Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート来場者殺到のNINTENDOブースで「Legend of Zelda」のGBA対応を確認 |
会場:Los Angeles Convention Center
■ ゲームキューブ版「The Legend of Zelda」はGBAと接続可能
E3開場直後にもっとも混雑するブースといえば、Nintendo of America(以下NOA)をおいてほかにはない。ここ米国における任天堂ブランドへの信頼感からか、来場者の多くが、なにはともあれNOAブースを目指して会場入りする。そのため、人気ゲームの試遊機はあっという間に順番待ちの行列ができ、ブースの内側は渋谷のスクランブル交差点並みの混雑となる。
今年のNOAは、外周を壁でおおったややクローズドなブースデザイン。その壁を利用して、外周部にはドルビーサラウンド音声で試遊ができるプライベートな空間を確保している。それぞれの入り口は、米国の一般的な映画館を模した雰囲気作りがなされていた。
もちろんブース内の主役の座はスタンドタイプの試遊機。注目の「Super Mario Sunshine」が最大数で10数台。次に多いのが「Metroid Prime」で、さらに「The Legend of Zelda」、「Star Fox Adventures」がそれぞれ10台前後用意されている。これに続くのは「Eternal Darkness:Sanity's Requiem」といったところ。「Mario Party 4」は、ワイヤレスコントローラ「ウェーブバード(Wave Bird)」のデモを兼ねて多人数向けにデモプレイが行なわれている。
個々のタイトルのインプレッションは追ってレポートすることになるが、この試遊機から、これまで未公開の情報だった「The Legend of Zelda」のゲームボーイアドバンス(以下GBA)対応が確認できた。数ある試遊機の一台にGBAがGBAケーブルで接続されており、この試遊機でのみGBAを使ったプレイを体験することができるのだ。その内容の詳細はソフトインプレッションで紹介する。
■ ゲームキューブ用のLCDモニタを参考出展。「PSO EpisodeI&II」で新しい試みも……
インフォメーションカウンターの背後には、昨日のブリーフィングでは一切触れられなかった周辺機器「LCDモニター」が展示されていた。アクリルケースのなかに入っているのものの、3台がそれぞれ「Super Mario Sunshine」、「Metoroid Prime」、「The Legend of Zelda」を試遊できるようになっている。スペック表によれば、スクリーンは4:3比率の5インチで、320×240ドットの表示を行なっている。接続はデジタルRGBとなり、高画質が期待できる。
このLCDモニターについては、同日に行なわれた任天堂とのミーティングで、岩田聡経営企画室室長がいくつか説明を加えている。それによると、このLCDモニターの目的は、テレビのない場所でのパーソナルモニタとしてはもちろん、複数のLCDモニタ付きゲームキューブを持ち寄ってそれぞれ専用の画面を使って、ネットワークゲームができたら面白いという発想も含まれているという。
今回このLCDモニタの参考出展にあたっては、ソニックチームの中裕司氏が「Phantasy Star Online EpisodeI&II(PSO EpisodeI&II)」をベースにしたカードバトルゲームを用意したという。カードバトルという性格上、自分の手持ちの札が他人に見えないことが前提となるため、こうしたパーソナルモニタに適した素材と言うことだ。ゲームの詳細については、後日セガとソニックチームより紹介されることになるが、内容的には先日のGame Jam2で公開されたPSOのカードゲームと連携するものになる模様だ。
■ ユーザーにコネクティビティを提供するソフト&ハードを展示
ブースのほぼ中央には、「コネクティビティ」をテーマとした展示エリアが設けてある。ここでは、「e-READER(カードeリーダー)」や「GBAケーブル」をはじめとする機器とその対応タイトルを見ることができる。
「e-READER」の体験のために、インフォメーションカウンターでは来場者にカードeを配布している。このカードを持ってこのエリアに来るとカードを使った抽選やミニゲームができるというわけだ。他にも昨日発表があった“N-Port”(カートリッジがない状態で、ゲームキューブからゲームボーイアドバンスにゲームやデータをダウンロードする)に対応する「PSO EpisodeI&II」や「Animal Crossing(どうぶつの森+)」が展示されている。
また、昨日のブリーフィングでコネクティビティのひとつとして紹介されていた「GAME EYE」もプロトタイプによるデモが行なわれている。4年前にゲームボーイ用のモノクロカメラ「ポケットカメラ」が販売されていたが、それとよく似たコンセプト。対応ソフトとしてデモされていた「STAGE DEBUT」は、分身となるキャラクタにGAME EYEで撮影したフェースイメージを貼り付け、さらにジャケットやパンツなど衣装を決めると、その分身がステージで踊りまくるという内容である。
この「STAGE DEBUT」は、日本語タイトルの模様。説明するスタッフも昨日はじめて触ったということで心許なく、ゲーム内容もいまひとつ新鮮さが足りない気がする。とりあえずは新しいコネクティビティ「GAME EYE」の第一歩というところか。
■ 「F-ZERO」はビデオ出展、「RESIDENT EVIL 0(バイオハザード0)」はプレイアブル
NINTENDOブース内には、サードパーティによるGC、GBA対応ソフトの試遊機も用意されている。展示スペースには限りがあり、また、開発や販売元も自身のブースを出展していることから、ライセンシーのエリアでそれぞれ1台ずつの試遊機を用意しているのが一般的だ。
そうしたサードパーティのタイトルのなかでクローズアップされているのが、カプコンの「RESIDENT EVIL 0(バイオハザード0)」だ。これまではスクリーンショットのみ公開され、昨日のブリーフィングでは初めてビデオ映像を見ることができたが、ブースではいよいよプレイが可能になっている。日本ではすでに販売されている「RESIDENT EVIL(バイオハザード)」と合わせて、計3台の試遊機がNOAブース内に用意されていた。
また「PSO EpisodeI&II」は、画面分割によるオフラインプレイと、3台のオンライン同時プレイが専用コントローラを使ってデモされている。ちなみに「F-ZERO」は、昨日の名越氏のコメントどおりビデオ出展にとどまっている。
(2002年5月23日)
[Reported by 矢作晃]
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