★ PCゲームレビュー★

「チームのために動く」ことを前面に押し出した
リアル系アクションシューティング

「GLOBAL OPERATIONS」


 ここ数年のFPS界におけるメインストリームは一発の銃弾が生死をわけるリアル系と呼ばれるジャンルだ。このジャンルの代表作がリアル系FPSの代名詞ともなった「Half-Life:Counter-Strike(以下CS)」である。もともとCSは、「Half-Life」のユーザーMOD(追加プログラム)から派生したタイトル。β版時代はいくつかのチームが交代で開発を担当していたが、ユーザー人気と反響の高さからMODとしてではなく、独立した単独タイトルとしてVer1.0がリリースされた。現在、米Sierra Entertainment傘下のチームがその後の開発を引継ぎ、Ver 1.4までリリースされている。

 今回取り上げる「Global Operations(以下GO)」は、リアル系FPSの元祖ともいえるCSのβ5の開発チーム「Barking Dog Studios」が制作に関わっている。「CSの100倍面白い!!!」という開発陣のコメントとあわせて以前からFPSファンの注目を集めていたタイトルだ。CS隆盛の基礎を築いたメンバーがどのようなリアル系FPSを作り上げてくれたのか、じっくり見ていこう。


■ 特殊部隊 VS テロリストという不変の構図を扱った4つのゲームタイプ

1発で死亡するリアル系にあっても思わぬ超接近戦に遭遇することも多い。画面はスモークからジャンプで飛び出して銃を乱射するテロリスト。一撃で確実に仕留めよう
 GOはリアル系のお家芸ともいうべき「特殊部隊 VS テロリスト」という構図を踏襲している。プレーヤーは世界13カ国を転戦し、ステージごとに各地のチームに参加して戦うことになる。GOで特徴的なのは、すべて世界中に実在する対テロリストチーム(CT)や、テロリスト(T)の名前を使っているところだ。

 そのため、開発中にイギリスを舞台としたステージでIRA(Irish Republican Army:アイルランド共和軍)の名前を使おうとしたらイギリス政府からストップがかかるなどの問題も発生したそうだ。しかし、裏を返せばそれだけ事実に基づいた背景分析やシチュエーション構築をしていることにもつながる訳で、雰囲気が重要なリアル系FPSでは見逃せないポイントといえる。

 GOでプレイすることのできるゲームタイプは全部で以下の4つ。

・人質(VIP)救出
 各マップに設定された人質(VIP)を救出し、設定されたポイントまで連行するのが目的。通常はCTがTに囚われている人質を取り戻すのがメインだが、TがCTによって護送中のリーダーを奪回し、逃亡を手助けするといったミッションもある。GOの中でももっともステージ数が多く、リアル系FPSの中でも至極一般的なゲームタイプだ。

・爆弾解除(設置)  設定されたオブジェクトをC4爆薬を設置して破壊することが目的。こちらもリアル系FPSではお約束のゲームタイプだが、こちらもCT側が麻薬運搬トラックを破壊するなど、普通とは逆のシチュエーションもある。

・要人暗殺
 設定された要人(麻薬王だったり、証人保護プログラムで保護された元テロリストだったり)を殺害するのが目的。攻撃側はただ一人の目標を倒せばいいので、一見攻撃側有利のステージに見えるが、守備側が守りを固めるとマップの制限時間いっぱいまで決着がつかない事もある。

・オブジェクトコントロール
 マップごとに設定されたオブジェクトを勝利条件に沿って動かすゲームタイプ。タンカーのエンジンを起動して、コントロールルームを制圧したり、新薬の詰まったカプセルを奪回してある一定のポイントまで運搬したり、といったミッションがプレイできる。

 なお、ゲーム冒頭のチームブリーフィングでは、写真付きでミッション達成条件が説明される。その時点で任務を把握しておかないと、ゲームが始まった瞬間に迷いなく動くことができずに、敵チームに機先を制される羽目になってしまうので注意したい。

FPSが初めてだという人も、ブーツキャンプで射撃訓練や異動訓練、特殊技能訓練を受ければ一通りの知識は身に付くはず。鬼教官のお言葉も完全日本語吹き替えなので、英語を聞くという苦労なしに、基礎訓練を行なうことができる


