国での販売が視野に入っているようだ こちらは、GBA対応の「The Legend of ZELDA」。スーパーファミコン版の「A Link to the Past」をベースに、4人同時プレイモードが加わっている
ビデオ出展された「F-ZERO」。トライフォースが横に展示してある。もうひとつのビデオ出展されたタイトルが、「1080°:WHITE STORM」 プレイアブルな「RESIDENT EVIL 0(バイオハザード0)」。2人のキャラクタを、任意に切り替えながらプレイを進めていく ポケモン関連は、ブースの一角でビデオ映像のみを公開。この世界同時公開となる映画の予告編と、GBA版ポケモンのプレイ画面の一部を見ることができる


□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【5月22日】任天堂の誇る巨人達をラインナップしたE3出展作を公開 「マリオ」と「ゼルダ」は宮本氏がみずからデモプレイ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020522/ninten.htm

(2002年5月23日)

[Reported by 矢作晃]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.