■ さまざまな能力を持った7種類の特殊部隊員、彼らの連携が勝利の鍵

それぞれ役割の異なる6つのスペシャリティ。マルチプレイではさらに部隊の頭脳の役割を担うIntelligence Officerが加わり7クラスとなる
 GOでは各チームごとに以下の7つのスペシャリティが用意されており、プレーヤーがゲーム中に自由にクラスを切り替えてミッションに参加することになる。ちなみに各クラスでの差は、購入できる武器や、装備できるアーマー類、所持できる武器カテゴリーの数、得意とする武器の命中率などで差別化されている。

・Commander(一般歩兵)
 ゲーム内に存在する多くの銃器を使いこなし、攻撃から守備まですべてをオールマイティにこなす、チームの中核となるクラス。得意とするアサルトライフルを使って中近距離の敵を排除するのを得意とする。また、唯一LAW(対戦車携行武器)を購入できるクラスであり、膠着した状況を一気に打開できる潜在能力も秘めている。

・Heavy Gunner(重火器兵)
 名前から推測できるように、マシンガンなどの重火器を購入、運用するクラスだ。ただ、強力な銃器を携帯しているからといって闇雲に前へ出るのはいただけない。強力な銃器を携帯するHeavyGunnerは、撃たれる側に回ってみれば脅威以外の何者でもなく、よって倒す優先順位も上の方に位置するからだ。ここはCommanderが突入するのを、一歩引いた位置から援護射撃するのが正解だろう。

・Sniper(狙撃兵)
 こちらもリアル系ではおなじみのクラス。敵の弾の届かない位置から射撃し、反撃の暇を与えることなく倒すことを身上とする。HeavyGunnerと同じく援護射撃をするのがメインだが、弾をばら撒いて敵の足止めをするHeavyGunnerと違い、こちらは必中必殺の一発を撃ち込んで、確実に敵の息の根を止めていく。スコープを覗いている時間が多いため、接近戦に弱く、アーマー値も低いので、常に動いて射撃ポイントを確保し、敵に自分の存在を悟られないようにしよう。

・DemolitionExpert(破壊工兵)
 DemolitionExpertは爆薬全般に通じ、時限C4やリモコンC4を駆使して相手の足止めを行なうなど、拠点制圧の場面で能力を発揮する。また、他のクラスに比べて爆弾解体のスピードが速いという利点もある。しかし、もっとも注目したいのはDemolitionExpertだけが購入できるHK 69A1 Grenade Launcherの存在。Commanderが運用するLAWに比べれば威力は落ちるものの、複数のグレネード弾を携行できるため戦線を押し上げるのには最適な役割を果たしてくれる。

・Reconnaissance(索敵兵)
 「Global Operations」の特徴を体現しているクラス。GPSユニットをコントロールすることにより、味方はもとより敵の位置情報を探り出しチームメイトに転送できる。これによって敵味方双方が常に互いの位置を把握している、という状況が生み出される。詳しくは後述するが、Reconの存在がGOをGOたらしめたといっても過言ではない。

・Medic(衛生兵)
 読んで字のごとく味方の兵士が傷つき倒れたときに、そばに駆け寄り回復させることを主任務とするクラス。GOでは一度死ぬとスタート地点(TTD)まで戻され復活(Respawn)するため、押されているときに、味方が死んでしまうと一気に自陣に敵がなだれ込んでくる可能性がある。Medicがいれば、たとえ銃弾に倒れたとしても、その場で復活できる。武器も失わないため、その場で反撃に移ることができる。

・Intelligence Officer(情報将校)
 これはマルチプレイの時だけ選べるクラスで、シングルプレイには登場しない。マップ全体の地図、マップ各所に設置された監視カメラ、各プレーヤーの肩にあるカメラ、Reaconからの位置情報などを総合的に判断し、味方プレーヤーに「敵が右から回りこんだ。あと20秒で接敵する。Aチームはその場で敵を迎撃、Bチームは左迂回路から敵の背後を突け、GO! GO! GO!」といったように、チーム全体の脳となって味方に指示を出していく。

GOでは購入する武器をグレードアップすることもできる。画面はサイレンサー、ドラムマガジン、5倍スコープを装着した最強状態のM4 装備のひとつサーマルゴーグルを購入し装着した景色はこんな感じに見える。暗くて周囲が見えにくいマップでは視覚補助系の装備は必須になってくる 特殊装備のひとつ、ガスグレネードの煙を吸ってしまったところ。ゲホォゲホッォ、ウェェェ、などといったリアルな? 苦しみ方をする。これを防ぐためのガスマスクも別途用意されている


■ 「for The Score」ではなく「for The Team」をメインに見据えた「Global Operations」

Reaconのサインにしたがって壁向こうにいる敵(赤丸)を射撃する。ヒットすると、音もせずに赤丸だけが消える
 GOはCSの初期開発メンバーが作っていたということもあり、何かと比較されることが多いが、その根幹として貫かれているのは「プレーヤーはチームの勝利に貢献すべきであって、敵を大量に倒してスコアを稼ぐことは無意味だ」という考え方だ。その方向性を裏付けるように、ゲームシステム内に組み入れられているのが、Reconによる敵の位置情報の提供と、TTD(Trooper Transport Device)と呼ばれる兵員輸送システム、そしてMedicの存在だ。

 まず、Recon。このクラスの存在によってFPSでありがちなレベルの高い1人のプレーヤーによる、一方的な殺戮ができなくなっている。通常CSではうまいプレーヤーは正面に躍り出て敵を倒すのではなく、側面や背後に回って敵を急襲し、敵に対応する時間を与えずに敵を倒してフラグ(スコア)を稼いでいる。が、GOでは注意深いReconが1人いれば、敵がどこから自分たちを襲うのか一目瞭然、となれば銃器が多いほうが勝つのはリアル系の鉄則である。逆に言えば、攻めるときも位置さえわかっていれば、裏から回り込んで敵を出し抜くことも可能なのだ。

 そして、TTDとMedic。GOではプレーヤーが戦闘中に死亡すると、復活するという概念ではなく、戦場に新たな部隊を投入するという解釈によって定義されている。要するにプレーヤーは一度倒れたらそれっきり、次回は別の人間として戦場に足を踏み入れることになるわけだ。交戦中に被弾し倒れてしまったプレーヤーにはふたつの選択肢が与えられる。ひとつは、その場に倒れたままMedicによる救助を待つ。ふたつめは、救助を諦め、TTDに移って一定時間待機したのち、武器を失って安全なスタート地点に復活する。

 ひとつ目の選択肢の利点は「その場で戦線に復帰でき、武器も失わない」ということ。これは“当てうる弾数の多いほうが勝つ”というのが基本概念であるリアル系では、非常に重要だ。だからこそMedicの存在意義がある。逆にTTDに移った場合、確実に一定時間で復活できるものの、武器は失う、前線まで移動するのに時間はかかるはで、“最前線に火力を集中させて敵を押し返す”というのが前提であるGOにおいては、あまりほめられた選択肢ではない。

 つまり、GOにおいて勝利するには「Reconが周囲を警戒し敵を早期に発見、CommanderやHeavyGunnerが敵を排除、傷つき倒れた味方はMedicが回復させて戦線を維持する」というチームとして、プレーヤー同士が有機的に動くことが非常に重要になってくる。そして、ばらばらに動きがちなプレーヤー同士のまとめ役として動くのがIntelligence Officer(情報将校)という存在だ。チームメイトから送られてくる情報を元に、マップのどこに部隊を配置し、どこから敵に攻め入るか、そういった指揮官としての能力が要求される難しいクラスだが、それだけにこの動き方ができたときの達成感たるや、筆舌に尽くしがたいものがある。

Intelligence Officerのゲーム画面、マップ上にビーコンを置くことで、どの地点にチームを集結させるかなどを、チームメイトに伝えやすくなる マップ各所に設置された監視カメラのコントロールパネル。これを制圧することでIntelligence Officerがマップの各所を監視することが可能になる 南極ステージのTTD。ステージによってはトラックだったり、兵員輸送車(APC)だったりとその国の特殊部隊事情に沿ったものが設定されている


■ ステージのひとつを誌上リプレイ!

 さて、実際のプレイはどんな感じなのか、USAステージのスクリーンショットを使って誌上リプレイを体験していただこう。ちなみにこれは理想的な展開だった場合なので、実際はもっと時間がかかっているし、スクリーンショット内のステージタイムなども前後している。とりあえずゲームの雰囲気をつかんでいただければと思う。

ミッションブリーフィング
作戦背景に関するミッションブリーフィング、実際の作戦目標に関するチームブリーフィングを受け、最後に武装を決める

作戦開始!
筆者のチームはダム中央の螺旋階段を使って一気に守備対象であるタービン室へ直行することに。しっかり隊列を作って階段をくだり、渡り廊下をカバーしながら進んでいく。ちなみに緑色の丸がReaconから送られてきたGPSによる位置情報だ

GPSユニットによる捜索
GPSユニットを使って敵の影を捉えた! 通路奥の階段を使ってタービン室へ向かってくるようだ。GPSユニットによって事前に突入を察知してるので、余裕を持って対応する

戦闘、そして戦死
が、応射のためにGPSユニットを手放してしまったので、後続の敵に肉薄される! いったん後退して、攻撃を試みるもののあえなくやられてしまう。圧倒的不利な状態でMedicの援護も期待できないため、いったんRespawnしてTTDまで戻ることにする

監視カメラ
復活までの間、監視カメラを利用して戦況を把握することに。次のチームがすでに到着し、展開を始めているがその都度各個撃破されていく。そればかりか、タービンに爆弾を仕掛けられてしまった!

反撃
第二波がダム内タービン室に再び突入! 筆者は渡り廊下から敵を狙撃し、先行した隊員の援護をする

クリア!
爆弾設置地点の安全を確保し、爆弾解体を始める。赤、青、黄どれかのコードをきればタイマーが止まるはずなので、解体デバイスを使ってどのコードをきればいいのか調べる。残り3秒、正解である赤色のコードを切断、爆弾は無力化され、任務は無事終了した


■ ゲーム内容を確実に理解できるのがうれしい、ハイレベルな日本語化

 さて、最後に気になる日本語化の内容だが、吹き替え、コンソール部分の邦訳などは雰囲気を壊さずプレイできるように十分な配慮がなされている。一部の邦訳に多少不満が残るものの、全体的に見れば及第点の仕上がりといえる。ここ最近、レベルの高い日本語訳が施されたゲームを定期的に提供しているエレクトロニック・アーツ・スクウェアならではだろう。

 また、パッチに関しても心配はいらない。開発元であるBarking Dog Studiosから日本や韓国といった2バイト文字圏の環境用パッチが英語版と平行して開発されているので、英語版パッチが先行リリースされ1週間ほど英語版のサーバーに入れませんでした。という悔しい思いをしなくてもすむのはうれしいところだ。

 とにかくGOはチーム戦を重視した一本だ。目に入るものすべてを撃ちつくすようなFPSに少々疲れたというプレーヤーに特にオススメしたいFPSである。

(c)2002 Crave Entertainment, Inc. All rights reserved. Co-published and distributed by Crave Entertainment, Inc. and Electronic Arts Inc. Global Operations, Crave Entertainment and the Crave Entertainment Logo are either trademarks or registered trademarks of Crave Entertainment, Inc. in the U.S. and other countries. Electronic Arts is a trademark or registered trademark of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. Developed by Barking Dog Studios Limited. LITHTECH・game engine licensed from LithTech, Inc. (c) 1997-2000 LithTech, Inc. All Rights Reserved. LITHTECH and the LithTech logo are trademarks of LithTech, Inc. Miles Sound System. (c) 1991-1999 RAD Game Tools, Inc. All other trademarks


【Global Operations】
  • ジャンル:ジャンル:ミリタリーアクションシューティング
  • 開発元:Crave Entertainment
  • 発売元:エレクトロニック・アーツ・スクウェア
  • 価格::7,980円
  • 対応OS:Windows 98/Me/XP
  • CPU:Pentium III 500MHz以上(同 800MHz以上を推奨)
  • メモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)
  • HDD:800MB以上
  • ビデオメモリ:16MB以上(32MB以上を推奨)


□エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページ
http://japan.ea.com/
□「Global Operations」公式ホームページ
http://japan.ea.com/global_operations/dousa.html
□関連情報
【3月12日】本日到着! DEMO & PATCH 「Global Operations」 Multiplay Demo
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020312/demo0312.htm

(2002年5月2日)

[Reported by tyokuta]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.